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アールー・パーラクAloo Palak レシピ

आलू पालकアールー・パーラク

地域
北インド(北インド)
分量
4人分
公開
ステンレスの器に盛ったアールー・パーラク。刻んだほうれん草に黄色く色づいた角切りのじゃがいもが混ざり、青唐辛子とクミンが見える。奥にローティー

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アールー・パーラクは、じゃがいもとほうれん草をスパイスで炒め煮にした、北インドの家庭のおかずです。汁気はほとんどなく、ほうれん草はペーストにせず、刻んだ葉の形が残ります。ローティー(全粒粉の薄焼きパン)やパラーター、ご飯に添える、毎日の献立の一品です。

同じほうれん草の料理でも、パーラク・パニールは下ゆでしたほうれん草をなめらかなペーストにして、短く煮て緑を保ちます。アールー・パーラクは、刻んだ生のほうれん草を鍋に入れ、葉から出る水分でじゃがいもと一緒に蒸し煮にします。最後に汁気を飛ばすので、ほうれん草は深い緑色になり、じゃがいもにスパイスとほうれん草の味がからみます。

アールー・パーラクとは

ヒンディー語ではデーヴァナーガリー文字で「आलू पालक」と書きます。アールーはじゃがいも、パーラクはほうれん草のことです。ヒンディー語で料理を紹介するニシャー・マドゥリカーのレシピは、題を「パーラク・アールー・キー・スーキー・サブズィー」としています。スーキーは「汁気のない」、サブズィーは野菜のおかずのことです。

じゃがいもとほうれん草はどこから来たか

じゃがいもは南米のアンデスの作物です。インドにいつ、どう伝わったかについて、ヒンディー語のウェブ誌「カファル・トゥリー」に載ったギリーシュ・ローハニーの記事は、次のように書いています。インドでじゃがいもに触れた、知られているいちばん古い記録は、1615〜1619年にムガル帝国の皇帝ジャハーンギールの宮廷にいたイギリス大使トマス・ローに同行した、エドワード・テリーの記録だとしています。また、17世紀のはじめにポルトガルの船乗りが南アジアに持ち込んだとしています。この2つは、記事の筆者自身の説明で、出典は示されていません。

同じ記事は、インドではじゃがいもをはじめはヨーロッパ人だけが、次にムスリムが食べていたことを、事典『A Historical Dictionary of Indian Food』に記録されていることとして紹介しています。

ほうれん草について、ヒンディー語版のウィキペディアは、イランとその周辺の原産だとしています。インドにいつ伝わったかは書いていません。

アールー・パーラクがいつ、どこで作られはじめたのかは、今回読んだレシピや記事には書かれていませんでした。ヘッバールズ・キッチン(インドの料理サイト)のヒンディー語版は、ほうれん草のピューレで作るアールー・パーラクを、北インド料理とパンジャーブ料理に分類しています。ニシャー・マドゥリカーは、汁気のない作り方を北インド料理に分類しています。

この記事の作り方

この記事は、ニシャー・マドゥリカーの汁気のないアールー・パーラクにならっています。玉ねぎもにんにくもしょうがも使わず、マスタードオイル(からし菜の種の油)にヒングとクミンで香りを移し、ターメリックとコリアンダーと青唐辛子で味をつけます。じゃがいもは生のまま少ない水で蒸し焼きにし、刻んだ生のほうれん草を加えて、ふたをして火を通します。

ニシャーのレシピでは、じゃがいもとほうれん草をそれぞれ5分ずつ煮ます。この記事では2.5cm角のじゃがいもに確実に火が通るように、ニシャーのもう1本のレシピ(ほうれん草1kgで作る「パーラク・アールー・ブジヤー」)にならって、途中でじゃがいもの火の通りを確かめ、足りなければ煮る時間を足します。ニシャーはじゃがいもを割って確かめていますが、この記事では竹串を使います。

アールー・パーラクのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 20分(ほうれん草の水気を切る時間を含む) 加熱 25分

スパイスの配合 4人分で計4.4g
  • コリアンダー2g
  • クミン1g
  • ターメリック0.7g
  • 赤唐辛子0.5g
  • ヒング0.2g

野菜

  • ほうれん草(根元と太く硬い茎を除く)500g(2〜3束)
  • じゃがいも(メークインなど煮くずれしにくいもの)250g(中2個)
  • 青唐辛子(生のもの)2本(6g)

炒める

  • マスタードオイル(Amazon|楽天)27g(大さじ2)
  • ヒング(パウダー)(アサフェティダ)(Amazon|楽天)0.2g(小さじ1/8弱)
  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • ターメリックパウダー(Amazon|楽天)0.7g(小さじ1/4)
  • コリアンダーパウダー(Amazon|楽天)2g(小さじ1)

蒸し煮・仕上げ

  • 水50ml
  • 塩4.5g(小さじ3/4)
  • レッドチリパウダー(唐辛子だけの粉)(Amazon|楽天)0.5g(小さじ1/4弱)

道具

  • ふたつきの厚手の鍋(直径24〜26cmの深めのもの。カラーイー(インドの丸底の鍋)でもよい)
  • ざる
  • 竹串

作り方

  1. ほうれん草を洗って水気を切る

    ほうれん草の根元を切り落とし、太く硬い茎を除く。たっぷりの水で2回洗って、茎の間の泥を落とす。ざるにあげて10分ほどおき、水気をよく切る。

  2. 材料を切る

    ほうれん草を1cm幅に刻む。じゃがいもは皮をむいて洗い、2.5cm角に切る。青唐辛子はへたを取ってみじん切りにする。

  3. マスタードオイルを熱する

    換気扇を回し、鍋のそばを離れない。厚手の鍋にマスタードオイル27gを入れて中火にかけ、表面がゆらいで薄い煙が立ちはじめるまで1〜2分熱する。煙が見えたらすぐ火を止め、30秒おいて温度を下げる。

  4. スパイスを炒める

    弱めの中火に戻し、ヒング0.2gとクミン1gを入れる。クミンの色が濃くなり、香りが立つまで20〜30秒加熱する。青唐辛子2本、ターメリックパウダー0.7g、コリアンダーパウダー2gを加え、10秒ほど手早く混ぜる。青唐辛子の水分で油がはねるので、顔を近づけない。粉のスパイスは焦げやすいので、すぐ次に進む。

  5. じゃがいもを蒸し焼きにする

    じゃがいも250gを加え、油とスパイスを全体にからめる。水50mlを鍋肌から回し入れる。湯気と油がはねるので、顔を近づけない。ふたをして弱火で6〜8分蒸し焼きにする。

  6. ほうれん草を加えて蒸し煮にする

    全体を混ぜ、刻んだほうれん草の半量を加えて混ぜる。かさが減ったら残りを加えて混ぜる。ふたをして弱めの中火で5分蒸し煮にする。

  7. じゃがいもの火の通りを確かめて味をつける

    ふたを取って混ぜ、いちばん大きなじゃがいもに竹串を刺す。すっと通らなければ、ふたをして弱火でさらに3〜4分煮る。塩4.5gとレッドチリパウダー0.5gを加えて混ぜる。

  8. 水気を飛ばす

    ふたを取ったまま強めの中火にし、底から混ぜながら3〜4分、鍋底に汁気が残らなくなるまで炒める。じゃがいもをくずさないように、木べらで底からすくうように混ぜる。

ローティーやチャパーティー、パラーター、ナーン、ご飯を添えて食べます。

料理科学:ほうれん草を刻んで、自分の水分で煮る

ペーストにするか、刻むか

ほうれん草は、加熱すると水分が出て、かさが大きく減ります。刻んだ生のほうれん草500gを入れても、数分で鍋の底に沈みます。この記事で水を50mlしか加えないのはそのためです。じゃがいもは、はじめの少ない水と、あとからほうれん草が出す水分で蒸し煮にします。ニシャー・マドゥリカーも「パーラク・アールー・ブジヤー」で、ほうれん草は水分が多く、煮ると水が出るので、汁気が見えたらふたを取って飛ばすよう書いています。

パーラク・パニールでは、ゆでたほうれん草をミキサーでペーストにして、ソースにします。アールー・パーラクは、刻んだ葉がじゃがいもにからむ、汁気のないおかずです。ほうれん草から出た水分は捨てず、手順8で飛ばして、味をじゃがいもに含ませます。手順1でほうれん草の水気をよく切っておくのは、余計な水を鍋に持ち込まないためです。

えぐみが気になるときは下ゆでする

ほうれん草のえぐみのもとは、シュウ酸です。シュウ酸は水に溶け出すので、ゆでて湯を捨てると減ります。茨城県産の市販のほうれん草を使った研究(Wangほか、2018年)では、100℃の湯で1分ゆでるとシュウ酸の約40%が、2分で約67%が、3分で約73%が抜けました。

この記事の作り方は、ニシャー・マドゥリカーのレシピと同じく、ほうれん草を下ゆでしません。ほうれん草から出た水分を捨てずに飛ばすので、シュウ酸も鍋に残ります。そのため、下ゆでするパーラク・パニールより、えぐみは残りやすいと考えられます。

えぐみが気になるときは、パーラク・パニールの記事と同じく、たっぷりの湯で2分下ゆでしてから作ります。

  1. 手順1のあと、大きな鍋に水3Lを強火で沸かし、ほうれん草を半量(約250g)ずつ2分ゆでる。すぐに冷水にとって冷まし、固く絞って1cm幅に刻む。手順2では、じゃがいもと青唐辛子だけを切る。
  2. 手順5の水を100mlにし、ふたをして弱火で10〜12分、じゃがいもに竹串がすっと通るまで蒸し焼きにする。
  3. 手順6でふたをせず、刻んだほうれん草を加えて中火で2〜3分炒め合わせる。塩4.5gとレッドチリパウダー0.5gを加えて混ぜ、鍋底に汁気が残っていれば、強めの中火で1〜2分炒めて飛ばす。手順7と8は行わない。

緑はくすんで、深い色になる

パーラク・パニールでは、ゆでたほうれん草をすぐ氷水で冷やし、鍋に入れてからは短く煮て、緑を保ちます。このレシピでは、じゃがいもに火を通すため、ほうれん草をふたをして5分以上煮て、さらに汁気を飛ばします。そのため、あざやかな緑にはならず、深い暗い緑になります。失敗ではありません。ヘッバールズ・キッチンは、ピューレで作るアールー・パーラクについて、ふたをせずに煮ると緑が保てるとしています。

じゃがいもの選び方

アールー・パーラクは、じゃがいもの角が残る汁気のないおかずです。今回読んだインドのレシピは、じゃがいもの品種を指定していません。日本で手に入るものでは、煮くずれしにくいメークインが形を保ちやすく向いています。男爵いもで作ると、角がくずれて、ほうれん草とまとまったやわらかい仕上がりになります。手順8で木べらで底からすくうように混ぜるのも、じゃがいもの角をくずさないためです。

作り方の違い

玉ねぎやトマトを使う作り方

インドの料理家サンジーヴ・カプールのレシピは、生のじゃがいもを先に油で5〜6分炒めて取り出し、同じ鍋で玉ねぎ、しょうが、にんにく、トマトを炒めます。細切りにした生のほうれん草とじゃがいもを戻して、2〜3分炒め合わせます。ガラム・マサーラーも加えます。

ヒンディー語のレシピサイト「ザイカ・レシピーズ」のレシピは、にんにく、しょうが、玉ねぎを炒めてから、刻んだほうれん草を10〜12分炒め煮にし、ゆでたじゃがいもを加えます。火を止めてから、レモン汁を混ぜます。

ほうれん草をペーストにする作り方

ヘッバールズ・キッチンのアールー・パーラクは、刻んだほうれん草を、にんにく、しょうが、玉ねぎ、青唐辛子と炒めてしんなりさせ、冷ましてからミキサーでなめらかなピューレにします。下ゆではしません。ゆでて焼き色をつけた小さなじゃがいもを、このピューレで煮るグレイビー(汁気のある料理)です。

料理家ランヴィール・ブラールの「店風」のアールー・パーラクは、ほうれん草を塩を入れた湯で2〜3分ゆでて氷水にとり、絞ってペーストにします。じゃがいもを炒めたあとにベサン(ひよこ豆の粉)も加え、仕上げに、にんにくやカスーリー・メーティー(乾燥したフェヌグリークの葉)を炒めた油をかけます。

どちらも、ほうれん草をペーストにする点で、パーラク・パニールに近い作り方です。

手に入りにくい材料の代用

  • マスタードオイル:からし菜の種からしぼった油で、ツンとした辛みのある香りがあります。菜種油かサラダ油27g(大さじ2)で代用できます。生のマスタードオイルのような辛味はないので、手順3で煙が出るまで熱する必要はありません。中火で1分熱し、クミンを1粒入れてすぐに泡が立てば、ちょうどよい温度です。
  • ヒング:セリ科の植物の樹脂を粉にしたもので、にんにくに似た強い香りがあります。省くときは、ほかの材料はそのままで作ります。
  • 青唐辛子:生の青唐辛子が手に入らないときは、手順7でレッドチリパウダーを1g(小さじ1/2弱)にします。青い香りはなくなります。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日。フライパンか電子レンジで温め直します
  • 冷凍:じゃがいもの食感が変わるので向きません

北インドのほかのレシピ

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。