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カリ・ウダンKari Udang レシピ

Kari Udangカリ・ウダン

地域
東南アジア(マレーシア)
分量
4人分
公開
青い縁のほうろうの器に盛ったカリ・ウダン。オレンジ色のココナッツミルクのカレーに、殻つきのえびとオクラ、トマト、赤と青の唐辛子が入り、スターアニスとカレーリーフがのっている。奥にご飯

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カリ・ウダンは、殻つきのえびを、カレー粉とココナッツミルクで煮たマレーシアの家庭のカレーです。魚介用に配合された魚用のカレー粉を使い、タマリンドの酸味を少し効かせます。汁はさらりとしていて、ご飯にかけたり、ロティ(薄く焼いたパン)につけたりして食べます。

作り方は、マレーシアのレシピサイト「レセピ・チェ・ノム」のレシピを骨組みにして、レシピサイト「マイレシピ」に載ったオクラとトマトを入れる作り方を合わせました。カレー粉を水で溶いて、油が分かれるまで炒めるのがこつです。えびは最後に入れて、数分で火を止めます。

カリ・ウダンとは

マレー語で Kari Udang と書きます。カリは「カレー」、ウダンは「えび」です。

この記事で読んだマレー語のカリ・ウダンのレシピは4件です。そのうち3件は、魚用のカレー粉(マレー語でスルブッ・カリ・イカン)を使っています。レセピ・チェ・ノムは、材料欄にはカレー粉とだけ書き、魚用を使ったと添えています。

インドの商人が持ち込んだカレー

マレーシアのウェブメディア Jom Explore の記事は、15世紀から南インドの商人がスパイスと調理法をマレー半島に持ち込み、マレーの人々がココナッツミルク(マレー語でサンタン)やレモングラスなど土地の材料で作り変えた、と説明しています。

マレーシアの国家文化芸術局(JKKN)の文化情報サイトは、ペナンで広まったナシ・カンダール(ご飯にカレーの汁をかけて食べる料理)の由来を、次のように紹介しています。インド系ムスリムの商人は15世紀からマレー諸島でスパイスを交易していて、カレーの料理を持ち込んだのは彼らだとしています。18世紀にイギリスがペナンを交易の拠点にすると、インド系ムスリムの商人も移り住み、働く人たちの食事として白いご飯とカレーを出すようになった、と書いています。ナシ・カンダールの名は、天秤棒(カンダール)にご飯とおかずを下げて売り歩いたことから来たとされています。

マレーシアのインド系ムスリムの言葉を調べた論文(2016年)によると、いまのインド系ムスリムは、地元の人々に「ママッ」という呼び名で知られています。論文は、この呼び名がインド系ムスリムとヒンドゥー教徒のインド系の人々を区別するためのものだとする先行研究も引いています。料理雑誌『ラサ』のサイトには、家庭料理人による「ママッ風」のカリ・ウダンのレシピも載っています。

この記事の作り方

レセピ・チェ・ノムのレシピは、4人分でえび500gを殻つきのまま使います。ハルバ・チャンプル(フェヌグリークなどの種を合わせたスパイス)、ペースト、カレーリーフ、スターアニス、シナモンを油で香りが立つまで炒めてから、水で溶いたカレー粉を加えて炒めます。ココナッツミルクは、薄いものと濃いものの2回に分けて加えます。この記事では、種とホールのスパイスを先に油で炒めて、マスタードシードがはじけてからペーストを加えます。また、じゃがいもの代わりに、マイレシピに載ったヌルル・アティカのレシピにならって、オクラとトマト、赤と青の唐辛子を入れました。

ハルバ・チャンプルは、マレーシアの食品会社の商品説明では、フェヌグリーク、マスタード、クミン、フェンネルの種に、ほかのスパイスを合わせたものです。日本では手に入りにくいので、この記事では4種の種を別々に量って使います。

カリ・ウダンのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 25分 加熱 30分

スパイスの配合 4人分で計24.5g
  • 魚用カレー粉18g
  • シナモン2g
  • スターアニス1.5g
  • マスタードシード1g
  • フェヌグリーク1g
  • クミン0.5g
  • フェンネル0.5g

えび

  • えび(殻つき・中〜大(1尾約25g)。頭つきでもよい)500g(約20尾)

香りの油

  • サラダ油39g(大さじ3)
  • マスタードシード(ホール)(ブラウンまたはブラック)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/4)
  • フェヌグリーク(ホール)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/4)
  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)0.5g(小さじ1/4)
  • フェンネル(ホール)(Amazon|楽天)0.5g(小さじ1/4)
  • スターアニス(ホール)(Amazon|楽天)2個(1.5g)
  • シナモン(ホール)(スティック)(Amazon|楽天)5cm(2g)
  • カレーリーフ(Amazon|楽天)20枚(2枝)

ペースト

  • エシャロット(マレーシアのバワン・メラ(赤い小玉のエシャロット)と同じ仲間)(Amazon)40g(5個)
  • にんにく15g(3片)
  • しょうが10g(2cm)
  • 水(ペースト用)30ml

カレー粉

  • 魚用カレー粉(マレーシアのスルブッ・カリ・イカン)(楽天)18g(大さじ3)
  • 水(カレー粉用)60ml

タマリンド水

  • タマリンド(種なしのブロック)(Amazon|楽天)8g
  • 湯(タマリンド用)50ml

煮込み

  • ココナッツミルク(Amazon|楽天)400ml(1缶)
  • 水(薄いココナッツミルク用)200ml
  • オクラ8本(80g)
  • トマト1個(150g)
  • 赤唐辛子(生)(細長い赤唐辛子)1本(10g)
  • 青唐辛子(生)1本(10g)

味つけ

  • 塩10g(小さじ1と2/3)
  • 砂糖3g(小さじ1)

道具

  • 厚手の鍋(直径20〜22cm。中華鍋でもよい)
  • ハンドブレンダー(すり鉢でもよい)(Amazon|楽天)
  • 鍋に合うふた(マスタードシードがはねるのを防ぐ)

作り方

  1. えびの下ごしらえ

    えび500gは殻をつけたまま、背に縦に切り込みを入れて背わたを取る。頭つきのときは頭も残す。水で洗い、キッチンペーパーで水けをふいて、冷蔵庫に入れておく。

  2. タマリンド水を作る

    タマリンド8gを湯(タマリンド用)50mlに10分浸し、指でもみほぐしてから、茶こしでこして種と筋を除く。

  3. ペーストを作る

    エシャロット40gとにんにく15gは皮をむく。しょうが10gは皮をこそげて薄切りにする。これらと水(ペースト用)30mlを背の高い容器に入れ、ハンドブレンダーでなめらかなペーストにする。

  4. カレー粉を溶き、野菜を切る

    魚用カレー粉18gに水(カレー粉用)60mlを加え、だまがなくなるまで混ぜてペースト状にする。オクラ8本はがくの硬いところをむき取る。トマト1個は4つ割りにする。赤唐辛子1本と青唐辛子1本は、ヘタを残したまま縦に切り込みを入れる。

  5. ココナッツミルクを分ける

    ココナッツミルクの缶をよく振ってから開け、よく混ぜる。300mlを濃いココナッツミルクとして取り分ける。残りの100mlに水(薄いココナッツミルク用)200mlを混ぜて、薄いココナッツミルクにする。

  6. スパイスとカレーリーフを炒める

    鍋にサラダ油39gとマスタードシード1gを入れて中火にかける。マスタードシードがはじけ始めたら、ふたを斜めにかざして盾にし、鍋に顔を近づけない。はじける音が静まったら、フェヌグリーク1g、クミン0.5g、フェンネル0.5g、スターアニス2個、シナモン5cmを加えて20秒炒める。カレーリーフ20枚は水けをふいてから加える。葉の水分で油がはねるので、すぐにふたをかざし、10秒炒める。

  7. ペーストを炒める

    換気扇を回す。ペーストを加えると水分で油がはねるので、鍋のふちから静かに入れる。中火で3〜4分、混ぜながら、生のにんにくのにおいが消えて、ペーストの色が濃くなり始めるまで炒める。

  8. カレー粉を油が分かれるまで炒める

    水で溶いたカレー粉を加え、弱めの中火にする。鍋底から絶えず混ぜながら8〜10分、水分がとんで色が一段濃くなり、ペーストの縁に油が分かれてにじみ出るまで炒める。鍋底にこびりつき始めたら火を弱める。唐辛子を含むカレー粉を炒めると、目やのどを刺激する蒸気が出るので、換気扇は回したままにする。

  9. 薄いココナッツミルクでオクラを煮る

    タマリンド水と薄いココナッツミルク300mlを加え、鍋底から混ぜながら中火で煮立てる。オクラを加え、弱めの中火で5分煮る。

  10. えびと濃いココナッツミルクを加える

    えび、トマト、赤唐辛子、青唐辛子、濃いココナッツミルク300mlを加える。中火にして、混ぜながら煮立てる。煮立ったら塩10gと砂糖3gを加えて混ぜ、弱火にし、表面が静かにふつふつする火加減で2〜3分煮る。えびの殻が赤くなり、身が丸まったら、いちばん太いえびを1尾取り出して切り、中まで白く不透明になっていることを確かめて火を止める。

白いご飯にかけるか、ロティ・チャナイ(マレーシアの薄く層になったパン)を汁につけて食べます。

料理科学:カレー粉を水で溶いてから、油が分かれるまで炒める理由

粉のまま熱い油に入れると焦げやすい

カレー粉は、乾いたスパイスを細かく挽いたものです。粉のまま熱い油に入れると、短い時間で焦げて苦くなりやすくなります。

この記事で読んだマレー語のカリ・ウダンのレシピのうち3件は、カレー粉を水で溶いてから鍋に入れていました。水がある間は、鍋の中の温度は100℃前後から上がりません。手順8で絶えず混ぜながら炒めていくと、水分が少しずつとび、そのあとで温度が上がって、粉が油の中で炒められる状態になります。レセピ・チェ・ノムも、途中で乾いてきたら水を少し足して、焦がさないように混ぜるよう書いています。

油が分かれたら、炒め上がりの合図

マレー語では、ペーストの縁から油が分かれてにじみ出る状態を「プチャ・ミニャッ」(油が割れる)と言います。この記事で読んだカリ・ウダンのレシピのうち3件が、カレー粉をこの状態まで炒めています。

油が分かれて見えるのは、ペーストの水分がほとんどなくなったしるしです。レセピ・チェ・ノムは、スパイスの色が少し濃くなるまで炒めるとし、『ラサ』のサイトに載ったマリアナ・ザイナルのカリ・イカンのレシピも、油が分かれてスパイスの色が変わるまで炒めています。手順8で色が一段濃くなり、油がにじむまで炒めるのはそのためです。

料理科学:殻つきのえびを、濃いココナッツミルクと最後に入れる理由

殻つきのまま煮る

レセピ・チェ・ノムは、えびの殻をむかずに、背に切り込みを入れて使います。殻は、えびのだしをとるのにも使われる部分です。殻つきのまま煮ると、殻の風味も汁に出ます。

えびの殻は、加熱すると赤くなります。ただし、色だけでは中まで火が通ったかはわからないので、手順10では、いちばん太いえびを1尾切って確かめます。

殻つきのえびは、食べるときに手で殻をむきます。背に切り込みを入れておくと、汁が身に届きやすく、殻もむきやすくなります。

薄いココナッツミルクで煮て、濃いものは最後に

マレー語のレシピでは、濃いサンタン(サンタン・プカッ)と薄いサンタン(サンタン・チャイル)を書き分けます。すりおろしたココナッツを絞るとき、最初に絞ったものが濃く、水を足して絞り直したものが薄くなります。レセピ・チェ・ノムのレシピは、薄いサンタンでじゃがいもを煮て、濃いサンタンはえびと一緒に最後に加えます。この記事では缶のココナッツミルクを水で薄めて、この2つを作ります。

えびは、短い時間で中まで火が通ります。煮すぎると、身が縮んで硬くなります。レセピ・チェ・ノムとマイレシピのフスナ・ラルファエトのレシピは、どちらもえびを長く煮ると硬くなると注意しています。オクラのように火の通りに時間がかかる野菜は、先に薄いココナッツミルクで煮ておき、えびは最後に入れて2〜3分で仕上げます。

ココナッツミルクは、長く煮詰めると油が分かれてきます。カリ・ウダンでは、こくのあるなめらかな汁にしたいので、濃いココナッツミルクはえびと同じ短い時間だけ煮ます。手順10で煮立つまで混ぜ、そのあと弱火にするのは、鍋底にココナッツの固形分がこびりつかないようにするためです。

いろいろなカリ・ウダン

この記事で読んだマレー語のレシピの範囲で、それぞれの書き手の作り方を紹介します。

  • じゃがいもを入れる:レセピ・チェ・ノムのレシピは、オクラの代わりに、大きく切ったじゃがいも2個を薄いココナッツミルクで柔らかく煮てから、えびを入れます。マイレシピのフスナ・ラルファエトのレシピは、じゃがいも、オクラ、ささげ、にんじんを好みで入れるとしています。
  • ココナッツミルクを入れない:料理雑誌『ラサ』のサイトに載った家庭料理人ノール・サイダのママッ風のカリ・ウダンは、ココナッツミルクを使いません。玉ねぎとカレー粉、レッドチリパウダーで炒めたえびに、甘い醤油とオイスターソース、レモン汁で味をつけ、汁けが少なくなるまで煮ます。国家文化芸術局のサイトも、ナシ・カンダールのカレーは、元の作り方ではココナッツミルクを使わないとしています。
  • 魚で作る:『ラサ』のサイトに載ったマリアナ・ザイナルのカリ・イカン(魚のカレー)は、同じようにカレー粉を油が分かれるまで炒め、ココナッツ1個から絞ったサンタンに、魚とトマトとオクラを入れます。酸味はタマリンドではなく、アサム・グルグル(ガルシニアの実を干したもの)でつけます。

ウダン・マサッ・ルマッ・チリ・アピとの違い

えびをココナッツミルクで煮るマレーシアの料理には、ウダン・マサッ・ルマッ・チリ・アピもあります。マレーシアのオンラインメディア SAYS に載ったレシピは、チリ・パディ(小さな唐辛子)10本と生のウコンの根をすりつぶして炒め、濃いココナッツミルクとレモングラスでえびを煮ます。カレー粉は使いません。

手に入りにくい材料の代用

  • 魚用カレー粉:手に入らないときは、コリアンダー(パウダー)8g、レッドチリパウダー4g、クミン(パウダー)2g、フェンネル(パウダー)2g、ターメリック1g、黒こしょう(パウダー)1gを混ぜて18gにします(配合はこの記事の目安)。商品によっては塩を含むものもあるので、原材料に塩があるときは、手順10の塩を味をみながら減らします。
  • マスタードシード・フェヌグリーク・クミン・フェンネル:4種そろわないときは、ある種だけで作れます。『ラサ』のマリアナ・ザイナルのカリ・イカンのレシピも、ハルバ・チャンプルは省いてよいとしています。
  • スターアニス・シナモン:マイレシピの2つのレシピは使っていません。なければ入れずに作れます。
  • カレーリーフ:冷凍品を同じ枚数使えます。乾燥品は香りが弱くなります。手に入らないときは入れずに作ります。
  • エシャロット:赤玉ねぎ40gで代用できます。
  • タマリンド:レモン汁15ml(大さじ1)で代用し、手順10で火を止める直前に加えます。ノール・サイダのママッ風のレシピも、レモン汁で酸味をつけています。
  • 赤唐辛子(生)・青唐辛子(生):冷凍品を使えます。手に入らないときは入れずに作ります。辛さは魚用カレー粉でつきます。
  • ココナッツミルク:缶によって濃さが違います。「ココナッツクリーム」と書かれた濃いものを使うときは、手順5の濃いココナッツミルク300mlのうち100mlを水に替えます。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて翌日まで(この記事の目安)。温め直すときは、えびが硬くならないよう弱火で煮立つ直前まで温めます
  • 冷凍:えびは解凍して温め直すと硬くなりやすく、オクラも水っぽくなるので向きません。手順8まで炒めたペーストなら、小分けにして冷凍で1か月(この記事の目安)。使うときは鍋で温めてから、手順9に進みます

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。