ムシュル・ダルMusur Dal レシピ
মুসুর ডালムシュル・ダル

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ムシュル・ダルは、皮をむいて割った赤いレンズ豆を煮た、ベンガルの家庭のダル(豆の汁)です。ご飯の最初のひと皿に、さらりとした黄色い汁をかけて食べます。味つけは、ターメリックと塩、それに香りの油だけです。
香りの油は、ベンガル語でフォロンといいます。マスタードオイルをうっすら煙が出るまで熱し、カロジラ(কালোজিরা。ニゲラという黒い小さな種。西ベンガルではカロジレとも)、乾燥赤唐辛子、青唐辛子をはじかせます。この記事では、コルカタの料理チャンネル Bong Eats の作り方にならって、この油の鍋に、なめらかにゆでた豆を注ぎ入れて仕上げます。
ムシュル・ダルとは
ベンガル語では「মুসুর ডাল」と書きます。ムシュルはレンズ豆、ダルは割った豆と、それを煮た汁の両方を指します。ムシュリル・ダル(ムシュルのダル)とも呼ばれます。ヒンディー語ではマスール・ダールです。
ベンガルの毎日のダル
インドのテレビ局アージ・タクのベンガル語のサイト、アージ・タク・バングラは、ベンガルの家庭では、ムシュル・ダルがあらゆるダルの中でいちばんとされている、と書いています。同じサイトの別の記事は、どのベンガルの台所にもこの豆がある、としています。ベンガル語のテレビ局のサイト TV9バングラは、中流のベンガルの家庭ではご飯にダルと野菜のおかずがつきもので、ムシュル・ダルはほとんど毎日のように作られている、と書いています。
国境の東のバングラデシュでも、よく食べられています。ベンガル語版ウィキペディアは、ムシュルをバングラデシュの主要な食用の穀物の一つに挙げています。たんぱく質が多いことから、貧しい人の牛肉にたとえる言い回しがあることも紹介しています。
精進の日には食べない豆
アージ・タク・バングラの記事は、ムシュル・ダルはニラミシュ(肉や魚を食べない精進)の日を除いて、毎日のように食べられている、と書いています。
ヒンドゥー教徒の中には、ムシュルを、肉や魚と同じアミシュ(なまぐさもの)に数える考え方もあります。アージ・タク・バングラの別の記事によると、バラモンはこの豆をタマス(重さや怠惰を招くとされる性質)の食べ物とみなし、修行者やヴィシュヌ派の人たちは口にしないとされています。その理由として、記事は二つの伝承を紹介しています。一つは、神の雌牛カーマデーヌが矢で傷つけられ、その血が落ちた地面から赤いムシュルが生えたという話です。もう一つは、ヴィシュヌ神が魔族スヴァルバーヌの首を切り、その首から落ちた血からムシュルが生えたという話です。記事は、どちらの話も言い伝えや信仰として紹介しています。
ふだんのフォロンはカロジラと青唐辛子
フォロンの組み合わせは、家庭や日によって替わります。Bong Eats は、ふだんのムシュル・ダルはカロジラと青唐辛子のフォロンだと書いています。TV9バングラは、ふだんは青唐辛子を入れてゆでるか、玉ねぎのフォロンで作る、としています。
この記事は、Bong Eats の「プレーン・ムシュル・ダル」の作り方をもとにしています。マスタードオイルでカロジラ、乾燥赤唐辛子、青唐辛子、ベイリーフをはじかせ、泡立て器でなめらかにした豆を注いで、短く煮て仕上げます。アージ・タク・バングラのヘチマ入りのダルも、ギーでカロジラと乾燥赤唐辛子をはじかせ、ヘチマと青唐辛子を炒めてから、ゆでた豆を加える作り方です。
Bong Eats との主な違いは二つです。ターメリックは、アージ・タク・バングラの記事にならって豆と一緒に煮ます。塩は、Bong Eats の割合より控えめにしています。
ムシュル・ダルのレシピ:材料(6人分)
下ごしらえ 5分 加熱 40分
- ターメリック1.5g
- カロンジー1g
- 赤唐辛子0.9g
- テージ・パッター0.3g
フォロン(香りの油)
仕上げ
- 塩8g(小さじ1と1/3)
- パクチー(コリアンダーの葉)(細かく刻む)10g
道具
- 鍋(容量2L以上)
- 泡立て器
- 深めのフライパン(容量2L以上。ベンガルのコライ(中華鍋のような深い鍋)でもよい)
作り方
豆を洗う
レッドレンズ豆を水を替えながら2〜3回洗い、水がほとんど濁らなくなったらざるに上げる。浸水はしない。
豆を煮る
鍋にレッドレンズ豆、水900ml、ターメリック1.5gを入れて中火にかける。煮立って白い泡が浮いてきたらすくい、弱めの中火にする。ふたを1〜2cmずらしてのせ、ときどき鍋底から混ぜながら20〜25分、豆の粒が崩れて形がなくなるまで煮る。
なめらかにする
火を止め、泡立て器で1分ほどかき混ぜて、豆の粒が見えなくなるまでなめらかにする。
フォロンを作る
換気扇を回す。深めのフライパンにマスタードオイル20gを入れて中火で熱し、うっすら煙が出たら弱めの中火にする。カロジラ1g、赤唐辛子3本、テジパタ1枚を入れ、カロジラがはじけて香りが立つまで5〜10秒炒める。青唐辛子3本を加える。水気で油がはねるので、顔を近づけない。青唐辛子の表面に白っぽい泡が立つまで10秒ほど炒める。
豆を注いで煮る
すぐに、なめらかにした豆をお玉1杯ずつ注ぎ入れる。最初の数杯は熱い油がはねるので、フライパンから離れて入れる。全部入れたら塩8gを加えて混ぜ、中火で4〜5分煮る。
パクチーを加える
パクチー10gを加えて混ぜ、1分煮て火を止める。
ご飯にたっぷりかけて食べます。Bong Eats は、ご飯を炊く鍋に小さなじゃがいもを入れて一緒にゆで、ご飯とムシュル・ダル、ゆでたじゃがいも(アル・シェッド)で食べる組み合わせを紹介しています。ライムを搾ってもよい、としています。
豆を浸水せずに、煮崩れるまで煮る
皮をむいて割った豆
ムシュルは、皮をむいて薄く割った豆です。Bong Eats のレシピも、豆をよく洗うだけで、浸水はしていません。手順1で浸水しないのは、それにならったものです。皮のない割った豆は煮えるのが早く、ふつうの鍋でも20〜25分で形がなくなるまで煮崩れます。
手順2で粒の形がなくなるまで煮て、手順3で泡立て器でかき混ぜるのも、Bong Eats の作り方にならったものです。Bong Eats は、ゆでた豆を、粒が見えなくなるまでビーターでかき混ぜています。
泡をすくう理由
煮立てたときに浮く白い泡は、鍋の縁からあふれやすいので、煮立ったらすくってから火を弱めます。
塩を最後に入れる理由
塩は手順5で、豆をフォロンの鍋に注いだあとに入れます。ふたをずらして煮ているあいだに水が蒸発するので、最後に入れたほうが濃さを合わせやすいからです。Bong Eats も、豆をフォロンの鍋に注いでから塩を入れています。
フォロンの油に豆を注ぐ
マスタードオイルを煙が出るまで熱する
Bong Eats は、マスタードオイルをうっすら煙が出るまで熱してからスパイスを入れています。煙が出るので、換気扇を回してください。
香りは熱い油で、短い時間で引き出す
煮汁は100℃前後までしか上がりませんが、油はそれよりずっと熱くなります。香りの成分には、水より油に溶けやすいものが多くあります。熱い油に入れると、カロジラや乾燥赤唐辛子の香りは短い時間で油に移ります。
そのぶん、焦げるのも速くなります。カロジラは黒い小さな種なので、焦げても色で見分けにくく、苦みが出てから気づきがちです。手順4で、煙が出たら火を弱め、はじける音と香りを合図に、5〜10秒で次に進むのはそのためです。
豆を注ぐと、油の温度が一気に下がる
熱い油の鍋に、水分の多い豆の汁を注ぐと、油の温度はすぐに100℃前後まで下がり、スパイスはそれ以上焦げなくなります。手順5で豆を注いでから中火で4〜5分煮るのは、Bong Eats と同じです。
アージ・タク・バングラの記事には、ゆでた豆の鍋に、フォロンの油を上からかける作り方もあります。フォロンの鍋に豆を注ぐと、鍋に残った油とスパイスもすべて汁に入ります。
家庭と地域による違い
- 玉ねぎのフォロン:アージ・タク・バングラは、乾燥赤唐辛子と玉ねぎを赤くなるまで炒めるフォロンを紹介しています。TV9バングラも、玉ねぎのフォロンをふだんの作り方の一つに挙げています。Bong Eats の「玉ねぎ入りのムシュル・ダル」は、マスタードオイルで乾燥赤唐辛子、ベイリーフ、パンチ・フォロン(5種類の種を混ぜたもの)をはじかせ、玉ねぎを炒めてから豆を注ぎ、砂糖も加えます。Bong Eats は、ふだんの味ではなく、たまに作る変化形としています。
- にんにくのフォロン:アージ・タク・バングラは、油で乾燥赤唐辛子、カロジラ、刻んだにんにくを炒め、にんにくの香りが立ったらゆでた豆を加える作り方を紹介しています。
- 野菜を加える:ベンガル語の料理チャンネル「アタヌル・ランナガル」のアタヌ・ゴーシュは、マスタードオイルで乾燥赤唐辛子とクミンをはじかせ、玉ねぎ、じゃがいも、トマトを炒めてから、豆とラウ(夕顔)を入れて煮ます。アージ・タク・バングラには、ジンゲ(ヘチマ)を入れるダルもあります。
- 生のマスタードオイルをかける:アージ・タク・バングラは、圧力鍋で煮た豆に刻んだ玉ねぎ、唐辛子、トマト、パクチーを加え、上から加熱しないマスタードオイルをかける作り方も紹介しています。
- 北インドのマスール・ダール:アルチャナ・ドーシーの料理サイト Archana’s Kitchen のヒンディー語のレシピは、ギーでヒング(アサフェティダ)、しょうが、にんにく、玉ねぎ、トマトを炒めてから豆を圧力鍋で煮て、仕上げにギーで炒めたクミン、ヒング、唐辛子粉を上からかけます。料理サイト Hebbar’s Kitchen のヒンディー語のレシピも、玉ねぎとトマトの土台で豆を煮て、マスタードシード、クミン、ヒング、カレーリーフのタルカー(香りの油)を上からかけます。どちらも玉ねぎとトマトを豆と一緒に煮て、香りの油を上からかける点が、この記事の作り方と違います。
手に入りにくい材料の代用
- マスタードオイル:サラダ油20gで代用できます。アージ・タク・バングラの記事にも、白い油(精製した植物油)やギーでフォロンを作る例があります。マスタードオイル特有のツンとした香りはなくなります。代用するときは、手順4で煙が出るまで熱する必要はありません。
- カロジラ(ニゲラシード):インド食材店で「カロンジ」「ニゲラ」「ブラッククミン」などの名前で売られています。手に入らなければ、クミン(ホール)1g(小さじ1/2)で作れます。香りは変わりますが、クミンを使うフォロンは TV9バングラも紹介しています。
- テジパタ:ローリエ1枚で代用できます。
- 青唐辛子:日本の青唐辛子でよく、夏から秋に出回ります。手に入らなければ省き、赤唐辛子(ホール)を1本増やします。
- 圧力鍋で作るとき:手順2の水を750mlにします。Bong Eats の作り方にならい、豆と水が取扱説明書にある豆を煮るときの上限を超えないようにし、強めの中火にかけて最初に圧力がかかったら(おもりが振れる、ピンが上がる、または笛が1回鳴る)火を止め、圧が自然に下がるまでおきます。急に圧を抜くと、熱い汁と泡が吹き出します。そのあとは手順3から同じです。
保存
- 冷蔵:保存容器に入れて2日。冷えるととろみが強くなるので、熱湯100mlを加えて温め直します
- 冷凍:手順6まで終えた状態で1か月。解凍して、熱湯100mlを加えて温め直します
東インドのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- Bong Eats「Plain Mosur Dal」(英語)
- Bong Eats「Peyaj Diye Mosur Dal」(英語)
- Atanur Rannaghar「Masoor Dal Recipe | লাউ আলু দিয়ে মুসুর ডাল রেসিপি গরম ভাতে একবার খেয়ে দেখুন」(ベンガル語)
- TV9 Bangla「Masoor Dal: একঘেঁয়ে মুসুর ডাল খেয়ে বিরক্ত? ফোড়নে আনুন টুইস্ট, বদল হবে স্বাদও」(ベンガル語)
- Aaj Tak Bangla「মুসুর ডালে কী কী ফোড়ন দেয়? জেনে রাখুন」(ベンガル語)
- Aaj Tak Bangla「মুসুরির ডালে ৫ বাঙাল ফোড়ন, সেরা স্বাদ পাবেন」(ベンガル語)
- Aaj Tak Bangla「ঝিঙে আর কালোজিরে, এতেই স্বাদ বাড়বে মুসুর ডালের, রেসিপি」(ベンガル語)
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- উইকিপিডিয়া「মসুর ডাল」(ベンガル語)
- Hebbar's Kitchen「मसूर दाल रेसिपी | masoor dal in hindi | मसूर की दाल | मसूर दाल तड़का」(ヒンディー語)
- Archana's Kitchen「तड़के वाली मसूर दाल रेसिपी - Tadkewali Masoor Dal Recipe」(ヒンディー語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。