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ククラ・コ・マースKukhura ko Masu レシピ

कुखुराको मासुククラコ・マース

地域
ネパール(ネパール各地)
分量
4人分
公開
真鍮の器に盛ったネパールの鶏のカレー、ククラ・コ・マース。骨付きの鶏肉に薄いオレンジ色の汁とパクチー。奥に真鍮の皿のご飯

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ククラ・コ・マースは、骨付きの鶏をぶつ切りにして、スパイスと一緒に炒めてから煮た、ネパールの家庭の鶏のカレーです。汁はさらりとしていて、ご飯にかけて食べます。

味の決め手は、よく熱したマスタードオイルで最初に香りを出すフェヌグリーク(ネパール語でメティ)と、しびれるような柑橘の香りを持つティムル(ネパールの山椒)です。肉は骨ごと煮て、骨の周りから出る風味とこくを汁に移します。

ククラ・コ・マースとは

ネパール語では「कुखुराको मासु」と書きます。ククラは鶏、コは「〜の」、マースは肉という意味で、直訳すると「鶏の肉」です。家庭ではこう呼ぶこともありますが、今回確かめたネパール語のレシピでは、汁の多さを表す「ククラ・コ・ジョル(鶏の汁)」や「ジョルワーラ・マース(汁のある肉)」という名前が使われていました。

地鶏とブロイラー

ネパールでは、庭先で放し飼いにした在来種の鶏を「ローカル(地鶏)」と呼んで、ブロイラーと区別します。カトマンズのホテルの料理人R・B・ブダトキは、この料理を地鶏1kgで作っています。ネパール出身の料理人サントシュ・シャーも、「ラート・ククラ(赤い鶏)」と呼ばれる放し飼いの鶏を丸ごと16切れほどにして使っています。

カンティプル紙は、ネパール東部のテラトゥム郡などで在来種の地鶏が減っていると伝えています。味がよく病気に強い鶏で、祭礼や儀式と結びついた品種もあるため、求める人は多いとされています。日本では骨付きのブロイラーで作り、地鶏や親鶏を使うときは煮る時間を延ばします(後半で説明します)。

鶏とネパールの人びと

カンティプル紙の別冊「コセリ」で、ボギラージ・チャムリンは、ネパール語で「ルインチェ」と呼ぶ野生の鶏(ヤケイ)が家畜の鶏の祖先だと説明しています。キラートのライの人びとの伝承では、東部のケンパルンを出た王が、王妃から授かった雄鶏が鳴いた土地を治めることにし、3日目にカトマンズ盆地で雄鶏が鳴いたので、そこを治めたと伝えられています。チャムリンはまた、儀式には鶏を使っても、食べることは避けてきた人びともいて、いまも食べない集団があると書いています。

ククラ・コ・マースのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 20分 加熱 1時間15分

スパイスの配合 4人分で計25g
  • クミン6g
  • カシュミーリー・チリ5g
  • フェヌグリーク4g
  • コリアンダー4g
  • ターメリック3g
  • ガラム・マサーラー2g
  • テージ・パッター0.5g
  • ティムル0.5g

鶏肉

  • 鶏の骨付きぶつ切り(もも・手羽元など。皮つきでよい。4〜5cm大)1kg

油とホールスパイス

  • マスタードオイル(Amazon|楽天)45g(50ml)
  • フェヌグリークシード(ホール)(ネパール語でメティ)(Amazon|楽天)4g(小さじ1)
  • クミンシード(ホール)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • テージ・パッター(ホール)(インドやネパールのベイリーフ)(Amazon|楽天)2枚(0.5g)

炒め煮

  • 玉ねぎ(薄切り)400g(中2個)
  • しょうが(すりおろし)15g(大さじ1)
  • にんにく(すりおろし)15g(大さじ1)
  • ターメリック(パウダー)(Amazon|楽天)3g(小さじ1)
  • 塩12g(小さじ2)
  • クミン(パウダー)(Amazon|楽天)4g(小さじ2)
  • コリアンダー(パウダー)(Amazon|楽天)4g(小さじ2)
  • カシュミーリー・チリパウダー(Amazon|楽天)5g(小さじ2)
  • ティムル(ホール)(ネパールの山椒)(Amazon|楽天)0.5g(小さじ1/2)
  • トマト(ざく切り)300g(中2個)
  • 熱湯500ml

仕上げ

  • ガラム・マサラ(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • パクチー(コリアンダーの葉)(刻む)10g

道具

  • 厚手の鍋(直径24cm前後。カラーイ(両手の中華鍋に似た鍋)でもよい)

作り方

  1. 下ごしらえ

    鶏肉は洗わず、キッチンペーパーで表面の水気をふく。玉ねぎは薄切り、トマトはざく切りにする。ティムルは指先かすり鉢で軽くつぶし、中の黒い種があれば取り除く。

  2. マスタードオイルを熱する

    換気扇を回し、鍋のそばを離れない。鍋にマスタードオイル45gを入れて強めの中火にかけ、表面がゆらいで薄い煙が立ちはじめるまで3〜4分熱する。煙が見えたらすぐ火を止め、30秒おいて温度を下げる。

  3. ホールスパイスを炒める

    中火に戻し、フェヌグリークシード4gを入れて、濃い茶色になるまで10〜15秒炒める。黒くなる前にクミンシード2gとテージ・パッター2枚を加え、クミンが泡立って香りが立つまで10秒炒める。

  4. 玉ねぎを炒める

    玉ねぎ400gを加え、中火で12〜15分、濃いきつね色になるまで炒める。焦げつきそうなら火を弱める。しょうが15gとにんにく15gを加え、青臭さが消えるまで1分炒める。

  5. 鶏肉を炒める

    鶏肉1kg、ターメリック3g、塩12gを加え、強めの中火で10分ほど、ときどき返しながら炒める。表面が白くなり、ところどころに焼き色がついたら、ふたをして弱めの中火で10分蒸し煮にする。

  6. パウダースパイスを炒める

    ふたを取り、クミン(パウダー)4g、コリアンダー(パウダー)4g、カシュミーリー・チリパウダー5g、ティムル0.5gを加える。中火で3〜5分、鶏から出た汁気がほぼなくなり、鍋肌に油がにじみ出るまで炒める。

  7. トマトを煮くずす

    トマト300gを加え、木べらでつぶしながら中火で5〜7分、形がなくなって油が分かれてくるまで炒め煮にする。

  8. 湯を加えて煮る

    熱湯500mlを加えて鍋底の焼きついた部分をこそげ、煮立てる。ふたを2cmほどずらしてのせ、弱めの中火で20分、骨の周りの肉までやわらかくなるまで煮る。

  9. 仕上げる

    火を止めてガラム・マサラ2gとパクチー10gを加えて混ぜ、ふたをして5分おく。

ご飯、またはチウラ(米を平たく押しつぶして乾かしたもの)を添えて食べます。

料理科学:マスタードオイルを煙が出るまで熱する理由

ツンとする辛味をやわらげる

生のマスタードオイルには、からしのような、鼻に抜けるツンとした辛味があります。ネパールの新聞ナガリクの記事は、この辛味のもとをアリルイソチオシアネートという成分としています。油を薄い煙が立つまで熱すると、生の油のとがった辛味や青臭さがやわらぎ、香ばしい香りが残るとされます。手順2で油をしっかり熱するのはそのためです。

煙を出し続けない

油から煙が出るのは、油が傷みはじめた合図です。そのまま熱し続けると、目や喉にしみる煙が出ます。薄い煙が見えたら火を止めて少し冷まします。

もう1つの理由はフェヌグリークです。フェヌグリークの種は、油で色づくと甘く香ばしい香りが出ますが、黒くなるまで焦がすと苦みが強く出ます。熱すぎる油に入れると一瞬で焦げるので、温度を少し下げてから入れ、濃い茶色になったらすぐ次の材料を入れて温度を下げます。

料理科学:骨付きのぶつ切りで煮る理由

骨ごと煮て、こくを汁に移す

鶏の骨の周りや皮には、コラーゲンが多く含まれています。長く煮るとコラーゲンがゼラチンになって汁に溶け、こくと口当たりが出ます。骨ごと4〜5cmに切ると、骨の断面が汁に触れるので、骨のない肉で作るより、骨の周りの風味が汁に移りやすくなります。手順8で、骨の周りの肉がやわらかくなるまで煮るのはそのためです。

先に炒めるのは香ばしさのため

手順5で鶏肉を炒めると、肉から水分が出てきます。ふたをして蒸し煮にしたあと、手順6で汁気を飛ばすと、肉の表面と鍋肌でメイラード反応(アミノ酸と糖が反応して焼き色と香ばしい香りができる反応)が進みます。鍋肌に焼きついた部分は、手順8で湯を加えてこそげると汁に溶けて、汁の香ばしさになります。

地鶏は煮る時間を延ばす

地鶏や親鶏の肉は、ブロイラーよりかたく、やわらかくなるまでに時間がかかります。地鶏や親鶏で作るときは、手順8で煮る時間を40〜60分に延ばし、熱湯を200ml足します。ブダトキは、圧力鍋でも作れるが、カラーイ(両手の中華鍋に似た鍋)で作るほうがおいしいと書いています。

家庭や料理人による違い

ブダトキの地鶏のレシピは、マスタードオイルでフェヌグリークを炒めたあと、クミンやアジョワンなど数種類の種のスパイスとガラム・マサラを加えます。クミン、コリアンダー、しょうが、にんにく、乾燥唐辛子は、シラウト(平らな石のすり台)か、ミキサーですりつぶしたペーストにして使います。仕上げには、パクチーと青いにんにくの葉を散らします。

シャーのレシピは、マスタードオイルではなく植物油を使い、ホールスパイスはクミンシード、ベイリーフ、グリーンカルダモン、黒こしょうです。加える水(またはチキンストック)は200mlです。

ジンブ(ヒマラヤに育つネギの仲間の乾燥した葉)は、ネパールでは豆料理の香りづけに使われます。今回確かめたネパール語の記事でも、ジンブを加えていたのは豆料理で、鶏のレシピには入っていませんでした。このレシピでも使っていません。

手に入りにくい材料の代用

  • マスタードオイル:菜種油かサラダ油で代用できます。生のマスタードオイルのような辛味はないので、煙が出るまで熱する必要はありません。手順2では中火で2分熱し、フェヌグリークを1粒入れてすぐに泡が立てば、ちょうどよい温度です。
  • ティムル:同じ山椒の仲間の花椒(ホール)を同じ量使います。粉山椒なら小さじ1/4(0.5g)です。
  • フェヌグリークシード:省いて作れますが、ネパールらしい香ばしさとほろ苦さは弱くなります。
  • テージ・パッター:ローリエ1枚で代用できます。香りは少し異なります。
  • カシュミーリー・チリパウダー:色が濃く、辛さは穏やかな唐辛子の粉です。パプリカパウダーを同じ量使い、辛みを足したいときは一味唐辛子を小さじ1/4まで加えます。
  • 地鶏・親鶏:「料理科学:骨付きのぶつ切りで煮る理由」の最後の節を参考に、煮る時間と湯の量を増やします。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日
  • 冷凍:骨付きのまま汁ごと保存容器に入れて1か月。冷蔵庫で解凍し、鍋で煮立ててから食べます

ネパールのほかのレシピ

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。