アチャーリー・ムルグ・ティッカーAchari Murgh Tikka レシピ
अचारी मुर्ग़ टिक्काアチャーリー・ムルグ・ティッカー

この記事はAmazonアソシエイト・楽天アフィリエイトのリンクを含みます。
アチャーリー・ムルグ・ティッカーは、インドの漬物(アチャール)に使うスパイスで香りをつけて焼く、北インドの鶏の串焼きです。マスタードシード、フェンネル、カロンジー(ニゲラの種)、フェヌグリークを油をひかずに炒って粗く砕き、マスタードオイルと水切りヨーグルトの衣に混ぜて鶏肉を漬けます。焼き上がりは、香ばしい種の粒が衣に残り、レモンの酸味とマスタードオイルの香りが漬物を思わせる味になります。
家庭では、タンドゥール(炭火で熱する壺型の窯)の代わりにオーブンで焼きます。この記事では、炒った種が焦げすぎないように、温度を最高温度ではなく230℃にしています。焼き上がりは、色ではなく肉の中心温度で確かめます。
アチャーリー・ムルグ・ティッカーとは
ヒンディー語では「アチャーリー・ムルグ・ティッカー」(अचारी मुर्ग़ टिक्का)と書きます。ムルグは鶏、ティッカーは小さく切った肉のことです。アチャーリーは「アチャール(漬物)風の」という意味です。
アチャールという言葉
英語版ウィキペディアの「南アジアのピクルス」の項目は、アチャールをムガル帝国の時代のペルシア語に由来する言葉としています。同じ項目は、ほかの説も紹介しています。18世紀には博物学者のルンフィウスが、この言葉はアメリカ大陸のアラワク語で唐辛子を指す言葉から来たと唱えました。1886年の英印語の辞書『ホブソン=ジョブソン』は、ラテン語の acetaria から来たとしています。
同じ項目によると、インドの漬物には、マスタードオイルやごま油で漬けるものと、油を使わないものがあり、油で漬けるものは北インドと西インドに多いとされています。漬物に使うスパイスとしては、マスタードシードやフェンネルシード、フェヌグリークなどを挙げています。
パンジャーブの前菜
インドの料理家サンジーヴ・カプールは、「アチャーリー・チキン・ティッカー」をパンジャーブ料理の前菜に分類しています。インドのレシピサイト、ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語版は、アチャーリー・パニール・ティッカー(パニールはインドのチーズ)を、北インドかパンジャーブで人気の料理として紹介し、チキン・ティッカーやアチャーリー・ムルグ・ティッカーを菜食の人向けにしたもの、と説明しています。この記事のために読んだ情報源には、この料理がいつ、誰によって考えられたのかを書いたものはありませんでした。
インドのヒンディー語のニュース局アージ・タクのサイトにある「アチャーリー・チキン」は、焼かずに玉ねぎとトマトで煮るカレーです。フェンネル、フェヌグリーク、マスタードシード、カロンジーを炒って粗く挽き、アムチュール(乾燥マンゴーの粉)と合わせた「アチャーリー・マサーラー」で香りをつけます。この記事のために読んだアチャーリーの名前の料理では、焼くものにも煮るものにも、似た組み合わせの種が使われていました。
ショルシェ・ムルギとは別の料理
ベンガル地方のショルシェ・ムルギも、マスタードを使う鶏料理です。ただしこちらは、生のマスタードシードを挽いて水で練ったペーストで鶏肉を煮込むカレーです。種を炒ってから砕き、ヨーグルトの衣に混ぜて焼くアチャーリー・ムルグ・ティッカーとは、作り方も辛みの出方も違います。
この記事の配合
カプールのアチャーリー・チキン・ティッカーを土台にしました。1回目に塩、レモン汁、しょうが、にんにく、唐辛子で下味をつけ、2回目に、炒って砕いた4種類の種とカーラー・ナマク(硫黄の香りのある岩塩)、バターで炒ったベサン(ひよこ豆の粉)、マスタードオイルを水切りヨーグルトに混ぜた衣で漬けます。
カプールのレシピは鶏肉400gに対して水切りヨーグルト1カップと衣がとても多いので、この記事では鶏肉600gに150gにしています。この記事では、種はカプールの分量(鶏肉400g分)をそのまま鶏肉600gに使い、香りを少し控えめにしました。カーラー・ナマクと、ベサンを炒めるバターも、カプールより少なくしています。1回目の下味は、カプールの15〜20分に対して、この記事では30分おきます。カプールは赤唐辛子の粉小さじ2を1回目に入れますが、この記事では、このサイトのタンドゥーリー・チキンにそろえて、色の濃いカシュミーリー・チリを1回目と2回目に分け、辛みをレッドチリパウダーで足しています。カプールは鶏肉をフライパンで焼きますが、この記事ではオーブンの230℃で焼き、焼きながらタンドゥーリー・チキンと同じようにギーを塗ります。フライパンの焼き方は後半で紹介します。焼き時間は情報源にない、この記事の目安です。
アチャーリー・ムルグ・ティッカーのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 2時間45分(漬け込みを含む) 加熱 40分
- カシュミーリー・チリ5g
- マスタードシード3.5g
- カロンジー3g
- フェンネル2g
- フェヌグリーク2g
- 赤唐辛子1.3g
- チャート・マサーラー1.2g
下味(1回目)
アチャールのスパイス
下味(2回目)
作り方
鶏肉を切って1回目の下味をつける
鶏もも肉600gの余分な脂と筋を除き、4cm角に切る。キッチンペーパーで水気をふいてボウルに入れ、塩3.5g、カシュミーリー・チリパウダー2.5g、しょうが10g、にんにく10g、レモン汁15mlをもみ込む。ふたをして冷蔵庫で30分おく。生の鶏肉をさわった手と包丁、まな板は、すぐに洗剤で洗う。
スパイスをから炒りする
鶏肉を漬けている間に、小さなフライパンにマスタードシード3.5g、フェンネル2g、カロンジー3g、フェヌグリーク2gを入れ、油をひかずに弱めの中火で1〜2分、ゆすりながら炒る。マスタードシードがはじけ始め、フェンネルの香りが立ち、フェヌグリークが薄い茶色になったら、すぐに皿に移して冷ます。フェヌグリークは黒くなるまで炒ると苦くなるので、炒りすぎない。
スパイスを粗く砕く
冷めたスパイスとカーラー・ナマク1.3gをすり鉢に入れ、粒の半分ほどが割れる程度に粗く砕く。粉になるまではすらない。
ベサンをバターで炒める
同じフライパンをキッチンペーパーでふき、バター15gを弱火で溶かす。ベサン11gを加え、へらで混ぜながら2〜3分、香ばしい香りが立ってうっすら色づくまで炒める。茶色くなるまでは炒らない。火を止めて、フライパンから出して冷ます。
2回目の下味をつける
ボウルにギリシャヨーグルト150g、マスタードオイル26g、カシュミーリー・チリパウダー2.5g、レッドチリパウダー1.3g、手順3のスパイス、手順4のベサンを入れ、なめらかになるまで混ぜる。1の鶏肉を、ボウルにたまった汁ごと加え、全体に厚くからめる。ふたをして冷蔵庫で1〜2時間おく。
オーブンを予熱して串に刺す
換気扇を回し、オーブンを230℃で15分以上予熱する。天板にアルミホイルを敷いて網をのせる。鶏肉を金串に、1切れずつ1cmほど間をあけて刺し、衣をつけたまま網に並べる。ギー20gを小さな器に入れて溶かしておく。
焼いて、返してギーを塗る
上段で10分焼く。天板は熱いので、厚手のミトンで取り出す。串を返し、溶かしたギーの半量(10g)を塗って、さらに6分焼く。
もう一度ギーを塗って焼き上げる
残りのギー10gを塗り、2〜4分、ところどころに焦げ目がつくまで焼く。いちばん大きい1切れの中心に、横から温度計を刺す(先が串に当たらないようにする)。75℃以上になっていれば焼き上がり。足りなければ2〜3分ずつ焼いて、測り直す。温度計がないときは、いちばん大きい1切れを中心で切り、断面に生の透明感がなく、肉汁に赤みがないことを確かめる。色だけでは確実に判断できないので、迷ったら2〜3分焼き足す。
休ませて仕上げる
串から外して器に移し、3分おく。チャート・マサーラー1.2gを振り、ミントの葉3gを散らす。紫玉ねぎ1/2個(100g)を薄い輪切りにし、レモン1/2個をくし形に切って添える。
焼きたてにレモンを搾り、紫玉ねぎと一緒に、ミントとパクチー(コリアンダーの葉)をすりつぶしたグリーン・チャトニーやナーンを添えて、前菜として食べます。
地域による違い
生の粉を混ぜる作り方
ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語版のアチャーリー・パニール・ティッカーは、種を炒らずに、マスタードパウダー、フェンネルパウダー、フェヌグリークの粉、アジョワン(タイムに似た香りの小さな種)を、そのまま濃いヨーグルトに混ぜます。ターメリック、ガラム・マサーラー、カスーリー・メーティー(乾燥したフェヌグリークの葉)も加え、マスタードオイル大さじ2で漬けます。
カプールのヒンディー語のサイトのアチャーリー・パニール・ティッカーは、コリアンダーシード、フェヌグリーク、カロンジーをから炒りして砕き、マスタードパウダーと、どの漬物のものでもよいとして漬物の汁を小さじ2加えます。
パキスタンのアチャーリー・チキン
パキスタンのウルドゥー語のレシピサイト、ウルドゥーポイントには、「アチャーリー・ティッカー・チキン」という名前のレシピがあります。ただし、焼かずに鍋で煮る料理です。玉ねぎとトマトとヨーグルトで鶏肉を煮て、マスタードシード、フェンネル、クミン、カロンジーをから炒りし、一部を粒のまま残して、残りを挽いてレモン汁と練ります。これを縦に切った青唐辛子に詰め、粒のスパイスと一緒に鍋に加えます。同じサイトの「ベークト・アチャーリー・チキン」は、鶏肉を電子レンジで加熱してから、炒って砕いたコリアンダー、クミン、マスタードシード、カロンジー、フェヌグリーク、フェンネルを入れた玉ねぎとトマトのマサーラーと合わせます。
フライパンで焼く
カプールのレシピのように、フライパンでも焼けます。カプールは油で焼きますが、この記事ではオーブンで塗るのと同じギーを使います。換気扇を回し、直径26cmほどのフッ素樹脂加工のフライパンにギー20gを入れて、中火で溶かします。鶏肉を串に刺さずに、間隔をあけて並べます。衣の水分で油がはねるので、気をつけます。
下の時間は、情報源にない、この記事の目安です。
- 中火で3分焼き、焼き色がついたら返して3分焼きます
- 弱めの中火にし、ときどき転がしながら、さらに4〜6分焼きます
衣のベサンとヨーグルトがフライパンにつきやすいので、焦げつきそうなら火を弱めます。焼き上がりは、オーブンと同じように、いちばん大きい1切れの中心が75℃以上になっていることを確かめます。
手に入りにくい材料の代用
- マスタードオイル:サラダ油で代用できます。マスタードオイル特有のツンとした香りはなくなります。
- マスタードシード(ブラウンまたはブラック):イエローのマスタードシードを同じ量使えます。
- カロンジー:代わりになるものがないので、手に入らなければ省きます。
- フェヌグリーク(ホール):手に入らなければ省きます。漬物らしいほろ苦い香りは弱くなります。
- カーラー・ナマク:普通の塩1.3gで代用できます。ゆで卵のような硫黄の香りはなくなります。
- ベサン:薄力粉11g(大さじ1と1/4)を同じようにバターで炒って使えます。豆の粉の香ばしさはなくなります。
- ギリシャヨーグルト:プレーンヨーグルト300gを、キッチンペーパーを敷いたざるにのせて冷蔵庫で6時間〜一晩水切りすると、約150gの濃いヨーグルトになります。
- カシュミーリー・チリパウダー:色が濃く、辛さは穏やかな唐辛子の粉です。パプリカパウダーを同じ量使います。
- レッドチリパウダー:一味唐辛子1g(小さじ1/2)で代用できます。
- チャート・マサーラー:クミンパウダー小さじ1/8と塩0.5gを混ぜて振ります。
- ギー:食塩不使用バターを溶かして使います。
保存
- 冷蔵:串から外して保存容器に入れ、2日。温め直すときは、アルミホイルをかぶせて180℃のオーブンで8〜10分、中心が75℃になるまで温めます
- 冷凍:焼いたものを1切れずつラップで包み、1か月。冷蔵庫で解凍してから、冷蔵と同じように温め直します
北インドのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- Sanjeev Kapoor「Achaari Chicken Tikka」(英語)
- Hebbar's Kitchen「अचारी पनीर टिक्का रेसिपी | achari paneer tikka in hindi | तवा पर अचारी पनीर टिक्का」(ヒンディー語)
- Sanjeev Kapoor「आचारी पनीर टिक्का」(ヒンディー語)
- Aaj Tak「Achari Chicken: चिकन को दें नया ट्विस्ट, ट्राई करें अचार के फ्लेवर वाली ये रेसिपी」(ヒンディー語)
- UrduPoint「Achari Tikka Chicken Recipe In Urdu - Recipe No. 5113」(ウルドゥー語)
- UrduPoint「Baked Achari Chicken Recipe In Urdu - Recipe No. 7768」(ウルドゥー語)
- Wikipedia「South Asian pickle」(英語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。