ハリヤーリー・チキンHariyali Chicken レシピ
हरियाली चिकनハリヤーリー・チキン

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ハリヤーリー・チキンは、パクチーとミントと青唐辛子をすりつぶした緑のペーストで、鶏肉を仕上げる料理です。今回読んだこの料理のレシピには、トマトも唐辛子の粉も入っていません。辛みは黒こしょうと青唐辛子で、香草のすっとした香りが前に出ます。
作り方の要は、香草を入れる時期です。鶏肉はヨーグルトの下味ごと炒めてから煮て、火が通ったのを確かめてから緑のペーストを加えます。香草を煮るのは最後の数分だけにして、緑を残します。
ハリヤーリー・チキンとは
ヒンディー語では「ハリヤーリー・チキン」(हरियाली चिकन)と書きます。
今回読んだヒンディー語のレシピ3件は、どれもこの名前でした。レシピ投稿サイト Cookpad のヒンディー語版、ヒンディー語のニュースチャンネル「アージ・タク」のサイト、ヒンディー語のニュースサイト HPBL の3件です。インドの料理サイト Swasthi’s Recipes と、ケーララ州の新聞社マラヤーラ・マノーラマの英語のサイト「オンマノーラマ」に載った読者のレシピも「Hariyali chicken」としています。オンマノーラマは、このレシピに北インド料理のタグを付けています。Swasthi’s Recipes と、英語の料理サイト The Delicious Crescent は、英語の別名を「グリーン・チキン」としています。
パキスタンのテレビ局マサーラーTVのサイトでは、料理家シーリーン・アンワルが「チキン・ハリヤーリー」、ザルナク・シドワが「ハリヤーリー・チキン・カラーヒー」(カラーヒーは中華鍋に似た両手の鍋)の名前で紹介しています。同じサイトには、料理家ズバイダ・ターリクの「ハラー・マサーラー・チキン」もあります。材料にパクチー2束と青唐辛子8本が入る、作り方の近い料理です。The Delicious Crescent によると、ハラー・マサーラーは「緑のマサーラー」という意味です。
どこの料理か
今回読んだ情報源には、この料理がいつ、どこで生まれたのかを書いたものはありませんでした。The Delicious Crescent は、ハイダラーバードの料理はパクチーとミントと青唐辛子を好むようだと書き、この料理と結びつけています。ただし、今回読んだパキスタンの日刊紙ジャングのハイダラーバード料理の特集(ウルドゥー語)には、緑の鶏料理は載っていませんでした(下の「ハイダラーバードのコールマーとの違い」を参照)。この記事では、ヒンディー語のレシピとマサーラーTVのレシピをもとに、北インドとパキスタンの料理として紹介します。
この記事の配合
ヒンディー語の3件と、マサーラーTVのシーリーン・アンワルのレシピに共通する材料を骨組みにしました。ヨーグルト、にんにく、コリアンダーとクミンと黒こしょうの粉、パクチー、ミント、青唐辛子です。しょうがは、シーリーン・アンワル以外の3件に入っています。鶏肉の下味は、Cookpad にならってヨーグルト、しょうが・にんにく、塩にしました。玉ねぎを炒めてから鶏肉を加える流れは、アージ・タクとシーリーン・アンワルにならいました。
唐辛子の粉とターメリックは、アージ・タク、HPBL、シーリーン・アンワル、Swasthi’s Recipes の材料にないので、この記事でも入れません。黒こしょうは、今回読んだヒンディー語の3件とマサーラーTVの3件のすべてに入っています。ホールスパイスは、アージ・タクのテージ・パッター(インドのベイリーフ)、シナモン、グリーンカルダモンに、シーリーン・アンワルと Swasthi’s Recipes のクミン(ホール)を合わせました。玉ねぎは、シーリーン・アンワルにならって淡いきつね色で止めます。
香草の量は、情報源ではカップやひとつかみ、束で書かれています。この記事では、Swasthi’s Recipes と HPBL の「鶏肉500gにパクチー1カップ、ミント1/2カップ」を800g分にし、カップに詰めて量ったときの重さを、パクチーは1カップ約30g、ミントは1カップ約24gとみて、gに直しました。カップへの詰め方で重さは変わるので、gの量はこの記事での換算です。
緑のペーストを入れる時期は、情報源によって違います。Cookpad と HPBL のレシピは、香草のペーストを最初から鶏肉と一緒に漬けて煮ます。アージ・タクと Swasthi’s Recipes も、鶏肉を炒め始めて数分でペーストを加え、そのあと煮込みます。この記事では、オンマノーラマのレシピのように、鶏肉に火が通ってからペーストを加え、5分ほどで仕上げます。ザルナク・シドワのカラーヒーも、先に鶏肉をヨーグルトで煮ておき、パクチーのチャトニー(すりつぶしたもの)と合わせて5分煮る作り方です。
レモン汁は、アージ・タクはペーストに、HPBL とシーリーン・アンワルは漬けだれに混ぜます。Swasthi’s Recipes は、好みで、食卓に出す前にレモン汁を搾るとしています。この記事では Swasthi’s Recipes にならい、火を止めてから加えます。
ハリヤーリー・チキンのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 45分(下味の時間を含む) 加熱 55分
- クミン3g
- コリアンダー3g
- 黒こしょう2.4g
- ガラム・マサーラー2g
- シナモン1g
- グリーンカルダモン0.8g
- テージ・パッター0.5g
鶏肉の下味
- 骨付き鶏もも肉(ぶつ切り)800g
- プレーンヨーグルト150g
- しょうが(すりおろし)10g(小さじ2)
- にんにく(すりおろし)10g(小さじ2)
- 塩6g(小さじ1)
ホールスパイスと玉ねぎ
煮る
- 水100ml
緑のペースト
- パクチー(コリアンダーの葉)(茎も使う)50g
- ミントの葉(枝から摘む)20g
- 青唐辛子4本(12g)
- 水(ペーストにする)30ml(大さじ2)
作り方
鶏肉に下味をつける
骨付き鶏もも肉800gをキッチンペーパーでふき、水気をよく取る。身の厚いところに、骨に届くくらいの切り込みを2本ずつ入れる。ボウルにプレーンヨーグルト150g、しょうが(すりおろし)10g、にんにく(すりおろし)10g、塩6gを混ぜ、鶏肉を加えてよくもみ込む。ふたをして冷蔵庫で30分〜1時間おく。生の鶏肉をさわった手とまな板は、すぐに洗剤で洗う。
玉ねぎと香草を用意する
下味をつけている間に、玉ねぎ200gをみじん切りにする。グリーンカルダモン4粒は、さやに指で割れ目を入れる。パクチー50gは洗って水気をよくふき、茎ごと3cm長さに切る。ミントの葉20gは枝から摘み、洗って水気をふく。青唐辛子4本はへたを取り、2〜3つに切る。パクチー、ミント、青唐辛子は、ペーストにするまで冷蔵庫に入れておく。
ホールスパイスを油で熱する
換気扇を回す。厚手の鍋にサラダ油54gを中火で熱し、テージ・パッター2枚、クミン(ホール)1g、グリーンカルダモン4粒、シナモン1gを入れる。クミンのまわりに細かい泡が立ち、香りが出るまで20〜30秒熱する。
玉ねぎを淡いきつね色に炒める
玉ねぎ200gを加える。熱い油に水分の多い玉ねぎが入るので、油はねに気をつけ、顔を離して入れる。中火でときどき混ぜながら8〜10分、全体が淡いきつね色になるまで炒める。濃い茶色にはしない。
粉スパイスと鶏肉を炒める
弱火にし、コリアンダーパウダー3g、クミンパウダー2g、黒こしょう2.4gを加えて30秒炒める。鶏肉を漬けだれごと加える。油はねに気をつける。強めの中火にし、上下を返しながら8〜10分、漬けだれの水分がとんで、鍋の縁に油がにじむまで炒める。鍋底にこびりつき始めたら、木べらでこそげて混ぜる。
水を加えて煮る
水100mlを加えて鍋底をこそげ、煮立てる。弱めの中火にしてふたをし、25分煮る。途中で2回、鍋底から混ぜる。
緑のペーストを作る
煮る時間が残り5分ほどになったら、ハンドブレンダーの容器にパクチー50g、ミントの葉20g、青唐辛子4本、水30mlを入れる。1〜2分回して、葉の粒が見えないくらいなめらかなペーストにする。
鶏肉の火の通りを確かめる
いちばん大きい1切れを取り出し、骨の近くのいちばん厚いところに温度計を刺す(先を骨に当てない)。75℃以上あればよい。温度計がないときは、骨まで切り込みを入れ、身に生の透明感がなく、出てくる汁が透明なことを確かめる。色だけでは確実に判断できないので、迷ったら3分煮足す。足りなければ鍋に戻し、ふたをして弱めの中火で3分ずつ煮て、そのつど確かめる。緑のペーストは、火が通ったのを確かめてから入れる。
緑のペーストを加える
ふたを取り、弱めの中火にする。7の緑のペースト、塩3g、ガラム・マサーラー2gを加えて全体にからめる。ふたをせずに混ぜながら4〜5分、香草の青くさいにおいが消え、ソースが鍋の縁でふつふつとするまで煮る。これ以上は煮ない。
レモン汁で仕上げる
火を止め、レモン汁15mlを加えて混ぜる。あまり時間をおかずに器に盛る。
ローティー(全粒粉の薄焼きパン)やナーン、ご飯と一緒に、熱いうちに食べます。ホールスパイスは、食べるときによけます。
料理科学:香草の緑を残す
葉の緑は、長く煮るとくすむ
ハリヤーリー・チキンの緑は、パクチーとミントの色です。緑の葉は長く加熱すると色がくすむので、鶏肉と一緒に長く煮るほど、ソースの色もくすみます。オンマノーラマのレシピも、緑のペーストを最後に入れるとこの料理らしい緑になり、玉ねぎのペーストと一緒に炒めるとソースの色が濃くなる、としています。
鶏肉の火の通りを、ペーストの前に確かめる
アメリカ農務省(USDA)の食品安全検査局は、鶏肉はどの部分も、食品用の温度計で測って74℃(165°F)以上にすることを、安全な最低の中心温度としています。この記事では余裕をみて、75℃以上を目安にします。
骨付きの鶏肉は、骨のまわりにいちばん遅く火が通ります。ペーストを入れてから火の通りが足りないとわかると、香草ごと煮足すことになり、緑がくすみます。手順8で、ペーストを入れる前に骨の近くの温度を測るのはそのためです。煮足すのは香草を入れる前にして、手順9では4〜5分で火を止めます。
USDA は同じページで、安全に火が通った鶏肉でも色は白からピンク、薄い茶色までさまざまで、色では火の通りを判断できないとしています。若い鶏では、骨とそのまわりの肉が暗い色になることもあり、これは見た目だけの問題だそうです。緑のソースがからむと、身の色はなおさら見分けにくくなります。温度計で測るのがいちばん確かです。
レモン汁は火を止めてから
レモン汁は、香りとさわやかな酸味のために入れます。この記事では、Swasthi’s Recipes が食卓に出す前に搾るとしているのにならい、手順10で火を止めてから加えます。盛りつけたら、あまり時間をおかずに食べます。
作り手による違い
今回読んだ情報源だけでも、作り方にはいろいろな違いがありました。
- 炒め玉ねぎとカシューナッツのペーストに漬ける:Cookpad のプラギャーン・パラミター・シンのレシピは、鶏肉1kgをヨーグルトで30分漬けたあと、きつね色に炒めた大きな玉ねぎ4個を、カシューナッツ10〜12粒、パクチー、ミント、青唐辛子と一緒にペーストにして、鶏肉にからめて1時間おきます。コリアンダー、クミン、ガラム・マサーラー、黒こしょうを、それぞれ小さじ2ずつ加えます。
- 香草のペーストごと漬ける:HPBL のレシピは、パクチー、ミント、青唐辛子、しょうが、にんにくのペーストと、ヨーグルト、レモン汁、粉スパイスに鶏肉を30分〜1時間漬け、焼きつけてから、残りの漬けだれと水で煮ます。
- カスーリー・メーティーを加える:アージ・タクのレシピは、ペーストと粉スパイスを炒めてから、ヨーグルトとカスーリー・メーティー(乾燥したフェヌグリークの葉)を加えて煮ます。
- ココナッツミルクパウダーと生クリーム:マサーラーTVのシーリーン・アンワルのレシピは、パクチー、ミント、青唐辛子、レモン汁、ヨーグルトに、ココナッツミルクパウダーを混ぜて漬けだれにします。仕上げに生クリームを大さじ2〜3加えます。
- 皮つきのにんにくと炒め玉ねぎ:ザルナク・シドワのハリヤーリー・チキン・カラーヒーは、パクチー1束と青唐辛子8〜10本を、皮つきのにんにく6片と一緒にすりつぶします。きつね色に炒めた玉ねぎの半分を取りおいて、仕上げに飾ります。ミントは使いません。
- 玉ねぎを香草と一緒にすりつぶす:Swasthi’s Recipes のレシピは、生の玉ねぎとグリーンカルダモンを、パクチー、ミント、青唐辛子と一緒に水を加えずにペーストにします。好みでカレーリーフも使います。
ハイダラーバードのコールマーとの違い
ジャングは、ハイダラーバード料理の特集(ウルドゥー語)で、チキン・コールマーを紹介しています。このレシピは、鶏肉を、スパイスと揚げた玉ねぎを混ぜたヨーグルトで煮るものです。揚げた玉ねぎの半分を、けしの実のペーストやスパイスと一緒にすりつぶしてヨーグルトに混ぜます。残りの玉ねぎで鶏肉をよく炒めてから、このヨーグルトを加えて弱火で煮ます。唐辛子の粉を大さじ2、ターメリックを小さじ1使います。パクチーは1束使いますが、油が浮いてきたところでレモン汁と一緒に散らし、火から下ろします。
今回読んだハリヤーリー・チキンのレシピは、唐辛子の粉を使わず、パクチーとミントをペーストにしてソースそのものに混ぜ込むところが違います。
手に入りにくい材料の代用
- ミントの葉:手に入らなければ、パクチーを70gに増やして作れます。ミントのすっとした香りはなくなります。
- 青唐辛子:ししとう4本で代用できます。辛みはほとんどなくなり、黒こしょうの辛みが中心になります。
- テージ・パッター:インドのベイリーフです。ローリエ1枚で代用できます。香りは少し変わります。
- グリーンカルダモン(ホール):ホールが手に入らなければ、手順3のカルダモンは省き、手順5でカルダモンパウダー0.5g(小さじ1/4)を粉スパイスと一緒に加えます。
- 骨付きの鶏もも肉のぶつ切り:骨なしの鶏もも肉で作るときは、600gを4〜5cm角に切り、手順6で煮る時間を15分にします。塩は、下味を5g(小さじ1弱)にします。
保存
- 冷蔵:保存容器に入れて2日。温め直すと香草にも火が入るので、緑は作りたてよりくすみます。温め直すときは、弱めの中火で混ぜながら、鶏肉の中心が75℃になるまで温めます
- 冷凍:手順8で火が通っていることを確かめたら、緑のペーストを入れる前に冷まし、汁ごと保存容器に入れて1か月。解凍して鍋で煮立て、ふたをして弱めの中火で、鶏肉の中心が75℃になるまで温めてから、手順7・9・10を行います。香草を煮る時間が、作りたてと同じですみます
北インドのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- Cookpad「हरियाली चिकन (hariyali chicken recipe in Hindi)」(ヒンディー語)
- Aaj Tak「Nonveg Food Recipe: सिर्फ 20 मिनट में बन जाएगा हरियाली चिकन, फॉलो करें ये आसान विधि」(ヒンディー語)
- HPBL「रोज-रोज की चिकन करी से हो गए हैं बोर? इस बार ट्राई करें हरियाली चिकन, स्वाद ऐसा कि डिनर यादगार बन जाएगा」(ヒンディー語)
- Masala TV「Chicken Haryali Recipe | Shireen Anwar」(英語)
- Masala TV「Haryali Chicken Karahi Recipe | Zarnak Sidhwa」(英語)
- Masala TV「Hara Masala Chicken Recipe | Zubaida Tariq」(英語)
- Swasthi's Recipes「Hariyali chicken (green chicken)」(英語)
- Onmanorama「Hariyali chicken」(英語)
- Jang「حیدرآبادی قورمے، کباب اور مرچوں کا سالن」(ウルドゥー語)
- The Delicious Crescent「Hariyali Chicken (Green Chicken)」(英語)
- USDA Food Safety and Inspection Service「The Color of Meat and Poultry」(英語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。