ノム・ザウ・ムオンNộm Rau Muống レシピ
Nộm rau muốngノム・ザウ・ムオン

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ノム・ザウ・ムオンは、さっとゆでた空心菜を、ヌオックマム(ベトナムの魚醤)とライム、砂糖、にんにく、唐辛子のたれで和えたベトナムの料理です。炒った落花生の香ばしさと、キンゾイ(ベトナムのハーブ)のさわやかな香りを重ねます。甘み、酸味、塩け、辛さがそろった味で、ご飯のおかずにもなります。
作り方の要は、空心菜のゆで方です。たっぷりの湯で短くゆで、すぐに氷水で冷やして、茎のしゃきっとした歯ごたえと緑色を残します。たれは盛りつける直前に和えます。
ノム・ザウ・ムオンとは
ベトナム語で「Nộm rau muống」と書きます。ノムは野菜などを甘酸っぱいたれで和えた料理、ザウ・ムオンは空心菜のことです。カタカナは、ハノイなど北部の発音に合わせています。
ここで読んだベトナム語のページでは、7ページがこの料理をノムと呼び、家電の販売チェーン、ディエンマイサインのサイトの1ページがゴイと呼んでいました。英語版ウィキペディアは、アンドレア・グエンの料理書『Into the Vietnamese Kitchen』を出典に、ノムをベトナム固有のサラダとし、南部ではゴイと呼ぶとしています。
北部の夏の食卓の空心菜
ベトナムの新聞 VnExpress の料理記事を書くブイ・トゥイは、ベトナム北部(バックボー)の平野の人々が夏に好む伝統の料理として、ゆでた空心菜や、そのゆで汁にサウ(酸っぱい果実)をつぶし入れたスープを挙げています。同じ記事は、夏によく食卓にのぼる空心菜の料理として、ゆでたもの、にんにく炒め、ノムを挙げています。また、昔のハノイの人は野菜をゆでるときに塩を入れなかった、とも書いています。ゆでた野菜は、こんがり炒りつけた豚バラ肉や炒ったえびなど、もともと味のしっかりしたおかずと一緒に食べたから、という説明です。
ベトナムの新聞トゥオイチェーに載ったホー・アイン・タイの文章は、故郷を離れると、空心菜のスープと、トゥオン(大豆の発酵調味料)につけたなすが恋しくなる、という意味の詩の一節を引いています。筆者が外国で暮らした日々に、空心菜をはじめとする故郷の野菜を恋しく思った話です。
ブイ・トゥイは、別の VnExpress の記事(2025年)で、100年近く前の料理書『アム・トゥック・トゥ・チー』を引き、空心菜はゆでても、炒めても、生のまま添えても、ノムにしても、煮てもよいとされていた、と紹介しています。同じ記事は、昔のハノイの人はノム・ザウ・ムオンに、テップ(小さな川えび)や田んぼの小えび、酸っぱいスターフルーツを加えて、独特の味わいを出した、とも書いています。
この記事の作り方
ここで読んだノム・ザウ・ムオンのレシピを載せた6つのページは、どれも空心菜をゆでてから、氷水か冷水に取っています。この記事の香草と落花生、たれの割合は、ブイ・トゥイの2025年の記事を軸にしました。ブイ・トゥイのレシピは、空心菜1束に、ヌオックマム大さじ1、砂糖大さじ1/2〜1、ライム汁大さじ1を使い、キンゾイと炒った落花生、ごまを加えています。この記事では、ごまは入れず、VnExpress のファム・モーや VietNamNet のレシピのように、たれに少しの水を足しました。
ノム・ザウ・ムオンのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 25分 加熱 15分
空心菜
- 空心菜(ベトナム語でザウ・ムオン。根元を切る前の重さ)500g
下ゆで用
- 水(ゆでる湯)3L
- 塩6g(小さじ1)
- 水(氷水用)1L
- 氷300g
たれ
香草と落花生
- キンゾイ(ベトナムのハーブ。シソ科)20g
- 落花生(生)(殻をむいた薄皮つきのもの)50g
道具
- 大きな鍋(3Lの湯が沸かせるもの)
- 大きなボウル(氷水用と、和える用に2つ)
- 網じゃくし(トングでもよい)
- フライパン(落花生を炒る)
- すり鉢(厚手のポリ袋とめん棒でもよい)
作り方
空心菜を切る
空心菜500gの根元の硬い部分と、古い葉を除く。やわらかい茎と若い葉を5〜7cm長さに切り、指より太い茎は縦に2〜3つに割る。ボウルに入れ、水を替えながら2〜3回洗って底の泥を流し、ざるに上げる。
落花生を炒る
フライパンに落花生(生)50gを入れ、油をひかずに弱めの中火にかける。焦がさないように絶えず混ぜながら8〜10分(時間はこの記事の目安)、薄皮が濃い茶色になり、1粒かんでカリッとするまで炒る。皿に広げて冷まし、手でこすって薄皮を除く。すり鉢で粗くつぶす。粉にはしない。
たれを作る
赤唐辛子(生)5gは縦に割って種を除き、みじん切りにする。器にヌオックマム15ml、砂糖6g、ライム汁15ml、水10mlを入れ、砂糖が溶けるまで混ぜる。にんにく10gと唐辛子を加える。
キンゾイを刻む
キンゾイ20gを洗って水けを切り、葉を摘んで細かく刻む。
氷水を用意する
大きなボウルに水1Lと氷300gを入れ、鍋のそばに置く。
空心菜をゆでる
大きな鍋に水3Lを入れて強火で沸かし、塩6gを加える。ふたはしない。空心菜の半量を入れ、菜箸で湯に沈める。30秒〜1分、茎が鮮やかな緑色になり、かむと歯ごたえが少し残るくらいで、網じゃくしかトングで引き上げ、すぐ氷水に入れる。湯が再び勢いよく沸いてから、残りの半量を同じようにゆでる。熱湯と湯気でやけどをしないよう、顔と手を鍋の真上に出さない。
冷やして水けを切る
空心菜を氷水に5分つけて芯まで冷やす。ざるに上げ、手で軽く握って水けを絞り、ほぐしておく。
和えて盛りつける
大きなボウルに空心菜を入れ、たれを全部かけて全体をあえ、3分おく。キンゾイの3分の2と、落花生の半量を加えて混ぜる。器に盛り、残りのキンゾイと落花生を散らして、すぐに食べる。
白いご飯に、ほかのおかずと一緒に添えて、和えたてを食べます。
ゆで方の要点:たっぷりの湯で短くゆで、すぐ氷水に取る
ゆですぎると、くたっとして黄色くなる
ここで読んだベトナム語のレシピは、空心菜のゆで方について、次のような注意を書いています。どれも、なぜそうなるのかの説明まではしていません。
- ゆでる時間を短くする:ディエンマイサインの落花生入りのレシピは30秒〜1分、スマートフォンや家電の販売チェーン FPT ショップのサイトのレシピは30秒ほどとしています。FPT ショップのレシピは、ふたをしたり、ゆですぎたりすると、空心菜がくたっとして黄色くなると書いています
- ふたをしない:ファム・モーのレシピは、強火で、ふたをせず、空心菜が湯につかるようにしてゆでるよう書いています。ゆですぎると空心菜はくたっとし、ふたをすると黄色くなる、という注意です
- ゆで湯に塩を入れる:ディエンマイサインの落花生入りのレシピは、塩を入れると空心菜が黒ずまないとしています。ブイ・トゥイの2つの記事、ファム・モー、FPT ショップのレシピも、塩を入れた湯でゆでています
- 畑で育った空心菜を避ける:2025年のブイ・トゥイの記事は、水に浮かべて育てた、節が長く茎の太い空心菜を選ぶようすすめています。畑で育った茎の硬い空心菜は、上手にゆでないと黄色くくすみやすく、味も落ちるとしています
手順6で、3Lの湯に空心菜を半量ずつ入れるのは、空心菜を入れたときに湯の温度が大きく下がらないようにして、短い時間でゆで上げるためです。ブイ・トゥイのレシピも、空心菜を何回かに分けて湯に入れ、沈めています。
引き上げたら、すぐ氷水に取る
湯から引き上げたあとも、空心菜には熱が残っていて、火が通り続けます。手順6ですぐ氷水に入れ、手順7で5分冷やすのはそのためです。ここで読んだレシピのうち、VnExpress の3つの記事、VietNamNet、ディエンマイサイン、FPT ショップのレシピは、氷水や冷水で冷やすと、空心菜が緑色でしゃきっとすると書いています。ディエンマイサインの牛肉入りのレシピは、空心菜を鍋に長く置くと、くずれるほどやわらかくなるとしています。
和え方の要点:たれは盛りつける直前に和える
手順8でたれをかけてから3分おくのは、味をなじませるためです。2025年のブイ・トゥイの記事も、たれで和えて数分おき、味をしみこませています。VietNamNet のレシピは、塩をしてから3〜4分おいています。
ブイ・トゥイの2つの記事は、おいたあとにたまった汁を捨てています。2025年の記事は、汁を捨ててから香草と落花生を混ぜます。2022年の記事は、たれの半量で和えて5〜6分おき、汁を捨ててから、残りのたれで和えています。この記事では、汁を捨てない作り方にしました。汁を捨てる作り方にするときは、たれを多めに作り、味を見て加減してください。
ディエンマイサインの落花生入りのレシピは、ゆでた空心菜の水けをよく切っておくと、和えたときにくたっとしないとしています。手順7で水けを絞るのはそのためです。和えたら、すぐに食べます。
作り方の違い
ここで読んだレシピの範囲で、それぞれの書き手が何を加えているかを紹介します。
- 小えびを加える:ファム・モーのレシピは、テップをヌオックマムで炒りつけて加え、たれにえびの発酵調味料マム・トムを大さじ1入れています。ディエンマイサインと FPT ショップのサイトにも、田んぼの小えびを炒めて加えるレシピがあります
- もやしを加える:ファム・モーのレシピ、2022年のブイ・トゥイの記事、VietNamNet のレシピ(ベトナムの新聞ザンヴィエットから転載)は、もやしを一緒に和えています
- 牛肉を加える:VietNamNet のレシピは、薄切りの牛肩肉を、揚げたエシャロットと強火でさっと炒めて加えます。ディエンマイサインのレシピは、薄切りの牛肉をゆでて加えます
- 揚げた豆腐で精進料理に:2022年のブイ・トゥイの記事は、揚げた豆腐ともやしを加え、魚を使わない精進料理用のヌオックマムと酢で味をつけています。香草はキンゾイかザウザム(ベトナムのハーブ)としています
- 干しえびとほかの香草:ディエンマイサインの干しえびのレシピは、もどして炒めた干しえびに、パクチー(コリアンダーの葉)、キンゾイ、タイバジルを合わせています
- ゴイと呼ぶレシピ:同じディエンマイサインのサイトでも、空心菜の和え物を9種類まとめた記事は、ノムではなくゴイという呼び名を使っています
手に入りにくい材料の代用
- ヌオックマム:ナンプラーを同じ量使えます。どちらも魚を塩で発酵させた調味料で、塩けは商品によって違います。味を見て、ライム汁と砂糖で加減してください。日本では「ヌクマム」「ニョクマム」の名前で売られていることもあります
- キンゾイ:2022年のブイ・トゥイの記事は、キンゾイの代わりにザウザムを使ってもよいとしています。FPT ショップのレシピは、キンゾイのほかにミントも香草に挙げています。日本で手に入りやすいスペアミントの葉を20g使うのが、この記事の目安です
- 赤唐辛子(生):生の青唐辛子を同じ量使えます。どちらもないときは、一味唐辛子小さじ1/8(0.3g)をたれに加えます(量はこの記事の目安)
- ライム:レモン汁を同じ量使えます
- 落花生(生):素焼きの無塩ピーナッツ50gを使い、手順2で炒る時間を2〜3分にします(時間はこの記事の目安)
- 空心菜:日本では主に夏に出回り、「エンサイ」の名前で売られていることもあります。茎が太く、節の間が長いものを選びます
保存
- 和えたものは作りおきせず、和えたらすぐに食べます
- 前もって準備するときは、手順7まで終えた空心菜を、たれと別にして保存容器に入れ、冷蔵で翌日まで(この記事の目安)。食べる直前に手順8で和えます
- 炒ってつぶした落花生は、密閉できる容器に入れて常温で3日(この記事の目安)
東南アジアのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- VnExpress「Nộm rau muống lạc rang」(ベトナム語)
- VnExpress「Cách làm nộm rau muống tép」(ベトナム語)
- VnExpress「Cách nộm rau muống, đậu phụ chay giòn thơm, vị chua cay mặn ngọt hài hòa」(ベトナム語)
- VietNamNet(Dân Việt)「Đổi vị ngày hè bằng cách nộm rau muống thịt bò」(ベトナム語)
- Điện máy XANH「4 cách nộm rau muống đơn giản, dân giã ngon đậm đà」(ベトナム語)
- FPT Shop「Bí quyết làm nộm rau muống xanh giòn, thanh mát, quá lý tưởng để “giải ngấy”」(ベトナム語)
- Điện máy XANH「Tổng hợp 9 cách làm gỏi rau muống giòn ngon hấp dẫn đơn giản tại nhà」(ベトナム語)
- VnExpress「Mâm cơm ngày hè xưa Bắc Bộ」(ベトナム語)
- Tuổi Trẻ「Nhớ rau」(ベトナム語)
- Wikipedia「Nộm」(英語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。