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ゲーン・ペット・ガイ日本では「レッドカレー」ともKaeng Phet Gai レシピ

แกงเผ็ดไก่ゲーン・ペット・ガイ

地域
タイ(タイ)
分量
4人分
公開
染付の器に盛ったゲーン・ペット・ガイ。赤いココナッツのカレーに鶏肉とタイのなす、マクア・プアンが入り、ホーラパーと赤唐辛子がのっている。奥にご飯

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ゲーン・ペット・ガイは、乾燥唐辛子で作る赤いペーストを使った、タイの鶏のカレーです。ココナッツミルクのコクに、唐辛子の辛さと、コリアンダーやクミンの香りが重なります。日本では「レッドカレー」の名前で知られています。

カレーペーストは市販品を使わず、もどした乾燥唐辛子と香味野菜、煎ったスパイス、カピ(えびの発酵ペースト)を石臼でついて作ります。そのペーストを、煮詰めて油を出したココナッツクリームで炒め、鶏肉とタイのなすを煮て、最後にタイのバジル(ホーラパー)を加えます。

ゲーン・ペット・ガイとは

タイ語では「แกงเผ็ดไก่」と書きます。ゲーンは汁けのあるカレーや煮込み、ペットは「辛い」、ガイは鶏のことです。タイの料理サイト KRUA.CO の記事によると、ペーストは「プリック・ゲーン・ペット」のほか、「プリック・ゲーン・デーン(赤いカレーのペースト)」とも呼ばれます。

赤い色は乾燥唐辛子から

KRUA.CO の記事は、このペーストを、大きな乾燥唐辛子、ガランガル、レモングラス、こぶみかんの皮、パクチーの根、エシャロット、にんにく、カピに、コリアンダーの種とクミンを加えたものと説明しています。ココナッツミルクで煮ると汁が赤くなり、乾燥唐辛子を使うので、生の青唐辛子で作るグリーンカレー(ゲーン・キアオ・ワーン)より辛さは穏やかだとしています。スワンドゥシット大学の家政学校の資料は、赤い色は「バーンチャーン」という品種の乾燥唐辛子から来るとしています。

スパイスの入る「ゲーン・ペット」、入らない「ゲーン・クア」

タイの新聞『カーオソット』のサイトにある『センターン・セーティー』の記事は、ふつうのペーストを「ゲーン・クア」のペーストとし、それにコリアンダーの種、クミン、ナツメグを加えたものを、ゲーン・ペットのペーストと呼ぶと説明しています。KRUA.CO の記事も、ゲーン・クアのペーストは、ゲーン・ペットのペーストからコリアンダーの種とクミン、こしょうを除いたものだとしています。スワンドゥシット大学の資料も、ゲーン・ペットのペーストの材料に、コリアンダーの種、クミン、ナツメグを挙げています。この記事では、この3つのスパイスと白こしょうを入れます。

鶏、アヒル、牛、そして野生の肉

スワンドゥシット大学の資料は、ゲーン・ペットに使う肉として、牛、豚、鶏、アヒル、それにウズラやイノシシなどの野生の肉を挙げ、ペーストのスパイスが肉の臭みを消すとしています。昔の作り方は、森のカレー「ゲーン・パー」のように辛くしたとも書いています。

タイの歴史と文化の雑誌『シンラパ・ワッタナタム』のウェブ版は、タイの楽団スンタラーポーンを率いたウア・スントーンサナーンの好物だったという、干したトカゲの一種で作るゲーン・ペットを紹介しています。ペーストには、バーンチャーンの乾燥唐辛子と小さな乾燥唐辛子に、コリアンダー、クミン、ナツメグが入ります。記事は参考文献に、女性記者の会の料理書(1970年刊の第4版)を挙げています。

今回読んだゲーン・ペットのレシピ8件では、鶏とアヒルが3件ずつ、牛とトカゲが1件ずつでした。KRUA.CO の記事も、ゲーン・ペットの写真に鶏のゲーン・ペットを載せています。この記事では鶏肉で作ります。今回読んだ情報源には、この料理がいつごろ生まれたかについての記述はありませんでした。

ゲーン・ペット・ガイのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 50分(カレーペーストを作る時間を含む) 加熱 35分

スパイスの配合 4人分で計14.5g
  • 赤唐辛子9g
  • コリアンダー3g
  • クミン1g
  • 白こしょう1g
  • ナツメグ0.5g

カレーペースト

  • 乾燥唐辛子(大)(タイの大きくて辛さの穏やかなもの)8g(10本)
  • 乾燥唐辛子(小)(タイの小さくて辛いもの。日本の鷹の爪でもよい)(Amazon|楽天)1g(5本)
  • ぬるま湯(唐辛子をもどす)200ml
  • 塩3g(小さじ1/2)
  • レモングラス(根元の白い部分)(Amazon|楽天)20g(2〜3本分)
  • ガランガル(Amazon|楽天)8g
  • こぶみかんの皮(タイのマクルート(こぶみかん)の実の表面の緑の部分)2g(小さじ1)
  • パクチーの根(根つきのパクチーから切り取る)4g(3株分)
  • エシャロット(タイのホームデーン(赤いエシャロット))(Amazon)30g
  • にんにく25g(5片)
  • カピ(タイのえびの発酵ペースト)(Amazon|楽天)7g(小さじ1と1/2)

カレーペーストのスパイス

  • コリアンダー(ホール)(Amazon|楽天)3g(小さじ1と1/2)
  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • 白こしょう(ホール)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/3)
  • ナツメグ(パウダー)(Amazon|楽天)0.5g(小さじ1/4)

カレー

  • 鶏もも肉(皮なし・骨なし)400g
  • ココナッツクリーム(ココナッツミルク缶の上に固まった濃い部分)150ml
  • ココナッツミルク(Amazon|楽天)450ml
  • タイのなす(マクア・プロ(緑の丸いなす))150g(4〜5個)
  • マクア・プアン(タイの小粒のなす。房から外す)(Amazon)40g
  • カフィアライムリーフ(こぶみかんの葉)(Amazon|楽天)4枚(1.5g)
  • ナンプラー(Amazon|楽天)22.5ml(大さじ1と1/2)
  • パームシュガー(Amazon|楽天)15g
  • ホーラパー(タイのバジル)15g
  • 生の赤唐辛子(大)(タイのプリック・チーファー(赤)。辛さの穏やかなもの)10g(1本)

道具

  • 石臼(タイのクロック。すり鉢やミキサーでもよい)(楽天)
  • スパイスミル(石臼でもよい)(Amazon|楽天)
  • 鍋(直径20〜22cm)

作り方

  1. 唐辛子をもどす

    乾燥唐辛子(大)8gはヘタを切り落とし、縦に切り目を入れて種を出す。乾燥唐辛子(小)1gはヘタを取る。合わせてぬるま湯200mlに15分浸してやわらかくし、水けを絞って、大きいほうは1cm幅に、小さいほうは2〜3つに切る。

  2. スパイスを煎って粉にする

    フライパンを弱火にかけ、コリアンダー3g、クミン1g、白こしょう1gを入れ、フライパンをゆすりながら2〜3分煎る。香りが立ち、コリアンダーがうっすら色づいたらすぐ皿に移す。冷めたらスパイスミルで粉にし、ナツメグ0.5gを混ぜる。

  3. 香味野菜を刻む

    レモングラス20gは薄い小口切り、ガランガル8gは薄切りにしてから細かく刻む。こぶみかんの皮2gは緑の部分だけを薄くむいて細かく刻む。パクチーの根4gはよく洗って刻む。エシャロット30gとにんにく25gは皮をむいて粗く刻む。

  4. カレーペーストを作る

    石臼に塩3gと唐辛子を入れ、細かくなるまでつく。レモングラス、ガランガル、こぶみかんの皮、パクチーの根を加えてつく。繊維がほぐれて細かくなったら、エシャロットとにんにくを加え、なめらかになるまでつく。最後にカピ7gと粉にしたスパイスを加え、全体が均一になるまでつき混ぜる。全部で20〜30分かかる。ミキサーを使うときは、ココナッツクリーム150mlのうち30ml(大さじ2)を加えて回す。

  5. 具の下ごしらえ

    鶏もも肉400gは3cm角に切る。マクア・プアン40gは房から外す。カフィアライムリーフ4枚は中央の太い筋を除き、手で2〜3つにちぎる。生の赤唐辛子10gは斜め薄切りにする。ホーラパー15gは葉を摘む。タイのなす150gは切り口が黒ずみやすいので、手順9で入れる直前にヘタを取って4つ割りにする。

  6. ココナッツクリームを煮詰めて油を出す

    鍋にココナッツクリーム150ml(ミキサーでペーストに30ml使ったときは残りの120ml)のうち半量を入れて中火にかける。煮立ったら木べらで混ぜながら3〜5分煮詰め、とろみがついて透明な油が分かれて浮いてくるまで待つ。

  7. ペーストを炒める

    換気扇を回す(唐辛子の刺激のある湯気が立つ)。カレーペーストを全量加え、弱めの中火で鍋底をこそげながら炒める。ペーストが乾いて鍋底にはりつきそうになったら、残りのココナッツクリームを大さじ2ずつ加えてのばす。8〜10分炒め、ペーストの色が濃くなって、赤い油が分かれて表面ににじんできたら炒め上がり。

  8. 鶏肉を炒めて味をつける

    鶏もも肉を加えて中火にし、3分ほど、表面の色が変わるまでペーストをからめる。ナンプラー22.5mlとパームシュガー15gを加えて混ぜ、パームシュガーを溶かす。

  9. ココナッツミルクを加えてなすと煮る

    ココナッツミルク450mlを加え、混ぜながら中火で煮立てる。煮立ったまま1分ほど混ぜ、ペーストをココナッツミルクになじませる。タイのなす、マクア・プアン、カフィアライムリーフを加え、弱めの中火でふたをせずに8〜10分、なすがやわらかくなるまで煮る。いちばん大きい鶏肉を1切れ切って、中まで白く、赤い汁が出なければ火が通っている。

  10. 火を止めて香草を加える

    火を止め、ホーラパーと生の赤唐辛子を加えてさっと混ぜる。

ジャスミンライスと一緒に食べます。KRUA.CO の記事は、塩漬けにして干した魚や牛肉など、塩けの強いものと一緒に食べることが多いとしています。

料理科学:石臼でつく順番

乾いたものは塩と一緒に先につく

ミシュランガイドのタイ語版のサイトで、タイ料理店「ルアン・パンヤー」のシェフ、パンニー・カニッタナーカは、乾いた材料をつくときに塩を少し振ると、つきやすくなるとしています。Wongnai のペーストのつき方の記事も、乾燥唐辛子は塩と一緒に先につくと、細かくなりやすいとしています。手順4で、塩と唐辛子を最初に入れるのはそのためです。

水分の多いものは後、カピは最後

Wongnai の記事とスワンドゥシット大学の資料は、レモングラスやガランガルのような硬いもの、水分の少ないものを先に、エシャロットとにんにくを後に入れるとしています。エシャロットとにんにくは水分が多く、先に入れるとほかの材料がつきにくくなり、汁がはねるからです。小さく刻んでから入れると、早く細かくなるとしています。

カピについて Wongnai の記事は、早く入れるとほかの材料が細かくなりにくいので、ほかがすべて細かくなってから加えるとしています。スパイスは、煎って別に粉にしてから、最後に合わせます。スパイスを弱火で煎ってすぐに皿に移す理由は、マッサマンの記事にまとめています。

料理科学:赤い油がにじむまで炒めて、なじむまで煮る

KRUA.CO の記事は、ゲーン・ペットの特徴を、赤い汁に油が浮いて出てくるものの、油が層になって分かれはしないことだとしています。スワンドゥシット大学の資料は、よいゲーン・ペットの条件として、ペーストを強すぎない火でむらなく、香りが立つまで炒めること、ココナッツミルクを加えたら、ペーストとよくなじむまで十分に火にかけることを挙げています。

手順7では、弱めの中火で、乾いてきたらココナッツクリームを少しずつ足しながら、赤い油がにじむまで炒めます。『シンラパ・ワッタナタム』の記事のレシピも、油が出るまで煮詰めたココナッツクリームの一部でペーストを弱火で炒め、乾いてきたら足しています。手順9でココナッツミルクを加えたあと、煮立ったまま1分ほど混ぜるのは、ペーストを汁になじませるためです。

レシピによる違い

  • ペーストを油で炒める:Pholfoodmafia の鶏のゲーン・ペットや、アヒルのゲーン・ペットは、ココナッツクリームではなく油でペーストを炒めてから、ココナッツミルクを加えています。
  • ペーストの中身:ルアン・パンヤーのペーストはクミンを入れず、ターメリックの粉を入れています。乾燥唐辛子は大きいものが中心で、小さく辛いものは好みで加えるとしています。
  • 鶏と合わせる野菜:Pholfoodmafia の鶏のゲーン・ペットは、とうがん(冬瓜)を合わせています。Wongnai の投稿レシピには、タイのなすに、ヤシの新芽とマクア・プアンを合わせるものや、長なすと甘い大きな唐辛子を合わせるものがあります。
  • アヒル:スワンドゥシット大学の資料は、焼いたアヒルにパイナップル、マクア・プアン、トマト、ぶどうを合わせ、甘み、酸味、塩けのバランスをとる作り方を紹介しています。ペーストには、コリアンダーやクミン、ナツメグに加えて、メースなども足します。Pholfoodmafia にも、燻製のアヒルや焼いたアヒルにパイナップルやトマトを合わせたゲーン・ペットがあります。
  • 牛肉とたけのこ:Wongnai の投稿レシピには、牛肉を発酵させたたけのこと煮て、ホーラパーではなくガパオ(ホーリーバジル)を加えるものがあります。英語版ウィキペディアも、ゲーン・ペットによく合わせる野菜として、タイのなすとたけのこを挙げています。

手に入りにくい材料の代用

  • 乾燥唐辛子(大):タイの乾燥唐辛子は大きく、辛さは穏やかで色が濃いものです。日本の鷹の爪は辛すぎるので、韓国の粗びき唐辛子8gで代用します。手順1ではもどさず、手順4で唐辛子(小)と一緒に加えます。
  • 乾燥唐辛子(小):日本の鷹の爪5本で代用できます。辛さを控えたいときは入れなくてもかまいません。
  • レモングラス・ガランガル:冷凍品を同じ量使えます。ガランガルが手に入らないときはしょうがで代用できますが、香りの質が違うので半量の4gにします。
  • こぶみかんの皮:冷凍のこぶみかんの実が手に入れば、表面を薄くむいて使います。手に入らないときは、カフィアライムリーフ2枚(0.8g)の太い筋を除き、ごく細かく刻んで代わりに加えます。
  • パクチーの根:根つきのパクチーが手に入らないときは、茎の根元に近い部分4gで代用できます。
  • エシャロット(ホームデーン):赤玉ねぎ30gで代用できます。
  • カピ:アンチョビのフィレ7g(2〜3枚)で代用できます。
  • タイのなす・マクア・プアン:冷凍品が手に入れば同じ量使います。手に入らないときは、日本のなす190g(2個)を2cm角に切って使います。マクア・プアンの分も合わせた量です。
  • ホーラパー:スイートバジル15gで代用できます。香りはやわらかくなります。
  • 生の赤唐辛子(大):赤パプリカ10gを細切りにして、色どりに加えます。
  • パームシュガー:きび砂糖15gで代用できます。
  • ココナッツクリーム:缶を振らずに開けると、上に濃い部分が固まっています。これをすくって150mlにし、残りをココナッツミルクとして使います。400mlの缶を2缶使い、余った200mlは別の料理に使います。夏などで固まっていないときは、缶を冷蔵庫で半日冷やします。
  • 市販のレッドカレーペースト:手順1〜4の代わりに、タイ製のレッドカレーペースト50gを使います。市販のペーストは塩けが強いので、ナンプラーは7.5ml(小さじ1と1/2)から加え、味をみて22.5mlまで足します。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日
  • 冷凍:なすを取り除いて1か月(なすは冷凍すると食感が悪くなります)
  • カレーペースト:密閉容器に入れて、冷蔵で1週間、冷凍で1か月

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。