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ダール・タルカーDal Tadka レシピ

दाल तड़काダール・タルカー

地域
北インド(パンジャーブ地方と北インド各地)
分量
4人分
公開
ステンレスの器に盛ったダール・タルカー。黄色い豆の汁にクミンとにんにく、赤唐辛子を熱したギーがかかり、パクチーが散っている。奥にローティー

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ダール・タルカーは、黄色い割り豆を柔らかく煮て、熱したギーとスパイスで香りをつけた、北インドの豆の汁です。家庭でも、ダーバーと呼ばれる街道沿いの食堂でも作られます。とろりとした黄色い汁に、赤い油とクミンの粒が浮きます。

豆は、トゥール・ダール(キマメ)に、ムング・ダール(緑豆)を少し混ぜます。圧力鍋で柔らかく煮た豆を、玉ねぎとトマトのマサーラー(炒めたスパイスの素)と合わせて煮ます。最後に、ギーで熱したクミンとにんにくと赤唐辛子を、ジュッという音とともに流しかけます。この仕上げを、ヒンディー語でタルカーといいます。

ダール・タルカーとは

ヒンディー語では「दाल तड़का」と書きます。ダールは、割った豆と、それを煮た料理の両方を指します。タルカーは、ギーや油を熱してスパイスを入れ、香りを移した油ごと料理に加える方法です。タルカーの「ड़」は舌先を反らせて軽くはじく音で、ローマ字では d とも r とも書かれます。そのため、英語では Tadka とも Tarka とも綴られます。

英語版ウィキペディアは、ヒンディー語のタルカーという言葉を、はぜる、割れるという意味のサンスクリット語の語根にさかのぼるとしています。ヒンディー語版ウィキペディアは、この方法をチャウンクと呼び、西の地方ではタルカー、南の地方ではバガールとも呼ぶとしています。同じ記事によると、チャウンクは料理の始めに加える場合と最後に加える場合があり、ダールやサーンバールでは最後に加えます。

ダール・フライとの違い

よく似た料理に、ダール・フライがあります。インドの料理サイト、ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語版は、2つの違いをこう説明しています。ダール・フライは、先にスパイスを油で熱し、その中で玉ねぎとトマトを炒めてから、煮た豆を入れます。ダール・タルカーは、豆を煮たあと、最後にタルカーを加えます。玉ねぎとトマトは必ずしも要りません。

ただし、店や家庭では、2つの名前はかなり混ざって使われています。ヘッバールズ・キッチン自身も、ダール・タルカーのレシピの見出しに「ダール・フライ・タルカー」と並べて書いています。同じサイトのダーバー風のダール・タルカーと、ヒンディー語のニュース専門テレビ局アージ・タクのサイトに載ったレシピは、玉ねぎとトマトのマサーラーで豆を煮たうえで、最後にもう一度タルカーを流しかけます。この記事も、この2段階の作り方です。

トゥール・ダールとムング・ダール

トゥール・ダールは、キマメ(英語でピジョンピー)の皮をむいて割ったものです。ヒンディー語ではアルハルとも呼びます。ヒンディー語版ウィキペディアによると、キマメはインドで3000年ほど前から栽培されてきました。ウッタル・プラデーシュ州の東部では、ダールといえばアルハルのダールを指すとも書いています。

キマメの原産地については、見方が分かれています。ヒンディー語版ウィキペディアは、野生の株がアフリカの森に見られることから、アフリカが原産と考えられるとしています。一方、英語版ウィキペディアは、原産地には議論が多いとしたうえで、インドを主な起源地、西アフリカを2つ目の中心地とする見方を紹介しています。近縁と考えられる野生種がインド半島部の森に育つことや、南インドの遺跡から栽培の跡が見つかっていることも書いています。

ダール・タルカーに使う豆は、家庭や店によって替わります。インドの料理家ランヴィール・ブラールは、パンジャーブ風とダーバー風のどちらでも、トゥール・ダールにムング・ダールを混ぜています。ダーバー風の配合は、トゥール3にムング1です。ヘッバールズ・キッチンは、トゥール・ダールを基本に、マスール・ダール(レッドレンズ豆)やムング・ダールを加えてもよいとし、多くのレストランはトゥール・ダールだけか、チャナー・ダール(ひよこ豆の仲間の割り豆)だけで作ると書いています。

ダーバーの味

ダーバーは、街道沿いにある庶民的な食堂です。ヒンディー語版ウィキペディアによると、客の多くはトラックの運転手や旅の途中の人です。インドとパキスタンのトラックの運転手の多くがパンジャーブ系なので、ダーバーではパンジャーブの料理が出されることが多い、と説明しています。

このレシピは、ブラールのダーバー風にならって、トゥール・ダールとムング・ダールを3対1で混ぜます。マサーラーとタルカーは、ヘッバールズ・キッチンの2つのダール・タルカーと、アージ・タクのレシピを合わせた形です。タルカーには、両方のレシピと同じく、にんにくと赤唐辛子を使います。

ダール・タルカーのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 40分(浸水を含む) 加熱 55分(圧が下がるのを待つ時間を含む)

スパイスの配合 4人分で計11.2g
  • カシュミーリー・チリ3.7g
  • クミン3g
  • ターメリック1.3g
  • コリアンダー1g
  • ガラム・マサーラー1g
  • 赤唐辛子0.6g
  • カスーリー・メーティー0.3g
  • ヒング0.3g

豆を煮る

  • トゥール・ダール(皮をむいて割ったキマメ。アルハル・ダールとも)(Amazon|楽天)150g
  • ムング・ダール(皮をむいて割った緑豆。黄色い)(Amazon|楽天)50g
  • 水(浸水用)500ml
  • 水600ml
  • ターメリック(パウダー)(Amazon|楽天)1.3g(小さじ1/2)
  • 塩6g(小さじ1)
  • ギー(泡よけ)(Amazon|楽天)4.5g(小さじ1)

マサーラー

  • ギー(Amazon|楽天)26g(大さじ2)
  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • 玉ねぎ(みじん切り)150g(中1個)
  • しょうが(みじん切り)10g
  • にんにく(みじん切り)10g(2片)
  • 青唐辛子(生)(縦に切り目を入れる)1本(5g)
  • カシュミーリー・チリパウダー(Amazon|楽天)2.5g(小さじ1)
  • コリアンダー(パウダー)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • トマト(粗みじん切り)150g(中1個)
  • 塩6g(小さじ1)

合わせて煮る

  • 熱湯200ml
  • ガラム・マサーラー(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • カスーリー・メーティー(Amazon|楽天)0.3g(小さじ1)

タルカー(仕上げの香りづけ)

  • ギー(Amazon|楽天)13g(大さじ1)
  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • にんにく(みじん切り)10g(2片)
  • 赤唐辛子(ホール)(Amazon|楽天)2本(0.6g)
  • ヒング(アサフェティダ)(Amazon|楽天)0.3g(小さじ1/8)
  • カシュミーリー・チリパウダー(Amazon|楽天)1.2g(小さじ1/2)
  • パクチー(コリアンダーの葉)(粗く刻む)5g

道具

  • 圧力鍋(容量3L以上。笛のつくタイプでもよい)(Amazon|楽天)
  • 厚手の鍋(マサーラー用。深めのフライパンでもよい)
  • 小さなフライパン(タルカー用。小鍋でもよい)
  • 泡立て器

作り方

  1. 豆を洗って浸水する

    トゥール・ダール150gとムング・ダール50gを合わせ、水を替えながら3〜4回洗う。水(浸水用)500mlに30分浸し、ざるに上げる。

  2. 圧力鍋で煮る

    圧力鍋に豆、水600ml、ターメリック1.3g、塩6g、ギー4.5gを入れる。豆と水が、取扱説明書にある豆を煮るときの上限を超えないようにする。ふたをして強火にかけ、圧力がかかったら(おもりが振れる、またはピンが上がる)弱火にして、高圧で10分加熱する。笛のつく圧力鍋なら、中火で笛が4〜5回鳴るまで加熱する。

  3. 圧が下がるのを待つ

    火を止め、圧が自然に下がるまで10〜15分おく。おもりを動かしたり、ふたを無理に開けたりして急に圧を抜かない(熱い汁と泡が吹き出す)。ふたを開け、豆を数粒取り出して指で押し、簡単につぶれることを確かめる。つぶれなければ、ふたをせずに弱めの中火で5〜10分煮る。泡立て器で10回ほど混ぜ、豆の粒が半分ほど残る程度にほぐす。

  4. マサーラーを作る

    厚手の鍋にギー26gを入れて中火で熱し、クミン2gを入れる。泡が立って香りが出るまで20〜30秒加熱する。玉ねぎ150gを入れ(油がはねるので顔を近づけない)、ときどき混ぜながら8〜10分、こんがりと茶色く色づくまで炒める。しょうが10g、にんにく10g、青唐辛子1本を加え、1分炒める。

  5. スパイスとトマトを加える

    弱火にしてカシュミーリー・チリパウダー2.5gとコリアンダー1gを加え、焦がさないように30秒混ぜる。トマト150gと塩6gを加えて中火に戻し、トマトが煮くずれて、鍋のふちにギーがにじみ出てくるまで5〜6分炒める。

  6. 豆と合わせて煮る

    手順3の豆を加えて混ぜ、熱湯200mlを加える。煮立ったら弱めの中火にし、底が焦げつかないようにときどき混ぜながら5〜7分煮る。ガラム・マサーラー1gを加え、カスーリー・メーティー0.3gを手のひらでもみながら加えて混ぜ、火を止める。器に盛る。

  7. タルカーを作る

    換気扇を回しておく。小さなフライパンにギー13gを入れて中火で熱し(煙が出たら火を弱める)、クミン1gを入れて泡が立つまで10秒ほど加熱する。にんにく10gを加え、薄いきつね色になるまで30秒〜1分炒める。赤唐辛子2本とヒング0.3gを加えて10秒混ぜ、火から下ろす。すぐにカシュミーリー・チリパウダー1.2gを加えて5秒混ぜる。

  8. ダールに流しかける

    すぐにタルカーをギーごと、器のダールの上に流しかける。ジュッと音を立てて油がはねるので、顔を近づけない。パクチー5gを散らす。

ジーラー・ライス(クミンで香りをつけたご飯)や、ローティー(全粒粉の薄焼きパン)と一緒に食べます。

料理科学:豆だけを先に煮る理由

豆を先に柔らかく煮る

この記事で参考にしたヒンディー語のレシピ4件は、どれも豆を圧力鍋で先に柔らかく煮てから、トマトの入ったマサーラーと合わせています。手順2で豆だけを煮るのはそのためです。

皮をむいた割り豆は早く煮える

トゥール・ダールもムング・ダールも、皮をむいて半分に割ってあります。豆の皮は水を通しにくいので、皮のない割り豆は、まるごとの豆より中まで早く水が入ります。この記事の豆は、30分の浸水と、圧力鍋の10分の加熱で柔らかくなります。

圧力鍋の中は、100℃を超えた状態になります。火を止めても、圧が下がるまでその状態が続き、豆はさらに煮えます。手順3で圧が自然に下がるのを待つのは、その時間も煮る時間に入れているからです。

塩は豆を煮る水に入れる

ヘッバールズ・キッチンのダール・タルカーとアージ・タクのレシピも、豆を煮る水に塩を入れています。手順2で塩の半分を入れるのは、豆そのものに味をつけるためです。

手順2でギーを少し入れるのは、泡を抑えるためです。ブラールも、豆を煮るときにギーを入れています。

料理科学:タルカーを最後に流しかける理由

香りは油に溶け、煮ると逃げる

クミンやにんにくを熱いギーで加熱すると、香りがギーに移ります。

ただし、香りの成分は揮発しやすく、長く煮ると湯気と一緒に抜けていきます。手順4のマサーラーのクミンは豆と一緒に煮るので、香りの一部は湯気と一緒に抜けていきます。手順7のタルカーは、煮ないで最後に加えるので、クミンとにんにくの香りが立ったまま食卓に届きます。熱いギーは汁の表面に広がるので、食べるときに香りが立ちます。

100℃を超える油で、焼いた香りが生まれる

水の中で煮ている材料は、100℃前後までしか温まりません。ギーの中では、それよりずっと高い温度になります。にんにくを薄いきつね色まで炒めると、糖とアミノ酸が反応するメイラード反応が進み、香ばしい香りが生まれます。煮ただけのにんにくには、この香りはありません。

そのぶん、焦げるのも速くなります。にんにくは、濃い茶色になると苦くなります。手順7で、薄いきつね色になったら次の材料を入れ、すぐ火から下ろすのはそのためです。

レッドチリパウダーは火を止めてから

タルカーのギーにレッドチリパウダーを入れると、ギーが赤く色づき、ダールの表面に赤い油が広がります。

粉は粒が細かく、熱い油の中ではすぐに焦げます。ヘッバールズ・キッチンのダーバー風も、火を止めてからレッドチリパウダーを加えています。手順7でギーを火から下ろし、余熱で5秒だけ混ぜるのはそのためです。

家庭や店による違い

  • チャナー・ダールを混ぜる:インドの料理家サンジーヴ・カプールの英語のレシピ、ヘッバールズ・キッチンのダーバー風、アージ・タクのレシピは、トゥール・ダールとチャナー・ダールを同じ量ずつ混ぜています。
  • 5種類の豆を混ぜる:インドの料理ブログ「ダサナーズ・ヴェジ・レシピズ」を書くダサナー・アミットのダーバー風のダールは、チャナー、トゥール、皮つきのウラド、皮つきのムング、マスールの5種類を同じ量ずつ混ぜます。仕上げのタルカーは流しかけず、マサーラーで煮て仕上げます。
  • 最後にバターを溶かす:ブラールのダーバー風は、マサーラーで豆を煮たあと、バターを溶かし込み、さらにバターをのせて出します。
  • ラクナウ風:ブラールのラクナウ風は、玉ねぎ、しょうが、にんにく、ヨーグルトと粉のスパイスをペーストにします。熱したギーでシャーヒー・ジーラー(黒いクミン)、グリーンカルダモン、テージ・パッター(インドの月桂樹の葉)をはぜさせ、ペーストをギーがにじむまで炒めてから、豆と合わせます。
  • ラージャスターン風:ブラールのラージャスターン風は、トゥール・ダールと皮つきのムング・ダールを使い、クミン、ヒング、ターメリック、乾燥唐辛子でタルカーをして、仕上げにジャガリー(さとうきびなどの汁を煮詰めた、精製しない砂糖)を加えます。

手に入りにくい材料の代用

  • トゥール・ダール:インド食材店で「トゥールダール」「トゥバール・ダール」などの名前で売られています。手に入らなければ、ムング・ダールだけで200g使えます。手順2の加熱は高圧で5分(笛2〜3回)にします。
  • ムング・ダール:インド食材店で「ムングダール」「イエロームング」などの名前で売られています。手に入らなければ、トゥール・ダールを200gにするか、レッドレンズ豆(皮なし)50gに替えます。ヘッバールズ・キッチンは、トゥール・ダールにマスール・ダール(レッドレンズ豆)を混ぜています。
  • 圧力鍋がないとき:手順1の浸水を1時間にし、手順2の水を900mlにします。厚手の鍋でふたを少しずらし、ときどき混ぜながら弱めの中火で40〜50分、豆が指で簡単につぶれるまで煮ます。途中で豆が水面から出たら、熱湯100mlずつ足します。そのあとは手順3の「泡立て器で混ぜる」から同じです。
  • 青唐辛子(生):夏に出回る国産の青唐辛子が使えます。手に入らなければ入れずに作り、辛みを足したいときは、手順5で一味唐辛子0.5g(小さじ1/4)を加えます。
  • カシュミーリー・チリパウダー:色が濃く、辛さは穏やかな唐辛子の粉です。パプリカパウダーを同じ量使えます。
  • ヒング:セリ科の植物の樹脂から作る、においの強いスパイスです。手に入らなければ入れずに作ります。にんにくの香りが中心になります。
  • カスーリー・メーティー:乾燥したフェヌグリークの葉です。手に入らなければ入れずに作ります。
  • ギー:マサーラーのギー26gは、食塩不使用バター30gに替えられます。タルカーのギー13gは、サラダ油12g(大さじ1)に替えます。バターは乳の固形分が焦げやすいので、高い温度で熱するタルカーには向きません。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日。冷えるととろみが強くなるので、熱湯100mlを加えて温め直します。ヘッバールズ・キッチンも、ダールは時間がたつと濃くなるので、温めるときに水を足すよう書いています
  • 冷凍:手順6まで終えた状態で1か月。解凍して温め直してから、手順7と8を行います

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。