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ジュージェ・キャバーブJoojeh Kabab レシピ

جوجه کبابジュージェ・キャバーブ

地域
中東・ペルシャ(イラン)
分量
4人分
公開
ラヴァーシュを敷いた金属の皿にのせたジュージェ・キャバーブの串。黄色い鶏肉に焼き目がつき、焼いたトマトとくし形のレモン、スマックを添えている。奥にサフランをのせたチェロウ

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ジュージェ・キャバーブは、一口大に切った鶏肉を、玉ねぎとサフランとレモンの漬け汁に漬けてから串に刺して焼く、イランの料理です。黄金色の焼き上がりと、サフランの香りが特徴です。この記事の配合では唐辛子もにんにくも使わず、香りの主役はサフランです。

ペルシア語のレシピには、炭火で焼くものも、家庭のオーブンで焼くものもあります。この記事では、ペルシア語のレシピにならって、サフランを挽いてから熱湯で色と香りを引き出し、200℃のオーブンで焼きます。焼き上がりは、色ではなく肉の中心温度で確かめます。

ジュージェ・キャバーブとは

ペルシア語では「جوجه کباب」と書きます。ジュージェはひな鶏のことです。国連食糧農業機関(FAO)の多言語用語集 AGROVOC は、「ふ化したばかりの、またはごく若い鶏」を指す言葉のペルシア語の表記に、ジュージェを使っています。キャバーブは、肉を串に刺して焼いた料理のことです。

英語版ウィキペディアは、ジュージェ・キャバーブをイランで最もよく食べられ、人気のある料理のひとつとしています。骨つきでも骨なしでも作られ、チェロウ(ゆでてから蒸らして炊く、ペルシャ式の白いご飯)にのせるか、薄いパンのラヴァーシュで包んで食べます。同じページによると、ご飯で食べるのはレストランや結婚式などの改まった席が多く、ラヴァーシュは家庭やキャバーブの店、ピクニックや旅先で多いそうです。

チェロウ・キャバーブの歴史

ご飯とキャバーブを組み合わせた「チェロウ・キャバーブ」の歴史については、イランの生活情報サイト、ベイトゥーテ(Beytoote)が、イランの文化サイト「テビヤーン」の記事として紹介しています。それによると、サファヴィー朝の時代にイランを訪れたヨーロッパの歴史家や旅行者は、ご飯料理や漬物、ジャムについては書き残したものの、チェロウ・キャバーブには触れていません。記事は、ガージャール朝の歴史書の著者の記述をもとに、カフカス地方にルーツをもつナーセロッディーン・シャーの命で、その地方のキャバーブにならって作られた可能性が高い、という見方を紹介しています。ただし、記事はその歴史書の該当する箇所を引用していません。

同じ記事によると、昔のテヘランのチェロウ・キャバーブの店では、パン、塩、こしょう、玉ねぎ、スマック(酸味のある赤いスパイス)、ドゥーグ(塩味のヨーグルトの飲みもの)かシャルバト(甘い飲みもの)が先に盆で運ばれ、熱いご飯にバターをのせ、その上に串焼きをのせて出したそうです。

この記事で読んだペルシア語の情報源には、ジュージェ・キャバーブそのものがいつ、どこで生まれたかを書いたものは見つかりませんでした。

この記事の配合

ペルシア語の生活情報サイト、チー・シー(Chishi)のジュージェ・キャバーブのレシピを土台にしました。鶏むね肉ともも肉を500gずつ使い、4人分です。チー・シーのレシピでは、鶏肉にまずサフラン液をからめて15分おき、次に油、そのあとに玉ねぎ、水切りヨーグルト、レモン汁、塩、黒こしょうを加えます。ベイトゥーテのジュージェ・キャバーブのこつの記事も、サフラン、油、レモン汁と塩の順に加えるように書いています。

玉ねぎは、チー・シーとベイトゥーテのこつの記事では薄切りや太めの棒状に切って漬け、焼く前に取り除きます。一方で、レシピ投稿サイト Cookpad のペルシア語版のレシピのひとつには、玉ねぎをすりおろしてしぼった汁だけを加える方法も出てきます。この記事では、焦げやすい玉ねぎの身を肉に残さないように、しぼり汁だけを使います。

ジュージェ・キャバーブのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 2時間40分(漬け込みを含む) 加熱 40分

スパイスの配合 4人分で計3.5g
  • スマック2g
  • 黒こしょう1.2g
  • サフラン0.3g

サフラン液

  • サフラン(ホール)(めしべを乾かした糸状のもの)(Amazon|楽天)0.3g
  • 熱湯60ml

漬け込み

  • 鶏もも肉(皮なし・骨なし)500g
  • 鶏むね肉(皮なし・骨なし)500g
  • 植物油(香りのないもの)45ml(大さじ3)
  • 玉ねぎ(すりおろして、しぼり汁だけを使う)400g(中2個)
  • ギリシャヨーグルト(水切りした濃いヨーグルト)30g(大さじ2)
  • レモン汁30ml(大さじ2)
  • 塩7g(小さじ1と1/4)
  • 黒こしょう(粉)(Amazon|楽天)1.2g(小さじ1/2)

焼く・仕上げ

  • 食塩不使用バター30g
  • トマト(小さめのもの)4個(約400g)
  • レモン(くし形に切る)1個
  • スマック(ウルシ科の実を干して砕いた、酸味のある赤いスパイス)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)

道具

  • すり鉢(小さなもの。サフランをすりつぶす)
  • 目の細かいざる(すりおろした玉ねぎをしぼる)
  • 金串(長さ20〜25cmを8本ほど。竹串なら水に浸してから使う)(Amazon|楽天)
  • 網つきの天板
  • アルミホイル(天板に敷く)
  • 刷毛
  • 料理用温度計(肉に刺して中心の温度を測るもの)(Amazon|楽天)

作り方

  1. サフランをすりつぶす

    サフラン0.3gを小さなすり鉢に入れ、すりこぎで軽くすって、粉に近い細かさにする。湿っているときは、火にかけずに乾いた場所に数分おいてからする。

  2. 熱湯でサフラン液を作る

    すりつぶしたサフランを小さな耐熱ガラスの器に移し、熱湯60mlを注ぐ。小皿でふたをして、15〜20分おく。

  3. 鶏肉を切ってサフラン液をからめる

    鶏もも肉500gと鶏むね肉500gの余分な脂と筋を除き、それぞれ3〜4cm角に切る。鶏肉は洗わず、キッチンペーパーで水気をふいてボウルに入れる。サフラン液60mlのうち45mlを加えて全体にからめ、15分おく。残りの15mlは、ふたをして冷蔵庫に入れておく。生の鶏肉をさわった手と包丁、まな板は、すぐに洗剤で洗う。

  4. 玉ねぎのしぼり汁をとる

    鶏肉をおいている間に、玉ねぎ400gをすりおろす。目の細かいざるに入れ、スプーンの背で押してしぼり、汁をとる(約200ml)。しぼりかすは使わない。

  5. 漬け汁を加える

    鶏肉に植物油45mlを加えて、全体にからめる。続けて、玉ねぎのしぼり汁、ギリシャヨーグルト30g、レモン汁30ml、塩7g、黒こしょう1.2gを加え、よく混ぜる。

  6. 冷蔵庫で漬ける

    ふたをして、冷蔵庫で2〜6時間漬ける。一晩おく場合も、翌日には焼く。

  7. オーブンを予熱して串に刺す

    換気扇を回し、オーブンを200℃で15分以上予熱する。竹串を使うときは、水に20〜30分浸しておく。天板にアルミホイルを敷いて網をのせる。鶏肉を漬け汁から取り出し、もも肉とむね肉を別々の串に、少し間をあけて刺して網に並べる。トマト4個はへたを取って横半分に切り、切り口を上にして同じ網にのせる。残った漬け汁は生の鶏肉が漬かっていたものなので、捨てる。

  8. 返しながら焼く

    中段で12分焼く。天板は熱いので、厚手のミトンで取り出す。串を返し、さらに10分焼く。

  9. サフランバターを塗って焼き上げる

    小鍋に食塩不使用バター30gを入れて弱火で溶かし、取っておいたサフラン液15mlを混ぜる。清潔な刷毛で鶏肉の両面に塗り、3〜5分焼く。

  10. 中心温度を確かめる

    もも肉とむね肉の串から、それぞれいちばん大きい1切れを選び、中心に横から温度計を刺す(先が金串に当たらないようにする)。75℃以上になっていれば焼き上がり。むね肉の串が先に75℃になったら、その串だけ取り出し、もも肉は2〜3分ずつ焼き足して測り直す。温度計がないときは、いちばん大きい1切れを中心で切り、断面に生の透明感がなく、肉汁に赤みがないことを確かめる。

  11. 盛りつける

    串から外して器に盛り、焼いたトマトとくし形に切ったレモン1個を添える。スマック2gを小皿に入れて添え、食べるときに振る。

焼きたてをチェロウにのせるか、ラヴァーシュで包み、焼いたトマトとレモンを添えて、スマックを振って食べます。

作り方の要点:サフランは挽いて、湯で引き出す

熱湯を注いで、ふたをしておく

サフランは、湯に浸すと色と香りが出ます。チー・シーのサフランの記事は、熱湯を注いだら小皿かふたで器を閉じ、15〜20分おくように書いています。この記事でも、香りが湯気と一緒に逃げにくいように、小皿でふたをします。

細かくすりつぶしてから湯を注ぐ

チー・シーのサフランの記事は、サフランを小さなすり鉢で軽くすって、粉に近い細かさにしてから湯を注ぐように書いています。ベイトゥーテのサフランの記事も、よく色が出るように、細かく粉にするように書いています。

チー・シーの記事は、湯の量が多すぎると液が薄くなるとして、小さじ1/4(0.1〜0.15g)のサフランに熱湯大さじ2〜3を目安にしています。この記事では、その目安の濃いめの側にそろえて、0.3gに60mlの熱湯を使います。

ペルシア語の情報源には、砂糖を少し加えてすりつぶす方法も出てきます。チー・シーのサフランの記事は、砂糖は甘い料理のためのもので、塩味の料理ではサフランだけですりつぶすように書いています。氷をのせて、ゆっくり溶かしながら色を出す方法も紹介されていますが、この記事では早くできる熱湯の方法にしています。

油より先にサフランをからめる

チー・シーのレシピもベイトゥーテのこつの記事も、鶏肉には油より先にサフラン液をからめます。ベイトゥーテは、先にサフランを肉にからめておかないと、玉ねぎや油、レモン汁など、ほかに入れたものにサフランの風味をとられてしまうと説明しています。手順3で、ほかの材料より先にサフラン液をからめて15分おくのはそのためです。

作り方の要点:玉ねぎとレモンの扱い

玉ねぎは、しぼり汁だけを使う

すりおろした身をそのまま漬けると、肉にはりついて焼くときに先に焦げてしまいます。ベイトゥーテのこつの記事は、すりおろした玉ねぎは肉にくっついてすぐに焦げ、肉に火が通らないうちに苦くなると書いています。チー・シーのレシピも、すりおろした玉ねぎは肉にくっつき、焼くと肉より先に焦げるとしています。この記事でしぼり汁だけを使うのはそのためです。

レモン汁は入れすぎない

ペルシア語のレシピには、レモン汁を入れすぎないように、という注意があります。Cookpad のレシピのひとつは、レモン汁が多すぎると肉が固くなり、キャバーブではなく酸っぱい味になると書いています。この記事では、チー・シーのレシピと同じく、鶏肉1kgにレモン汁30mlにとどめます。

作り方の要点:もも肉とむね肉を別の串に刺す理由

むね肉は先に焼ける

チー・シーのオーブン焼きのレシピは、むね肉ともも肉を別々の串に刺し、むね肉が先に焼けたら、その串だけ取り出すように書いています。

脂肪の少ないむね肉は、焼きすぎるとぱさつきやすい部位です。同じ串に刺すと、もも肉に合わせて焼くあいだに、むね肉が焼けすぎてしまいます。

75℃を目安にする

チー・シーのオーブン焼きのレシピは、いちばん厚い1切れの中心が74℃になっていることを確かめるように書いています。この記事では余裕をみて、75℃以上を目安にします。同じレシピは、焼き色だけで焼き上がりを判断しないように、とも書いています。サフランで黄色く色づいた鶏肉は、表面の色から中の様子がわかりにくいので、温度計で測るのがいちばん確かです。

  • いちばん大きい1切れを選び、温度計を横から刺して、先を肉の中心に置きます
  • 金串は熱くなっているので、温度計の先が串に触れると、肉より高い温度が出ます。先が串に触れないように刺します
  • 数字が止まるまで待ってから読みます

作り方の違い

炭火で焼く

チー・シーの炭火焼きのレシピは、炭が赤くなり、表面にうっすら灰がかぶって、炎や濃い煙が出なくなってから焼き始めます。はじめの数分はひんぱんに串を返し、そのあとも片面だけが長く火にあたらないように返しながら、骨なしの肉で15〜25分焼きます。サフランバターは、はじめから塗るとたれたバターで炎が上がるので、最後の数分に塗るように書いています。

骨つきで作る

ジュージェ・キャバーブは骨つきの鶏肉でも作られます。チー・シーのレシピは、手羽や肩の部分など骨つきのものは火が通るのに時間がかかるので、別の串に刺すように書いています。Cookpad のテヘランの投稿者のレシピは、鶏1羽を切り分けて使います。

漬け汁に加えるもの

Cookpad のペルシア語版のレシピには、漬け汁にマヨネーズやマスタード、パプリカのみじん切りなどを加えるものもあります。この記事では、玉ねぎ、サフラン、レモンを中心に、チー・シーのレシピにある水切りヨーグルトと黒こしょうを加えた配合にしています。

オーブンの温度

ペルシア語のオーブン焼きのレシピでも、温度はさまざまです。チー・シーは200℃で20〜30分、ベイトゥーテのこつの記事は200℃、ベイトゥーテのオーブン焼きのレシピは230℃です。Cookpad のレシピのひとつは、電気オーブンなら160℃、ガスオーブンなら180℃としています。この記事では、チー・シーにならって200℃で焼きます。

魚焼きグリルで焼く

オーブンがないときは、魚焼きグリルでも焼けます。庫内が狭いので、2回に分けて焼きます。換気扇を回し、網にアルミホイルを敷いてから並べます。串が入らないときは、短い竹串に刺すか、串に刺さずに並べます。

下の時間は、情報源にない、この記事の目安です。グリルの火力は機種によって違うので、時間ではなく中心温度で焼き上がりを決めます。

  • 両面焼きのグリル:中火で9〜11分焼きます
  • 片面焼きのグリル:中火で6分焼き、返してさらに5分焼きます

焼き上がる直前に、いったん取り出してサフランバターを塗り、もう1分焼きます。バターが熱源にたれると煙が出やすいので、塗るのは最後だけにします。熱源が近いぶんオーブンより焦げやすくなるので、焼き色が濃くなってきたらアルミホイルをかぶせます。焼き上がりは、オーブンと同じように、いちばん大きい1切れの中心が75℃以上になっていることを確かめます。トマトは、1回目と一緒に網にのせて焼きます。

手に入りにくい材料の代用

  • サフラン:代わりになるスパイスはありません。ターメリックで色をつけても、サフランの香りは出ません。スーパーのスパイス売り場にある小びんのサフランで作れます。
  • スマック:手に入らなければ、レモンを多めに搾って酸味を足します。
  • ギリシャヨーグルト:プレーンヨーグルト60gを、キッチンペーパーを敷いたざるにのせて冷蔵庫で1〜2時間水切りすると、約30gの濃いヨーグルトになります。

保存

  • 焼いたジュージェ・キャバーブ:冷蔵で2日、冷凍で1か月
  • 残ったサフラン液:冷ましてから密閉できるガラスの器に入れ、冷蔵で2〜3日。製氷皿で凍らせて保存し、使う分だけ溶かす方法もあります
  • サフランのホール:熱と湿気を避け、密閉容器に入れて保存します

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。