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マーチャ・コ・ジョルMachha ko Jhol レシピ

माछाको झोलマーチャコ・ジョル

地域
ネパール(ネパール各地)
分量
4人分
公開
真鍮の器に入ったマーチャ・コ・ジョル。焼き色のついた魚の切り身が赤いトマトの汁に浸かり、青唐辛子とパクチーがのっている。奥に真鍮の皿のご飯

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マーチャ・コ・ジョルは、ネパールの家庭で作られる魚のカレーです。マスタードオイルで焼いた魚を、トマトを煮くずした汁で煮ます。汁はさらりとしていて、ご飯にかけて食べます。

この記事では、ネパールのニュースサイトで紹介された、俳優ボララージ・サプコタが家で作る魚の煮込みを骨組みにしました。フェヌグリークの香りをつけた油で玉ねぎとトマトを炒め、すりつぶしたマスタードシードを2回に分けて加えます。魚は、ネパールの市場でもよく売られている鯉の筒切りで作ります。

マーチャ・コ・ジョルとは

ネパール語では「माछाको झोल」と書きます。マーチャは魚、コは「〜の」、ジョルは汁気の多い煮もので、直訳すると「魚の汁」です。鶏で作れば「ククラ・コ・ジョル」になります。

今回読んだネパールの魚の汁もののレシピ4つは、どれも、トマトと玉ねぎを炒めた汁で魚を煮ていました。

ネパールの市場の魚

ネパールは海に面していない国です。ニュースサイトのオンラインカバルに寄稿したプラバート・ニャウパネ博士は、市場に出る魚として、シルバーカープ、ビッグヘッドカープ、グラスカープ、鯉(コモンカープ)、ロフ(ルイ)、ナイニ、ビャクル、ニジマスなどを挙げています。どれも淡水の魚です。国内では魚の養殖が商売として行われていて、インドなどからも輸入されていると書いています。

ジャナクプルとミティラーの魚

この記事の補足として、ジャナクプルはネパール南東部の平野、タライ地方にある町です。

カンティプル紙のマホッタリ通信員サントシュ・シンは、マデシュ州の町ジャナクプルの料理を伝える記事で、ジャナクプルは魚でも知られる町だと書いています。揚げた魚をムリ(米をふくらませたもの)と一緒に食べる味は忘れがたい、とも伝えています。需要が多く、多く育てられている魚は、ロフ、ビャクル、ビッグヘッドカープ、鯉、ナイニだそうです。

シンの記事は、ジャナクプルの魚を、ミティラーと呼ばれる地域の文化と結びつけて書いています。同じ記事で、ミティラー画の画家マニーシャー・サーハは、魚はヴィシュヌ神の最初の化身とされているので、ミティラーでは女性が夫の長寿を願って魚を食べる習わしもあると話しています。シンは、ミティラーでは外から来た人を魚でもてなす習わしがあり、肉を食べる家の祝いの席には魚が欠かせないとも伝えています。長い旅に出る前に魚を食べたり、旅の途中で魚を見たりすると縁起がよいと信じられている、とも書いています。

マーチャ・コ・ジョルのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 30分(魚の下味を含む) 加熱 40分

スパイスの配合 4人分で計13g
  • マスタードシード3g
  • ターメリック2.5g
  • カシュミーリー・チリ2.5g
  • クミン2g
  • コリアンダー2g
  • フェヌグリーク1g

魚の下ごしらえ

  • 鯉(骨つき・皮つきの筒切り。スズキの切り身でもよい(「日本で選ぶ魚」参照))600g
  • 塩4g(小さじ2/3)
  • ターメリック(パウダー)(Amazon|楽天)1.5g(小さじ1/2)

揚げ焼き

  • マスタードオイル(Amazon|楽天)40g(大さじ3)

マスタードのペースト

  • マスタードシード(ホール)(ブラウンまたはブラック)(Amazon|楽天)3g(小さじ3/4)
  • 水(ペースト用)15ml(大さじ1)

ジョル(汁)

  • フェヌグリークシード(ホール)(ネパール語でメティ)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/4)
  • 玉ねぎ(みじん切り)150g(中1個)
  • にんにく(みじん切り)10g(2かけ)
  • しょうが(すりおろし)5g(小さじ1)
  • ターメリック(パウダー)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/3)
  • クミン(パウダー)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • コリアンダー(パウダー)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • カシュミーリー・チリパウダー(Amazon|楽天)2.5g(小さじ1)
  • トマト(ざく切り)300g(中2個)
  • 塩6g(小さじ1)
  • 熱湯300ml
  • 青唐辛子(縦に切り目を入れる)3本(9g)

仕上げ

  • パクチー(コリアンダーの葉)(刻む)10g

道具

  • 厚手のフライパン(直径26cm前後で深さのあるもの。カラーイ(両手の中華鍋に似た鍋)でもよい)
  • ふた
  • スパイスミル(すり鉢でもよい)(Amazon|楽天)

作り方

  1. 魚に下味をつける

    鯉の水気をキッチンペーパーで拭き、塩4gとターメリック1.5gを全体にまぶして15分おく。

  2. マスタードのペーストを作る

    マスタードシード3gをスパイスミルかすり鉢で細かくひき、水15mlを加えて混ぜ、ペーストにする。半分ずつ使うので、2つに分けておく。

  3. 魚を揚げ焼きにする

    換気扇を回す。フライパンにマスタードオイル40gを入れて強めの中火にかけ、1〜2分、うっすら煙が出るまで熱したら中火にする。鯉の表面ににじんだ水気をもう一度拭き、油がはねるので離れて、1切れずつ静かに入れる。片面2〜3分ずつ、両面が薄い金色になるまで焼いて取り出す。中まで火が通っていなくてよい(あとで煮て仕上げる)。

  4. フェヌグリークと玉ねぎを炒める

    中火のまま、残った油にフェヌグリークシード1gを入れ、赤茶色になるまで10〜15秒炒める。黒くなる前に玉ねぎ150gとにんにく10gを加え、5〜7分、玉ねぎが薄いきつね色になるまで炒める。

  5. スパイスを炒める

    弱めの中火にし、しょうが5g、ターメリック1g、クミン(パウダー)2g、コリアンダー(パウダー)2g、カシュミーリー・チリパウダー2.5gを加え、焦がさないように混ぜながら30秒〜1分炒める。

  6. トマトを煮くずす

    トマト300gと塩6gを加える。はねるので気をつける。木べらでつぶしながら中火で8〜10分、トマトの形がなくなり、縁に油がにじんでくるまで炒め煮にする。

  7. マスタードのペーストと湯を加える

    マスタードのペーストの半分を加えて1分炒める。熱湯300mlを加えて鍋底をこそげ、強火で煮立てる。ぐらぐらと煮立ったら、残りのマスタードのペーストと青唐辛子3本を加える。

  8. 魚を煮る

    鯉を1段に並べ入れ、汁をスプーンでかける。ふたをして、表面がふつふつする弱めの中火で6〜8分煮る。身が崩れるので混ぜず、途中で鍋をゆすり、汁を魚にかける。いちばん厚い切り身の骨のきわにナイフの先を入れて身を少し開き、中心まで白く不透明で、身が骨から楽に離れれば煮えている。鯉などの淡水魚は半生で食べないので、中心に透き通った部分が残っていたら、1〜2分煮てもう一度確かめる。

  9. 仕上げる

    火を止め、パクチー10gを散らす。

白いご飯に汁をかけ、魚の身をほぐしながら食べます。

料理科学:魚の火の通りを確かめる理由

魚は煮すぎるとぱさつく

魚の身は、肉より短い時間で煮えます。煮えると身は白く不透明になり、層に沿ってほろりとはがれるようになります。それ以上煮続けると、身はぱさついてぼろぼろになります。手順8で混ぜずに鍋をゆするのは、身が崩れないようにするためです。

骨のきわを開いて見る

骨つきの筒切りでは、骨のまわりの身にいちばん遅く熱が届きます。表面が白くなっていても、骨のきわが透き通っていれば、まだ煮えていません。手順8で、いちばん厚い切り身の骨のきわを開いて確かめるのはそのためです。中心まで白く不透明になり、身が骨から楽に離れたら、火を止めます。それ以上煮続けると、身がぱさつきます。

先に焼くのは形と香ばしさのため

手順3で先に両面を焼くと、表面が固まって、煮るあいだも切り身の形を保ちやすくなります。表面が色づくのは、メイラード反応(アミノ酸と糖が反応して、焼き色と香ばしい香りができる反応)によるものです。汁の中で煮るだけでは焼き色はつかないので、焼いた香りは先に油で焼いておかないとつきません。

焼く直前に水気を拭くのは、表面に水分が残っていると焼き色がつきにくく、熱い油に触れてはねる原因にもなるからです。

料理科学:トマトとマスタードシードの扱い

トマトは油がにじむまで煮くずす

トマトは、水分の多い野菜です。手順6で、形がなくなって縁に油がにじんでくるまで炒め煮にするのは、水分を飛ばして、トマトの甘みと酸味を濃くするためです。水分がほぼ飛ぶと、油の中でスパイスとトマトが炒められるようになります。縁に油がにじむのは、その合図です。ここで湯を加えると、炒めた香りが汁全体に移ります。

マスタードシードを2回に分けて加える

サプコタの作り方では、すりつぶしたマスタードシードを湯を加える前に入れ、湯が煮立ってから、もう一度マスタードシードを少し加えます。2回目をすりつぶすかどうかは書かれておらず、2回に分ける理由も書かれていません。この記事の手順7では、2回ともすりつぶしたペーストを使います。

フェヌグリークは赤茶色で止める

フェヌグリークは苦みのある種です。油で色づくと香ばしい香りが出ますが、黒くなるまで焦がすと苦みが強く出ます。手順4で赤茶色になったらすぐに玉ねぎを加えるのは、玉ねぎの水分で油の温度を下げて、焦げるのを止めるためです。

地域や料理人による違い

  • マスタードとピーマン:オンラインカバルのシヴ・ムキヤが紹介したサプコタの魚の煮込みは、トマトと一緒にピーマンも加えます。分量や時間は書かれていないので、この記事の配合は、ほかのレシピも参考にして決めました。サプコタは、魚を揚げる油は純粋なマスタードオイルでなければならないとしています。
  • 米粉の衣とマスタードのペースト:料理人サントシュ・シャー(オンラインカバルのアチュト・プリの記事によると、シラハ郡カルジャンハ村の出身)のマーチャ・コ・ジョルは、イギリスの料理業界向けサイトに英語で載っています。魚にしょうが・にんにくのペーストや米粉などで下味をつけて揚げます。汁は、煙が出るまで熱したマスタードオイルでマスタードシードをはじかせ、玉ねぎを炒めてからマスタードのペーストを加えて作ります。魚には、ネパールでとても一般的なコイ科の魚としてロフを挙げています。
  • ヨーグルトとカルダモン:ネパール料理のブログ「Hamro Nepali Khana」のアサラ(川の魚)のジョルは、ベイリーフ、グリーンカルダモン、クミンシードを油で炒め、玉ねぎのペーストとトマトに、ヨーグルトを加えます。
  • いぶして干した川の魚:ネパール料理のブログ「ザ・グンドゥルック」の書き手は、メラムチ川でとれるアサラ(川の魚)を、いぶして干したもので作るジョルを紹介しています。フェヌグリークを炒めた油に、クミンとコリアンダーの種と乾燥唐辛子をすりつぶしたペースト、トマトを加えて煮て、仕上げにレモンを搾ります。書き手は、子どものころ川で魚をとっていたが、いまは魚が減ったと書いています。

日本で選ぶ魚

  • 鯉:ネパールの市場でもよく売られているコイ科の魚です。うろこを取った骨つきの筒切りを使います。煮る時間はレシピと同じです。
  • スズキ:シャーは、コイ科の魚のほか、パーチやスズキでも作れるとしています。日本では、スズキの皮つきの切り身を使います。骨のない切り身は火が通りやすいので、手順8で煮る時間を4〜5分にし、いちばん厚い部分を開いて確かめます。
  • ロフ(ルイ):インドやバングラデシュの食材を扱う店で、冷凍の筒切りが売られていることがあります。煮る時間はレシピと同じです。

手に入りにくい材料の代用

  • マスタードオイル:サラダ油で代用できます。マスタードオイル特有のツンとした香りはなくなります。代用するときは、手順3で煙が出るまで熱する必要はありません。
  • マスタードシード:シャーは、マスタードのペーストの代わりに粒マスタードを使えるとしています。手順2のペーストの代わりに、粒マスタード10g(小さじ2)を半分ずつ使います。酢が入っているぶん、汁の酸味が少し増えます。
  • フェヌグリークシード:省いて作れますが、ネパールらしい香ばしさとほろ苦さは弱くなります。
  • カシュミーリー・チリパウダー:色が濃く、辛さは穏やかな唐辛子の粉です。パプリカパウダーを同じ量使います。
  • 青唐辛子:ししとう3本で代用できます。辛みはほとんどなくなります。

保存

保存の日数は、出典には書かれていない、この記事の目安です。

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日。温め直すときは、魚が崩れないように鍋をゆすりながら温めます
  • 冷凍:保存容器に入れて2週間。冷蔵庫で解凍し、同じように鍋で温め直します

ネパールのほかのレシピ

もっと知りたい人へ

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。