アラ・テル・ダーラAla Thel Dala レシピ
අල තෙල් දාලアラ・テル・ダーラ

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アラ・テル・ダーラは、ゆでたじゃがいもを、玉ねぎや唐辛子、カレーリーフと一緒に油で炒めたスリランカのおかずです。汁けはほとんどなく、ごはんに何品ものおかずを添える「ライス・アンド・カリー」の1品になります。
じゃがいもは皮つきのままゆでて冷まし、皮をむいてから炒めます。玉ねぎには、モルディブ・フィッシュ(ウンバラカダ)という、かつおなどを煮て、いぶして干した保存食を加えて、うまみを足します。日本では手に入りにくいので、かつお節で代用する方法も紹介します。
アラ・テル・ダーラとは
シンハラ語でアラ・テル・ダーラ(අල තෙල් දාල)と書きます。スリランカで幼少期を過ごしたブロガーのシャシ・チャールズは、この名前はおおよそ油で炒めたじゃがいもを意味すると説明しています。英語で「デビルド・ポテト」と呼ぶスリランカの人もいる、とも書いています。
この記事で語に分けてみると、アラは芋、テルは油で、ダーラは「入れる」という動詞の「入れて」の形にあたります。直訳すると「油を入れた芋」ほどの意味です。ここで読んだレシピには、語ごとの説明はありません。
アラは、じゃがいもに限らず芋類を広く指す言葉です。スリランカ農業局のシンハラ語のページでは、ヤムイモの仲間を「ヴェル・アラ」「ワトゥラ・アラ」などと呼んでいます。料理名のアラ・テル・ダーラでは、じゃがいもを指します。テル・ダーラという呼び方は、じゃがいもに限りません。シンハラ語の料理ブログ「ハビー・イズ・クッキン」には、ねぎを同じように油で炒めた「ルーヌ・コラ・テル・ダーラ」が載っています。
家ごとに違う定番のおかず
スリランカの家庭料理ブログ「ハングリー・ランカン」の書き手ロシャニ・ウィクラマシンハは、母親から最初に教わった料理のひとつとして、このレシピを紹介しています。作り方は家ごとに違い、自分でも添える料理に合わせて変えると書いています。ブログ「セイロニーズ・デリシャス・ディッシュ」は、スリランカ料理でとても人気があり、特別な日にもよく出される料理としています。
シェフのピーター・クルヴィタは料理書『ランズ・オブ・ザ・カレー・リーフ』で、アラ・テル・ダーラを、スリランカで好きだった汁けのないカレーのひとつとして紹介しています。
本場の作り方
この記事で読んだレシピのうち、ハングリー・ランカン、ブログ「エニシング・アンド・エヴリシング」、セイロニーズ・デリシャス・ディッシュ、クルヴィタ、シンハラ語のサイト「ライフィー」の5件は、どれも先にゆでたじゃがいもを使います。英語で書かれた最初の3件には、玉ねぎ、カレーリーフ、チリフレーク(粗びき唐辛子)、ターメリックが入ります。ハングリー・ランカンとエニシング・アンド・エヴリシングは、モルディブ・フィッシュも加えます。
シンハラ語で書かれ、分量までそろったアラ・テル・ダーラのレシピは、この記事では読むことができませんでした。シンハラ語で読めたのは、揚げて作るライフィーのレシピで、分量も一部だけです。そのため、この記事の配合は、スリランカの書き手が英語で書いたハングリー・ランカンのレシピを土台にしています。分量がグラムで書かれていて、手順もいちばん詳しいためです。ランペー(パンダンリーフ)とシナモンで香りをつけた油で、玉ねぎをじっくり茶色くなるまで炒め、最後にふたをして弱火で焼き色をつける作り方です。この記事では、エニシング・アンド・エヴリシングのレシピにならって、最初にマスタードシードを油で弾けさせる工程を足しています。
アラ・テル・ダーラのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 40分(じゃがいもをゆでて冷ます時間を含む) 加熱 25分
- 赤唐辛子3.5g
- マスタードシード1.8g
- ターメリック1g
- シナモン1g
- 黒こしょう0.8g
じゃがいもをゆでる
- じゃがいも(メークインなど煮くずれしにくいもの)500g(中4個)
- 水1.5L
玉ねぎの下準備
炒める
道具
- 鍋(じゃがいもをゆでる。直径18〜20cm)
- フライパン(ふたつき、直径26cm前後。フッ素樹脂加工のものが使いやすい)
作り方
じゃがいもをゆでる
じゃがいもをよく洗い、皮つきのまま鍋に入れる。水1.5Lを注いで中火にかけ、沸騰したら弱めの中火にして15〜20分ゆでる。竹串を刺して、中心にわずかに手ごたえが残るくらいで引き上げる。ゆですぎると炒めるときに崩れる。
冷まして切る
ざるに上げて10分ほど冷ます。皮をむき、3cm角に切る。
玉ねぎに香辛料をまぶす
ボウルに玉ねぎ150g、チリフレーク3.5g、ターメリック1g、黒こしょう0.8gを入れ、手でよく混ぜる。
スパイスを油で弾けさせる
フライパンにココナッツオイル27gを中火で熱し、マスタードシード1.8gを入れる。パチパチと弾け始めたら(30秒〜1分)、種が飛ぶのでふたを半分かぶせる。弾ける音が落ち着いたら、シナモン3cm、ランペー5cm、カレーリーフ12枚を加えて10秒混ぜる(カレーリーフの水分で油がはねるので注意)。
玉ねぎを炒める
3の玉ねぎ、モルディブ・フィッシュ5g、青唐辛子4本、塩5gを加えて混ぜる。唐辛子が油で熱されて刺激のある煙が出るので、換気扇を回す。弱めの中火で、ときどき混ぜながら8〜10分、玉ねぎが茶色く色づくまで炒める。
じゃがいもと合わせて焼き色をつける
2のじゃがいもを加え、崩さないようにへらで底から返して、玉ねぎとスパイスを全体にからめる。ふたをしてごく弱火で10分焼き、途中で1回静かに返して、フライパンに接した面に焼き色をつける。シナモンとランペーは食べないので、盛り付けるときに除く。
ごはんに、パリップ(レッドレンズ豆のココナッツミルク煮)や肉のカレーを添えて食べます。
じゃがいもの選び方とゆで方
煮くずれしにくいじゃがいもを選ぶ
炒めて混ぜるアラ・テル・ダーラには、形を保ちやすいじゃがいもが向いています。ハングリー・ランカンは、でんぷんの多いじゃがいもはゆでると崩れやすいので、粘質のじゃがいもを使うよう勧めています。日本のじゃがいもでは、男爵よりメークインのほうが粘質に近い性質です。
中弱火でゆで、ゆですぎない
ハングリー・ランカンは、じゃがいもを中弱火でゆでるよう書いています。火が強いと、熱が中心に届く前に外側だけが先に煮えてしまうからです。手順1で、沸騰したら弱めの中火にするのはそのためです。
ゆですぎると、じゃがいもは炒めるときに崩れます。手順1で、中心にわずかに手ごたえが残るくらいで引き上げるのはそのためです。クルヴィタも、柔らかくしすぎないよう注意しています。
少し冷ましてから皮をむく
ハングリー・ランカンは、ゆでたじゃがいもを少し冷ましてから皮をむいて切っています。手順2で10分ほど冷ますのは、それにならったものです。
玉ねぎとモルディブ・フィッシュを先に炒める理由
玉ねぎは入れすぎない
玉ねぎは水分が多く、水分が残っているあいだ、フライパンの中は100℃前後までしか上がらないので、玉ねぎは炒めるというより蒸し煮の状態になります。ハングリー・ランカンは、玉ねぎを多く入れすぎると水分が出て、炒めるのではなく蒸した状態になると注意しています。この記事で玉ねぎをじゃがいもの重さの3割にとどめ、先に玉ねぎだけを8〜10分炒めるのはそのためです。
唐辛子を油で炒める
チリフレークを玉ねぎにまぶしてから油で炒めると、唐辛子の色と辛みが油になじみ、その油がじゃがいもの表面全体にからみます。
うまみを足す
モルディブ・フィッシュは、かつおなどを煮て、いぶして、木のように硬くなるまで天日で干したものです。英語版ウィキペディアは、スリランカの野菜のおかずにとろみ・風味・たんぱく質を加える材料で、東南アジアの魚醤やえびペーストにあたるものだと説明しています。玉ねぎと一緒に炒めることで、少ない量でも全体に行き渡ります。
ふたをして焼き色をつける
ハングリー・ランカンは、じゃがいもと玉ねぎを合わせたら、ふたをしてごく弱火で約10分加熱し、フライパンに接した面を茶色く色づけています。手順6は、これにならったものです。
家庭による違い
- にんにくを入れる:エニシング・アンド・エヴリシングは、にんにく3片を玉ねぎと一緒に炒めます。
- クミンを入れる:セイロニーズ・デリシャス・ディッシュは、クミンパウダーを小さじ1/4加えます。モルディブ・フィッシュは使いません。書き手は、普通はじゃがいもの皮をむくが、自分は皮つきのまま使うと書いています。
- 揚げてから合わせる:ライフィーは、ゆでたじゃがいもと玉ねぎをたっぷりの油で揚げ、チリフレーク、青唐辛子、モルディブ・フィッシュの粉、砂糖を炒めたものと合わせて、ライム汁で仕上げる「アラ・バドゥマ」を紹介しています。
- 生のじゃがいもから作るインド風:シンハラ語のサイト「マハメーガ」は、生のじゃがいもを小さく切り、ギーやココナッツオイルで蒸し焼きにする作り方を「インド風」として紹介し、北インドの人がチャパティに添えてよく作ると書いています。
- 汁けのあるじゃがいものカレー:スリランカには、じゃがいもをココナッツミルクで煮る汁ありのカレーもあります。タミル語のサイト「マニタン」は、スリランカ式として、じゃがいもをランペーやカレーリーフと煮てココナッツミルクを加え、最後にテンパリング(油で炒めた玉ねぎやカレーリーフ)をかける作り方を紹介しています。
- ほかの食べ方:クルヴィタは、ドーサ(米と豆の生地の薄焼き)に包んで英語でいうマサラ・ドーサにしたり、プーリー(揚げパン)に添えたり、ロティで巻いて軽食にしたりできるとしています。
手に入りにくい材料の代用
- モルディブ・フィッシュ:かつお節で代用できます。どちらも、かつおなどを煮て、いぶして、干したものです。日本のかつお節のうち、かびをつける「枯節」より、かびをつけない「荒節」のほうが作り方が近く、スーパーで売っている花かつお(薄く削ったもの)は、荒節を削ったものが一般的です。
- 花かつおを使う場合:同じ重さの5gを用意し、袋の上から手でもんで細かくします。薄い削り節は焦げやすいので、手順5では最初に入れず、玉ねぎが色づき始めたところ(炒め始めて5分ほど)で加えます。
- 粉がつおを使う場合:5gを、花かつおと同じく玉ねぎが色づき始めたところで加えます。
- 干しえびを使う場合:ハングリー・ランカンは、小さな干しえびや干した小魚を粗く挽いて代わりに使うよう勧めています。干しえび5gを細かく刻み、手順5の最初に加えます。
- カレーリーフ:乾燥のものを同じ枚数使えます。香りは弱くなります。手に入らなければ省きます。代わりになる香りはありません。
- ランペー(パンダンリーフ):冷凍のものも使えます。手に入らなければ省きます。
- セイロンシナモン:普通のシナモンスティック(カシア)なら2cmにします。カシアは香りが強いためです。
- マスタードシード:省けます。その場合は、手順4でココナッツオイルを熱したら、すぐにシナモン、ランペー、カレーリーフを入れます。
- 青唐辛子:ししとう4本で代用し、チリフレークを0.9g(小さじ1/2)増やします。
- ココナッツオイル:サラダ油を同じ量使えます。ココナッツの香りはなくなります。
保存
- 冷蔵:保存容器に入れて2日。フライパンで弱火で温め直します
- 冷凍:じゃがいもは冷凍すると食感がぼそぼそになるので、向きません
スリランカのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- Hungry Lankan「Sri Lankan potato fry (Ala thel dala)」(英語)
- Anything & Everything by Bhagya(ブログ)「Tempered Potato (අල තෙල් දාල )」(英語)
- Ceylonese Delicious Dishes(ブログ)「Devilled Potatoes අල තෙල් දාල」(英語)
- Lifie.lk「වෙනස් රසවලින් අල කරි හදමු」(シンハラ語)
- ckbk(Peter Kuruvita『Lands of the Curry Leaf』)「Ala thel dala」(英語)
- Savory Spin(ブログ)「Sri Lankan Deviled Potatoes – Ala Thel Dala」(英語)
- hubbyIScookin(ブログ)「ලූණු කොළ තෙල් දාලා」(シンハラ語)
- Department of Agriculture Sri Lanka「වැල් අල」(シンハラ語)
- Mahamegha「ඉන්දියානු රසට අල බැදුමක් කමු」(シンハラ語)
- Manithan「வீட்டில் உருளைக்கிழங்கு இருக்கா? அப்போ இலங்கை முறையில் இந்த கறியை செய்து பாருங்க」(タミル語)
- Wikipedia「Maldives fish」(英語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。