チングリ・ポラオChingri Polao レシピ
চিংড়ি পোলাওチングリ・ポラオ

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チングリ・ポラオは、えびと一緒にスパイスで炊いた、ベンガルの米料理です。玉ねぎとトマトをえびの頭のだしで炒めたモシュラ(香辛料と香味野菜を炒め合わせたもの。ヒンディー語などのマサーラー)にバースマティー米を加え、量った湯で炊き上げます。米にはえびのだしとスパイスの色が移り、ところどころに焼いたじゃがいもが入ります。
えびは最初に焼いて取り出しておき、米が炊き上がる直前に米の上へ戻します。この記事で手順まで読めたベンガル語のレシピとベンガルの書き手のレシピは、どれもえびを米とは別に先に加熱し、米をある程度炊いてから合わせていました。こうすると、20分以上かかる米の炊き時間のあいだ、えびを煮続けずにすみます。
チングリ・ポラオとは
ベンガル語では「チングリ・ポラオ」(চিংড়ি পোলাও)と書きます。チングリはえび、ポラオはプラーオ(ピラフ)のベンガル語での呼び名です。英語で書くベンガルの書き手は、chingri pulao や golda chingri polau などと綴っています。ゴルダ・チングリは大きなえびのことで、マドゥリマ(後述)はタイガープローンと説明しています。
ベンガルのポラオ
ベンガル語版ウィキペディアは、ポラオの別の呼び名として「ポランノ」を挙げています。ポラオがベンガルに入ってきた時期については、ムスリムが支配した時代に伝わったと多くの歴史家が推測している、と紹介しています。一方で同じ項目は、ギリシュチョンドロ・ベダントティルトが著書『プラチン・シルポ・ポリチョイ』(ベンガル暦1339年刊)で、ムスリムの時代より前にも、ギーで肉と一緒に炊いた米の料理があったと書いていることも挙げています。
ベンガル語版ウィキペディアは、ポラオに使う香りのよい米の例として、トゥルシマラ、バースマティー、カロジラ、チニグラを挙げています。この記事で参考にしたバングラデシュのレシピは、バースマティー米を使っています。
バングラデシュのニュースサイトのレシピ
バングラデシュのニュースサイト「コボル・ションジョグ」は、休みの日の料理としてチングリ・ポラオのレシピを載せています。同じくバングラデシュのニュースサイト「ジャゴ・ニューズ24」も、材料と分量がほぼ同じレシピを載せていますが、作り方の部分は掲載されていませんでした。
コボル・ションジョグのレシピでは、米を1時間ほど浸しているあいだに、じゃがいもを大きく切って揚げておきます。えびは塩、ターメリック、唐辛子の粉をまぶして油で軽く焼き、取り出します。外したえびの頭は、すりつぶしておきます。同じ鍋に油を足してホールスパイスを炒め、玉ねぎ、トマト、しょうが、にんにくを炒めます。油が浮いてきたら、えびの頭のペーストを加えて炒め、コリアンダーと唐辛子の粉、塩、青唐辛子を加えます。油がにじみ出てきたらヨーグルトを混ぜ、砂糖と塩、焼いたえびを加えて、ふたをして5分煮てから、えびをもう一度取り出します。そこに米とじゃがいもを加え、湯と青唐辛子を入れて、ふたをして炊きます。炊き上がったらギーを散らし、えびを上に広げて軽く混ぜ、火を止めて5分ふたをしておきます。
この記事の配合
コボル・ションジョグのレシピ(米500g・えび500g)をもとに、米300gの4人分にしました。分量の多くは、このレシピをおよそ0.6倍にしたものです。ターメリックは、元のレシピと同じく、えびの下味だけに使います。
ヨーグルトの量は、コボル・ションジョグでは、材料の欄が1/2カップ、作り方が大さじ2と食い違っています。ジャゴ・ニューズ24の材料の欄も1/2カップです。この記事では、作り方で実際に加える量として書かれている大さじ2をとり、0.6倍にはせずにそのまま使いました。
元のレシピに量が書かれていない塩、砂糖、油、湯は、この記事で量を決めました。塩は、大部分を炊く湯に入れます。
元のレシピから変えたところもあります。えびの頭は、元のレシピではすりつぶして加えるだけですが、この記事では水100mlと一緒にミキサーにかけてこし、だしだけを使います。殻のかけらが米に混ざらないようにするためです。えびの加熱も変えました。元のレシピは、軽く焼いたえびをモシュラで5分煮て、炊き上がった米にのせて火を止めます。この記事では、焼く時間を片面30秒、モシュラにからめる時間を1分に短くし、そのかわり炊き上がる4分前に米の上へ戻して、火を止めてから10分蒸らします。米の浸水は、元のレシピの1時間ではなく、マドゥリマ(30分以上)とサンジーヴ・カプール(30分)のレシピにならって30分にしました。湯は、頭のだしと合わせて700mlにしています。
チングリ・ポラオのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 40分(米を浸す時間を含む) 加熱 1時間(蒸らす時間を含む)
- コリアンダー4g
- 赤唐辛子3.7g
- ターメリック2.2g
- シナモン1g
- グリーンカルダモン0.8g
- テージ・パッター0.5g
- クローブ0.4g
えび
- 有頭えび(殻つき・1尾約30g(ブラックタイガーなど))500g(16尾前後)
えびの頭のだし
- えびの頭(上のえびから外したもの)16尾分(約170g)
- 水100ml
じゃがいもと油
- じゃがいも100g(小1個)
- サラダ油(じゃがいもとえびを焼き、モシュラもこの油で炒める)39g(大さじ3)
ホールスパイス
モシュラ
炊く
- 湯600ml
- 塩8g(小さじ1と1/3)
- 青唐辛子(縦に切り込みを入れる)2本(10g)
道具
- 厚手の鍋(ふたがぴったり閉まるもの・直径20〜22cm・容量3L前後)
- ミキサー(すり鉢でもよい)
- ボウル
- ざる
- バット
- 平たいへら
作り方
米を洗って浸す
ボウルにバースマティー米300gを入れ、水500mlを注いで指先で軽く混ぜ、水を捨てる。これを3回くり返す(計1.5L)。水1Lに30分浸す。米は折れやすいので、こすり合わせない。
えびの下ごしらえをする
有頭えび500gの頭を手でひねって外し、頭は取っておく。胴の殻をむいて尾は残し、背に浅く切り目を入れて背わたを除く。水で洗ってキッチンペーパーで水気をよくふき、塩2g、レッドチリパウダー1.2g、ターメリック2.2gをまぶす。冷蔵庫で15分おく。
えびの頭のだしをとる
外したえびの頭(16尾分)と水100mlをミキサーに入れ、頭が細かくなるまで30秒〜1分回す(すり鉢なら、頭をよくつぶしてから水100mlを加えて混ぜる)。ざるでこし、へらで押してだしを絞り出す。ざるに残った殻は捨てる。
野菜を切る
玉ねぎ100gはみじん切り、トマト60gは1cm角に切る。じゃがいも100gは皮をむいて4つに切り、水気をふく。青唐辛子4本は縦に切り込みを入れる。グリーンカルダモン4粒は、さやに切れ目を入れておく。
じゃがいもを焼く
換気扇を回す。厚手の鍋にサラダ油39gを入れて中火で熱し、じゃがいもを入れる。水気が残っていると油がはねるので、顔を近づけない。ときどき転がしながら5〜6分、表面がきつね色になるまで焼いて取り出す。中まで火が通っていなくてよい(米と一緒に炊いて仕上げる)。
えびを焼く
同じ鍋を強めの中火にし、えびを並べ入れる。油がはねるので顔を近づけない。片面30秒ずつ、表面の色が赤く変わるまで焼いて取り出す。中はまだ半透明でよい。
ホールスパイスと玉ねぎを炒める
中火にして、テジパタ2枚、シナモン1本、グリーンカルダモン4粒、クローブ4粒を入れ、香りが立つまで30秒混ぜる。玉ねぎを加え、8〜10分、きつね色になるまで炒める。
トマトとしょうが・にんにくを炒める
トマト60g、しょうが10g、にんにく15gを加え、3〜4分、トマトがくずれて鍋肌に油がにじみ出るまで炒める。
頭のだしとスパイスを加える
えびの頭のだしを全部加え、2分炒め煮にする。コリアンダー4g、レッドチリパウダー2.5g、青唐辛子2本を加えて1分炒める。焦げつきそうなら火を弱める。プレーンヨーグルト30gを加えて混ぜ、2〜3分、もう一度油がにじみ出るまで炒める。
えびにモシュラをからめる
砂糖3gと塩2gを加えて混ぜ、焼いたえびを戻して、モシュラをからめながら1分炒める。えびだけをバットに取り出す。モシュラは鍋に残す。
米とじゃがいもを加える
浸しておいた米をざるにあげ、5分おいて水気を切る。鍋に米と焼いたじゃがいもを加え、へらで底から大きく返すように1分混ぜて、モシュラを米にからめる。米が折れるので、かき回しすぎない。
湯と塩を加えて煮立てる
湯600ml、塩8g、青唐辛子2本を加えて強火にする。蒸気が勢いよく上がるので、顔を近づけない。沸騰したら一度だけ底から大きく混ぜ、中火にして、ふたをせずに4〜6分煮る。水面が米の表面まで下がり、表面にぷつぷつと小さな穴があいてきたら次へ進む。
ふたをして弱火で炊く
ふたをして、ごく弱火で8分加熱する。途中でふたを開けない。
えびを戻してギーをかける
ギー26gを溶かしておく。ふたを開け、えびをバットにたまった汁ごと米の上に広げ、溶かしたギーを全体に回しかける。すぐにふたをして、ごく弱火で4分加熱する。
蒸らして確かめる
火を止め、ふたをしたまま10分おく。いちばん太いえびを1尾切り、中まで白く不透明になっていればよい。半透明なところが残っていたら、ふたをしてごく弱火で3分加熱し、火を止めてもう一度切って確かめる。米を1粒つぶして芯が残っていたら、ふたをしてさらに5分おく。へらを鍋の縁から底まで差し入れ、米を下から持ち上げるようにして、えびと一緒にほぐす。ホールスパイスは、食べるときによける。
温かいうちに食べます。ベンガル出身のブロガー、マドゥリマは、ヤギ肉のカレー「マングシェル・ジョル」と合わせるよう勧めています。
料理科学:えびを先に焼き、最後に戻す理由
米とえびでは、火が通るまでの時間がまったく違う
この記事の米は、湯を加えてから蒸らし終わるまで、およそ30分かかります。えびは、身が小さいので数分で中まで火が通ります。加熱を続けると身が縮み、硬く、ぱさついた身になります。
えびを米と一緒に最初から炊くと、米が炊けるまでの間ずっと、えびを煮続けることになります。手順6でえびを表面だけ焼いて取り出し、手順14で炊き上がりの4分前に戻すのはそのためです。最後は米の上にのせるだけなので、えびを混ぜて米を折ることもありません。火を止めてからの10分は、鍋の中の湯気と余熱で、えびの中心まで火を通します。
先に焼くのは、焼いた香りをつけるため
焼き色と香ばしい香りは、メイラード反応で生まれます。水分の多い鍋の中では、温度は100℃前後までしか上がらず、焼き色はつきません。米と一緒に炊くだけでは焼いた香りがつかないので、炊く前に、少ない油で表面を焼いておきます。
えびにはレッドチリパウダーとターメリックをまぶし、さらにモシュラもからめているので、身の色だけでは火の通りを見分けにくくなります。手順15では、いちばん太いえびを1尾切って、中まで白く不透明になっているかを確かめます。
料理科学:えびの頭のだしと、米の水の量
頭はこして、だしだけを使う
コボル・ションジョグのレシピは、身を外したあとのえびの頭もすりつぶして、モシュラに加えます。すりつぶした頭には、硬い殻のかけらが残ります。この記事では、手順3で頭を水と一緒にミキサーにかけてからこし、殻を除いた水分だけを使います。手順9でだしを加えたら2分炒め煮にして、水分を少し飛ばしてからスパイスを加えます。
米と水の量
手順12の湯600mlと、手順9で加えた頭のだし100mlを合わせると、米300gに対して水分はおよそ700mlです。マドゥリマは、バースマティー米なら米と水分を体積で1:2にするとしています。この記事の水分は、それより少し控えめです。
地域や家庭による違い
この記事で手順まで読めた4つのレシピは、どれもえびを米とは別に先に加熱していましたが、それ以外の作り方はさまざまです。
- 白く炊くポラオ:料理ブログ「ピクチャーナーマ」のマドゥシュリー・バス・ロイのレシピは、レッドチリパウダーもトマトも使いません。バースマティー米を8割ほどゆでて湯を切り、冷ましておきます。たっぷりのギーでホールスパイスと玉ねぎを、色づけずにしんなりするまで炒め、ゆでた米、ベンガルのゴロム・モシュラ(ガラム・マサーラー)、砂糖を加えます。レモン汁としょうが、にんにくで下味をつけて弱火で焼いたえびを汁ごと戻し、ふたをして3〜4分加熱します。
- ココナッツミルクで炊く:ベンガル出身のブロガー、マドゥリマのレシピは、えびをモシュラとココナッツミルクで煮てから取り出し、その煮汁と水で米を炊きます。米は、ベンガルの粒の小さな香り米ゴビンドボグを使い、バースマティー米でもよいとしています。米と水分の比は、ゴビンドボグなら1:1.5、バースマティー米なら1:2です。カシューナッツとレーズン、砂糖大さじ2を入れ、炊き上がったら30分休ませます。
- グリーンピースを入れる:インドの料理家サンジーヴ・カプールのチングリ・マチェル・ポラオは、小さなえびを使います。玉ねぎとにんにくをギーで炒めて米を炊き、別のフライパンでグリーンピースとえびを炒めて、米がほぼ炊けたところで混ぜ込みます。
手に入りにくい材料の代用
- 有頭えび:頭のない殻つきのえびなら350gを使います。頭のだしはとれないので、手順3を省き、手順9では頭のだしの代わりに水100mlを加えます。
- バースマティー米:日本の米は粘りが強く、炒めて炊くと粒がくっつきます。タイのジャスミンライスでも作れますが、バースマティー米ほど長く伸びず、やわらかく炊き上がります。浸水を15分にし、手順12の湯を500mlに減らします。
- テジパタ:インドのベイリーフ(ヒンディー語でテージ・パッター)で、シナモンの仲間の葉です。ローリエ1枚で代用できます。香りは少し変わります。
- レッドチリパウダー:唐辛子だけを粉にしたもので、カイエンペッパーを同じ量で代用できます。日本で「チリパウダー」として売られている、クミンやオレガノを混ぜた粉とは別のものです。
- ギー:食塩不使用バターを溶かして使います。
- 青唐辛子:生のものがなければ、冷凍の青唐辛子を使います。辛くしたくなければ、入れなくても作れます。ししとうでは辛みがつきません。
保存
- 冷蔵:粗熱が取れたらすぐ保存容器に入れて2日。米には加熱しても死なない細菌の芽胞が残ることがあり、室温に長く置くと増えるためです。1人分に水15mlを振り、ラップをして電子レンジで温めます。えびは温めすぎると硬くなるので、温まったところで止めます
- 冷凍:えびの食感が変わりやすいので、冷凍には向きません
東インドのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- খবর সংযোগ「ছুটির দিনে চিংড়ি পোলাও」(ベンガル語)
- Jago News 24「চিংড়ি পোলাও রাঁধবেন যেভাবে」(ベンガル語)
- Wikipedia「পোলাও」(ベンガル語)
- Pikturenama「Chingri Pulao | Bengali-style Prawns Pulao」(英語)
- Orange Wayfarer「Bengali Prawn Pulao cooked with Golda Chingri: Step by Step Recipe Guide」(英語)
- Sanjeev Kapoor「Chingri Macher Pulao」(英語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。