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ホレシュ・キャラフスKhoresh Karafs レシピ

خورش کرفسホレシュ・キャラフス

地域
中東・ペルシャ(イラン)
分量
4人分
公開
青い花模様の器に盛ったホレシュ・キャラフス。香草で緑色になった煮汁に羊肉とセロリの茎が沈んでいる。奥にサフラン色の米をのせた白いご飯

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ホレシュ・キャラフスは、セロリと羊肉を、たっぷりのパセリとミントと一緒に煮込むイランの料理です。セロリのさわやかな香りに、炒めた香草の深い緑と、アーブグーレ(未熟なぶどうの果汁)の酸味が重なります。唐辛子は使わず、スパイスはターメリックと黒こしょうだけです。

ペルシア語のレシピでは、セロリの茎と香草を、肉とは別のフライパンで炒めてから鍋に加えます。この記事でも、ペルシア語の生活情報サイトのレシピにならって、肉、セロリの茎、香草の順に時間をずらして鍋に入れ、3時間ほどかけて煮込みます。

ホレシュ・キャラフスとは

ペルシア語では「خورش کرفس」と書きます。ホレシュはご飯と一緒に食べる煮込み料理のこと、キャラフスはセロリのことです。2語を続けて言うときは、つなぎの音が入って「ホレシェ・キャラフス」と発音します。

英語版ウィキペディアは、ホレシュ・キャラフスをセロリが主役のイランの伝統的な煮込みとしています。料理の基本データをまとめた情報欄では、発祥の地を「イラン(テヘラン)」としていますが、本文にはテヘランの話は出てきません。本文には、1964年にロザー・モンタゼミーの料理書にこの料理のレシピが載った、とも書かれています。ただし、その出典の欄では、ペルシア語の書名には「モンタゼミー」とあるのに、英語の訳では著者名が「Roza Najiri」となっていて、表記が食い違っています。

イランの通信社メフル通信は、新聞「アーガーフ」の記事として、モンタゼミーの料理書『料理の技』を、イランの家庭料理を象徴する1冊に選ぶならこの本だとし、何世代にもわたって嫁入り道具の一つとされてきたと伝えています。

イランの生活情報サイト、ベイトゥーテ(Beytoote)は、ホレシュ・キャラフスを古くからあるイランのホレシュとしています。この記事で読んだペルシア語の情報源には、ホレシュ・キャラフスがいつ、どこで生まれたかを具体的に書いたものは見つかりませんでした。

肉と酸味

ペルシア語の生活情報サイト、チー・シー(Chishi)は、伝統的な作り方では羊肉か子牛の肉を使うとしています。ベイトゥーテのホレシュ・キャラフスのレシピのひとつは、子羊の肩肉かもも肉、できればすね肉を勧めています。同じサイトの肉の部位の記事も、ホレシュ・キャラフスにはすね肉を挙げています。

酸味には、アーブグーレ、レモン汁、ドライライム(乾燥させたライム)などが使われます。チー・シーは、アーブグーレがいちばん合うとしています。

この記事の配合

チー・シーの肉のホレシュ・キャラフスのレシピを土台にしました。4人分で、セロリの茎400g、パセリ150g、ミント50gを使います。チー・シーは、ミントが多すぎると味が苦く、とがってしまうとして、パセリ3に対してミント1の割合にしています。

肉は、チー・シーでは骨なしの煮込み用の肉350gです。この記事では、ベイトゥーテのレシピにならって羊の肩肉を使い、日本で手に入りやすい骨付きの角切り500g(骨を除いて約400g)にしています。チー・シーのレシピで任意になっているトマトペーストは入れていません。

ホレシュ・キャラフスのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 30分 加熱 3時間

スパイスの配合 4人分で計4.2g
  • ターメリック3g
  • 黒こしょう1.2g

肉を煮る

  • 骨付き羊肉(肩)(ラムまたはマトン。3〜4cmの角切り)(楽天)500g
  • 玉ねぎ(みじん切り)250g(大1個)
  • 植物油(香りのないもの)30ml(大さじ2)
  • ターメリック(粉)(Amazon|楽天)3g(小さじ1)
  • 黒こしょう(粉)(Amazon|楽天)1.2g(小さじ1/2)
  • 熱湯750ml
  • 熱湯(足し湯用)100ml

セロリの茎

  • セロリの茎(筋と根元の硬い部分を除いた重さ)400g
  • 植物油(香りのないもの)30ml(大さじ2)

香草

  • セロリの葉40g
  • イタリアンパセリ(葉とやわらかい茎)150g
  • ミント(生の葉)50g
  • 植物油(香りのないもの)30ml(大さじ2)

仕上げ

  • アーブグーレ(未熟なぶどうの酸っぱい果汁。ヴェルジュとも呼ばれる)(楽天)45ml(大さじ3)
  • 塩10g(小さじ1と2/3)

道具

  • 厚手の鍋(容量3L以上。ふたつき)
  • フライパン(直径24cm以上)
  • キッチンペーパー(洗った香草の水気をふく)

作り方

  1. セロリの下ごしらえをする

    セロリの葉を茎から外し、葉は香草と一緒に使う。茎は根元の硬い部分を切り落とす。太い筋があれば、端に浅く切り込みを入れ、包丁で筋をつまんで下へ引いて除く。茎400gを1.5〜2cmの長さにそろえて切る。

  2. 香草を洗って水気をふく

    セロリの葉40g、イタリアンパセリ150g、ミント50gを洗い、ざるにあげて水気をきる。キッチンペーパーで包んで、水気をしっかりふき取る。粗めのみじん切り(5mm前後)にする。細かくしすぎない。

  3. 玉ねぎとスパイスを炒める

    厚手の鍋に植物油30mlを入れて中火で温め、玉ねぎ250gを5〜7分、しんなりして薄く色づくまで炒める。濃い茶色にはしない。ターメリック3gと黒こしょう1.2gを加え、30秒炒める。

  4. 羊肉を炒める

    羊肉500gを加え、5〜7分、表面の色が変わるまで炒める。焼き色をつけようと長く炒めなくてよい。

  5. 熱湯を加えて煮る

    熱湯750mlを加え、再び沸いたらアクをすくう。ふたをして弱火にし、ごく静かに沸く火加減で煮る。ここから時間を計る。途中で煮汁が減って肉が出てきたら、足し湯用の熱湯100mlを50mlずつ加える。

  6. セロリの茎を炒めて加える

    肉を煮ているあいだに、フライパンに植物油30mlを入れて中火で温め、セロリの茎を8〜10分炒める。全体がしんなりすればよく、焦がしたり、乾かしたりしない。煮始めて45分たったら、油ごと鍋に加える。

  7. 香草を炒める

    フライパンをキッチンペーパーで軽くふき、植物油30mlを入れて弱火で温める。香草を加える(水気が残っていると油がはねるので、腕を伸ばしてフライパンから体を離して入れる)。絶えず混ぜながら8〜12分、かさが減って色がやや濃くなるまで炒める。焦がさない。

  8. 香草を加えて煮込む

    煮始めて1時間30分たったら、炒めた香草を油ごと鍋に加えて混ぜる。ふたを1〜2cmずらしてのせ、弱火で45分煮る。強く沸騰させない。

  9. アーブグーレと塩を加える

    羊肉とセロリにフォークを刺し、すっと通るほど柔らかくなっていることを確かめる。硬ければ、15分ずつ煮て確かめる。柔らかくなったら、アーブグーレ45mlのうち30mlと、塩10gを加えて混ぜる。ふたをずらしたまま15分煮る。

  10. 酸味を調えて仕上げる

    味を見て、酸味が足りなければ残りのアーブグーレ15mlを加える。ふたをずらしたまま、さらに15分ほど、煮汁に軽くとろみがつき、表面に油が浮いてくるまで煮る。火を止めて5分おく。

チェロウ(ゆでてから蒸らして炊く、ペルシャ式の白いご飯)とは別の器に盛り、ご飯にかけながら食べます。Cookpad のペルシア語版の投稿には、シーラーズ風サラダ(きゅうり、トマト、玉ねぎを刻んだサラダ)かヨーグルトを添えるものもあります。

作り方の要点:香草をたっぷり炒める理由

炒めてから鍋に入れる

チー・シーのレシピは、セロリの葉とパセリとミントを、弱火で8〜12分、かさが減って色がやや濃くなるまで炒めてから鍋に加えます。

生の香草をそのまま煮汁に入れると、水の中なので100℃前後で煮えるだけです。フライパンの油で炒めると、先に香草の水分が飛び、色がやや濃くなって、煮るだけとは違う香りになります。手順2で香草の水気をしっかりふくのは、水が残っていると油がはね、炒めるのにも時間がかかるからです。

香草は量が多くても、炒めるとかさが大きく減ります。生のままでは鍋に入りきらないほどの量を、煮汁になじむ量にまとめられるのも、先に炒める利点です。

香草は途中から、油ごと加える

炒めた香草は、炒めた油ごと鍋に入れます。チー・シーのレシピは、香草を煮込みの最初からではなく、肉とセロリが1時間30分煮えたあとに加えます。この記事でもその順にしています。炒めて煮た香草は、鮮やかな緑からくすんだ緑に変わり、煮汁も深い緑色になります。

炒めすぎると苦くなる

チー・シーのレシピは、香草の目的は柔らかく香りよくすることで、長く炒めたり強火で炒めたりすると、ホレシュの味が苦くなると書いています。手順7で弱火にし、絶えず混ぜるのは、香草の量が多く、底の部分だけが焦げやすいからです。

作り方の要点:アーブグーレは最後に入れる

柔らかくなってから酸味を加える

チー・シーのレシピは、肉とセロリが柔らかくなってからアーブグーレと塩を加えます。Cookpad のペルシア語版の投稿にも、最後の20分にアーブグーレを加えるものがあります。この記事でも、手順9で羊肉とセロリの柔らかさを確かめてから加えます。

チー・シーは、アーブグーレは製品によって酸味の強さが違うので、少しずつ加えて味を見るようにと書いています。手順9と10で、2回に分けて加えるのはそのためです。

セロリの太い筋は取る

チー・シーのレシピは、セロリに太い筋があれば、表面に小さく切り込みを入れ、包丁で下に引いて除くように書いています。手順1で筋を取るのはそのためです。

作り方の違い

豆を入れる

チー・シーには、水に一晩浸したチーティー豆(うずら豆に似たまだらの豆)か金時豆を入れ、酸味をナーレンジ(ダイダイ)のペーストでつけるレシピもあります。Cookpad のエスファハーンの投稿者のレシピは、チーティー豆と、ゴルメ・サブズィ(香草と肉の煮込み)用のミックススパイスを加えます。ベイトゥーテのレシピのひとつも、豆やトマトペーストを入れる人がいると書いています。

鶏肉で作る

英語版ウィキペディアは、鶏肉もよく使われるとしています。チー・シーの鶏肉のホレシュ・キャラフスは、鶏肉にサフラン液とターメリックをからめて焼き色がつくまで炒め、トマトペーストとにんにくを加えて、合わせて1時間ほど煮ます。この記事で読んだ羊肉や煮込み用の肉で作るレシピには、サフランは出てきませんでした。

牛肉で作る

チー・シーは子牛の肉も伝統的な肉に挙げ、ベイトゥーテの肉の部位の記事は、ホレシュには子牛の肉の方が向くとしています。牛肉で作るときは、骨なしの牛すね肉400gを3〜4cm角に切って使い、手順9で柔らかさを確かめてからアーブグーレを加えます。

香草を入れない

ベイトゥーテのレシピのひとつは、パセリもミントも使わずに、セロリと羊肉を煮て、ドライライム2〜3個を、ばらばらにならないように軽く割って入れます。同じサイトのもうひとつのレシピも、セロリ(葉と茎)だけを使ってもよいとしています。

ドライライムで酸味をつける

チー・シーは、アーブグーレの代わりにドライライムを使うなら、4人分で1〜2個とし、穴をあけてぬるま湯に30分浸し、種を除いてから、最後の30分に加えるように書いています。4個入れると酸っぱすぎたり苦くなったりすることがあり、酸味の材料をいくつも組み合わせる必要はないとしています。

トマトペーストを入れる

チー・シーのレシピは、トマトペースト大さじ1を任意としています。入れるなら、手順4で肉の色が変わったあとに加えて1分炒めます。チー・シーは、トマトペーストを入れると色が赤くなり、セロリと香草の風味が隠れやすいとしています。

手に入りにくい材料の代用

  • アーブグーレ:フランスなどで作られるヴェルジュ(verjus)でも同じように使えます。どちらもなければレモン汁で代用します。ベイトゥーテのレシピのひとつも、アーブグーレの代わりにレモン汁を挙げています。レモン汁は酸味が強いので、手順9ではまず15mlを加え、手順10で味を見ながら15mlずつ、合わせて45mlまで足します。
  • ミント:生のミントが50gそろわないときは、乾燥ミントを使います。Cookpad のペルシア語版の投稿には、2人分で乾燥ミント大さじ1(山盛り)を、炒めずに煮汁に加えるものがあります。この記事の4人分なら、乾燥ミント大さじ2(山盛り)を、手順8で炒めた香草と一緒に加えます。
  • イタリアンパセリ:葉が縮れたパセリでも作れます。茎は硬いので、葉だけを150g使います。
  • 骨付き羊肉(肩):骨なしの羊の肩肉なら400gにします。牛肉で作るときは、上の「牛肉で作る」のとおりにします。

保存

  • 冷蔵:粗熱をとって保存容器に入れ、3日
  • 冷凍:1食分ずつ小分けにして、2か月
  • 温め直すときは、弱火で混ぜながら温めます。煮詰まっていたら、水を少しずつ加えてのばします

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。