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ソム・タム・タイ日本では「ソムタム」ともSom Tam Thai レシピ

ส้มตำไทยソム・タム・タイ

地域
タイ(タイ東北部(イサーン)・バンコク)
分量
2人分
公開
青い縁のほうろうの皿に盛ったソム・タム・タイ。せん切りの青パパイヤに、ミニトマト、ささげ、干しえび、砕いたピーナッツ、赤唐辛子が混ざっている。奥に竹編みのかご

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ソム・タムは、細切りにした青パパイヤを臼で軽くつきながら、ナンプラーとライム、パームシュガー、唐辛子のたれで和えるタイのサラダです。辛くて酸っぱく、塩けと甘みがあとから追いかけてきます。日本では「ソムタム」の名で知られています。

ソム・タムには、プラーラー(魚の発酵調味料)やカニを入れる種類もあります。ここで作るのは、そのどちらも入れず、干しえびとピーナッツでうまみと香ばしさを足す「ソム・タム・タイ」です。パパイヤは冷水にさらしてから最後に加え、軽く混ぜて歯ざわりを残します。

ソム・タム・タイとは

タイ語では「ส้มตำไทย」と書きます。タイのレストラン情報サイトWongnaiの記事は、ソムは「酸っぱい」という意味の土地の言葉、タムは杵などでつくことだと説明しています。タイは「タイ式の」という意味です。

ミシュランガイドのタイ語版の記事は、イサーン(タイ東北部)の言葉では、酸っぱいものをついた料理を「タム・ソム」と呼ぶと書いています。青パパイヤをイサーンでは「マークフン」や「バックフン」と呼ぶので、パパイヤのソム・タムは「タム・マークフン」「タム・バックフン」とも呼ばれます。

ソム・タム・タイと、ソム・タム・プー、ソム・タム・プラーラー

同じミシュランガイドの記事は、ソム・タムをおもに次のように分けています。

  • タム・タイ:煎ったピーナッツと干しえびを入れる
  • タム・ラーオ(タム・プラーラー):プラーラーを入れる
  • タム・プー:塩漬けや漬けたカニを入れる
  • タム・プー・プラーラー:カニとプラーラーの両方を入れる

ラーオは「ラオ(ラオ人、ラオス)の」という意味です。Wongnaiの記事は、タム・ラーオをタム・マークフンとも呼び、塩けが前に出る味で、昔ながらの作り方には砂糖を入れないとしています。そして、タム・タイはプラーラーのにおいが苦手な人に好まれるソム・タムだと説明しています。ミシュランガイド・タイの2026年版に載った「タム・クラトゥーイ・サーケート」コーンケーン店のシェフ、チラデート・ネートウォンも、タム・ラーオの濃い味を好まない人も多いかもしれないと話し、プラーラーを食べない人にとっては、タイ式がいつまでも定番の一皿だとしています。

イサーンからバンコクへ

タイの歴史・文化の雑誌『シンラパ・ワッタナタム』で、トンチャイ・リキットポーンサワンは、イサーンの人々は昔から、季節の果物や野菜で作る「タム・ソム」を食べてきたと書いています。そのうえで、おいしく作るには青パパイヤを使う、としています。記事で話を聞かれた1929年生まれの元警察幹部は、1944年より前にコーンケーンの学校にいた頃、塩漬けのカニかプラーラーを好みで入れたパパイヤのソム・タムを食べたと話しています。パパイヤがないときは、青いバナナやきゅうりなどを使ったそうです。

トンチャイによると、ソム・タムがバンコクに広まったのは、第二次世界大戦のあとです。ラーチャダムヌーン・ボクシングスタジアムのまわりにイサーンから来た人々が住みつき、イサーン料理の店が集まって、バンコクの人々も食べに行くようになったと書いています。ミシュランガイドの記事も、イサーンの人々の移住とともにパパイヤのソム・タムが広まったと説明しています。

古い料理書のソム・タム

トンチャイとミシュランガイドの記事によると、1908年に初めて出版された料理書『メー・クルア・フアパー』には、ソム・タムという名前のレシピはありません。タマリンドを使う「プー・タム」という似た料理が載っているだけです。ミシュランガイドの記事は、1935年の料理書『タムラップ・サーイ・ヤオワパー』に、ココナッツミルクで炊いたご飯にパパイヤのソム・タムを添える「カーオ・マン・ソム・タム」が載っていることを紹介しています。トンチャイは、この料理書のソム・タムは干しえびと砕いたピーナッツを入れ、イサーンのものより辛さが穏やかで甘めだと書いています。

タイの公共放送Thai PBSのサイトでは、ナッタノン・ナ・ナコーンが、料理と食文化について書いているクリット・ルアラマイの見方を紹介しています。クリットは、記録に残る昔のソム・タムは、軽く味をつけたパパイヤの細切りをココナッツミルクのカレーと一緒に食べるもので、いまのソム・タムよりもアチャート(甘酢の漬けもの)に近いとしています。

パパイヤの来歴と、ラオスとの関わり

『シンラパ・ワッタナタム』の別の記事で、筆者のサミアン・アーリーは、パパイヤは中南米の植物で、タイにいつ入ったかははっきりしないと書いています。そして、パパイヤのソム・タムはこの地域の古い料理ではなく、イサーンにもともとあったタム・ソムに、のちに青パパイヤが加わったのだろうとしています。記事は、イサーンの民話をもとに、パパイヤを指す「バックフン」の「フン」が、イサーンの言葉の「フン・フアン(栄える)」と結びつけられているとも紹介しています。また、スリー・プームパモーン博士の指摘として、ベトナムにも干した牛肉を入れた似た青パパイヤのサラダがあることを挙げ、どちらがどちらに影響したのかはわからない、と書いています。

タイの新聞タイポストは2026年6月、ソム・タムなどの料理がどの国のものかをめぐる議論について、アッサダーン・ヨムナーク(エディー)がフェイスブックに書いた投稿を伝えました。記事によると、アッサダーンは、ソム・タムにラオスとイサーンに共通する根があることははっきりしているが、ソム・タム・タイはタイの中で発展してきたものだとしています。そして、パパイヤはもともとラオスにもタイにもなかった植物なので、ソム・タムが初めからどこか一つの国だけのものだと言うのは正確ではない、としています。

ここに挙げた説明は、どれもタイの情報源によるものです。ラオスの情報源は、この記事では読めていません。

ソム・タム・タイのレシピ:材料(2人分)

下ごしらえ 25分 加熱 10分

青パパイヤ

  • 青パパイヤ(熟していない緑のパパイヤ。皮と種を除いた重さ。丸ごとなら小1個(350〜450g))(Amazon|楽天)200g

パパイヤをさらす水

  • 冷水(冷蔵庫で冷やした水)500ml

臼でつぶすもの

  • にんにく(タイのにんにくは粒が小さく、4〜5粒がこの重さ)6g(小1片)
  • 生の赤唐辛子(タイの小さな唐辛子(プリック・キーヌー)。辛くするときは8本にする)(Amazon|楽天)4本(2g)
  • 干しえび12g(大さじ2)
  • ピーナッツ(素煎り・無塩)20g(大さじ2)
  • ささげ(十六ささげ・三尺ささげ(タイのトゥア・ファックヤーオ))40g(4本)
  • ミニトマト100g(6〜7個)

たれ

  • パームシュガー(Amazon|楽天)10g(小さじ2と1/2)
  • ナンプラー(Amazon|楽天)15ml(大さじ1)
  • ライム汁15ml(大さじ1、ライム1/2個分)

仕上げ

  • ピーナッツ(素煎り・無塩)10g(大さじ1)

道具

  • クロック(タイの臼と杵)(ソム・タムには素焼きの臼と木の杵が使われる。石臼のときはパパイヤを強くつかない)(楽天)
  • せん切りスライサー(包丁でもよい)
  • ざる
  • 大きめのスプーン
  • フライパン(ピーナッツを煎り直す)

作り方

  1. 青パパイヤの皮と種を除く

    青パパイヤの緑の皮をピーラーで厚めにむき、縦半分に切る。種と、その内側の白い薄い層をスプーンでかき取る。200gを使う。切り口から白い乳液が出るので、肌の弱い人は手袋をするとよい。

  2. 細切りにして冷水にさらす

    パパイヤをせん切りスライサーで、幅2〜3mm・長さ6〜7cmの細切りにする。包丁で切るときは、薄切りにしてから重ねて細く切る。冷水500mlに5分さらしてざるに上げ、ざるをよく振って水けをきる。使うまで冷蔵庫に入れておく。

  3. ほかの材料を用意する

    ささげ40gは4cm長さに切る。ミニトマト100gは縦半分に切る。にんにく6gは皮をむく。生の赤唐辛子4本はへたを取る。ピーナッツ30g(臼でつぶす20gと仕上げの10g)をフライパンに入れ、弱火で2〜3分、香りが立つまでから煎りして冷ます。

  4. にんにくと唐辛子をつぶす

    臼ににんにくと生の赤唐辛子を入れ、杵で粗くつぶす。唐辛子の汁が飛んで目に入らないよう、顔を臼から離し、もう一方の手で臼の口を軽く覆ってつく。唐辛子をさわった手は、石けんで洗うまで目や顔にふれない。

  5. 干しえびとピーナッツ、ささげをつぶす

    干しえび12gとピーナッツ20gを加え、粒が割れる程度につく。ささげを加え、さやが割れて筋が入る程度に軽くつく。

  6. たれを作る

    パームシュガー10g、ナンプラー15ml、ライム汁15mlを加え、杵の先で臼の底に押しつけるようにして、パームシュガーを溶かす。ミニトマトを加え、杵で軽く押して汁を出す。

  7. パパイヤを加えて混ぜる

    水けをきったパパイヤを加える。片手の杵で軽くたたき、もう一方の手のスプーンで底から返す、を繰り返して1分ほど、たれが全体にからむまで混ぜる。強くつくとパパイヤがしんなりするので、たたくのは軽くする。

  8. 盛りつける

    臼の底のたれごと器に盛り、仕上げのピーナッツ10gを粗く砕いて散らす。パパイヤから水が出る前に、すぐに食べる。

もち米と焼いた鶏(ガイ・ヤーン)、生のキャベツやささげを添えて食べます。

現地のソム・タムは、この記事のものより塩けがかなり強い味です。ミシュランガイドの記事のレシピは1人分にナンプラー大さじ2を使い、タイ出身の料理家パイリン・チョンチットナンが英語で書いたレシピも、プラーラーを入れないときは2人分に大さじ2です。この記事ではナンプラーを15mlに控えています。現地の味に近づけたいときは、手順6でナンプラーを30ml(大さじ2)まで足します。ナンプラーを増やすときは、ライム汁とパームシュガーも同じ割合で増やします。ナンプラー30mlなら、ライム汁30ml、パームシュガー20g(大さじ1と2/3)です。

料理科学:パパイヤを冷水にさらし、最後に軽く混ぜる理由

冷水にさらして、ぱりっとさせる

Wongnaiの記事は、細切りにしたパパイヤをライム汁を加えた冷水に5分つけてから使うとしています。Kapookの記事のレシピも、冷やしたパパイヤを使います。この記事では冷水だけにさらします。生の野菜は、冷たい水にさらすと張りが出て、ぱりっとした歯ざわりになります。

Wongnaiの記事は、パパイヤはおろし器で削るより、包丁で切るほうがぱりっとすると勧めています。

たれと合わせたら、すぐに食べる

ナンプラーやパームシュガーの溶けたたれの中にパパイヤを長くおくと、パパイヤから水が出てしんなりし、たれも水っぽくなります。

この記事で読んだタイ語のレシピのうち、ミシュランガイドとKapookのソム・タム・タイ、Kinandleisureの宮廷式は、どれもたれを作ってからパパイヤを加えます。ミシュランガイドの記事で、ソム・タムの店「ソム・タム・ダー」などを経営するスパンニガー・グループのCEO、タッチャイ・ナークパンは、強くつく店のパパイヤは柔らかく、軽く混ぜるだけの店のパパイヤはぱりっとすると話しています。手順7で軽くたたいて返すだけにし、手順8ですぐに食べるのはそのためです。

生の唐辛子の扱い方

ソム・タムでは唐辛子を丸ごと臼でつぶすので、辛さがたれ全体に混ざります。辛さを抑えたいときは、本数を減らします。

唐辛子をつぶした手は、水で流しただけでは辛さが残りやすいものです。手順4で、唐辛子をさわった手を石けんで洗うまで目や顔にふれないようにするのはそのためです。コンタクトレンズを使う人は、手袋をすると安心です。

地域による違い

  • ソム・タム・チャーオワン(宮廷式のソム・タム):料理の講師コープケーオ・ナートピニット助教授のレシピを紹介したタイの料理サイトKinandleisureの記事によると、水でもどした乾燥唐辛子、粒こしょう、タマリンドの汁、ソムサー(香りの強い柑橘)の皮を使い、パパイヤはつかずに和えるだけです。記事は、中部のソム・タムで、ココナッツミルクで炊いたご飯とレッドカレーに添えるものだとしています。
  • タム・ルアンパバーン:ミシュランガイドの記事で、バンコクの店「バーン・ソム・タム」の経営者は、ルアンパバーン式のように薄く切ったパパイヤは、たれがよくしみると話しています。ルアンパバーンはラオス北部の古都です。
  • タム・コーラート:同じ記事は、タイ式のソム・タムにプラーラーの汁を加えたものを、コーラート(ナコーンラーチャシーマー)式としています。
  • ソム・タム・プラーラーにする:干しえびとピーナッツを入れず、手順6でナンプラーを10ml(小さじ2)に減らし、加熱済みのプラーラーの汁7.5ml(大さじ1/2)を加えます。ナンプラーとプラーラーの割合は、パイリン・チョンチットナンのレシピで、プラーラーを入れるときの割合を目安にしました。パームシュガーは、Kapookの記事の「ソム・タム・プー・プラーラー・カーク・ムー」(カニとプラーラーのソム・タムに、カリカリに揚げた豚の脂身を加えたもの)にならって4g(小さじ1)に減らします。このKapookのレシピは、加熱済みのプラーラーの汁と塩漬けのカニを使います。

手に入りにくい材料の代用

  • 青パパイヤ:沖縄県産などのものが通販で手に入ります。手に入らないときは、きゅうり200gを同じ太さの細切りにして作れます。Wongnaiの記事は、ウリの仲間で作るソム・タムを「タム・テーン」として紹介し、いまはタイの大きなきゅうりを使うことが多いとしています。
  • ささげ:さやいんげん40gで代用できます。
  • 生の赤唐辛子(プリック・キーヌー):冷凍品を同じ本数使えます。ないときは、乾燥の赤唐辛子(鷹の爪)2本を水30mlに10分つけてもどし、水けをきって使います。宮廷式のソム・タムでも、乾燥唐辛子を水でもどして使います。
  • パームシュガー:きび砂糖10gで代用できます。
  • ライム:レモン汁15mlで代用できます。酸味は似ていますが、香りは変わります。

保存

  • たれと和えたあとは、時間がたつとパパイヤから水が出るので、保存には向きません
  • 冷蔵:細切りにして冷水にさらしたパパイヤは、水けをよくきり、ぬらしたキッチンペーパーをかぶせて保存容器で2日

タイのほかのレシピ

もっと知りたい人へ

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。