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アムリトサリー・マッチーAmritsari Machhi レシピ

ਅੰਮ੍ਰਿਤਸਰੀ ਮੱਛੀアムリトサリー・マッチー

地域
北インド(アムリトサル)
分量
4人分
公開
ステンレスの皿に山盛りにしたアムリトサリー・マッチー。アジョワンの粒が見える衣で揚げた魚のひとつが割れて、白い身がのぞいている。紫玉ねぎの輪切りとパクチー、くし形のレモンを添え、奥に緑のチャトニー

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アムリトサリー・マッチーは、インドのパンジャーブ州の町アムリトサルの名がついた、魚のフライです。インドのニュースサイトや食の雑誌は、この町で人気の料理として紹介しています。棒状に切った魚にレモンとしょうが、にんにくで下味をつけ、アジョワン(タイムに似た香りの小さな種)を混ぜたベサン(ひよこ豆の粉)の衣をからめて揚げます。ヒンディー語のレシピ記事は、屋台の料理や、前菜・軽食として紹介しています。

衣は、たっぷりの液を作ってくぐらせるのではなく、魚に薄くまとわせるだけです。この記事では、シェフのランヴィール・ブラールとクナール・カプールのレシピを骨格に、日本で手に入る白身魚で作ります。低めの温度と高めの温度で2回揚げて、中はしっとり、外はかりっと仕上げます。

アムリトサリー・マッチーとは

パンジャービー語では「ਅੰਮ੍ਰਿਤਸਰੀ ਮੱਛੀ」と書きます。アムリトサリーは「アムリトサルの」、マッチーはパンジャービー語で魚のことです。英語では「アムリトサリー・フィッシュ」とも呼ばれます。

アムリトサルの魚のフライ

アムリトサルは、シク教の総本山である黄金寺院のある町です。ヒンディー語のニュースサイト「ナヴバーラト・ライブ」は、このフライをアムリトサルで人気の料理として紹介し、前菜や軽食として出されることが多いと書いています。インドのニュースサイト「India.com」のヒンディー語版も、よく知られた魚の前菜で、屋台の人気料理だとしています。

インドの食の雑誌「アッパー・クラスト」の記事(日付は書かれていません)は、アムリトサリー・フィッシュを町を代表する料理と呼んでいます。記事によると、旧市街のバナールスィー・ラール・アローラーの魚屋は、アムリトサルでいちばん古く大きな店で、ルーツはパキスタンにあります。アムリトサルのパンジャーブの家庭は、このフライを外で食べるのを好むとも書いています。南インドの新聞マラヤーラ・マノーラマの英語サイト「オンマノーラマ」の記事は、1962年から肉や魚の料理を出してきた店「マッカン・フィッシュ」を、アムリトサリー・フィッシュで知られる店として紹介しています。

今回読んだ情報源には、この料理をいつ、誰が考えたのかを書いたものはありませんでした。

どんな魚を使うか

使う魚については、情報源によって書いていることが違います。

シェフのクナール・カプールは、この料理は朝早くのピクニックでとった池や川の魚で作るものだとして、シンガーラー、スルマイ、ソールを例に挙げています。アッパー・クラストの記事は、使う魚を「ソール」と呼び、アムリトサル近くのハリケーとビアース川からとれたてが届くとしています。同じ川でとれる川魚のシンガーダー(シンガーラー)も売られていると書いています。記事の中で店主のバナールスィー・ラールは、いちばんよい魚がとれるのは11月から2月の冬だと話しています。記事は、7月と8月は魚の繁殖期で、政府が漁を禁じているとも書いています。どちらの情報源も、ソールやシンガーラーがどの種の魚かは書いていません。

一方、インドの新聞トリビューンの2006年の記事は、有名なアムリトサリー・フィッシュの魚は地元の魚ではないと書いています。記事によると、淡水魚はウッタル・プラデーシュ州やビハール州、アーンドラ・プラデーシュ州から、海の魚は冬だけマハーラーシュトラ州から運ばれてきます。魚の名前として、サンガーラー、マーリー、サール、そして安くて骨のない淡水魚のパンガスを挙げています。そのうえで、ほかの州から来た魚を「アムリトサリー」にしているのは、町の独特の調理法だけだとしています。

料理家サンジーヴ・カプールの2つのレシピは、スルマイを使っています。スルマイがどの魚かは、2つのレシピには書いてありません。インドでは、サワラの仲間の海の魚をこう呼ぶことが多いようです(この記事の推定)。ただ、クナール・カプールはスルマイを池や川の魚の例に挙げていて、情報源の間でもそろっていません。

アムリトサリー・マッチーのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 50分(下味と衣をなじませる時間を含む) 加熱 30分

スパイスの配合 4人分で計7.7g
  • カシュミーリー・チリ3.5g
  • アジョワン2g
  • チャート・マサーラー1.2g
  • ターメリック0.7g
  • ヒング0.3g

魚

  • 白身魚の切り身(皮と骨を除いた重さ。タラ・スズキ・サワラなど)500g

1回目の下味

  • 塩4g(小さじ2/3)
  • レモン汁15ml(大さじ1)
  • しょうが(すりおろし)8g(小さじ1と1/2)
  • にんにく(すりおろし)8g(小さじ1と1/2)
  • マスタードオイル(Amazon|楽天)9g(小さじ2)
  • ヒング(パウダー)(アサフェティダ)(Amazon|楽天)0.3g(小さじ1/8)

衣

  • プレーンヨーグルト30g(大さじ2)
  • ベサン(ひよこ豆の粉)(Amazon|楽天)20g(大さじ3)
  • 米粉(上新粉でもよい)9g(大さじ1)
  • アジョワン(ホール)(キャラウェイに似た小さな種)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • カシュミーリー・チリパウダー(Amazon|楽天)3.5g(小さじ1と1/2)
  • ターメリックパウダー(Amazon|楽天)0.7g(小さじ1/4)

揚げる

  • 揚げ油(植物油。直径18cmの鍋で深さ約4cm)1L

仕上げ

  • チャート・マサーラー(Amazon|楽天)1.2g(小さじ1/2)
  • レモン(くし形切り)1/2個
  • 玉ねぎ(薄い輪切り。赤玉ねぎでもよい)50g(1/4個)
  • パクチー(コリアンダーの葉)2g(大さじ1)

道具

  • 揚げ物用の温度計(揚げ油の温度を測れるもの。なければ菜箸の泡で目安を見る)(Amazon|楽天)
  • 厚手の鍋(揚げ用。直径18cm前後で深さのあるもの)
  • 網じゃくし(穴あきおたまでもよい)
  • 網つきのバット
  • 骨抜き

作り方

  1. 魚を切る

    白身魚の切り身500gの身を指先でなでて小骨を探し、骨抜きで抜く。長さ5cm、幅2cm、厚さ1.5cmほどの棒状に切る(約24切れ)。キッチンペーパーで表面の水気をしっかり拭く。

  2. 1回目の下味をつける

    ボウルに魚を入れ、塩4g、レモン汁15ml、しょうが8g、にんにく8g、マスタードオイル9g、ヒング0.3gを加えて、身をくずさないようにやさしくからめる。冷蔵庫で15分おく。

  3. 衣をからめる

    同じボウルに、プレーンヨーグルト30g、ベサン20g、米粉9g、カシュミーリー・チリパウダー3.5g、ターメリックパウダー0.7gを加える。アジョワン2gは手のひらでこすって軽くつぶしながら加える。ゴムべらで、魚の全体に衣が薄く均一につくまでやさしく混ぜる。衣が魚にまとわりつき、ボウルの底に流れてたまらないくらいの固さが目安。冷蔵庫で20分おく。

  4. 揚げ油を熱する

    換気扇を回す。厚手の鍋に揚げ油1Lを入れる。油は鍋の深さの半分までにする。中火にかけ、揚げ物用の温度計の先を油の中ほどに入れて(鍋底に当てない)、160℃にする。温度計がないときは、乾いた菜箸の先を鍋底に当て、箸の先から細かい泡がゆっくり上がってくれば160℃前後の目安。煙が出たらすぐに火を止める。揚げている間は鍋のそばを離れず、水やぬれた布巾を鍋の近くに置かない。万一火が出たら、水をかけずにふたをして火を止める。

  5. 1回目を揚げる

    魚を1切れずつ持ち上げ、余分な衣をボウルの縁で軽く落として、油面の近くから静かに入れる。魚は水分が多く、油がはねることがあるので、鍋から顔を離す。1回に8切れまで入れる。入れてから30秒ほどは触らず、衣が固まってから菜箸でくっついたものを離す。温度計(または菜箸の泡)を見ながら火加減を調整して160℃前後を保ち、2分30秒〜3分、衣が固まって薄く色づくまで揚げる。網じゃくしで取り出して網つきのバットにのせる。3回に分けて揚げる。

  6. 休ませて油の温度を上げる

    揚げた魚を網の上で5分休ませる。その間に火を強めて、油を180℃にする。温度計がないときは、乾いた菜箸の先を鍋底に当て、箸全体から細かい泡がすぐに勢いよく上がってくれば180℃前後の目安。

  7. 2回目を揚げて火の通りを確かめる

    1回に8切れずつ入れ、温度計(または菜箸の泡)を見ながら火加減を調整して180℃前後を保ち(下がったら火を強め、190℃を超えたら弱める)、1分〜1分30秒、濃いきつね色になってかりっとするまで揚げて、網つきのバットに取り出す。回ごとに、その回でいちばん厚い1切れを半分に割り、中心まで白く不透明で、身が層に沿ってほろりとほぐれれば火が通っている。中心が半透明でぬれたように光っていたら、その回の魚を油に戻して30秒〜1分揚げ、もう一度1切れを割って確かめる。揚げ終えたら火を止め、油が冷めるまで鍋を動かさない。

  8. 仕上げる

    キッチンペーパーで油を切って器に盛り、チャート・マサーラー1.2gを振る。レモン1/2個、玉ねぎ50g、パクチー2gを添えて、熱いうちに食べる。

レモンを搾り、玉ねぎの輪切りや、ミントのチャトニー(ペースト状の薬味)を添えて、揚げたてを食べます。

魚の身を固くしない揚げ方

棒状に切って、短く揚げる

手順1で魚を厚さ1.5cmほどの棒状に切るのは、中心まで短い時間で火を通すためです。厚い切り身のまま揚げると、中心に火が通るまでに外側の身が先に固くなりすぎます。

2度揚げで、中はしっとり、外はかりっと

クナール・カプールは、魚を熱い油で揚げて半分ほど火が通ったところで取り出し、冷ましてから、もう一度熱い油できつね色に揚げます。こうすると、身は汁気を保ったまま、表面に薄くかりっとした層ができると説明しています。ランヴィール・ブラールも、魚のパコーラーを巻いたロールのレシピで、中温の油で魚を薄く色づくまで揚げておき、出す直前に熱い油でもう一度さっと揚げています。

今回読んだ情報源のレシピには、油の温度も揚げ時間も数値では書いてありません。1回目160℃・2回目180℃という温度と、手順の揚げ時間・休ませる時間は、厚さ1.5cmの棒状に切った魚に合わせたこの記事の目安です。魚の厚さや油の量で火の通りは変わるので、時間だけに頼らず、手順7のように1切れを割って確かめてください。

下味の時間

レモン汁の下味をおく時間は、ランヴィール・ブラールのレシピが10分、サンジーヴ・カプールのレシピ(レモンと塩)が5〜10分です。クナール・カプールのレシピは、レモン汁と粉を合わせた下味で30分おきます。この記事では、手順2のレモン汁の下味を15分、衣をからめてからを20分とし、合わせて35分ほどにしています。15分・20分という時間は、この記事の目安です。

作り手による違い

アムリトサリー・マッチーの作り方は、作り手によってかなり違います。

  • 衣の濃さ:ランヴィール・ブラールの「アムリトサリー・フィッシュ・フライ」とクナール・カプールのレシピは、粉に水を加えず、下味の水分とヨーグルトで粉を魚にまとわせます。サンジーヴ・カプールの2つのレシピは、ベサン1カップにヨーグルトと卵を混ぜた濃い衣に魚を漬けます。India.com のレシピは、ベサンにアジョワンやクミンパウダーを混ぜ、炭酸水で薄い衣にします。
  • パコーラーかどうか:クナール・カプールは、この料理は魚のパコーラー(衣揚げ)とよく混同されるが、それは正しくないと書いています。一方、ランヴィール・ブラールは、ベサンの衣で揚げた魚をパンで巻くロールのレシピの題(ヒンディー語)を「アムリトサリー・マッチー・パコーラー・ロール」とし、手順でもその魚を「フィッシュ・パコーラー」と呼んでいます。
  • ベサンを使わない作り方:ナヴバーラト・ライブのレシピは、ベサンもアジョワンも使わず、米粉とコーンスターチの衣で揚げます。下味にレモン汁と酢を両方使います。
  • 揚げ油:アッパー・クラストの記事は、アムリトサルの店では魚をマスタードオイルで揚げると書いています。インドの雑誌ザ・ウィークが紹介したプネーのアムリトサリー・フィッシュの店も、マスタードオイルで揚げています。この記事では、揚げ油は植物油にして、マスタードオイルは下味に入れています(ランヴィール・ブラールのレシピと同じ)。
  • ラホールの魚のフライ:パキスタンの新聞ドーンのコラムで、ビスマー・ティルミズィーは、アムリトサルからおよそ30マイル(約50km)のラホールにも、よく似た「ラホーリー・フィッシュ」があると書いています。ティルミズィーのレシピでは、アジョワンは衣ではなく下味に入り、衣はベサンと米粉に卵などを合わせて、2度揚げにします。

日本で選ぶ魚

身が厚く、骨を除きやすい白身魚が向いています。皮は除いて使います。

  • タラ(マダラ):手に入りやすく、身がほろりとほぐれる、アムリトサリー・マッチーらしい食感になります。身が柔らかく水分が多いので、手順1で水気をよく拭き、手順2以降は混ぜすぎないようにします。
  • スズキ・マダイ:身が締まっていて、揚げてもくずれにくい魚です。
  • サワラ:サンジーヴ・カプールが使うスルマイは、サワラの仲間を指すことが多い名前です(この記事の推定)。ほどよく脂がのっていて、身がしっとり仕上がります。
  • パンガシウス:トリビューンの記事に出てくる骨のない淡水魚「パンガス」は、種名は書いてありませんが、名前からするとパンガシウスの仲間と思われます(この記事の推定)。日本では冷凍の切り身が「パンガシウス」の名前で売られていることがあります。冷蔵庫で解凍し、水気をよく拭いてから使います。

どの魚でも、厚さを1.5cmほどにそろえて切れば、揚げる時間は手順のとおりです。

手に入りにくい材料の代用

  • ベサン:ひよこ豆の粉です。代わりになる粉はありません。インド食材店や通販で手に入ります。
  • アジョワン:タイムに似た香りの種です。手に入らないときは、乾燥タイム0.5g(小さじ1/2)で代用できます。
  • カシュミーリー・チリパウダー:色が濃く、辛さは穏やかな唐辛子の粉です。パプリカパウダーを同じ量使い、辛みを足したいときは一味唐辛子0.5g(小さじ1/4)までを加えます。
  • マスタードオイル:植物油で代用できます。マスタードオイル特有のツンとした香りはなくなります。
  • ヒング:入れなくても作れます。
  • チャート・マサーラー:塩味と酸味のあるミックス・スパイスです。作り方はチャート・マサーラーの記事で紹介しています。ないときは振らずに、レモンを多めに搾ります。

保存

  • 揚げたてがいちばんおいしい料理です。時間がたつと衣が湿って、かりっとした食感がなくなります。
  • 前もって準備するときは、手順6まで(1回目を揚げて休ませるところまで)を済ませ、冷めたらラップをして冷蔵庫に入れます。当日中に、手順7の2回目を揚げます。冷蔵庫から出したばかりの魚は中が冷たいので、2回目は1分30秒〜2分揚げ、手順7と同じように1切れを割って確かめます。
  • 残ったものは冷蔵で翌日まで。オーブントースターで5〜6分、中まで温め直します。

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。