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キーラー・ラーイターKheera Raita レシピ

खीरा रायताキーラー・ラーイター

地域
北インド(北インド各地)
分量
4人分
公開
ステンレスの器に盛ったキーラー・ラーイター。すりおろしたきゅうりのヨーグルトに青唐辛子とパクチーが混ざり、煎ったクミンの粉がかかっている。奥にローティー

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キーラー・ラーイターは、すりおろしたきゅうりをヨーグルトで和えた、北インドの副菜です。カレーやビリヤーニーの横に小さな器で置かれ、辛い料理の合間に口の中を落ち着かせます。白いヨーグルトに薄緑のきゅうりが混ざり、上に煎ったクミンの粉が茶色く散ります。

材料は少なく、火を使うのはクミンを煎るときだけです。そのぶん、きゅうりの水けの扱いと、塩を入れるタイミングで仕上がりが変わります。カーラー・ナマク(ブラックソルト)を少し加えると、ゆで卵に似た独特の香りがつきます。

キーラー・ラーイターとは

ヒンディー語では「खीरा रायता」と書きます。キーラーはきゅうり、ラーイターはヨーグルトの和え物を指します。「キーレー・カー・ラーイター(きゅうりのラーイター)」とも呼ばれます。

ヒンディー語版ウィキペディアは、ラーイターをヨーグルトをもとにしたインドの料理と説明しています。よくかき混ぜたヨーグルトに、玉ねぎ、きゅうり、ユウガオ、トマト、なす、ブーンディー(ひよこ豆の粉の小さな揚げ玉)などを混ぜ、煎ったクミンやヒングで仕上げ、ときにはミントも加えるとしています。ご飯やプラーオ(炊き込みご飯)に添える副菜です。英語版ウィキペディアは、ラーイターによく使われる材料の一つとしてきゅうりを挙げています。

「ラーイター」という名前

インドの料理家サンジーヴ・カプールは、自身のサイトの記事で、ラーイターという言葉は2つのサンスクリット語からできていると書いています。黒からしを指す「ラージカー」と、鋭い・辛いという意味の「ティクタカ」です。英語版ウィキペディアも同じ説明をしたうえで、ラージカーからヒンディー語の「ラーイー」(黒からしの種)が生まれたとしています。

いつ頃から食べられてきたかについては、カプールは18世紀から19世紀のあいだに始まったとしています。英語版ウィキペディアは、ラーイターという言葉が印刷物に現れたのは19世紀ごろとしています。

この記事の配合

料理サイトを運営するニシャー・マドゥリカーのヒンディー語のレシピは、ヨーグルト400gにきゅうり2本、青唐辛子、黒こしょう、煎ったクミンの粉、パクチー、それに普通の塩とカーラー・ナマクを合わせます。煎ったクミンの粉は半分を混ぜ込み、残りを上に振ります。インドのニュースサイト、タイムズ・ブルのヒンディー語の記事のレシピも、煎ったクミンの粉、カーラー・ナマクと普通の塩、青唐辛子、パクチーという組み合わせです。

この記事は、ニシャー・マドゥリカーの配合を骨格にしました。塩はそのレシピより少し多めにし、カーラー・ナマクの量は同じにしています。日本のきゅうりは1本100g前後と小さいので、3本使います。

キーラー・ラーイターのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 45分(冷やす時間を含む) 加熱 2分(クミンを煎る)

スパイスの配合 4人分で計2.3g
  • クミン2g
  • 黒こしょう0.3g

煎ったクミンの粉

  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)

ラーイター

  • プレーンヨーグルト(無糖)400g
  • きゅうり300g(3本)
  • 青唐辛子(生)1本(5g)
  • パクチー(コリアンダーの葉)4g(刻んで大さじ2)
  • 黒こしょう(パウダー)(Amazon|楽天)0.3g(小さじ1/8)

仕上げ(食べる直前)

  • 塩2g(小さじ1/3)
  • カーラー・ナマク(ブラックソルト)(パウダー)(Amazon|楽天)1.3g(小さじ1/4)

道具

  • 小さなフライパン
  • すり鉢とすりこぎ(スパイスミルでもよい)
  • 目の粗いおろし器(チーズおろしや、スライサーのせん切り用の刃でもよい)
  • 泡立て器

作り方

  1. クミンを煎る

    換気扇を回しておく。小さなフライパンを油をひかずに弱火で温め、クミン(ホール)2gを入れる。フライパンをゆすりながら1〜2分、香りが立って色がひと回り濃くなるまで煎る。黒くなるまで煎らない。煙が出はじめたらすぐに火から下ろす。

  2. 冷まして粉にする

    すぐに皿に移して5分冷ます。すり鉢で細かい粉になるまでする。半分の1gを仕上げ用に取り分ける。

  3. きゅうりと香味野菜を切る

    きゅうり300gを洗い、両端を1cmずつ切り落として皮をむく。目の粗いおろし器ですりおろす。青唐辛子1本はへたを取り、細かく刻む。刻んだあとは手を洗い、目をこすらない。パクチー4gは細かく刻む。

  4. きゅうりの水けを絞る

    すりおろしたきゅうりを両手で軽く握り、汁を絞る。汁が60mlほど出たら止める。固く絞りきらない。絞った汁は使わない。

  5. ヨーグルトを混ぜる

    ボウルにプレーンヨーグルト400gを入れ、泡立て器でなめらかになるまで混ぜる。

  6. 合わせて冷やす

    ヨーグルトに、きゅうり、青唐辛子、パクチー4g、黒こしょう0.3g、煎ったクミンの粉1gを加えてよく混ぜる。ラップをかけ、冷蔵庫で30分冷やす。

  7. 塩を加えて仕上げる

    食べる直前に、塩2gとカーラー・ナマク1.3gを加えて混ぜる。器に盛り、取り分けておいた煎ったクミンの粉1gを振る。

ビリヤーニーやプラーオ、ローティー(全粒粉の薄焼きパン)、カレーに添えて、冷たいまま食べます。

料理科学:きゅうりの水けと、塩を入れるタイミング

すりおろすと汁が出る

きゅうりは、重さの9割以上が水分です。すりおろすと細胞が壊れ、中の水分が外に出てきます。そのままヨーグルトに混ぜると、時間がたつにつれて汁がたまり、ラーイターが薄まります。

参考にしたレシピのうち、タイムズ・ブルのレシピは、すりおろしたきゅうりに水けが多ければ押して絞るとしています。インドのレシピサイト、ヘッバールズ・キッチンの英語のレシピも、濃いラーイターにしたいときはきゅうりの汁を絞るよう書いています。ニシャー・マドゥリカーのヒンディー語のレシピには、すりおろしたあとに汁を絞る手順はありません。

この記事では、すりおろしてから軽く絞ります。固く絞りきらずに、きゅうりのみずみずしさを残します。

塩は最後に入れる

野菜に塩をすると、水が出てきます。浅漬けのきゅうりから水が出るのと同じです。ラーイターに早くから塩を入れておくと、冷やしているあいだにきゅうりから水が出続けます。

ニシャー・マドゥリカーとタイムズ・ブルのレシピは、塩をほかの材料と一緒に混ぜています。この記事では、冷やす時間をとるので、塩とカーラー・ナマクは食べる直前に加えます。

ヨーグルトを泡立て器で混ぜるのは、なめらかにして、きゅうりとよくなじませるためです。ヒンディー語版ウィキペディアも、ラーイターをよくかき混ぜたヨーグルトで作る料理と説明しています。混ぜたら長く置かず、30分ほど冷やしたら食べます。

料理科学:煎ったクミンとカーラー・ナマクの香り

煎ってから粉にする

この記事のクミンは、油で熱するのではなく、から煎りしてから粉にして使います。ニシャー・マドゥリカー、タイムズ・ブル、ヘッバールズ・キッチンの英語のレシピも、煎ったクミンの粉を使います。から煎りすると、香ばしい香りが立ちます。黒くなるまで煎ると、焦げた苦みが出ます。

挽いたスパイスは香りが抜けやすいので、少量でも、使う直前に煎ってすりつぶします。

カーラー・ナマクは加熱しない

カーラー・ナマクは、ヒンディー語で「黒い塩」という意味です。ヒンディー語版ウィキペディアは、カーラー・ナマクがチャート、チャトニー、ラーイターなどに使われると書いています。

英語版ウィキペディアによると、主な成分は普通の塩と同じ塩化ナトリウムで、ほかに硫黄を含む成分がわずかに含まれます。ヒンディー語版・英語版のウィキペディアは、どちらもにおいの主なもとを硫化水素としています。英語版ウィキペディアは、その香りを、硫黄のような、卵に似た香りと書いています。ヒンディー語版ウィキペディアによると、結晶は黒く、挽くとピンク色の粉になります。

ラーイターは火を通さない料理なので、カーラー・ナマクの香りがそのまま残ります。

家庭による違い

ラーイターは家庭ごとに作り方が違います。参考にしたレシピのあいだでも、次のような違いがありました。

  • 辛み:ニシャー・マドゥリカーとタイムズ・ブルは、刻んだ青唐辛子を混ぜます。ヘッバールズ・キッチンの英語のレシピは、青唐辛子ではなくカシュミーリー・チリパウダーを使います。
  • 塩:ヘッバールズ・キッチンの英語のレシピは、普通の塩だけで、カーラー・ナマクを使いません。
  • 濃さと具:ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語版がプラーオに添えるキーラー・ラーイターは、ヨーグルトと同じ量の水でのばし、刻んだ玉ねぎときゅうり、すりおろしたにんじんを加えた、さらっとしたラーイターです。

地域によって呼び名も変わります。サンジーヴ・カプールは、南インドのケーララ州やタミル・ナードゥ州では、よく似た料理がパッチャディと呼ばれると書いています。英語版ウィキペディアによると、ネパールの東部では、ヨーグルトときゅうりの和え物を「ダヒ・カクロ」(ヨーグルトきゅうり)と呼びます。

手に入りにくい材料の代用

  • カーラー・ナマク(ブラックソルト):同じ重さの塩で代用できます。ヘッバールズ・キッチンの英語のレシピも、カーラー・ナマクを使っていません。ゆで卵のような香りはなくなります。
  • 青唐辛子:手に入らないときは省き、手順6でカシュミーリー・チリパウダー1.2g(小さじ1/2)を加えます。青い香りはなくなります。
  • パクチー(コリアンダーの葉):手に入らなければ省きます。
  • クミン(ホール):市販のクミンパウダー2g(小さじ1)を、手順1と同じように弱火で30秒〜1分、色がひと回り濃くなるまでから煎りして使います。粉は焦げやすいので、絶えず混ぜます。

保存

  • 冷蔵:塩を入れたあとは、時間がたつと水が出て薄まります。その日のうちに食べきります
  • 作りおきするときは、手順6まで終えた状態で冷蔵し、半日以内に塩とカーラー・ナマクを加えて食べます
  • 冷凍:向きません。きゅうりの歯ごたえがなくなり、ヨーグルトも分離します

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。