バインガン・バルター日本では「ベイガンバルタ」ともBaingan Bharta レシピ
बैंगन भरताバインガン・バルター

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バインガン・バルターは、なすを丸ごと直火で黒く焼いて皮をむき、果肉をつぶして玉ねぎとトマトと炒めた料理です。焦がした皮の燻したような香りが、とろりとした果肉に移るのが持ち味です。ローティー(全粒粉の薄焼きパン)と合わせる、野菜のおかずです。
ヘッバールズ・キッチンやクナール・カプールのレシピは大きななすを使いますが、日本の中なすでも作れます。この記事では、ガスコンロに焼き網をのせて焼き、皮をむくときは水にさらさずに香りを残します。炒め油には、ランヴィール・ブラールのレシピにならってマスタードオイルを使います。
バインガン・バルターとは
ヒンディー語ではデーヴァナーガリー文字で「बैंगन भरता」と書きます。バインガンはなすのことです。パキスタンの英字紙エクスプレス・トリビューンに載ったアンブリーン・マリクの記事は、バルターをウルドゥー語でつぶしたものという意味の言葉だと説明しています。クナール・カプールやランヴィール・ブラールのレシピの題のように、「バインガン・カー・バルター」(なすのバルター)とも呼ばれます。
ヒンディー語版のウィキペディアは、なすをインド原産の野菜とし、古くから栽培されてきたとしています。
パンジャーブの料理として
インドの料理家サンジーヴ・カプールのヒンディー語のレシピは、なすのバルターにはいろいろな作り方があり、このレシピはパンジャーブのものだと説明しています。インドの料理サイト「ヘッバールズ・キッチン」のヒンディー語のレシピも、料理の分類を北インドとパンジャーブにしています。
一方、英語版のウィキペディアは、バインガン・バルターを南アジアの料理とし、インド、パキスタン、バングラデシュで広く食べられているとしています。同じ記事は、地域ごとに名前や作り方の違うなすの料理も挙げています(後半の「地域による違い」で紹介します)。この記事は、玉ねぎとトマトとクミンで炒めるパンジャーブ風の作り方です。
この記事の作り方
配合は、ヘッバールズ・キッチンとサンジーヴ・カプールのヒンディー語のレシピをもとにしています。焼く前のなすに切り込みを入れてにんにくを差し込むのは、ヘッバールズ・キッチン、料理家のランヴィール・ブラールとクナール・カプールのレシピに共通する方法です。マスタードオイルはランヴィール・ブラールのレシピにならいました。焼いたなすをふたをして蒸らし、ぬらした指で皮をむくのは、クナール・カプールのレシピの方法です。
バインガン・バルターのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 15分 加熱 60分(なすを蒸らす時間を含む)
- クミン2.5g
- カシュミーリー・チリ2.5g
- コリアンダー2g
- ガラム・マサーラー1g
- ターメリック0.7g
- 赤唐辛子0.5g
炒める
パウダースパイスとトマト
なすと炒め合わせる
- 塩6g(小さじ1)
作り方
なすの下ごしらえをする
なす600gは、へたを付けたまま、がくのひらひらした部分だけを切り落とす。それぞれに縦の切り込みを1本(深さ1cmほど)入れる。にんにく4片を縦半分に切り、切り込みに1切れずつ差し込む。米なすなら1個に4本ずつ切り込みを入れる。竹串で3〜4か所穴をあけ、全体にマスタードオイル4.5gを薄く塗る。
なすを直火で黒く焼く
焼き網を使えるかどうかを、ガスコンロの取扱説明書で確かめておく。使えない機種やIH調理器なら、魚焼きグリルかオーブンで焼く(本文の「家庭の火で焼く」を参照)。換気扇を強で回す。ガスコンロに焼き網をのせ、なすを並べて弱めの中火にかける。一度にのらなければ2回に分けて焼く。トングで1〜2分ごとに転がしながら、皮が全体に黒く焦げてしぼみ、へたの近くを押しても芯がなくなるまで焼く。時間はこの記事の目安で、中なすなら15〜20分、米なすなら20〜30分。油や汁が垂れて煙や炎が上がるので、焼いているあいだはそばを離れない。
蒸らして皮をむく
焼けたなすをボウルに入れ、ふたをして10分蒸らす。なすの中は熱いので、やけどに気をつける。指先を水でぬらしながら、黒い皮をむく。水に浸けたり流水で洗ったりしない。へたを切り落とし、果肉を開いて、虫食いや黒ずみがないか確かめる。差し込んだにんにくごと、フォークで粗くつぶす。
ホールスパイスと香味野菜を炒める
玉ねぎはみじん切り、青唐辛子は小口切り、トマトは1cm角に切る。パクチーは刻む。鍋にマスタードオイル27gを中火で熱し、クミン2.5gと赤唐辛子1本をちぎって入れる。クミンから細かい泡が立つまで30秒ほど加熱し、しょうが10gとにんにく(みじん切り)10gを加えて30秒炒める。
玉ねぎを炒める
玉ねぎ200gと青唐辛子6gを加え、玉ねぎが薄く色づくまで6〜8分炒める。
パウダースパイスとトマトを加える
弱火にして、ターメリックパウダー0.7g、カシュミーリー・チリパウダー2.5g、コリアンダーパウダー2gを加え、焦がさないように20〜30秒混ぜる。トマト200gを加える。油がはねるので、顔を近づけない。中火にして、トマトがくずれるまで5〜6分炒める。
なすを加えて炒め合わせる
つぶしたなすと塩6gを加え、中火で8〜10分、鍋底からこそげるように混ぜながら炒める。水気が飛んで、縁に油がにじんでくればよい。
仕上げる
火を止めて、ガラム・マサーラー1gとパクチー5gを加えて混ぜる。
ローティーやご飯を添えて食べます。ヘッバールズ・キッチンは、ダール(豆の煮込み)とご飯と合わせる食べ方も挙げています。
なすを黒くなるまで焼く理由
皮が焦げて、その香りが果肉に移る
バインガン・バルターの燻した香りは、焦げた皮から来ます。なすを直火にかけると、皮とそこに垂れた汁が焦げて煙が出ます。その香りが、皮の内側の柔らかい果肉にも移ります。
皮の内側では、果肉がなす自身の水分で蒸し焼きになるので、外が黒く焦げても、果肉は焦げにくくなります。皮が全体に黒くなるまで焼くのは、香りを十分につけるためと、果肉の芯まで火を通すためです。
手順3で、焼いたなすを水に浸けないのは、表面についた焦げの香りをなるべく残したいからです。サンジーヴ・カプールのレシピは、焼いたなすを水に浸けて冷ましてもよいとしています。エクスプレス・トリビューンの記事は、熱いうちに水に5分浸けてから皮をむきます。この記事では香りを優先して、指先をぬらす程度にしています。ふたをして10分ほどおく方法は、クナール・カプールのレシピにならいました。クナール・カプールは、こうすると余熱で中まで火が通り、皮がはがれやすくなると説明しています。
手順7でしばらく炒めるのは、果肉に残った水分を飛ばして、味を濃くするためです。
家庭の火で焼く
ガスコンロ
日本の家庭用のガスコンロの多くには、鍋底の温度を測るセンサーがついています。機種によっては、焼き網を使うと途中で火が弱まったり消えたりします。「焼き網モード」や「あぶりモード」がある機種もあるので、焼き網を使えるかどうかを取扱説明書で確かめてください。焼き網を使えない機種や、IH調理器の場合は、魚焼きグリルかオーブンで焼きます。
焼き網を使えるコンロなら、焼き網をのせて弱めの中火で焼きます。ヘッバールズ・キッチンとクナール・カプールのレシピも、弱火で焼くとしています。換気扇を強で回し、焼いているあいだはそばを離れません。なすから油や汁が垂れるので、焼いたあと、コンロが冷めてからバーナーのまわりをふきます。バーナーのまわりをアルミ箔で覆うと、空気の通り道をふさぐので覆いません。
手順の焼き時間は、出典のレシピに時間の記載がないため、この記事の目安です。火力となすの大きさで変わるので、皮の焦げとしぼみ具合、へたの近くの柔らかさで判断してください。
魚焼きグリル
なすを手順1と同じように準備し、グリルに並べます。換気扇を回します。両面焼きのグリルなら強火で12〜15分、片面焼きなら6〜8分焼いて裏返し、さらに6〜8分焼きます(時間はこの記事の目安です)。皮が全体に黒く焦げてしぼめばよいです。
オーブン
天板にアルミ箔を敷いてなすを並べ、250℃に予熱したオーブンの上段で25〜35分(この記事の目安)、途中で1回返して焼きます。料理研究家タルラー・ダラールのレシピは、なすをアルミ箔で覆い、275℃のオーブンで20〜30分焼きます。覆うと蒸し焼きに近くなるので、焦げの香りはつきにくいと考えられます。この記事では香りをつけるために覆わずに焼きます。
日本のなすで作るとき
ヘッバールズ・キッチンのレシピは、4人分に大きななす1個、400gを使います。サンジーヴ・カプールのレシピは、4人分になす1kgを使います。この記事は、その間の600gにしています。
日本の中なすは1本80g前後なので、600gは7〜8本です。米なすなら2個です。小さななすは皮の割合が多いので、この記事では、皮とへたを除いた果肉を300〜350gと見込んでいます。重さのわりに皮の面積が大きいので、焦げの香りはつきやすいと考えられます。
地域による違い
英語版のウィキペディアによると、ベンガル語では「ベグン・ボルタ」と呼ばれます。ビハールやウッタル・プラデーシュでは、リッティやバーティー(どちらも小麦粉の生地を丸めて焼いたもの)と熱いうちに食べ、ボージプリー語の地域では「バーンター・ケ・チョーカー」と呼ぶとしています。グジャラートでは、焼いてつぶしたなすをマスタードシードとクミンで炒めるとも書いています。
エクスプレス・トリビューンの記事のパキスタンのレシピは、クミンのほかにフェヌグリークの種と乾燥した赤唐辛子を油に入れ、玉ねぎとトマトと炒めて、好みで仕上げにレモン汁をかけます。なすはオーブンで180℃、45分焼いています。
手に入りにくい材料の代用
- マスタードオイル:からし菜の種からしぼった油で、ツンとした辛みのある香りがあります。サラダ油で代用できます。香りは穏やかになります。
- カシュミーリー・チリパウダー:色が濃く、辛さは穏やかな唐辛子の粉です。パプリカパウダーを同じ量使い、辛みを足したいときは一味唐辛子を小さじ1/4まで加えます。
- 青唐辛子:手に入らないときは、赤唐辛子(ホール)を1本増やします。青い香りはなくなります。
保存
- 冷蔵:保存容器に入れて2日。フライパンか電子レンジで温め直します
- 冷凍:保存袋に平らに入れて1か月。冷蔵庫で解凍してから温め直します
北インドのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- Hebbar's Kitchen「बैंगन भरता रेसिपी | baingan bharta in hindi | बैंगन भरता | भुने हुए बैंगन भरता」(ヒンディー語)
- Sanjeev Kapoor「बैंगन भर्ता」(ヒンディー語)
- Sanjeev Kapoor「Baingan Bharta」(英語)
- Ranveer Brar「Dhaba style Baingan ka Bharta ढाबे जैसा बैंगन भरता spicy Brinjal Bharta」(英語)
- Chef Kunal Kapur「Baingan Ka Bharta」(英語)
- Tarla Dalal「Simple Tasty Baingan Bharta」(英語)
- The Express Tribune「Baingan ka bharta: Baba ghanoush with a Pakistani twist」(英語)
- Wikipedia「Baigan bharta」(英語)
- Wikipedia「बैंगन」(ヒンディー語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。