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ゲーン・キアオ・ワーン・ガイ日本では「グリーンカレー」ともKaeng Khiao Wan Gai レシピ

แกงเขียวหวานไก่ゲーン・キアオ・ワーン・ガイ

地域
タイ(タイ中部)
分量
4人分
公開
青い縁のほうろうの器に盛ったゲーン・キアオ・ワーン・ガイ。淡い緑のココナッツのカレーに鶏肉とタイのなす、マクア・プアンが入り、ホーラパーと赤唐辛子がのっている。奥にご飯

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ゲーン・キアオ・ワーン・ガイは、生の青唐辛子で作るペーストを使った、タイの鶏のカレーです。ココナッツミルクのコクに、青唐辛子のきりっとした辛さ、レモングラスやこぶみかんの皮の香りが重なります。仕上げにタイのバジル(ホーラパー)をたっぷり加えます。日本では「グリーンカレー」の名前でおなじみです。

カレーペーストは市販品を使わず、青唐辛子と香味野菜、煎ったスパイス、カピ(えびの発酵ペースト)を石臼でついて作ります。そのペーストを、煮詰めて油を出したココナッツクリームで炒め、鶏肉とタイのなすを短い時間で煮て仕上げます。

ゲーン・キアオ・ワーン・ガイとは

タイ語では「แกงเขียวหวานไก่」と書きます。ゲーンは汁けのあるカレーや煮込み、キアオは緑、ワーンは「甘い」、ガイは鶏のことです。緑の色は、ペーストに使う生の青唐辛子から来ています。英語版ウィキペディアは、ワーンは味の甘さではなく、緑の色合いを表す言葉だという説明を紹介しています。

宮廷の料理書に残るグリーンカレー

タイの歴史と文化の雑誌『シンラパ・ワッタナタム』のウェブ版は、1939年に出た料理書『タムラップ・カップカーオ・サウーイ』(王が召し上がる料理の本)に載っているグリーンカレーを紹介しています。著者はペンネームで書いていて、記事は宮廷に仕えた人物だったと推測しています。記事によると、序文には、載せた料理はかつて国王に差し上げて喜ばれたものだと書かれています。マティチョンの記事は、1932年の立憲革命(絶対王政が終わった政変)のあとに宮廷の料理を載せた料理書が一般向けに出版されるようになった流れの中で、この本を紹介しています。著者が本名を伏せてペンネームを使ったことにもふれています。

このレシピの具は鶏肉ではなく、薄く切ったナマズです。材料には、プリック・キーヌー、エシャロット、にんにく、コリアンダー、クミン、ガランガル、レモングラス、こぶみかんの皮、パクチーの根、カピ、ホーラパー、カフィアライムリーフなど、いまのタイ語のレシピにもある材料が並びます。一方で、クラチャーイ(フィンガールート)、若いしょうが、生の若いこしょうの実など、この記事で読んだいまのレシピには見られない材料も入っています。分量は書かれておらず、どれもほどよい量を見はからって使うように、と書かれています。手順は、ココナッツクリームを煮て油を出し、その半分でペーストを炒めます。油を出したココナッツクリームでペーストを炒める点は、Paste のレシピと同じです。

いつごろ生まれた料理なのかについて、英語版ウィキペディアは、ラーマ6世またはラーマ7世の時代、つまり20世紀の初めごろにできあがったとしています。

ゲーン・キアオ・ワーン・ガイのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 50分(カレーペーストを作る時間を含む) 加熱 30分

スパイスの配合 4人分で計5g
  • コリアンダー3g
  • クミン1g
  • 白こしょう1g

カレーペースト

  • 青唐辛子(小)(タイのプリック・キーヌー(緑)。小さくて辛いもの)(Amazon|楽天)10g(約20本)
  • 青唐辛子(大)(タイのプリック・チーファー(緑)。長さ10〜15cmで辛さの穏やかなもの)20g(2本)
  • レモングラス(根元の白い部分)(Amazon|楽天)20g(2〜3本分)
  • ガランガル(Amazon|楽天)10g
  • こぶみかんの皮(タイのマクルート(こぶみかん)の実の表面の緑の部分)3g(小さじ1と1/2)
  • パクチーの根(根つきのパクチーから切り取る)6g(4〜5株分)
  • 生のターメリック(生のうこんの根茎)(Amazon)3g(2cm)
  • エシャロット(タイのホームデーン(赤いエシャロット))(Amazon)25g
  • にんにく15g(3片)
  • カピ(タイのえびの発酵ペースト)(Amazon|楽天)5g(小さじ1)
  • 塩2g(小さじ1/3)

カレーペーストのスパイス

  • コリアンダー(ホール)(Amazon|楽天)3g(小さじ1と1/2)
  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • 白こしょう(ホール)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/3)

カレー

  • 鶏もも肉(皮なし・骨なし)400g
  • ココナッツクリーム(ココナッツミルク缶の上に固まった濃い部分)150ml
  • ココナッツミルク(Amazon|楽天)450ml
  • タイのなす(マクア・プロ(緑の丸いなす))150g(4〜5個)
  • マクア・プアン(タイの小粒のなす。房から外す)(Amazon)40g
  • カフィアライムリーフ(こぶみかんの葉)(Amazon|楽天)4枚(1.5g)
  • ナンプラー(Amazon|楽天)30ml(大さじ2)
  • パームシュガー(Amazon|楽天)15g
  • ホーラパー(タイのバジル)15g
  • 生の赤唐辛子(大)(タイのプリック・チーファー(赤)。辛さの穏やかなもの)10g(1本)

道具

  • 石臼(タイのクロック。すり鉢やハンドブレンダーでもよい)(楽天)
  • スパイスミル(石臼でもよい)(Amazon|楽天)
  • 鍋(直径20〜22cm)

作り方

  1. 唐辛子と香味野菜を刻む

    青唐辛子は素手でさわると手がひりひりするので、使い捨ての手袋をする。青唐辛子(小)10gはヘタを取って小口切りにする。青唐辛子(大)20gはヘタを取って縦に割り、種と白いわたをこそげ取って1cm幅に切る。レモングラス20gは薄い小口切り、ガランガル10gは薄切りにしてから細かく刻む。こぶみかんの皮3gは緑の部分だけを薄くむいて細かく刻む。パクチーの根6gはよく洗って刻む。生のターメリック3gは皮をむいて刻む。エシャロット25gとにんにく15gは皮をむいて粗く刻む。

  2. スパイスを煎って粉にする

    フライパンを弱火にかけ、コリアンダー3g、クミン1g、白こしょう1gを入れ、フライパンをゆすりながら2〜3分煎る。香りが立ち、コリアンダーがうっすら色づいたらすぐ皿に移す。冷めたらスパイスミルで粉にする。

  3. カレーペーストを作る

    石臼に塩2gと青唐辛子(小・大)を入れ、細かくなるまでつく。水分が出てすべるときは、粉にしたスパイスのうち小さじ1/2を先に加える。レモングラス、ガランガル、こぶみかんの皮、パクチーの根を加えてつき、生のターメリック、エシャロット、にんにくを加えてなめらかになるまでつく。最後に残りの粉にしたスパイスとカピ5gを加え、全体が均一になるまでつき混ぜる。全部で20〜30分かかる。ハンドブレンダーやミキサーを使うときは、ココナッツクリーム150mlのうち30ml(大さじ2)を加えて回す。

  4. 具の下ごしらえ

    鶏もも肉400gは3cm角に切る。マクア・プアン40gは房から外す。カフィアライムリーフ4枚は中央の太い筋を除き、手で2〜3つにちぎる。生の赤唐辛子10gは斜め薄切りにする。ホーラパー15gは葉を摘む。タイのなす150gは切り口が黒ずみやすいので、手順8で入れる直前にヘタを取って4つ割りにする。

  5. ココナッツクリームを煮詰めて油を出す

    鍋にココナッツクリーム150ml(ペーストに30ml使ったときは残りの120ml)を入れて中火にかける。煮立ったら木べらで混ぜながら5〜8分煮詰め、とろみがついて透明な油が分かれて浮いてくるまで待つ。

  6. ペーストを炒める

    換気扇を回す(唐辛子の刺激のある湯気が立つ)。カレーペーストを全量加え、弱めの中火で4〜5分、鍋底をこそげながら炒める。焦げつきそうなときは、ココナッツミルク450mlのうち大さじ1〜2を加えてのばす。香りが立ち、表面に緑がかった油がにじんできたら炒め上がり。

  7. 鶏肉を炒めて味をつける

    鶏もも肉を加えて中火にし、3分ほど、表面の色が変わるまでペーストをからめる。ナンプラー30mlとパームシュガー15gを加えて混ぜ、パームシュガーを溶かす。

  8. なすと一緒に煮る

    残りのココナッツミルクを加える。煮立ったらタイのなす、マクア・プアン、カフィアライムリーフを加え、弱めの中火でふたをせずに8〜10分、なすがやわらかくなるまで煮る。いちばん大きい鶏肉を1切れ切って、中まで白く、赤い汁が出なければ火が通っている。

  9. 火を止めて香草を加える

    火を止め、ホーラパーと生の赤唐辛子を加えてさっと混ぜる。

ジャスミンライスと一緒に食べます。タイでは、カノムチーン(米の細い麺)にかけて食べることもあります。

料理科学:緑の色と香りを残すために、短く煮る

長く煮ると緑がくすむ

ペーストの緑は、生の青唐辛子やこぶみかんの皮などの色です。この記事では、Paste のレシピやパイリン・チョンチットナンのレシピと同じく、香味野菜を焼かずに生のまま潰します。ペーストを炒めるのは香りが立つまでの4〜5分にとどめ、ココナッツミルクを加えてからも、なすがやわらかくなるまでの8〜10分で火を止めます。長く煮込むと、緑の色はくすんでいきます。

緑がかった油が浮いたら炒め上がり

ペーストを、ココナッツクリームから分かれた油で炒めていくと、表面に緑がかった油がにじんできます。手順6では、これを炒め上がりの目安にしています。Pholfoodmafia のレシピも、ペーストを濃いココナッツクリームで、油が分かれて出るまで炒めています。

ホーラパーは火を止めてから

ホーラパーの香りは、長く加熱すると弱まります。手順9で火を止めてから加えるのは、香りを残すためです。この記事で読んだタイ語のレシピのうち、Paste、Pholfoodmafia、Wongnai の3件も、ホーラパーを最後に加えています。

青唐辛子の辛さを調節する

タイ出身の料理家パイリン・チョンチットナンは、辛さに強くないときは、辛い方の青唐辛子の種とわたを一部またはすべて除くよう勧めています。この記事では、GotoKnow のレシピにならって大きい青唐辛子の種とわたを除き、小さい青唐辛子はそのまま使います。

素手で青唐辛子を刻むと手がひりひりして、水で洗ってもしばらく続くことがあります。手順1で手袋をするのはそのためです。

タイ語のレシピによる違い

この記事のペーストは、主にタイ語のレシピ3件の配合を見くらべて決めました。ミシュランガイドの一つ星を得たタイ料理店「Paste」のシェフ、ボンコット・サトングンのレシピ、バンコクのホテル、マンダリン・オリエンタルのシェフ、パッチャラー・ピラパークのレシピ(グリーンカレー味のチャーハンに使うペースト)、カンチャナブリー・ラーチャパット大学の研究論文が基準にしたレシピです。

  • 唐辛子:Paste のレシピと、マンダリン・オリエンタルのシェフのレシピは、辛い小粒の青唐辛子に、大きくて辛さの穏やかな青唐辛子を合わせています。研究論文の基準のレシピは小粒の青唐辛子だけです。
  • ターメリック:3件ともターメリックを少し入れています。Paste のレシピは、カミン・デーン(赤いターメリック)と書かれたものを使っています。
  • スパイス:3件ともコリアンダーとクミンを入れています。Paste のレシピは白こしょうとカルダモンを、マンダリン・オリエンタルのシェフのレシピは白こしょうとシナモン、クローブを加えています。この記事は、白こしょうまでにしています。
  • カピ:Paste のレシピと研究論文には入っていて、マンダリン・オリエンタルのシェフのレシピには入っていません。

具について、英語版ウィキペディアは、魚や魚のすり身団子、肉を挙げています。Pholfoodmafia には鶏の内臓で作るレシピがあり、1939年の料理書のレシピはナマズで作っています。

手に入りにくい材料の代用

  • 青唐辛子(小):冷凍の緑のプリック・キーヌーが手に入れば同じ量使います。手に入らないときは、赤いプリック・キーヌー10gで代用できます。ペーストの色は茶色がかります。
  • 青唐辛子(大):日本の青唐辛子20gで代用できます。辛さは品種によってちがうので、少しかじって確かめ、辛いときは種とわたをしっかり除きます。
  • レモングラス・ガランガル:冷凍品を同じ量使えます。ガランガルが手に入らないときはしょうがで代用できますが、香りの質が違うので半量の5gにします。
  • こぶみかんの皮:冷凍のこぶみかんの実が手に入れば、表面を薄くむいて使います。手に入らないときは、カフィアライムリーフ2枚(0.8g)の太い筋を除き、ごく細かく刻んで代わりに加えます。
  • パクチーの根:根つきのパクチーが手に入らないときは、茎の根元に近い部分6gで代用できます。
  • 生のターメリック:ターメリックパウダー0.6g(小さじ1/4)で代用できます。手順3で粉にしたスパイスと一緒に加えます。
  • エシャロット(ホームデーン):赤玉ねぎ25gで代用できます。
  • カピ:アンチョビのフィレ5g(2枚)で代用できます。
  • タイのなす・マクア・プアン:冷凍品が手に入れば同じ量使います。手に入らないときは、日本のなす190g(2個)を2cm角に切って使います。マクア・プアンの分も合わせた量です。
  • ホーラパー:スイートバジル15gで代用できます。香りはやわらかくなります。
  • 生の赤唐辛子(大):赤パプリカ10gを細切りにして、色どりに加えます。
  • パームシュガー:きび砂糖15gで代用できます。
  • ココナッツクリーム:缶を振らずに開けると、上に濃い部分が固まっています。これをすくって150mlにし、残りをココナッツミルクとして使います。400mlの缶を2缶使い、余った200mlは別の料理に使います。夏などで固まっていないときは、缶を冷蔵庫で半日冷やします。
  • 市販のグリーンカレーペースト:手順1〜3の代わりに、タイ製のグリーンカレーペースト50gを使います。市販のペーストは塩けが強いので、ナンプラーは15mlから加え、味をみて30mlまで足します。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日。日がたつと緑の色はくすみます
  • 冷凍:なすを取り除いて1か月(なすは冷凍すると食感が悪くなります)
  • カレーペースト:密閉容器に入れて、冷蔵で3〜4日、冷凍で1か月。ココナッツクリームを加えてハンドブレンダーで作ったペーストは傷みやすいので、すぐに使わないときは冷凍します

タイのほかのレシピ

もっと知りたい人へ

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。