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サンバル・ゴレン・トゥルールSambal Goreng Telur レシピ

Sambal Goreng Telurサンバル・ゴレン・トゥルール

地域
東南アジア(ジャワ島)
分量
4人分
公開
緑の縁のほうろうの皿に盛ったサンバル・ゴレン・トゥルール。赤いサンバルをまとった揚げたゆで卵に、輪切りの赤唐辛子とサラムの葉がのり、半分に切った卵から黄身がのぞいている。奥にクトゥパット

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サンバル・ゴレン・トゥルールは、ゆで卵を油で揚げてから、唐辛子とエシャロットのペーストをココナッツミルクでのばしたサンバルで煮る、インドネシアのおかずです。揚げた卵の表面には細かいしわの寄った皮ができ、赤いサンバルがよくからみます。唐辛子の辛さに、ココナッツミルクのコクとパームシュガーの甘みが重なります。

作り方は、インドネシアのニュースサイト detik の料理欄 detikFood と、オンラインメディア IDN Times のレシピにならいます。卵を揚げる手順は detikFood、ココナッツミルクで煮る手順は IDN Times に沿っています。ゆで卵を熱い油に入れるときは油がはねやすいので、手順4の注意を守ってください。

サンバル・ゴレン・トゥルールとは

インドネシア語で Sambal Goreng Telur と書きます。サンバルは唐辛子を主にした辛い調味料、ゴレンは「油で揚げる・炒める」、トゥルールは「卵」です。

インドネシア語版ウィキペディアは、サンバル・ゴレンを、香辛料を油で炒め、そこにほかの材料を加えたインドネシアの料理だと説明しています。主な材料によって名前が変わり、レバーなら「サンバル・ゴレン・アティ」、いんげんなら「サンバル・ゴレン・ブンチス」になります。同じ名づけ方で、卵(トゥルール)で作るものがサンバル・ゴレン・トゥルールです。同じ記事は、サンバル・ゴレンの材料として、ガランガル、サラムの葉、こぶみかんの葉、レモングラス、ココナッツミルクなどを挙げ、唐辛子の辛さと、ココナッツミルクと塩のコクが味の中心だとしています。

ルバランの食卓のおかず

インドネシア語版ウィキペディアによると、サンバル・ゴレンは白いご飯のおかずになるほか、ナシ・クニン(ターメリックで黄色く炊いたご飯)などとも合わせて食べられ、伝統の儀礼や祝いの席にもよく出されます。detikFood は、ルバラン(断食月明けの祝日)のクトゥパット(ヤシの若葉で編んだ袋で炊いた米)には、オポル・アヤム(鶏のココナッツミルク煮)や野菜の汁ものとともに、サンバル・ゴレンを添えるのがふつうだと書いています。detikFood は、うずらの卵のサンバル・ゴレンのレシピに、料理の地域として「ジャワ」と表示しています。

インドネシアのニュースサイト Medcom.id も、レバーのサンバル・ゴレン・アティが、特にジョグジャカルタ特別州と東ジャワでルバランの食卓に並ぶとしています。

唐辛子とサンバルの歴史

唐辛子は南北アメリカの植物です。インドネシアのニュースサイト GNFI の寄稿記事は、唐辛子がいつインドネシアに来たかははっきりしないとしたうえで、ポルトガルがマルク諸島の香辛料貿易を握った15〜16世紀ごろと推測しています。同じ記事は、10世紀の『ラーマーヤナ』の文に唐辛子が食べ物として出てくるという、考古学者ティティ・スルティ・ナスティティの見方も、別の説として紹介しています。また同じ記事によると、1814年のジャワの書物『スラット・チュンティニ』には46種類のサンバルが記されています。また、オランダ領東インドで家庭向けの料理書を書いたカテニウス=ファン・デル・メイデンのレシピにも、卵のサンバル(sambal telur)があったと紹介しています。

サンバル・ゴレン・トゥルールのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 25分 加熱 35分

スパイスの配合 4人分で計1g
  • 黒こしょう1g

卵

  • 卵(Mサイズ)8個

ゆでる・揚げる

  • 水(ゆでる用)1000ml
  • 水(冷やす用)(冷たい水)1000ml
  • 揚げ油(サラダ油など)500ml

スパイスペースト

  • 赤唐辛子(生)(細長い赤唐辛子)80g
  • 小さな赤唐辛子(生)(インドネシアのチャベ・ラウィッ)(Amazon|楽天)4本(4g)
  • エシャロット(インドネシアのバワン・メラ(赤い小玉のエシャロット)と同じ仲間)(Amazon)80g
  • にんにく20g(4片)
  • ククイナッツ(インドネシアのクミリ)(楽天)3粒(約10g)
  • 黒こしょう(ホール)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/3)

香りの葉

  • ガランガル(Amazon|楽天)10g(2cm)
  • レモングラス(Amazon|楽天)1本
  • こぶみかんの葉(乾燥品でもよい)(Amazon|楽天)2枚
  • サラムの葉(インドネシアのダウン・サラム)2枚

サンバル

  • サラダ油26g(大さじ2)
  • 赤唐辛子(生)(斜め切り用)2本(20g)
  • ココナッツミルク(Amazon|楽天)400ml(1缶)
  • 水100ml
  • パームシュガー(Amazon|楽天)10g(削って小さじ2と1/2)
  • 塩6g(小さじ1)

道具

  • 小鍋(直径18cm前後。揚げ油500mlで深さ約2cmになるもの)
  • ハンドブレンダー(ミキサーでもよい)(Amazon|楽天)
  • 油はねガード(なければ鍋のふた)

作り方

  1. 卵をゆでる

    鍋に水(ゆでる用)1000mlを沸かし、冷蔵庫から出した卵8個をお玉で1個ずつ静かに入れる。弱めの中火で11分ゆでる。ボウルに水(冷やす用)1000mlを用意し、ゆでた卵を移して5分冷やし、殻をむく。

  2. スパイスペーストを作る

    赤唐辛子80gはヘタを取ってざく切りにする。辛さを抑えたいときは、縦に割って種と白いわたを除く。小さな赤唐辛子4本はヘタを取る。エシャロット80gとにんにく20gは皮をむく。これらとククイナッツ3粒、黒こしょう1gを背の高い容器に入れ、ココナッツミルク400mlのうち50mlを加えて、ハンドブレンダーでなめらかなペーストにする。

  3. 香りの葉と唐辛子の下ごしらえ

    ガランガル10gとレモングラス1本は、すりこぎでたたいてつぶす。レモングラスは根元を切り落としてからたたき、ひと結びする。こぶみかんの葉2枚は中央の硬い筋を取る。斜め切り用の赤唐辛子2本は、ヘタを取って斜めに薄く切る。

  4. 卵を揚げる

    卵の表面の水けをキッチンペーパーでしっかりふく。包丁の刃先で、白身に縦の浅い切り込み(深さ2〜3mm)を4〜5本ずつ入れる。小鍋に揚げ油500mlを入れて170〜180℃に熱する(乾いた菜箸を入れると、細かい泡が勢いよく出るくらい)。お玉に卵を1〜2個のせ、油の中へ静かに入れる。水けが油に触れると、はねたり、白身の皮がふくらんで破れて油が飛んだりすることがあるので、すぐに油はねガードをかぶせ(なければ鍋のふたを斜めにかざして盾にする)、鍋に顔を近づけない。ときどき転がしながら3〜5分、表面が黄金色になり、細かいしわが寄るまで揚げて、網にとる。残りも同じように揚げる。はねが激しいときは、いったん火を止める。

  5. ペーストを炒める

    換気扇を回す。唐辛子を炒めると、目やのどを刺激する蒸気が出る。別の鍋にサラダ油26gを中火で熱し、ペーストを入れる。焦げないように絶えず混ぜながら8〜10分、水分がとび、色が濃くなって、縁に油がにじみ出るまで炒める。

  6. ココナッツミルクで煮立てる

    ガランガル、レモングラス、こぶみかんの葉、サラムの葉2枚、斜め切りの赤唐辛子を加えて1分炒める。残りのココナッツミルク350mlと水100mlを加え、煮立つまで鍋底から絶えず混ぜる。パームシュガー10gと塩6gを加えて溶かす。

  7. 卵を煮る

    揚げた卵を加え、弱めの中火で10〜15分、ときどき卵を転がしながら煮る。煮汁が半分ほどに減ってとろみがつき、表面に赤い油が点々と浮いたら火を止める。レモングラスとガランガルは、食べるときに除く。

白いご飯や、クトゥパットとオポル・アヤムに添えて食べます。

作り方の要点:ゆで卵を揚げる理由と、油がはねる理由

揚げると、サンバルがからむ皮ができる

ゆでたままの卵は、白身の表面がつるりとして湿っているので、ソースがからみにくくなります。

170〜180℃の油に入れると、白身の表面の水分が蒸発して乾き、黄金色の薄い皮になります。揚げた白身は縮んで、細かいしわが寄ります。このでこぼこにサンバルが入り込むので、卵の表面に味がつきます。detikFood のうずらの卵のレシピも、ゆでた卵を外側が少し黄色くなるまで揚げてから、サンバルと合わせています。

卵の水けと、白身の中の水分がはねる

水が熱い油に触れると、一気に沸騰して水蒸気になり、まわりの油をはね飛ばします。手順4で卵の表面の水けをふくのはそのためです。

揚げている間、白身の中の水分も少しずつ蒸気になります。表面が皮になると、蒸気がその下にたまってふくらみ、破れるときに油が飛ぶことがあります。そこでこの記事では、白身に浅い切り込みを入れて、蒸気の逃げ道を作ります。参考にしたレシピにはない、この記事の工夫です。切り込みからサンバルの味も入りやすくなります。

作り方の要点:ゆで時間と、ココナッツミルクを混ぜながら煮立てる理由

11分ゆでて、すぐに冷やす

卵を長くゆでると、黄身のまわりが灰色がかった緑色になることがあります。ゆで過ぎないことと、ゆでたらすぐに冷やすことが、よく知られた防ぎ方です。

この料理では、ゆでた卵をさらに揚げて、煮ます。手順1でゆで時間を11分にとどめ、冷たい水に移すのは、そのあとの加熱で黄身が硬く、色が悪くなりすぎないようにするためです。

ココナッツミルクは煮立つまで混ぜる

ココナッツミルクを混ぜずに加熱すると、固形分が鍋底に沈んで焦げついたり、分離したりすることがあります。IDN Times の豆腐と卵のサンバル・ゴレンのレシピも、ココナッツミルクを加えたら分離させないように混ぜるよう書いています。手順6で煮立つまで鍋底から混ぜ続けるのはそのためです。

煮汁が減ると、表面に油が浮いてきます。detikFood の2021年の記事に載るクレチェッのサンバル・ゴレンのレシピも、ココナッツミルクで、とろみがつき油がにじむまで煮ています。手順7で、表面に赤い油が点々と浮くのを煮上がりの目安にしているのはそのためです。

地域による違い

インドネシアの中でも具と煮方が違う

インドネシア語のレシピでは、うずらの卵で作るものもよく見られます。この記事で参考にしたものでは、detikFood の3本の記事(うち2本は同じレシピ)、Katadata、調味料ブランド Sasa のレシピがうずらの卵でした。detikFood の2021年と2022年の記事に載るレシピは、揚げたうずらの卵に、鶏の砂肝や小えび、プタイ(くさい豆とも呼ばれる、独特の香りのある豆)を合わせています。

煮る液体も違います。detikFood の2024年の記事のうずらの卵のレシピはココナッツミルクを使わず、水100mlで煮ています(2021年・2022年のレシピは水も加えません)。一方、IDN Times のレシピはココナッツミルクで煮ます。インドネシアのニュース・データ媒体 Katadata は、サンバル・ゴレンには汁けのあるもの、汁けが少し残る「ニュムッ」、汁けのないものがあると説明しています。この記事では、ココナッツミルクで煮て、とろみのある汁が残る仕上がりにしています。

マレーシアの卵のサンバルとサンバル・ゴレン

マレーシアにも、卵とサンバルを合わせた料理があります。この記事で読んだマレーシアの情報源は3件だけなので、それぞれが何を書いているかを紹介するにとどめます。

マレーシアのオンラインメディア SAYS は、サフール(断食月の夜明け前の食事)向けの卵料理10品を、マレー語の記事にまとめています。そのうち、名前が「サンバル・トゥルール」で始まるものは3つです。2つはゆで卵を揚げてサンバルとからめるもの、1つは目玉焼きにサンバルをのせるものです。3つのうちココナッツミルクを使うのは1つだけで、それもトマトピューレやチリソース、オイスターソース、醤油を加える作り方です。ほかの2つは、唐辛子を油で炒めて、アサム・クピン(酸味のある果実を干したもの)やアサム・ジャワ(タマリンド)の酸味と、砂糖で味をつけています。

英語版ウィキペディアは、マレーシアなどで食べられるサンバル・トゥミスを、乾燥と生の唐辛子、ブラチャン(えびの発酵ペースト)、グラ・ムラカ(ヤシ砂糖)を油で炒めたサンバルとし、ナシ・ルマッ(ココナッツミルクで炊いたご飯)にゆで卵などと添えると説明しています。

マレーシアのレシピサイト Periuk.my に載るアリア・アリのサンバル・ゴレンは、この記事の料理とはかなり違います。アリア・アリは、ハリラヤ(断食明けなどの祝日)にはサンバル・ゴレンが欠かせないと書いています。そのレシピは、揚げたじゃがいも、テンペ、鶏レバー、春雨などを、唐辛子のペーストと甘い醤油で炒め合わせたもので、卵もココナッツミルクも入りません。

手に入りにくい材料の代用

  • 赤唐辛子(生):インドネシアでは、細長くて辛さが中くらいの赤唐辛子を使います。手に入らないときは、ペーストの80gを韓国の粗びき唐辛子13gに替え、手順2でほかの材料と一緒にハンドブレンダーにかけます。斜め切りの2本は入れずに作れます。日本の鷹の爪は辛すぎるので、同じ量では使えません。
  • 小さな赤唐辛子(生):タイ料理の「プリッキーヌー」と同じ仲間で、冷凍品を同じ本数使えます。手に入らないときは、一味唐辛子小さじ1/4(0.5g)をペーストに加えます。
  • エシャロット:赤玉ねぎ80gで代用できます。
  • ククイナッツ:ペーストにとろみとコクを加える木の実です。無塩のマカダミアナッツ10gで代用できます。ククイナッツは、ほかの材料と一緒にペーストにして、手順5でしっかり炒めてから使います。
  • ガランガル:冷凍品を同じ量使えます。手に入らないときは、しょうが5gで代用します。香りの質は違います。
  • レモングラス:冷凍品を同じ量使えます。
  • こぶみかんの葉:タイ料理の「バイマックルー」と同じ葉です。冷凍品や乾燥品を同じ枚数使えます。
  • サラムの葉:インドネシアのベイリーフと呼ばれますが、ヨーロッパのローリエとは別の植物で、香りも違います。手に入らないときは入れずに作ります。
  • パームシュガー:きび砂糖10gで代用できます。
  • ココナッツミルク:缶によって濃さが違います。「ココナッツクリーム」と書かれた濃いものを使うときは、400mlのうち100mlを水に替えます。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日。温め直すときは、弱火で卵を転がしながら温めます
  • 冷凍:ゆで卵の白身は、冷凍すると水分が抜けてゴムのような食感になるので、向きません

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。