バンタ・コ・アチャールBhanta ko Achar レシピ
भन्टाको अचारバンタコ・アチャール

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バンタ・コ・アチャールは、なすを丸ごと直火で黒く焼いて皮をむき、刻んだ果肉を生の玉ねぎや青唐辛子と和える、ネパールの焼きなすのアチャール(和え物)です。この記事では、ネパール語の新聞に載っていた焼きなすの料理と、雑誌に載っていたじゃがいもや鶏肉の和え物のレシピを組み合わせて作ります。ティムル(ネパールの山椒)で香りをつけ、最後に、フェヌグリークを炒めた熱いマスタードオイルをジュッとかけます。
焦がした皮から移る燻したような香りと、とろりとした果肉に、生の玉ねぎの歯ざわりとティムルのしびれる柑橘の香りが重なります。火を使うのはなすを焼くところと油を熱するところだけで、あとは和えるだけです。
バンタ・コ・アチャールとは
ネパール語では「भन्टाको अचार」と書きます。バンタはなす、コは「〜の」、アチャールは漬物や和え物のことで、直訳すると「なすのアチャール」です。アチャールは漬物と訳されることが多い言葉ですが、この料理は長く漬け込まず、和えてすぐに食べます。
焼いたなすをつぶして和える料理
ネパール語の新聞「ナガリク」の2つの記事が、焼いたなすを使う料理を紹介しています。ルビー・ラウニヤールの記事は、リッティ・チョーカー(小麦粉の生地を丸めて焼いたリッティと、焼いた野菜をつぶしたチョーカーの組み合わせ)を、タライ・マデス(インドと接する南部の平野)の有名な料理として紹介しています。チョーカーは、なすとトマトとじゃがいもを火で焼いて皮をむき、つぶして、青唐辛子、にんにく、しょうが、塩と混ぜ、マスタードシードを炒めたマスタードオイルをかけるものです。
ラリトプルの食事と生活習慣のトレーナー、シャム・クリシュナ・シュレスタの記事は、家で作るアチャールのひとつとして、なすのアチャールを紹介しています。なすのネパール語の綴りは書き手によって揺れがあり、シュレスタは「भ्यान्टा」と書いています。なすを弱い火で焼いて皮をむき、細かく刻んで、しょうがとにんにくのペースト、塩、クミン、ターメリック、青唐辛子のペーストと合わせ、熱したマスタードオイルを加えます。
この記事の作り方
この記事では、上の2つのナガリクの記事のなすの焼き方と、ネパールの女性向けの月刊誌『ナーリ』に載っていたアール・サーンデコ(ゆでたじゃがいもの和え物)の和え方を組み合わせています。なすを火で焼いて皮をむくのはナガリクの2つの記事に、果肉を細かく刻むのはシュレスタのアチャールにならいました。刻んだ玉ねぎとレモン汁で和え、フェヌグリークとターメリックを炒めた油をかけるのは、アール・サーンデコの方法です。ティムルは、なすの2つのレシピには入っていませんが、『ナーリ』の同じページのチキン・サーンデコ(ゆでた鶏肉の和え物)にならって、この記事では加えています。焼く前に竹串で穴をあけること、焼いたなすをふたをして蒸らし、ぬらした指で皮をむくこと、焼き時間の目安は、ナガリクの記事には書かれていないので、この記事の方法です。
バンタ・コ・アチャールのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 15分 加熱 40分(なすを蒸らす時間を含む)
- フェヌグリーク1g
- ターメリック0.4g
- ティムル0.3g
なすを焼く
- なす(中なすなら5本、米なすなら1〜2個)400g
和える
熱い油
仕上げ
- パクチー(コリアンダーの葉)(刻む)5g(大さじ2)
作り方
なすの下ごしらえをする
なす400gは、へたを付けたまま、がくのひらひらした部分だけを切り落とす。竹串で3〜4か所穴をあける。
なすを直火で黒く焼く
焼き網を使えるかどうかを、ガスコンロの取扱説明書で確かめておく。使えない機種やIH調理器なら、魚焼きグリルかオーブンで焼く(本文の「家庭の火で焼く」を参照)。換気扇を強で回す。ガスコンロに焼き網をのせ、なすを並べて弱めの中火にかける。一度にのらなければ2回に分けて焼く。トングで1〜2分ごとに転がしながら、皮が全体に黒く焦げてしぼみ、へたの近くを押しても芯がなくなるまで焼く。時間はこの記事の目安で、中なすなら15〜20分、米なすなら20〜30分。汁が垂れて煙や炎が上がるので、焼いているあいだはそばを離れない。
蒸らして皮をむく
焼けたなすをボウルに入れ、ふたをして10分蒸らす。なすの中は熱いので、やけどに気をつける。指先を水でぬらしながら、黒い皮をむく。水に浸けたり流水で洗ったりしない。へたを切り落とし、果肉を開いて、虫食いや黒ずみがないか確かめる。果肉を包丁で粗く刻み、ボウルに入れる。
和える
ティムル0.25gは、中の黒い種があれば取り除き、すり鉢で粗くつぶす。なすのボウルに、玉ねぎ50g、青唐辛子6g、にんにく5g、しょうが5g、ティムル、塩3g、レモン汁5mlを加えて、よく混ぜる。
マスタードオイルを熱する
換気扇を回し、そばを離れない。小さなフライパンにマスタードオイル13.5gを入れて中火にかけ、表面がゆらいで薄い煙が立ちはじめるまで1〜2分熱する。煙が見えたらすぐ火を止め、30秒おいて温度を下げる。
フェヌグリークとターメリックを炒める
弱火にかけ、フェヌグリークシード1gを入れて、濃い茶色になるまで10〜15秒炒める。黒くなる前に火を止め、ターメリックパウダー0.35gを加えてひと混ぜする。
熱い油をかけて仕上げる
熱いうちに、油をスパイスごと手順4のなすに回しかける。水分の多いなすに当たって油がはねるので、顔を近づけず、ボウルの縁から注ぐ。すぐに全体を混ぜ、パクチー5gを加えて混ぜる。
ダール・バート(豆のスープとご飯)に添えて食べます。
料理科学:なすを黒くなるまで焼く理由
焦げた皮の香りが果肉に移る
バンタ・コ・アチャールの燻した香りは、焦げた皮から来ます。なすを直火にかけると、皮とそこに垂れた汁が焦げて煙が出ます。その香りが、皮の内側の柔らかい果肉にも移ります。
皮の内側では、果肉がなす自身の水分で蒸し焼きのようになるので、外が黒く焦げても、中の果肉は焦げずにとろりと柔らかくなります。皮が全体に黒くなるまで焼くのは、香りを十分につけるためと、芯まで火を通すためです。生の玉ねぎと和えるだけの料理なので、なすはここで完全に火を通しておきます。手順3で水に浸けないのは、表面についた焦げの香りをなるべく残したいからです。
家庭の火で焼く
ナガリクの2つの記事は、どちらもなすを火で直接焼いています。家庭では、ガスコンロに焼き網をのせて焼くのがいちばん近い方法です。焼き網を使えないときは、魚焼きグリルかオーブンで焼きます。
ガスコンロ:日本の家庭用のガスコンロの多くには、鍋底の温度を測るセンサーがついています。機種によっては、焼き網を使うと途中で火が弱まったり消えたりします。「焼き網モード」や「あぶりモード」がある機種もあるので、焼き網を使えるかどうかを取扱説明書で確かめてください。焼き網を使えない機種や、IH調理器の場合は、魚焼きグリルかオーブンで焼きます。焼き網を使えるコンロなら、弱めの中火で焼きます。ナガリクのアチャールの記事も、弱い火で焼くとしています。換気扇を強で回し、焼いているあいだはそばを離れません。なすから汁が垂れるので、焼いたあと、コンロが冷めてからバーナーのまわりをふきます。バーナーのまわりをアルミ箔で覆うと、空気の通り道をふさぐので覆いません。
魚焼きグリル:なすを手順1と同じように準備し、グリルに並べます。換気扇を回します。両面焼きのグリルなら強火で12〜15分、片面焼きなら6〜8分焼いて裏返し、さらに6〜8分焼きます。皮が全体に黒く焦げてしぼめばよいです。
オーブン:天板にアルミ箔を敷いてなすを並べ、250℃に予熱したオーブンの上段で25〜35分、途中で1回返して焼きます。アルミ箔でなすを覆うと蒸し焼きに近くなり、焦げの香りがつきにくいと考えられるので、覆わずに焼きます。
焼き時間は、出典のレシピに時間の記載がないため、どれもこの記事の目安です。火力となすの大きさで変わるので、皮の焦げとしぼみ具合、へたの近くの柔らかさで判断してください。
料理科学:熱い油をかける理由
スパイスの香りを油に移す
フェヌグリークの種とターメリックを熱い油で炒め、その油をかけると、スパイスの香りが和え物の全体に行き渡ります。『ナーリ』のアール・サーンデコも、油でフェヌグリークをはぜさせ、ターメリックと一緒にかけています。
フェヌグリークは、油で濃い茶色になるまで炒めると香りが立ちますが、黒くなるまで焦がすと苦みが強く出ます。油の量が少ないと温度がすぐに上がるので、手順6では弱火にして、色が変わったらすぐに火を止めます。ターメリックは火を止めてから加え、余熱で油になじませます。
マスタードオイルのツンとする辛味をやわらげる
生のマスタードオイルには、からしのような、鼻に抜けるツンとした辛味があります。油を薄い煙が立つまで熱すると、この辛味がやわらぐとされます。『ナーリ』のアール・サーンデコも、材料欄に炒ったマスタードオイルを挙げ、手順では油を熱してから使っています。
ただし、油から煙が出るのは、油が傷みはじめた合図です。熱し続けると油が傷むので、薄い煙が見えたら火を止めて少し冷まします。
ネパールの焼きなすの料理の違い
ナガリクのリッティ・チョーカーは、なすと一緒にトマトとじゃがいもを焼いてつぶし、玉ねぎは入れません。油で炒めるのはフェヌグリークではなくマスタードシードです。シュレスタのなすのアチャールは、玉ねぎとレモン汁を使わず、クミンとターメリックをなすに直接混ぜてから、熱したマスタードオイルを加えて和えます。
カトマンズの会社が作ったレシピサイト「ネパーリ・フード・レシピズ」の英語のレシピ「Eggplant Puree (Bhanti)」は、焼いたなすを玉ねぎ、にんにく、しょうが、レモン汁、塩と混ぜ、マスタードオイルでクミン、マスタードシード、フェヌグリーク、ニゲラ(黒い小さな種のスパイス)、フェンネルを炒め、ターメリックを加えてから粗くひいて、油ごとかけています。
日本のなすで作るとき
日本の中なすは1本80g前後なので、400gは5本です。米なすなら1〜2個です。小さななすは皮の割合が多いので、この記事では、皮とへたを除いた果肉を200〜230gと見込んでいます。重さのわりに皮の面積が大きいので、焦げの香りはつきやすいと考えられます。
手に入りにくい材料の代用
- マスタードオイル:からし菜の種からしぼった油で、ツンとした辛みのある香りがあります。菜種油かサラダ油で代用できます。生のマスタードオイルのような辛味はないので、煙が出るまで熱する必要はありません。手順5では中火で1分熱し、フェヌグリークを1粒入れてすぐに泡が立てば、ちょうどよい温度です。
- ティムル:同じ山椒の仲間の花椒(ホール)を同じ量使います。粉山椒なら小さじ1/8です。
- フェヌグリークシード:省いて作れますが、ネパールらしい香ばしさとほろ苦さは弱くなります。
- 青唐辛子:手に入らないときは、一味唐辛子小さじ1/8を和える段階で加えます。青い香りはなくなります。
保存
- 冷蔵:保存容器に入れて翌日まで。生の玉ねぎの香りが強くなるので、早めに食べます
- 冷凍:玉ねぎと青唐辛子の歯ざわりが変わるので、向きません
ネパールのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- Nagarik「स्वादिलो लिट्टीचोखा」(ネパール語)
- Nagarik「घरमै स्वास्थ्यवर्धक अचार कसरी बनाउने ?」(ネパール語)
- Nari「शुभेच्छा खड्का, भिजे तथा मोडल」(ネパール語)
- Nari「आलुको अचार」(ネパール語)
- Nepali Food Recipes「Eggplant Puree (Bhanti)」(英語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。