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バフ・チョイラ日本では「チョエラ」ともBuff Choila レシピ

बफ छोयलाバフ・チョイラ

地域
ネパール(カトマンズ盆地・ネワール)
分量
4人分
公開
槌目の真鍮の器に盛ったバフ・チョイラ。焦げ目のついた濃い色の角切りの肉に、青唐辛子、パクチー、スパイスがからんでいる。奥に真鍮の皿のチウラ

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バフ・チョイラは、焼いて焦げ目をつけた水牛の肉を小さく切り、しょうが、にんにく、唐辛子、ティムル(ネパールの山椒)と和えて、煙が立つまで熱したマスタードオイルをかけた料理です。カトマンズ盆地に暮らすネワールの人びとの肉料理チョイラを、伝統の水牛の肉で作ります。

昔ながらの作り方では、藁の火で肉をあぶります。家庭では、魚焼きグリルか鉄のフライパンで表面を焦がします。日本では水牛の肉が手に入りにくいので、牛もも肉で作る方法も紹介します。

バフ・チョイラとは

ネパール語では「बफ छोयला」と書きます。バフは水牛の肉のことで、英語の buffalo(水牛)を縮めた呼び名です。ネパール語の新聞やサイトでは、チョイラのつづりに2つの形があり、どちらもチョイラと読みます。南アジアの食文化を扱うウェブ誌 GOYA の記事によると、ネワール語(ネパール・バサ)では、ローマ字で chvaylā(チュワイラー)と書きます。

水牛の肉を藁の火であぶる

カンティプル紙のサイトの動画記事は、チョイラはネワールの人びとのあいだで広く作られている料理で、とくに水牛の肉で作られ、時代とともにほかの肉でも作られるようになったとしています。作り方は次のように説明しています。脂と筋を除いた肉を細長く切り、藁の火で10分ほどあぶります。あぶった肉を水で洗ってから小さく切り、しょうが、にんにく、唐辛子、クミンなどをすりつぶしたものと、熱した油で和えます。記事は洗う理由を書いていません。この記事ではグリルやフライパンで焼くので藁の灰がつかず、洗わずに切ります。

オンラインカバルの記事は、チョイラをネワールの文化を特徴づける肉料理の一つとして紹介しています。肉は水牛のほか、鶏やヤギも使われ、青唐辛子と赤唐辛子で辛くし、ターメリックやフェヌグリークの種も混ぜるとしています。

GOYA のこの記事で、ネパール在住のライター、リッディ・アグラワルは、昔は稲藁を燃やした火で水牛の肉を焼いたと書いています。ネワールの家庭のチョイラには「ハク・チョイラ」と、下味をつけた肉をゆでて作る「マナ・チョイラ」の2つがあり、ハクはネワール語で黒という意味で、火で黒く焦がすことから来た名前だとしています。アグラワルは、いまはガスやコンロが昔ながらの作り方に取って代わり、水牛の肉の代わりに鶏やきのこもよく使われるとも書いています。

祭りと供え物

ネワールの人びとには、チウラ(米を平たく押しつぶして乾かしたもの)を中心に、いくつもの料理を盛り合わせる「サマエ・バジ」という食事があります。カンティプル紙の動画記事は、チョイラをサマエ・バジに欠かせない料理とし、昔から祝い事にも使われてきたと書いています。

カンティプル紙の別冊「コセリ」で、スマンラージ・タムラカールは、サマエ・バジの5つの品を5つの元素に当てはめ、チョイラを大地にあたるものとしています。タムラカールによれば、5つの元素を表すので、5品をすべてそろえて神に供えなければならないと信じられています。また、ネワール料理ではバフの品が特別な位置を占めるとし、本来のネワールの軽食の盛り合わせにはバフ・チョイラが入っているべきだとしています。

GOYA の記事でアグラワルは、チョイラは家の神や祖先の神のほか、身を守ってもらうためにバイラヴやドゥルガーなどの神にも、供え物として捧げられると書いています。

同じ記事で、カトマンズ盆地のキルティプルで家庭料理を作るカビタ・ラウト・マハルジャンは、自分たちはマスタードオイルでしかチョイラを作らないと話しています。マハルジャンによれば、アソジ月(9月中旬〜10月中旬)の満月の日のサマエ・バジのために作るチョイラを「チョイラ・バジ」と呼びます。アグラワルは、この日にネワールの人びとが食べるのは水牛の肉のチョイラだと書いています。

店のバフ・チョイラ

オンラインカバルがカトマンズ盆地のネワール料理店7軒を紹介した記事では、キルティプルやラリトプルの店の紹介に、バフ・チョイラの名前が出てきます。鴨や鶏のチョイラを出す店もあります。

バフ・チョイラのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 50分(下味の30分を含む) 加熱 1時間(冷蔵庫でなじませる30分を含む)

スパイスの配合 4人分で計12.5g
  • 赤唐辛子4.5g
  • ティムル2g
  • フェヌグリーク2g
  • ターメリック1.5g
  • クミン1g
  • コリアンダー1g
  • 黒こしょう0.5g

肉の下味

  • 水牛の肉(脂と筋の少ないかたまり。牛肉で作るときは「手に入りにくい材料の代用」を参照)500g
  • 塩3g(小さじ1/2)
  • ターメリック(パウダー)(Amazon|楽天)1.5g(小さじ1/2)

和えるもの

  • 赤唐辛子(ホール)(乾燥したもの)(Amazon|楽天)15本(4.5g)
  • ティムル(ホール)(ネパールの山椒)(Amazon|楽天)2g(小さじ2)
  • しょうが(すりおろし)25g(大さじ1と2/3)
  • にんにく(すりおろし)25g(大さじ1と2/3)
  • クミン(パウダー)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • コリアンダー(パウダー)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • 黒こしょう(パウダー)(Amazon|楽天)0.5g(小さじ1/4)
  • 塩1.5g(小さじ1/4)

熱い油(ジャーンヌ)

  • マスタードオイル(Amazon|楽天)27g(大さじ2)
  • フェヌグリークシード(ホール)(ネパール語でメティ)(Amazon|楽天)2g(小さじ1/2)

仕上げ

  • 青唐辛子(小口切り)2本(6g)
  • 葉にんにく(小口切り。なければ「手に入りにくい材料の代用」を参照)20g
  • パクチー(コリアンダーの葉)(刻む)10g
  • レモン汁15ml(大さじ1)

道具

  • 魚焼きグリル(ガスコンロに焼き網をのせて焼いてもよい)
  • 焼き網(ガスコンロの直火で焼くとき)(Amazon|楽天)
  • 鉄のフライパン(唐辛子を炒るとき。グリルの代わりに肉を焼くときにも使う)
  • 料理用温度計(肉に刺して中心の温度を測るもの)(Amazon|楽天)
  • すり鉢
  • まな板と包丁(焼いた肉を切るときは、生の肉を切ったものとは別にするか、洗ってから使う)
  • 小さなフライパン(油を熱して回しかけるため。直径16〜20cm)

作り方

  1. 肉を切る

    水牛の肉に厚い脂身や筋のかたまりがあれば切り取る。厚さ1.5〜2cm、幅4〜5cm、長さ10cmほどの平たい棒状に切る。厚さをそろえると、焼き上がりの時間がそろう。生の肉を切ったまな板と包丁は、すぐに洗剤で洗う。

  2. 下味をつける

    肉に塩3gとターメリック1.5gをまんべんなくすり込み、冷蔵庫で30分おく。焼く直前に、表面に出た水気をキッチンペーパーでしっかりふく。

  3. 唐辛子とティムルを炒って挽く

    赤唐辛子4.5gはへたを取る。ティムル2gは中の黒い種があれば取り除く。鉄のフライパンに両方を入れ、油をひかずに弱火で1〜2分、唐辛子が少し濃い色になり、香りが立つまでゆすりながら炒る。唐辛子は焦げると刺激の強い煙が出るので、換気扇を回し、煙が出る前に火から下ろす。冷めたらすり鉢で、粒が残る程度に粗く挽く。

  4. 肉を焼いて焦げ目をつける

    換気扇を強で回す。魚焼きグリルを強火で3〜5分予熱し、肉を間隔をあけて並べる。時間はこの記事の目安で、両面焼きなら6〜8分、片面焼きなら4〜5分焼いて返し、さらに3〜4分、表面全体に濃い焼き色がつき、縁がところどころ黒く焦げるまで焼く。脂が落ちて煙や炎が上がることがあるので、焼いているあいだはそばを離れない。炎が大きく上がったら火を止め、グリルの扉は開けずに炎が収まるのを待つ。フライパンで焼くときは、鉄のフライパンを強火で薄く煙が出るまで熱し、油をひかずに肉を並べ、2〜3分ごとに返しながら全面を焦がす。焼き網を使うときは、ガスコンロで使えるかを取扱説明書で確かめてから、強めの中火で同じように焼く。

  5. 中心温度を確かめる

    いちばん厚い1切れの横から、温度計の先が中心に来るように刺す。75℃以上になっていれば、さらに1分焼いてから取り出す。足りなければ、グリルは中火にして2分ずつ、フライパンは弱めの中火にしてふたをして2分ずつ焼き、測り直す。温度計がないときは、いちばん厚い1切れを中心で切り、中まで湯気が立つほど熱く、中心の赤い色が消えて茶色っぽく変わり、押したときに出る肉汁が透明になっていることを確かめてから、さらに1分焼く。

  6. 肉を小さく切る

    バットに取り出して5分おき、粗熱を取る。洗ったまな板と包丁で、1.5〜2cm角に切ってボウルに入れる。

  7. スパイスと和える

    ボウルに、挽いた唐辛子とティムル、しょうが25g、にんにく25g、クミン(パウダー)1g、コリアンダー(パウダー)1g、黒こしょう(パウダー)0.5g、塩1.5gを加え、手かへらでよく混ぜて肉にからめる。

  8. 熱い油をかける

    換気扇を回し、そばを離れない。小さなフライパンにマスタードオイル27gを入れて強めの中火にかけ、表面がゆらいで薄い煙が立ちはじめるまで2〜3分熱する。煙が見えたらすぐ火を止め、30秒おいて温度を下げる。フェヌグリークシード2gを入れ、余熱で10〜15秒、濃い茶色になるまで炒る。黒くなる前に、油ごとボウルの肉に一気に回しかける。しょうがやにんにくの水分で油がはねるので、顔と手を離してかける。すぐに全体を混ぜる。

  9. 仕上げる

    青唐辛子6g、葉にんにく20g、パクチー10g、レモン汁15mlを加えて混ぜる。ふたかラップをして冷蔵庫で30分おき、味をなじませる。

チウラを添えて、室温で食べます。

料理科学:平たく切って強い火で焼く理由

表面が乾いていないと焦げ目がつかない

チョイラの香ばしさは、肉の表面の焼き色と焦げから来ます。肉の表面に水分が残っていると、焼き色がつきにくくなります。手順2で塩をすり込むと肉から水分が出てくるので、焼く直前にしっかりふき取ります。

厚さ1.5〜2cmの平たい形にする理由

厚い肉を強い火で焼くと、中心に火が通る前に外側が焦げすぎます。逆に薄すぎると、焦げ目がつく前に中まで火が通って固くなります。ネパールのニュースサイト、ネパール・サンサールのレシピは平たく細長く、カンティプル紙の動画記事は細長く肉を切っています。この記事では、表面が焦げるあいだに中まで火が通る厚さとして、1.5〜2cmにしています。焼いたあとで小さく切ると、どのかけらにも焦げた縁がつき、香ばしさが全体に行き渡ります。

中心温度で確かめる

チョイラは、焼いたあと温め直さずに、室温か冷やして食べます。日本の厚生労働省は家庭向けの資料で、多くの病原体は75℃で1分間以上の加熱で死滅するので、中心部まで火を通すことが重要だとしています。同じ資料は、バーベキューは火加減が難しく、生焼けになりやすいとも書いています。

牛や水牛のかたまり肉は、ステーキのように中を赤く焼いて食べることもあります。この記事では、焼いた肉を切り分けて和え、加熱し直さずに食べるので、安全側にして、手順5で中心75℃になってからさらに1分焼きます。できるだけ温度計で測り、ない場合はいちばん厚い1切れを切って、熱さ、中心の色、肉汁を合わせて確かめます。焼いた肉を切るまな板と包丁は、生の肉を切ったものとは分けるか、洗ってから使います。

料理科学:熱い油を回しかける理由

マスタードオイルは煙が立つまで熱する

ネパールでは、熱した油でスパイスの香りを出し、料理に加えることを「ジャーンヌ」といいます。イギリスの奨学金制度チーヴニングのサイトに載ったチョイラのレシピも、熱した油を肉にかける手順をこの名前で呼んでいます。

生のマスタードオイルには、からしのような、鼻に抜けるツンとした辛味があります。油を薄い煙が立つまで熱すると、このとがった辛味がやわらぐとされます。

ただし、煙は油が傷みはじめた合図です。煙が見えたら火を止めて少し冷ましてから、フェヌグリークを入れます。フェヌグリークの種は、油で濃い茶色になると香ばしくなりますが、黒くなるまで焦がすと苦みが強く出ます。

熱い油で生の香味を軽く加熱する

手順8で熱い油を回しかけると、生のしょうがとにんにくが熱い油に触れて表面から加熱され、生の青臭さがやわらぎます。鍋で炒めるのと違って加熱はごく短いので、生に近い香りも残ります。

手順3で唐辛子とティムルを炒るのは、乾いた熱で香ばしさを加えるためです。GOYA の記事は、唐辛子は油をひかずに炒るか油で軽く炒ってから、粒が残るように挽くと書いています。オンラインカバルに載った、バクタプルのレストランの料理人ラジェシュ・マハルジャンのきのこのチョイラのレシピも、炒ったティムルを使っています。

家庭や料理人による違い

この記事の分量は、ネパール・サンサールと、ネパールのニュースサイト、サバル・ポストのダサイン(ネパールの秋の大祭)の肉料理の記事に載った、ほぼ同じ内容のチョイラのレシピをもとにしています。どちらも、鶏、鴨、バフ、マトンなど、ほとんどどの肉でもチョイラは作れるとしたうえで、都市ではバフがいちばん売れるとしています。サバル・ポストは、鴨はネワールの人びとにとくに好まれるとも書いています。2つの記事の肉は「肉1kg」で、種類は決めていません。この記事では、その半分の500gを水牛の肉にしています。

2つの記事のレシピは、炭火やガスで肉を焦がさないように焼きます。この記事は、カンティプル紙の動画記事や GOYA の記事が書く藁の火の作り方に近づけて、ところどころ焦げるまで焼きます。2つの記事の材料表には赤唐辛子の分量がなく、フェヌグリークは入っていません。この記事では、オンラインカバルの記事がチョイラに混ぜるとしている、赤唐辛子とフェヌグリークの種を加えています。

GOYA の記事でアグラワルは、しょうがとにんにくのペーストと、焼いたトマトもチョイラに欠かせない材料に挙げています。ただし、供え物として作るときは、ネワールの人びとはトマトを使わないとしています。この記事は、ネパール・サンサールとカンティプル紙の作り方にならい、トマトを入れません。ラジェシュ・マハルジャンのきのこのチョイラは、焼いたトマトと玉ねぎを加え、熱した油にフェヌグリークとターメリックを入れてかけます。

チーヴニングのサイトのレシピは、ネパール出身の奨学生スシュミット・シャルマ・バッタライが、イギリスで手に入る材料に合わせたものです。バッタライは、チョイラは伝統的には水牛の肉で作るものだとしたうえで、イギリスでは水牛の肉が見つからず、自分は牛肉を食べないので、豚肉を塩漬けにしたガモンで作ったと説明しています。ガモンをフライパンで焼き、赤玉ねぎとライムの汁を加えます。

ロンドンでネパール料理のサパー・クラブ(予約制の食事会)を開いている、ネパール出身の料理人ラジーヴ・KCが料理雑誌『olive』に載せたレシピは、鶏の胸肉をゆでて作る、マナ・チョイラに近い作り方です。トマトと赤玉ねぎを加え、熱い油にターメリックを入れてからかけます。室温か冷やして食べるとしています。

キルティプルのカビタ・ラウト・マハルジャンは、冬には葉にんにくの茎を加えることもあるそうです。

手に入りにくい材料の代用

  • 水牛の肉:日本ではほとんど売られていません。牛もも肉のかたまりを同じ量使います。カンティプル紙の動画記事が脂と筋を除くとしているので、赤身の多い、筋の少ない部位を選びます。焼き方と、手順5の中心温度の確かめ方は同じにします。
  • マスタードオイル:菜種油かサラダ油で代用できます。生のマスタードオイルのような辛味はないので、煙が出るまで熱する必要はありません。手順8では中火で2分熱し、フェヌグリークを1粒入れてすぐに泡が立てば、ちょうどよい温度です。
  • ティムル:同じ山椒の仲間の花椒(ホール)を同じ量使います。粉山椒なら小さじ1/2(1g)を、手順7で加えます。
  • フェヌグリークシード:省いて作れますが、香ばしさとほろ苦さは弱くなります。
  • 赤唐辛子(ホール):一味唐辛子4g(小さじ2)で代用できます。炒らずに、手順7で加えます。
  • 青唐辛子:ししとう2本で代用できます。辛みはほとんどなくなります。
  • 葉にんにく:青ねぎを同じ量使います。チーヴニングのサイトのレシピと KC のレシピも、青ねぎを使っています。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日。食べる30分前に冷蔵庫から出します
  • 冷凍:手順6で切った肉を、和える前の状態で1か月。冷蔵庫で解凍してから、手順7から作ります

ネパールのほかのレシピ

もっと知りたい人へ

  • Jyoti Pathak『Taste of Nepal』(英語)ネパール出身の著者による、ネパールの家庭料理の本Amazonで見る楽天で見る
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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。