ブラック・ポーク・カレーKalu Uru Mas Kariya レシピ
කළු ඌරු මස් කරියカル・ウール・マス・カリヤ

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ブラック・ポーク・カレーは、豚肉を、濃い色にローストしたカレーパウダーと、干した酸味の果実ゴラカー、黒こしょうで煮込んだスリランカのカレーです。名前のとおり、仕上がりは黒に近い焦げ茶色です。汁けは少なく、脂の甘みとゴラカーの酸味、こしょうの辛みが肉にからみます。
この記事では、ハングリー・ランカンの2件のレシピと同じく、豚肩ロースを使います。スパイスとゴラカーのペーストで下味をつけ、ローストしたカレーパウダーを油でさらに色づけてから、弱火で1時間煮ます。
ブラック・ポーク・カレーとは
シンハラ語ではカル・ウール・マス・カリヤ(කළු ඌරු මස් කරිය)と呼びます。語に分けると、カルは「黒い」、ウール・マスは「豚肉」(ウールは豚、マスは肉)、カリヤは「カレー」です。英語では「ブラック・ポーク・カレー」と呼ばれます。
シンハラ語の料理ブログ「ムフヌポテ・ムルタンゲ」は、フェイスブックのグループに投稿された豚肉料理のレシピを、題名の一覧で紹介しています。その中には「ウール・マス・カルワタ」(黒っぽく仕上げた豚肉)や、英語をそのままシンハラ文字で書いた「ポーク・ブラック・カリ」など、黒い豚肉のカレーの投稿がいくつも並んでいます。
スリランカでよく知られた豚肉料理
スリランカの家庭料理ブログ「ハングリー・ランカン」の書き手ロシャニ・ウィクラマシンハは、ブラック・ポーク・カレーを、スリランカでいちばん有名な豚肉料理と紹介しています。シンハラ語の生活情報サイト「デイリーライフ」は、スリランカの村の家庭料理の味として、このカレーの作り方を紹介しています。
いつ、どの地域でこの料理が生まれたかについては、この記事で読んだ情報源には説明がありませんでした。
黒い色のもと
ハングリー・ランカンは、色を出す材料として、ゴラカー(挽きたてがよい)、もともと色の濃いローストしたカレーパウダー、挽きたての黒こしょうを挙げています。弱火で長く煮るほど色が濃くなるとも書いています。
ゴラカーは、ガルシニア属の木(ガルシニア・グンミグッタ)の果実の皮を干したもので、強い酸味があります。英語版ウィキペディアによると、干した果皮は濃い茶色か黒です。ローストしたカレーパウダーは、コリアンダーやクミンなどのスパイスを炒って作るカレーパウダーです。ハングリー・ランカンは、ふつうのカレーパウダーより色が濃く、風味が強いと説明しています。
本場の作り方
この記事では、次の3件のレシピを読み比べました。
- ハングリー・ランカンの「カル・ウール・マス・カリ」:ゴラカーのペーストと、カルダモン、クローブ、黒こしょう、しょうが、にんにく、カレーリーフをすりつぶしたもので、豚肉に下味をつけます。シナモンを入れた油でローストしたカレーパウダーを炒め、玉ねぎとランペー(パンダンリーフ)を加えて、豚肉を約1時間煮ます。
- ハングリー・ランカンの「スリランカン・ブラック・ポーク・カレー」:同じブログの4人分のレシピです。ローストしたカレーパウダー、ゴラカーのペースト、黒こしょうで豚肉に下味をつけ、炒らないカレーパウダーと唐辛子の粉を油で黒に近い焦げ茶色まで炒めてから、レモングラスなどと煮ます。
- デイリーライフ(シンハラ語):ローストしたカレーパウダーとローストした唐辛子の粉、ターメリック、黒こしょうで下味をつけます。ゴラカーは使わず、酢を小さじ1加えます。カルダモン、クローブ、シナモン、レモングラス、カレーリーフを玉ねぎと炒め、豚肉を30〜40分煮ます。
この記事の配合は、2件のハングリー・ランカンのレシピを土台にしています。下味は「カル・ウール・マス・カリ」のすりつぶしたペーストに、「スリランカン・ブラック・ポーク・カレー」と同じくローストしたカレーパウダーを加えます。レモングラスはデイリーライフと「スリランカン・ブラック・ポーク・カレー」から、青唐辛子はデイリーライフから入れています。
水は、この記事では150mlにしています。「スリランカン・ブラック・ポーク・カレー」は同じ4人分で1/4カップ(約60ml)、「カル・ウール・マス・カリ」は豚肉600gに換算すると約110mlです。ごく弱火で60分煮るあいだに鍋底が焦げつかないよう少し多めにし、最後にふたを取って煮詰めます。
ブラック・ポーク・カレーのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 50分(ゴラカーを浸す時間と漬け込みの30分を含む) 加熱 1時間20分
- ロースト・カレーパウダー7.5g
- 黒こしょう2.5g
- 赤唐辛子2g
- シナモン1.5g
- グリーンカルダモン0.6g
- クローブ0.3g
下味
炒めて煮る
作り方
ゴラカーを湯に浸す
ゴラカー2片を小さな器に入れ、湯30mlを注いで20分おき、柔らかくする。
豚肉を切る
豚肩ロース600gを3cm角に切る。
スパイスと香味野菜をすりつぶす
カルダモン3粒はさやを割って種を出し、さやは除く。すり鉢に黒こしょう2.5g、カルダモンの種、クローブ3粒を入れ、細かくすりつぶす。1のゴラカーをキッチンばさみで細かく切り、浸した湯ごと加えてすりつぶし、ペーストにする。しょうが10g、にんにく20g、カレーリーフ8枚を加え、粗いペーストにする。
下味をつける
ボウルに2の豚肉、3のペースト、ローストしたカレーパウダー5g、塩5gを入れ、手でよくもみ込む。ふたをして冷蔵庫で30分〜一晩おく。
カレーパウダーを油で炒める
厚手の鍋にココナッツオイル13gを中火で熱し、シナモン5cmを入れる。細かい泡が立って香りが出たら(20〜30秒)弱火にし、ローストしたカレーパウダー2.5g、レッドチリパウダー2g、塩2gを加えて10〜20秒混ぜる。粉がひと色濃くなったら、すぐに次の材料を入れる。唐辛子が熱されて刺激のある煙が出るので、換気扇を回す。焦がすと苦くなる。
玉ねぎと香りの葉を炒める
玉ねぎ80g、ランペー10cm、レモングラス10cm、カレーリーフ8枚、青唐辛子1本を加える(カレーリーフの水分で油がはねるので注意)。中火にし、3〜4分、玉ねぎがしんなりするまで炒める。
豚肉を弱火で煮る
4の豚肉を下味ごと加え、2分炒めて全体に油とスパイスをからめる。水150mlを加えて混ぜ、煮立ったらふたをして、ごく弱火で60分煮る。焦げつかないよう、15分ごとに鍋底から混ぜる。60分たったら肉を1切れ取り出し、指で押してほぐれるほど柔らかくなっているか確かめる。硬ければ、ふたをしてごく弱火でさらに10〜15分煮る。
煮詰めて仕上げる
ふたを取って中火にし、ときどき混ぜながら5〜10分、汁がとろりと肉にからむまで煮詰める。いちばん大きい肉を1切れ切り、中まで火が通って赤い肉汁が出ないことを確かめる(料理用温度計なら中心が75℃以上)。シナモン、ランペー、レモングラスは食べないので、盛り付けるときに除く。
ごはんに、パリップ(レッドレンズ豆のココナッツミルク煮)や野菜のおかずを添えて食べます。ストリングホッパー(米粉の細い蒸し麺)やパンにも合わせます。
ローストしたカレーパウダーで黒く香ばしくする
炒った粉と炒らない粉
乾いた鍋で炒ると、スパイスは色が濃くなり、香ばしい香りがつきます。
シンハラ語の女性向けサイト「スマートレディ」は、ニキニ・バンダーラの本『ガメー・ケーマ』(村の料理)から、カレーパウダーの作り方を紹介しています。ふだんのカレー用のカレーパウダーは炒らずに作ります。肉や魚、若いジャックフルーツ(ポロス)のカレー用の配合は、炒らずに挽いておき、濃い色にしたいときに、その日に使う分だけを炒るとしています。全部を炒っておくと、魚などの料理をいつも同じ色で作ることになるからだと説明しています。
油で炒めるのは10〜20秒
手順5では、ローストしたカレーパウダーを、さらに油で炒めます。ハングリー・ランカンは、ローストしたカレーパウダーは油で炒めるとさらに色が濃くなると書いています。
ただし、粉のスパイスは粒が細かく、すぐに焦げます。焦がすと苦みが出るので、ハングリー・ランカンも焦がさないよう注意しています。シナモンで油の温度を確かめてから弱火にし、10〜20秒、ひと色濃くなったところで玉ねぎを入れて温度を下げます。
豚肩ロースを弱火で1時間煮る
柔らかくなるまで時間をかける
ハングリー・ランカンは、少なくとも1時間、指でほぐれるくらい柔らかくなるまで煮るよう書いています。手順7では、ふたをしてごく弱火で60分煮てから、1切れを取り出して柔らかさを確かめます。水が少なくても、ふたをしておけば、肉から出た汁と合わさって煮汁になります。焦げつかないよう、15分ごとに鍋底から混ぜます。
ゴラカーの酸味
ハングリー・ランカンは、ゴラカーが肉を柔らかくすると書いています。デイリーライフも、鍋に酢やタマリンドを加えるのは、肉を少し柔らかくするためだとしています。この記事では、柔らかくなるまでの目安を手順7の煮る時間で確かめ、ゴラカーは酸味と濃い色を加える材料として使っています。
家庭による違い
- 肩とバラを合わせる:ハングリー・ランカンの書き手は、脂の少ない肩と脂の多いバラを合わせるのがいちばん好きだと書いています。この記事の材料なら、豚肩ロースのうち200gを豚バラにします。脂の多い仕上がりになります。
- 酢やタマリンドを使う:デイリーライフは、ゴラカーの代わりに酢を入れ、タマリンドでもよいとしています。ハングリー・ランカンは、タマリンドではブラック・ポーク・カレーらしい黒い色が出ないと書いています。
- 炒めずに煮る:ハングリー・ランカンの「カル・ウール・マス・カリ」は、油を控えたいときは、炒める工程を省いて材料を全部合わせ、弱火でじっくり煮てもよいとしています。油の代わりに、脂の多い豚肉から脂を溶かし出して使う方法も紹介しています。
- 先にゆでてから炒める:シンハラ語のブログ「アタンパフラ」は、脂と身が半々の豚肉の塊を、ゴラカー、ターメリック、塩と一緒に20分ゆでてから薄切りにします。それを、すりつぶしたスパイスや玉ねぎ、青唐辛子と炒め合わせます。書き手は、仕上がりを少し黒っぽいカレーと書いています。
- 米の粉でとろみをつける:シェフのピーター・クルヴィタは、オーストラリアの料理雑誌『グルメ・トラベラー』に載せた豚肉のカレーで、生の米をすり鉢で細かくして、豚バラの下味に加えています。スマートレディが紹介するニキニ・バンダーラの本でも、炒った米とココナッツを挽いた粉を、カレーのとろみづけに使っています。
手に入りにくい材料の代用
- ゴラカー:タマリンド(種なしのブロック)10gを湯30mlに浸してもみほぐし、こした汁を使います。手順3では、ゴラカーの代わりにこの汁を加えます。ハングリー・ランカンが書くとおり、ゴラカーほど黒い色は出ません。デイリーライフにならって、酢5ml(小さじ1)を手順6の青唐辛子と一緒に加える方法もあります。
- ローストしたカレーパウダー:スマートレディが紹介するニキニ・バンダーラの肉や魚用の配合は、コリアンダー、クミン、フェンネルを10:5:1で合わせ、シナモン、カルダモン、カレーリーフ、ランペー、フェヌグリーク、干したモリンガの樹皮を加えるものです。家庭で作るときは、コリアンダー(ホール)10g、クミン(ホール)5g、フェンネル(ホール)1gを、油をひかないフライパンで、1種類ずつ弱めの中火で濃い焦げ茶色になるまで炒ります。カレーリーフ5枚とランペー3cmも、ぱりっとするまで炒ります。冷ましてから、ミルで細かく挽きます。約16gでき、この記事の7.5gに足ります。煙が出るので換気扇を回します。
- カレーリーフ:乾燥のものを同じ枚数使えます。香りは弱くなります。手に入らなければ省きます。代わりになる香りはありません。
- ランペー(パンダンリーフ):冷凍のものも使えます。手に入らなければ省きます。
- レモングラス:冷凍のものも使えます。手に入らなければ省きます。
- セイロンシナモン:普通のシナモンスティック(カシア)なら3cmにします。カシアは香りが強いためです。
- 青唐辛子:ししとう1本で代用し、レッドチリパウダーを0.5g(小さじ1/4)増やします。
- レッドチリパウダー:一味唐辛子を同じ量使います。日本で「チリパウダー」として売られているものには、オレガノなどを混ぜたミックススパイスもあるので、原材料が唐辛子だけのものを選びます。
- ココナッツオイル:サラダ油を同じ量使えます。ココナッツの香りはなくなります。
保存
- 冷蔵:保存容器に入れて2日。弱火で焦げつかないように混ぜながら温め直します
- 冷凍:1か月。解凍してから、弱火で焦げつかないように混ぜながら温め直します
スリランカのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- DailyLife.lk「ගමේ රසට ඌරු මස්」(シンハラ語)
- atampahura(ブログ)「ඌරු මස් රසට ඌරු මස් කෑමට හැකි අටං රෙසපිය ( එක් අයෙකුට තනියම බයිට් එකට ගැනීමට සහ බත් වේලක් කෑමට )」(シンハラ語)
- SmartLady「සුවඳ ගුණ රකිමින් රසට තුනපහ හදමු (නිකිණි බණ්ඩාර ගේ ගමේ කෑම කෘතියෙන්)」(シンハラ語)
- Muhunupothe Muluthange(ブログ)「ඌරු මස් විවිධ රසයට」(シンハラ語)
- Hungry Lankan「Black Pork Curry (Kalu Uru-Mas Curry)」(英語)
- Hungry Lankan「Sri Lankan Black Pork Curry」(英語)
- Gourmet Traveller「Peter Kuruvita’s pork curry」(英語)
- Wikipedia「Garcinia gummi-gutta」(英語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。