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チェッティナードゥ・コーリ・クランブChettinad Kozhi Kuzhambu レシピ

செட்டிநாடு கோழி குழம்புチェッティナードゥ・コーリ・クランブ

地域
南インド(タミル・ナードゥ(チェッティナードゥ))
分量
4人分
公開
取っ手のついた槌目の真鍮の器に盛ったチェッティナードゥ・コーリ・クランブ。骨つきの鶏肉が茶色いマサーラーの汁に浸かり、カレーリーフと刻んだパクチーがのっている。奥にステンレスの皿のご飯

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チェッティナードゥ・コーリ・クランブは、南インド・タミル・ナードゥ州のチェッティナードゥ地方の流儀で作る、鶏肉の煮込みです。コリアンダーや赤唐辛子、スターアニスなどのホールスパイスを、削ったココナッツと一緒に炒ってから挽き、そのマサーラー(混ぜたスパイス)で骨つきの鶏肉を煮ます。汁は赤みがかった茶色で、ココナッツのこくと、炒ったスパイスの香ばしさがあります。

マサーラーには、カルパシも入ります。岩や木の幹に育つ地衣類の一種を乾かしたもので、英語版ウィキペディアは、チェッティナードゥの料理に使う香辛料のひとつに挙げています。この記事では、タミル語のサイトのレシピと、タミル・ナードゥ州観光局のサイトに載っている英語のレシピを土台にしています。

チェッティナードゥ・コーリ・クランブとは

タミル語では「செட்டிநாடு கோழி குழம்பு」と書きます。コーリは鶏、クランブは、ご飯にかけて食べる汁気のある煮込みのことです。読んだタミル語のレシピ7件のうち5件は、英語から入った「チキン」を使って「チェッティナードゥ・チキン・クランブ」や「チェッティナードゥ・チキン・グレイビー」と書いています。

チェッティナードゥの料理

チェッティナードゥは、タミル・ナードゥ州のシヴァガンガ県にある地方です。英語版ウィキペディアによれば、この地方の料理は、ナガラッタール(チェッティヤール)と呼ばれる商人の共同体の料理で、スターアニス、カルパシ、フェンネル、シナモン、クローブ、黒こしょう、クミンなど多くの香辛料を使います。

タミル語のメディア「ヴィカタン」のサイトに載ったS. サルマン・パーリスの記事は、ナガラッタールはもとはチョーラ朝の国のカーヴェーリプームパッティナムにいた商人で、町が自然災害で失われたあと、カーライクディの周りの村々に移り住んだと伝えられている、と紹介しています。同じ記事は、カーライクディやデーヴァコーッタイの食堂では、地鶏(ナートゥ・コーリ)のクランブを薪のかまどで煮て出す、と書いています。

一方で、英語版ウィキペディアによれば、歴史家S. ムッタイアは、チェッティヤールは伝統的に菜食で、儀礼の祝宴の料理はいまも菜食だと書いています。肉料理は、交易を通じてマラバール海岸(インド南西部の沿岸)や、海外の商いの拠点から影響を受けて入ってきた、としています。

この記事の配合

読んだタミル語のレシピのうち、タミル語のサイト「デイヴェーガム」、タミル語のニュースサイト「ランカスリ・ニュース」と「ディナスヴァドゥ」の3件は、ホールスパイスをごま油で炒り、削ったココナッツと一緒に挽いたマサーラーで鶏肉を煮ます。ココナッツの扱いは少しずつ違い、ディナスヴァドゥはスパイスを炒ってからココナッツを加えて薄いきつね色まで炒め、ランカスリ・ニュースはスパイスとココナッツを一緒にきつね色まで炒めます。デイヴェーガムは、炒ったスパイスにココナッツを加えたらすぐに火を止め、余熱でしんなりさせます。3件とも、ごま油で玉ねぎを炒め、しょうがとにんにく、トマトを加えてから鶏肉を入れます。

マサーラーの中身は、タミル・ナードゥ州観光局のサイトに載っている英語のレシピを中心にしました。コリアンダーを多く使い、カルパシとスターアニス、黒こしょう、赤唐辛子、フェンネル、クミン、シナモン、クローブ、カルダモンを炒ります。州観光局のレシピはコリアンダーを大さじ3、黒こしょうを小さじ2使いますが、この記事ではコリアンダーを大さじ2、黒こしょうをデイヴェーガムと同じ小さじ1にしています。下味のレモン汁とターメリックも州観光局のレシピにならいましたが、レモン汁は大さじ2から大さじ1に、ターメリックは小さじ1から小さじ1/2に減らしています。カルパシの量はレシピによって大きく違い、鶏肉500gに対して州観光局は2片、デイヴェーガムは10g、鶏肉1kgに対してランカスリ・ニュースは「5」(単位なし)としています。この記事では、ちぎって大さじ1(1g)にしました(この記事の目安)。

州観光局とデイヴェーガムのレシピは圧力鍋で煮ますが、この記事では、ディナスヴァドゥのレシピと同じく、ふつうの鍋で煮て、最後に油が浮くまで煮詰めます。

チェッティナードゥ・コーリ・クランブのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 40分(下味の30分を含む) 加熱 1時間(マサーラーを冷ます時間を含む)

スパイスの配合 4人分で計25.7g
  • コリアンダー10g
  • 赤唐辛子3g
  • 黒こしょう2.5g
  • フェンネル2.5g
  • クミン2g
  • ターメリック1.5g
  • シナモン1g
  • スターアニス1g
  • カルパシ1g
  • グリーンカルダモン0.6g
  • テージ・パッター0.3g
  • クローブ0.3g

鶏肉の下味

  • 鶏もも肉(骨つきのぶつ切り)500g
  • 塩3g(小さじ1/2)
  • ターメリック(パウダー)(Amazon|楽天)1.5g(小さじ1/2)
  • レモン汁15ml(大さじ1)

炒って挽くマサーラー

  • 太白ごま油(焙煎していない透明なごま油)4.5g(小さじ1)
  • コリアンダー(ホール)(Amazon|楽天)10g(大さじ2)
  • 赤唐辛子(ホール)(2つにちぎる)(Amazon|楽天)6本(3g)
  • 黒こしょう(ホール)(Amazon|楽天)2.5g(小さじ1)
  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • フェンネル(ホール)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • シナモン(ホール)(Amazon|楽天)3cm(1g)
  • クローブ(ホール)(Amazon|楽天)3粒(0.25g)
  • グリーンカルダモン(ホール)(Amazon|楽天)3粒(0.6g)
  • スターアニス(ホール)(八角)(Amazon|楽天)1個(1g)
  • カルパシ(地衣類の一種。ブラックストーンフラワーとも)(楽天)1g(ちぎって大さじ1)
  • ココナッツ(すりおろし)(生または冷凍)(Amazon)50g
  • 水(挽く用)100ml

炒めて煮る

  • 太白ごま油39g(大さじ3)
  • フェンネル(ホール)(Amazon|楽天)0.5g(小さじ1/4)
  • テージ・パッター(インドのベイリーフ)(Amazon|楽天)1枚(0.3g)
  • カレーリーフ(Amazon|楽天)15枚
  • 玉ねぎ300g(中1と1/2個)
  • しょうが(すりおろし)10g(小さじ2)
  • にんにく(すりおろし)10g(小さじ2)
  • トマト300g(中2個)
  • 塩6g(小さじ1)
  • 水(煮る用)250ml

仕上げ

  • パクチー(コリアンダーの葉)(粗く刻む)10g

道具

  • ミキサー
  • 小さなフライパン(マサーラーを炒る)
  • 厚手の鍋(直径20〜22cm。ふたのあるもの)
  • 中心温度計(なければ切って確かめる)(Amazon|楽天)

作り方

  1. 鶏肉に下味をつける

    鶏肉はキッチンペーパーで水気を拭き、大きいものは5cm大に切る。塩3g、ターメリック1.5g、レモン汁15mlをもみ込み、冷蔵庫で20〜30分おく。

  2. 野菜を切る

    玉ねぎは縦に薄切りにする。トマトは1cm角に刻む。カルダモンは指で押してさやを軽く割る。カルパシは指で小さくちぎる。

  3. マサーラーを炒る

    換気扇を回す。小さなフライパンに太白ごま油4.5gを弱めの中火で熱し、コリアンダー10g、赤唐辛子6本、黒こしょう2.5g、クミン2g、フェンネル2g、シナモン1g、クローブ3粒、カルダモン3粒、スターアニス1個、カルパシ1gを入れる。混ぜ続けながら2〜3分、コリアンダーの色がひと段階濃くなり、香りが立つまで炒る。唐辛子とこしょうからむせる煙が出るので、顔を近づけない。

  4. ココナッツを加えて炒る

    ココナッツ50gを加え、混ぜ続けながら3〜4分、全体が薄いきつね色になるまで炒る。焦げると苦くなるので、色づいたらすぐにバットに広げ、10分冷ます。

  5. マサーラーを挽く

    冷めたマサーラーをミキサーに入れ、水100mlを加えて、なめらかなペーストになるまで1〜2分回す。

  6. 香りを油に移す

    鍋に太白ごま油39gを中火で熱し、フェンネル0.5gとテージ・パッター1枚を入れて10秒炒める。カレーリーフ15枚を加える。葉の水分で油がはねるので、顔を離して入れる。10秒炒めたら次に進む。

  7. 玉ねぎを炒める

    玉ねぎ300gを加え、中火で10〜12分、ときどき混ぜながら、きつね色になるまで炒める。しょうが10gとにんにく10gを加え、生の香りが消えるまで1分炒める。

  8. トマトを炒める

    トマト300gと塩6gを加え(油がはねるので、顔を離して入れる)、5〜6分、トマトが崩れてペースト状になるまで炒める。

  9. 鶏肉を炒める

    下味をつけた鶏肉を、ボウルに残った汁ごと加える。汁で油がはねるので、鍋の縁から静かに入れる。中火で5分、ときどき返しながら、鶏肉の表面の色が変わるまで炒める。

  10. マサーラーで煮る

    手順5のマサーラーを加えて混ぜる。ミキサーに水250mlを入れてゆすぎ、その水も鍋に加える。中火で煮立てたら弱火にし、ふたを1〜2cmずらしてのせ、20分煮る。ココナッツが鍋底につきやすいので、5分ごとに底から混ぜる。

  11. 火の通りを確かめる

    いちばん大きい鶏肉を1切れ取り出し、骨の近くのいちばん厚いところに温度計を刺し(骨には当てない)、75℃以上になっていれば煮えている。温度計がないときは、骨まで切って、身にピンク色が残っておらず、出てくる汁が透明なことを確かめる。足りなければ鍋に戻し、同じ火加減で3分ずつ煮て、そのつど確かめる。

  12. 油が浮くまで煮詰める

    ふたを外して中火にし、底から混ぜながら3〜5分、汁にとろみがつき、表面に油が浮いてくるまで煮詰める。パクチー10gを散らして火を止める。

炊いたご飯にかけて食べるほか、デイヴェーガムのレシピの見出しにあるように、イドゥリやドーサイ(ドーサのタミル語での呼び名)にも合わせます。

料理科学:スパイスとココナッツを炒ってから挽く理由

炒ると、香ばしい香りが立つ

スパイスを炒ると、表面が色づいて、生のスパイスにはない香ばしい香りが立ちます。チェッティナードゥのマサーラーの、ローストしたような香りはこのためです。ただし、長く炒りすぎると焦げて、苦みが出ます。手順3を弱めの中火で2〜3分にとどめるのは、焦がさずに香ばしさを出すためです。挽いたスパイスは香りが抜けやすいので、炒ったらすぐに挽き、その日のうちに使います。

ココナッツはスパイスのあとに加える

生のココナッツには水分がたくさん含まれています。水分があるあいだは、ココナッツの温度は100℃前後にとどまり、表面が色づきにくくなります。手順3でスパイスだけを先に炒って香りを出し、手順4でココナッツを加えて、水分を飛ばしながら薄いきつね色まで炒るのはそのためです。ディナスヴァドゥと州観光局のレシピも、スパイスを炒ってからココナッツを加え、薄いきつね色まで炒っています。

料理科学:骨つきのもも肉を使い、中心温度で確かめる

もも肉は、煮込んでもぱさつきにくい

鶏のもも肉は、むね肉より脂肪が多く、煮込んでもぱさつきにくい部位です。手順10で20分煮ても、もも肉は柔らかく煮上がります。むね肉を同じように煮ると、ぱさつきやすくなります。

煮えたかどうかは、いちばん厚いところで確かめる

骨の近くのいちばん厚いところは、熱がいちばん遅く届くところです。手順11では、いちばん大きい肉の骨の近くに温度計を刺して、75℃以上になっていることを確かめます。温度計がないときは、骨まで切って、身にピンク色が残っていないこと、出てくる汁が透明なことを見ます。

手順12で表面に油が浮くのは、汁の水分が減って、油が汁から分かれてきた合図です。ディナスヴァドゥやマーライマラルのレシピも、油が浮くことをでき上がりの目安にしています。

地域と家庭による違い

読んだタミル語のレシピから、いくつか紹介します。

  • 圧力鍋で煮る:デイヴェーガムのレシピは、圧力鍋で玉ねぎとトマトを炒めて鶏肉を少し煮てから、マサーラーを加えてふたをし、笛が2回鳴るまで加圧します。州観光局のレシピは、鶏肉を玉ねぎやトマトと一緒に先に圧力鍋で煮て(笛2回)から鍋に移し、マサーラーを加えて10分煮ます。圧力鍋で煮るときは、手順10の水を150mlに減らします(この記事の目安)。
  • 地鶏で作る:タミル語の日刊紙マーライマラルのウェブ版のレシピは、地鶏(ナートゥ・コーリ)1kgに、小玉ねぎ250gを使い、ココナッツと粉のスパイス、けしの実を挽いたマサーラーで煮ます。油の量は250gと、この記事よりずっと多めです。
  • けしの実やカシューナッツを挽く:タミル語のニュースサイト「マニタン」のレシピは、ココナッツにカシューナッツとけしの実を加えて挽き、カシュミーリー・チリパウダーとガラム・マサーラーを使います。インドのウェブメディア、ボールドスカイのタミル語版の「チェッティナードゥ・ペッパー・チキン・クランブ」も、ココナッツとけしの実、フェンネルを挽きます。
  • こしょうを主役にする:このボールドスカイのレシピは、ほかに、鶏肉1kgに黒こしょう大さじ1を、フェンネルと一緒に炒って挽いて加えます。こしょうをさらに効かせた、汁気のない羊肉の料理「マトン・チュッカー・ヴァルヴァル」もあります。
  • ココナッツを使わない:チェッティナードゥの料理のブログ「サマヤル・プリ」でガーヤトリ・アラガッパンが書いたレシピは、ココナッツを使いません。フェンネル、クミン、黒こしょうを炒って粉にし、小玉ねぎとにんにく、クローブを挽いたペーストと一緒に、油が分かれるまで炒めます。この粉を加えるところが、この料理の特徴だとしています。
  • 仕上げのごま油:ランカスリ・ニュースのレシピは、最後にごま油を1/4タンブラー(コップ1/4杯)ほど回しかけてから火を止めます。

手に入りにくい材料の代用

  • カルパシ:岩や木の幹に育つ地衣類(菌類と藻類が共生したもの)を乾かしたもので、英語ではブラックストーンフラワーとも呼ばれます。日本のスーパーではまず見かけません。代わりになるものはないので、手に入らなければ入れずに作ります。
  • ココナッツ(すりおろし):乾燥したココナッツファイン25gで代用できます。手順4で加えたら1〜2分で色づくので、焦がさないように炒ります。手順5でミキサーに入れる水を130mlに増やします。
  • テージ・パッター:インドのベイリーフです。ローリエ1枚で代用できます。香りは少し変わります。
  • カレーリーフ:さわやかな香りのある、ミカン科の木の葉です。生の葉がなければ冷凍の葉を同じ枚数使います。乾燥した葉は香りが弱くなります。手に入らなければ省きます。
  • 赤唐辛子(ホール):日本の鷹の爪で代用するときは、辛みが強いので3本にします。
  • 太白ごま油:サラダ油を同じ量使えます。
  • 骨なしの鶏もも肉:骨つきが手に入らなければ、骨なしのもも肉400gを5cm大に切って使います。手順10の煮る時間を15分にし、手順11と同じように火の通りを確かめます。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日。温め直すときは、鍋に水15mlを足して弱めの中火にかけ、底から混ぜながら、鶏肉の中心まで十分に温めます
  • 冷凍:1か月。冷蔵庫で解凍してから、冷蔵と同じように温め直します

南インドのほかのレシピ

もっと知りたい人へ

  • Sumeet Nair・Meenakshi Meyyappan『The Bangala Table』(英語)チェッティナードゥ地方のヘリテージホテル、ザ・バンガラの料理をまとめた、チェッティナードゥ料理の本Amazonで見る
  • ハロルド・マギー『マギー キッチンサイエンス』食材と加熱の仕組みを広く扱う、料理科学の定番Amazonで見る楽天で見る
  • J. Kenji López-Alt『The Food Lab』(英語)家庭料理の火の通し方や下ごしらえを、実験で確かめた本Amazonで見る楽天で見る

出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。