チキン・ジャルフレーズィーChicken Jalfrezi レシピ
चिकन जलफ्रेज़ीチキン・ジャルフレーズィー

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チキン・ジャルフレーズィーは、トマトとスパイスのマサーラーで煮た鶏肉に、強火で炒めたピーマンと玉ねぎ、青唐辛子を合わせた料理です。ソースは鶏肉にからむ程度で、汁気の少ない、炒め物に近い仕上がりです。名前の前半は、ベンガル語で「辛い」を意味する言葉から来たとされています。
この記事では、インドの料理家スワスティ・シュリーカーントのレシピにならい、鶏肉を煮る鍋とは別のフライパンで野菜を手早く炒めて、最後に合わせます。ピーマンと玉ねぎの歯ごたえと焼けた香りを残すための作り方です。
チキン・ジャルフレーズィーとは
ヒンディー語では「チキン・ジャルフレーズィー」(चिकन जलफ्रेज़ी)と書きます。英語では jalfrezi のほか、jhal frezi などさまざまにつづられます。
名前の由来
この記事で読んだ情報源のうち、名前の由来に触れている5件は、いずれもベンガル語で「辛い(料理)」を意味する言葉と結びつけて説明しています。そのうち4件は、名前の前半「ジャル」をその言葉としています。後半については、説明が分かれています。
- 料理人モニシュ・グジュラールのサイトに載っている、インドの新聞ニュー・インディアン・エクスプレスの記事は、ペルシア語の「パルヘーズィー」(適した食事)から来たとしています。
- 英語版ウィキペディアは、ベンガル語の口語「ジャル・ポルヘジ」から来た言葉で、ポルヘーズィーは「節制の食事に適した」という意味だと説明しています。
- パキスタンの新聞ジャングのウルドゥー語の記事は、後半の「フレーズィー」をペルシア語で「最良の食べ物」を指す言葉だとしています。
- スワスティ・シュリーカーントは、「フレーズィー」を炒め物のことだと説明しています。
- ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語のページは、前半と後半に分けずに、名前全体がベンガル語で「辛い料理」を意味する言葉から来たとしています。
英領インド期の残り物の炒め料理とされる話
ジャルフレーズィーは、イギリスがインドを治めていた時代(英領インド期)に生まれた料理だとされています。グジュラールのサイトの記事は、英領インド期に、残り物を唐辛子を多めにして炒め、食卓に出したのが始まりだとしています。英語版ウィキペディアは、英領インド期のベンガルで、冷めた残り物の肉を唐辛子と玉ねぎで炒めて使い切る方法として生まれ、その頃のアングロ・インディアン(インドに暮らしたイギリス系の人々)の料理書にもそうした作り方が載っていると説明しています。スワスティは、インドのベンガルの料理人が、残ったローストチキンを使い切るために考えたと書いています。
ジャングの記事も、英領インド期の料理書にジャルフレーズィーのレシピが載っていたとしています。そのうえで、南アジアでは、バングラデシュの料理として、また中華料理や、パキスタン風・インド風の中華料理として知られている、とも書いています。インドのレシピサイト、ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語のページは、ジャルフレーズィーはもともと(西)ベンガルの路上で生まれたインド風中華のカレーだとしています。野菜のジャルフレーズィーのページでは、中華の炒める技法にインドのスパイスを合わせたものだと説明しています。英領インド期の残り物料理とする話と、インド風中華の炒め物とする見方とでは、情報源によって語られ方が異なります。
いまでは残り物ではなく、生の肉や野菜で作るのが普通です。ヘッバールズ・キッチンは、残り物を使うという元の考え方は、いまではなくなったと書いています。鶏肉のほか、羊肉、魚、えび、パニール(インドのフレッシュチーズ)、野菜でも作られます。
インド、パキスタン、バングラデシュの作り方
この記事で読んだインドとパキスタンのレシピは5件で、そのすべてがピーマンを使っています。そのうち4件は、ソースの土台にする玉ねぎとは別に、角切りや薄切りの玉ねぎを具として加えています。ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語のレシピ2件と、ジャングのウルドゥー語のレシピは、トマトケチャップかトマトソースを加えます。ヘッバールズ・キッチンの野菜のページは、ジャルフレーズィーはたっぷりのソース(グレービー)を土台にしない、汁気の少ないセミドライのカレーだと説明しています。
バングラデシュのレシピもあります。電子図書館サイト「ebanglalibrary」に「チキン・ジャル・フレジ」(চিকেন ঝাল ফ্র্যাজি)の見出しで載っているベンガル語のレシピには、バングラデシュの料理研究家シッディカ・カビールの名前がタグとしてついています。このレシピはピーマンを使いません。薄切りの玉ねぎを油で炒め、しょうが・にんにく・唐辛子のペーストとカルダモン、シナモンを加えて、鶏肉を柔らかくなるまで煮ます。最後にトマトソースと青唐辛子を加えて、さらに煮ます。
配合は、スワスティのレシピを中心にしました。鶏肉はトマトのマサーラーで煮て、ピーマンと玉ねぎは別のフライパンで強火で炒め、最後に合わせます。ホールのクミンを油で熱してから玉ねぎを炒める手順は、インドの料理家ランヴィール・ブラール、ジャング、ヘッバールズ・キッチンの野菜のレシピから、トマトケチャップは、ヘッバールズ・キッチンとジャングのレシピから取り入れました。鶏肉は、ランヴィール・ブラールは胸肉、スワスティとジャングは骨なしの鶏肉としていますが、この記事では煮ても乾きにくいもも肉を使います。せん切りのしょうがと唐辛子を油で熱してから野菜を炒めるのは、スワスティとヘッバールズ・キッチンのレシピに見られる作り方です。
チキン・ジャルフレーズィーのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 30分(下味の時間を含む) 加熱 35分
- コリアンダー4g
- カシュミーリー・チリ3.8g
- クミン2g
- ガラム・マサーラー1.5g
- カスーリー・メーティー1g
- ターメリック0.8g
- 黒こしょう0.6g
- 赤唐辛子0.5g
鶏肉の下味
マサーラー(ソース)
- ギー(Amazon|楽天)26g(大さじ2)
- クミン(ホール)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
- 玉ねぎ(みじん切り用)150g(中3/4個)
- しょうが(すりおろし)7.5g(小さじ1と1/2)
- にんにく(すりおろし)7.5g(小さじ1と1/2)
- カシュミーリー・チリパウダー(Amazon|楽天)2.5g(小さじ1)
- ターメリックパウダー(Amazon|楽天)0.8g(小さじ1/4)
- コリアンダーパウダー(Amazon|楽天)4g(小さじ2)
- クミンパウダー(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
- ガラム・マサーラー(Amazon|楽天)1.5g(小さじ3/4)
- 塩6g(小さじ1)
- 完熟トマト(ピューレ用)250g(中2個)
- 湯60ml
野菜の炒め物
作り方
鶏肉に下味をつける
鶏もも肉600gを3cm角に切り、キッチンペーパーで水気をふく。塩3g、カシュミーリー・チリパウダー1.25g、黒こしょう0.6g、レモン汁10mlをもみ込み、20分おく。
野菜を切る
下味をつけている間に、完熟トマト(ピューレ用)250gをざく切りにし、ハンドブレンダーでなめらかなピューレにする。玉ねぎ(みじん切り用)150gはみじん切りにする。玉ねぎ(角切り用)100gは2cm角に切り、1枚ずつにほぐす。ピーマン150gは種を除いて2cm角に切る。完熟トマト(くし形用)100gは8等分のくし形に切り、種とまわりのゼリー状の部分を除く。しょうが10gはせん切りにし、青唐辛子2本は縦に切り込みを入れ、赤唐辛子1本は半分に折って種を出す。
玉ねぎを炒める
鍋にギー26gを中火で熱し、クミン(ホール)1gを入れる。泡が立って香りが出たら(10〜20秒)、玉ねぎ(みじん切り用)150gを加え、ときどき混ぜながら6〜8分、きつね色になるまで炒める。弱めの中火にし、しょうが(すりおろし)7.5gとにんにく(すりおろし)7.5gを加えて1分炒める。
鶏肉を炒める
強めの中火にし、下味をつけた鶏肉を汁ごと加える。3〜4分、表面の色が白く変わるまで炒める。
スパイスとトマトを炒める
弱火にし、カシュミーリー・チリパウダー2.5g、ターメリックパウダー0.8g、コリアンダーパウダー4g、クミンパウダー1g、ガラム・マサーラー1.5g、塩6gを加えて、焦がさないように30秒混ぜる。中火にし、手順2のトマトのピューレを加える。ピューレがはねるので、ふたを手に持ち、3回に分けて加える。ときどき混ぜながら6〜8分、水分がとんでぽってりし、縁に油がにじみ出るまで炒める。
湯を加えて煮る
湯60mlを加えて混ぜ、ふたをして弱めの中火で10〜12分煮る。いちばん大きい1切れを切り、中に赤みがなく、肉汁が透明なら火が通っている。ふたを取り、ソースが鶏肉にからむ程度まで、混ぜながら1〜2分煮詰める。
野菜を強火で炒める
鶏肉を煮ている間に、フライパンにギー13gを強火で熱し、赤唐辛子(ホール)1本、青唐辛子2本、しょうが(せん切り)10gを入れて10〜20秒炒める。唐辛子が焦げると刺激の強い煙が出るので、換気扇を回しておく。玉ねぎ(角切り用)100gとピーマン150gを加え、2〜3分、ところどころに焼き色がつき、まだ歯ごたえが残るまで炒める。
合わせて仕上げる
野菜をフライパンに残ったギーごと鍋に移し、完熟トマト(くし形用)100g、トマトケチャップ18gを加え、カスーリー・メーティー1gを手のひらでもみながら加える。強めの中火で1〜2分、全体を混ぜながら炒め合わせる。火を止め、刻んだパクチー5gを散らす。
ローティー(全粒粉の薄焼きパン)やナーン、またはご飯と一緒に食べます。
野菜を別のフライパンで強火で炒める理由
手順7で、ピーマンと玉ねぎだけを別のフライパンで強火で炒め、最後に合わせるのは、スワスティのレシピにならったものです。スワスティは、野菜を強火で炒めてから鶏肉に加えるこの工程を、この料理のいちばん大事なところだとし、省くと味がまったく違うものになると書いています。ヘッバールズ・キッチンのパニールのレシピも、野菜を強火で炒めて、歯ごたえを残すようにしています。
トマトのソースで鶏肉を煮ている鍋に、ピーマンと玉ねぎを直接入れると、野菜はソースの中で煮えるだけで、焼けた香りはつきません。強火のフライパンで短く炒めると、ところどころに焼き色がつきます。
スワスティは、野菜を少し柔らかくなっても歯ごたえが残るまで炒めるとしています。この記事でも、手順7で2〜3分だけ炒め、手順8で合わせてから1〜2分で火を止めます。ピーマンを柔らかくしたいときは、スワスティにならって、合わせたあとにふたをして数分煮ます。
イギリスのカレーハウスとの違い
ジャルフレーズィーはイギリスのインド料理店(カレーハウス)で広く親しまれています。グジュラールのサイトの記事と英語版ウィキペディアは、2011年の調査でイギリスのインド料理店でいちばん人気のある料理になった、と紹介しています。
英語版ウィキペディアは、20世紀のイギリスのインド料理店で「ジャルフレーズィー」といえば、決まった作り置きのソースに、カレー粉と着色料を足したものを指すことが多かったと説明しています。同じくウィキペディアによると、イギリスのジャルフレーズィーは、とろみのあるソースのカレーです。スワスティは、イギリスの店の作り方に近づけるなら、玉ねぎのみじん切りとカスーリー・メーティーを省き、トマトを減らして、カレーハウスで使う作り置きのベースのソースを加えるとしています。
この記事のジャルフレーズィーは、インドの料理家のレシピにならった、ソースが鶏肉にからむ程度の汁気の少ないものです。英語版ウィキペディアは、文化研究者アリンダム・ダースの2025年の論文を引いて、ジャルフレーズィーはインドの飲食店ではあまり見かけない料理だとしています。
手に入りにくい材料の代用
- カシュミーリー・チリパウダー:色が濃く、辛さは穏やかな唐辛子の粉です。パプリカパウダーを同じ量使い、辛みを足したいときは一味唐辛子を小さじ1/4まで加えます。
- カスーリー・メーティー:乾燥したフェヌグリークの葉です。代わりになるものがないので、手に入らなければ省きます。
- 青唐辛子:手に入らなければ、赤唐辛子(ホール)を1本増やします。青い香りはなくなります。
- ギー:サラダ油で代用できます。ギーの香ばしい香りはなくなります。
- 完熟トマト(ピューレ用):トマトの水煮缶(カット)250gで代用できます。手順2で同じようにハンドブレンダーにかけます。
保存
- 冷蔵:保存容器に入れて2日。温め直すと、ピーマンの歯ごたえは弱くなります
- 冷凍:手順6まで終えた鶏肉とマサーラーで1か月。解凍して温め直し、手順7で野菜を炒めて、手順8で合わせます
東インドのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- Jang「جلفریزی . . . جنوبی ایشیاء کا لذیز پکوان」(ウルドゥー語)
- ebanglalibrary「চিকেন ঝাল ফ্র্যাজি」(ベンガル語)
- Hebbar's Kitchen「पनीर जलफ्रेजी रेसिपी | paneer jalfrezi in hindi | रेस्टोरेंट शैली पनीर जालफ्रेजी」(ヒンディー語)
- Hebbar's Kitchen「वेज जलफ्रेज़ी रेसिपी | veg jalfrezi in hindi | वेजिटेबल जलफ्रेज़ी」(ヒンディー語)
- Ranveer Brar「Restaurant Style Chicken Jalfrezi चिकन जालफ्रेजी बेस्ट रेसिपी spicy Chicken Curry」(英語)
- Swasthi's Recipes「Chicken Jalfrezi Recipe (Restaurant Style)」(英語)
- Monish Gujral(The New Indian Express の記事)「A Spicy Legacy of the Days of the British Raj」(英語)
- Wikipedia「Jalfrezi」(英語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。