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アール・コ・アチャールAloo ko Achar レシピ

आलुको अचारアールコ・アチャール

地域
ネパール(ネパール各地)
分量
4人分
公開
真鍮の器に盛ったアール・コ・アチャール。黄色く色づいたじゃがいもに白ごまがまぶされ、輪切りの青唐辛子、薄切りの玉ねぎ、パクチー、赤唐辛子がのっている。手前に搾ったレモン、奥に真鍮の皿のご飯

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アール・コ・アチャールは、ゆでたじゃがいもを、煎ってすったごまとレモン汁で和えた、ネパールのじゃがいもの和え物です。アチャールは漬物と訳されることが多い言葉ですが、この料理は長く漬け込まず、和えて30分ほどで食べられます。

仕上げに、マスタードオイルでフェヌグリークと赤唐辛子を炒め、ターメリックを加えて、熱いままじゃがいもにかけます。じゃがいもは鮮やかな黄色に染まります。ティムル(ネパールの山椒)を加えると、柑橘のような香りと、舌が軽くしびれる感じが加わります。

アール・コ・アチャールとは

ネパール語では「आलुको अचार」と書きます。アールはじゃがいも、コは「〜の」、アチャールは漬物や和え物のことで、直訳すると「じゃがいものアチャール」です。

漬け込まないアチャール

ネパールのアチャールには、油や塩で長く漬けておくものと、食べる直前に和えるものがあります。ネパールの日刊紙ナガリクで、シャム・クリシュナ・シュレスタは、アチャールを作りたてのものと漬けておくものに分け、体のためには作りたてが向いているとしています。同じ記事には、キャベツとじゃがいも、きゅうりとじゃがいものアチャールが出てきます。どちらも、ゆでたじゃがいもと野菜をごまのペースト、塩、ターメリックと混ぜ、熱した油をかけて作ります。

ニュースサイトのウカーロで、サンディヤ・スベディは、アチャールを作るときに欠かせないものとして「チョプ」を挙げています。主に、ごま、麻の実、亜麻の実をひいた粉のことです。同じ記事は、きゅうり、大根、ゆでたじゃがいもを切り、油でフェヌグリークをはぜさせてかけるアチャールにも触れています。

祭りと宴の一皿

ナガリク紙のシュシュマ・バラーリの記事は、タマンの人びとの祭り、ソナム・ロサール(新年)の食卓に、じゃがいものアチャールは欠かせないと書いています。じゃがいもに豆や大根、ラプシ(ネパールの酸っぱい果実)、ごまなどを混ぜて作るそうです。

ネパールの女性誌『ナーリ』は、VJでモデルのシュベッチャ・カドカが作る、女性の祭りティージの料理の一品として、ゆでたじゃがいもをごま、レモン汁、しょうがとにんにくで和え、マスタードオイルで炒めたフェヌグリークとターメリックをかける作り方を紹介しています。ここでは「アール・サーンデコ(和えたじゃがいも)」という名前で呼ばれています。英語のブログ「ネパーリ・オーストラリアン」は、ネパールのほとんどの宴(ボージ)に出る料理だとしています。

じゃがいもがネパールに来た道

じゃがいもは南米のアンデスの作物です。ネパールのニュースサイト、オンラインカバルの記事は、ポルトガルの人びとがインド亜大陸に持ち込み、イギリスの商人が西ベンガルに運んだとされることから、西ベンガルを経てネパールの東部に入ったと推測できる、としています。同じ記事は、ネパールでよく食べられるじゃがいもの料理として、じゃがいものおかず(タルカーリ)やアール・ダムと並べて、アチャールを挙げています。

このレシピは、『ナーリ』のティージの配合を土台にしています。そこに、ナガリク紙の記事にある水でのばしたごまのペースト、『ナーリ』の2016年の記事にある青唐辛子、クミン、パクチーを加えています。ティムルは、今回読んだネパール語のレシピには入っておらず、英語で書かれた2件のレシピにならって、この記事で加えたものです。

アール・コ・アチャールのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 15分 加熱 1時間5分(冷ましてなじませる時間を含む)

スパイスの配合 4人分で計6.6g
  • クミン2g
  • フェヌグリーク2g
  • ターメリック1.5g
  • 赤唐辛子0.6g
  • ティムル0.5g

下ゆで用

  • 水1.5L

じゃがいも

  • じゃがいも(メークインなど煮くずれしにくいもの。中4個)500g
  • 塩6g(小さじ1)
  • レモン汁30ml(大さじ2)

ごまのたれ

  • 白ごま(洗いごまでも、いりごまでもよい)27g(大さじ3)
  • 水40ml

和える

  • ティムル(ホール)(ネパールの山椒)(Amazon|楽天)0.5g(小さじ1/2)
  • クミン(パウダー)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • 玉ねぎ(薄切り)100g(中1/2個)
  • 青唐辛子(小口切り)2本(6g)
  • しょうが(すりおろし)5g(小さじ1)
  • にんにく(すりおろし)5g(小さじ1)

熱い油(ジャーンヌ)

  • マスタードオイル(Amazon|楽天)27g(大さじ2)
  • フェヌグリークシード(ホール)(ネパール語でメティ)(Amazon|楽天)2g(小さじ1/2)
  • 赤唐辛子(ホール)(鷹の爪でよい)(Amazon|楽天)2本(0.6g)
  • ターメリック(パウダー)(Amazon|楽天)1.5g(小さじ1/2)

仕上げ

  • パクチー(コリアンダーの葉)(刻む)10g

道具

  • すり鉢またはスパイスグラインダー(ごまとティムルをすりつぶす)(Amazon|楽天)
  • 小さなフライパン(油を熱する用。小鍋でもよい)

作り方

  1. じゃがいもをゆでる

    じゃがいもを皮ごとよく洗い、丸ごと鍋に入れて水1.5Lを注ぐ。強火にかけ、沸いたら中火にして20〜25分ゆでる。竹串がすっと通れば、ゆで上がり。煮すぎると和えるときにくずれる。

  2. ごまとティムルを煎る

    ゆでている間に、乾いたフライパンに白ごま27gを入れて弱めの中火にかける。フライパンをゆすりながら3〜4分、薄いきつね色になって、ぱちぱちとはねはじめるまで煎り、すぐ皿に移す。同じフライパンにティムル0.5gを入れて弱火で30秒、香りが立つまで煎る。

  3. ごまのたれとティムルを用意する

    ティムルの殻の中に黒い種があれば取り除き、すり鉢で粉にして取り出す。ごまが冷めたらすり鉢ですり、粒が少し残る程度の粉にする。水40mlを加えて混ぜ、ゆるいペーストにする。

  4. 野菜を切る

    玉ねぎ100gは薄切り、青唐辛子2本は小口切りにする。パクチー10gは刻む。

  5. 温かいうちに下味をつける

    じゃがいもをざるに上げる。熱いので、ふきんで持って皮をむき、2〜3cm角に切ってボウルに入れる。温かいうちに塩6gとレモン汁30mlを加え、じゃがいもをくずさないように大きく返して混ぜる。そのまま10分おいて、粗熱をとる。

  6. 和える

    玉ねぎ、青唐辛子、しょうが5g、にんにく5g、ごまのたれ、ティムル、クミン(パウダー)2gを加え、大きく返して混ぜる。

  7. 油を熱してフェヌグリークを炒める

    換気扇を回し、そばを離れない。小さなフライパンにマスタードオイル27gを入れて中火にかけ、表面がゆらいで薄い煙が立ちはじめるまで2〜3分熱する。火を止めて30秒おく。弱めの中火に戻し、フェヌグリークシード2gを入れて、濃い茶色になるまで10〜15秒炒める。赤唐辛子2本を加えて5秒炒め、火を止めてターメリック1.5gを加え、ひと混ぜする。

  8. 熱い油をかけてなじませる

    すぐに油ごとじゃがいもにかける。ジュッと音を立ててはねるので、顔を近づけない。全体が黄色くなるまで大きく返して混ぜ、パクチー10gを加えて混ぜる。室温で20分おいて味をなじませる。

ダール・バート(豆の汁とご飯)の食事やロティに添えるほか、前菜としても食べます。

料理科学:じゃがいもの選び方とゆで方

煮くずれしにくいじゃがいもを選ぶ

男爵などの粉質のじゃがいもはほくほくしますが、ゆでると形がくずれやすく、メークインなどの粘質のじゃがいもは、ゆでても形が残りやすいとされます。和え物にするこのレシピでは、メークインを指定しています。

皮ごとゆでてから切る

『ナーリ』の2016年の記事、ネパーリ・オーストラリアンのブログ、ダンフェ・ストアーズのレシピは、どれもじゃがいもをゆでてから皮をむいて切っています。この記事でも、丸ごと皮ごとゆでて、ゆで上がってから皮をむいて切ります。

温かいうちに塩とレモン汁を加える

手順5では、皮をむいたらすぐ、温かいうちに塩とレモン汁で下味をつけます。今回読んだネパールのレシピは、冷ましてから材料を混ぜるか、全部を一度に混ぜる作り方で、下味を先につけるのはこの記事の手順です。日本のポテトサラダでも、ゆでたじゃがいもが温かいうちに下味をつけることがよくあります。

ただし、熱いうちにほかの材料を全部入れると、玉ねぎや青唐辛子がしんなりし、ごまの香りもぼやけます。下味だけ先につけて少し冷ましてから、残りの材料で和えます。

料理科学:ごまとティムルを煎り、熱い油をかける理由

ごまは煎ってから、使う直前にする

ごまを乾いたフライパンで煎ると、メイラード反応(アミノ酸と糖が反応して、焼き色と香ばしい香りができる反応)が進み、香ばしい香りが生まれます。ぱちぱちとはねはじめたら、煎り上がりの目安です。

ダンフェ・ストアーズのレシピは、すりごまは香りが早く抜けるので、煎ってすぐにひくよう勧めています。

ティムルのしびれ

ティムルは、日本の山椒や中国の花椒の仲間の実です。オンラインカバルに寄稿したホテルの料理人は、ティムルは舌をしびれさせると書いています。ダンフェ・ストアーズのレシピは、ティムルの味を、舌に軽くしびれが走る柑橘のような刺激と書いています。

ダンフェ・ストアーズのレシピも、ティムルを煎ってからつぶしています。中の黒い種は硬いので取り除きます。

熱い油に香りと色を移す

フェヌグリークの種は、熱い油で色づくと香ばしい香りが出ますが、黒くなるまで焦がすと苦みが強くなります。手順7で、熱した油を30秒おいてから入れ、濃い茶色になったらすぐ次に進むのはそのためです。

ターメリックの粉は焦げやすいので、火を止めてから加えます。ネパーリ・オーストラリアンのブログも、火から下ろしてからターメリックを加えています。その油をかけて混ぜると、じゃがいも全体が黄色に染まります。マスタードオイルを薄い煙が立つまで熱するのは、生の油のツンとした辛味をやわらげるためとされます。junifoodsとネパーリ・オーストラリアンのブログも、油を煙が出るまで熱しています。

家庭や地域による違い

  • ごまを入れない作り方:『ナーリ』の2016年の記事のアール・コ・アチャールは、ごまを使いません。ゆでたじゃがいもに薄切りの玉ねぎ、トマト、青唐辛子、しょうが、レモン汁、クミンの粉、パクチーを混ぜ、熱したマスタードオイルで和えます。
  • 炒めて仕上げる作り方:ニュースサイトのネパールビューズのレシピは、マスタードオイルでヒング(アサフェティダ)とクミンをはぜさせ、玉ねぎと青唐辛子を炒めてから、粉のスパイスとゆでたじゃがいもを加えて2〜3分炒め、冷まします。
  • 野菜を加える:ナガリク紙の記事やネパーリ・オーストラリアンのブログは、じゃがいもに、きゅうりやにんじんを加えています。
  • ごまの色:ダンフェ・ストアーズのレシピは、ネパールの茶色いごま(カイロ・ティル)を使っています。日本の金ごまでも作れます。
  • ティムルの有無:ティムルを加える配合は、今回読んだ中では、英語で書かれたjunifoodsとダンフェ・ストアーズのレシピにありました。ネパール語の4件のレシピ(『ナーリ』の2件、ネパールビューズ、ナガリク紙)には入っていませんでした。一方で、オンラインカバルに載ったホテルの料理人の記事や、ニュースサイトのカバルハブの記事は、ティムルはアチャールによく使うとしています。ティムルは省いて作ることもできます。
  • 油の熱し方:junifoodsとネパーリ・オーストラリアンのブログは油を煙が出るまで熱し、ナガリク紙の記事は煙が出ない程度に熱するとしています。

手に入りにくい材料の代用

  • ティムル:同じ山椒の仲間の花椒(ホール)を同じ量使います。粉山椒なら小さじ1/4(0.5g)です。
  • マスタードオイル:菜種油かサラダ油24g(大さじ2)で代用できます。生のマスタードオイルのような辛味はないので、煙が出るまで熱する必要はありません。手順7では中火で1〜2分熱し、フェヌグリークを1粒入れてすぐに泡が立てば、ちょうどよい温度です。
  • フェヌグリークシード:省いて作れますが、ネパールらしい香ばしさとほろ苦さは弱くなります。
  • 青唐辛子:ししとう3本(15g)を小口切りにし、一味唐辛子0.5g(小さじ1/4)を加えます。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日。冷えると香りが弱くなるので、食べる30分前に冷蔵庫から出します
  • 冷凍:じゃがいもの食感が変わり、水っぽくなるので向きません

ネパールのほかのレシピ

もっと知りたい人へ

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  • ハロルド・マギー『マギー キッチンサイエンス』食材と加熱の仕組みを広く扱う、料理科学の定番Amazonで見る楽天で見る
  • J. Kenji López-Alt『The Food Lab』(英語)家庭料理の火の通し方や下ごしらえを、実験で確かめた本Amazonで見る楽天で見る

出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。