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マサーラー・チャーイ日本では「マサラチャイ」ともMasala Chai レシピ

मसाला चायマサーラー・チャーイ

地域
北インド(インド各地)
分量
4人分
公開
傷のある金属の盆にのせた、大きさの違う2つのガラスのコップのマサーラー・チャーイ。表面に薄い泡が立ち、そばに割れたグリーン・カルダモンとCTCの茶葉が散っている。奥に茶こしをかけた片手鍋

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マサーラー・チャーイは、紅茶の茶葉をスパイスと一緒に水で煮出し、牛乳と砂糖を加えてさらに煮立てる、インドのミルクティーです。家庭の台所でも、街角の屋台でも、朝や夕方に小さなカップで飲まれています。

茶葉は、粒状に加工したアッサムのCTCを使います。ポットに湯を注いで蒸らす紅茶と違い、鍋で煮立てて作ります。短い時間で色が濃く、牛乳に負けないしっかりした味になります。

マサーラー・チャーイとは

ヒンディー語では「マサーラー・チャーイ」(मसाला चाय)と書きます。マサーラーは混ぜ合わせたスパイス、チャーイは茶のことです。ヒンディー語版ウィキペディアは、チャーイという言葉は中国語の「チャ」から来たとしています。

アッサムの茶畑から

ヒンディー語の百科事典サイト、バーラトコーシュによると、インド北東部のアッサムには、もともと野生の茶の木が生えていました。バーラトコーシュとヒンディー語版ウィキペディアは、1815年に数人のイギリス人旅行者がアッサムの茶の木に目をとめた、としています。土地の部族の人々は、その葉で飲み物を作って飲んでいたといいます。1834年には総督ベンティンクのもとで茶の栽培を探る委員会が作られ、1835年にアッサムに茶園が開かれた、と両者は書いています。

レザヴィー(後述)によると、茶園は当初、主にイギリスへの輸出のためのものでした。ヒンディー語の新聞パトリカの記事は、19世紀の初めにイギリスがインドで茶を広めはじめたころ、茶は高価で特別な飲み物と見られていたとしています。

英領期の茶の宣伝

ヒンディー語版ウィキペディアは、インドで茶が広く飲まれるようになったのはイギリスの統治下で、イギリス人自身が広めたものだ、としています。

その広め方について、サイイド・アリー・ナディーム・レザヴィーは、アリーガル歴史考古学協会のブログで次のように説明しています。

  • 20世紀の初め、イギリス系の企業でつくる業界団体、インド茶業協会が、インドの人々に茶を飲ませる宣伝を始めた。町に茶の屋台を出し、工場には労働者に茶の休憩を与えるよう勧め、家庭でいれ方を実演した
  • 1933年には、それまでの茶税委員会が、茶の市場を広げるための委員会に改められ、駅に茶のいれ方を描いた広告を出した
  • 1930〜40年代には、大きなやかんで飾った車がベンガル、ビハール、ウッタル・プラデーシュ、マディヤ・プラデーシュ、マハーラーシュトラの町を回り、茶のいれ方を説明した

インドの歴史サイト、ライブ・ヒストリー・インディアの記事は、イギリス人が茶の小袋を無料で配り、駅や映画館に茶の屋台を開き、主婦に茶のいれ方を教えた、と書いています。ただし、この記事は宣伝をした団体や時期を示していません。

一方で、レザヴィーは、茶園の労働の扱いなどをめぐって、民族運動の指導者たちが1906年には早くも茶に反対していたことも書いています。ガンディーも茶を人を酔わせるもの(intoxicant)と呼び、たばこやカカオと同じく避けるべきものとした、としています。

煮立てるチャーイと、CTCの茶葉

レザヴィーによると、宣伝では茶を煮立てることが勧められました。そしていまも、インド各地で茶はそうして作られている、と書いています。

レザヴィーは、茶を飲む習慣はゆっくり広がり、第二次世界大戦のあとに勢いがついたとしています。パトリカの記事は、20世紀の中ごろにCTCという製法が広まって茶が安く早く作れるようになり、植民地の応接間から一般の家庭や近所の茶の店に移った、としています。CTCは「つぶす(crush)、裂く(tear)、丸める(curl)」の頭文字で、茶葉を細かい粒に加工する方法です。レザヴィーは、1960年代に労働者層が茶を飲むようになったのが最も大きな転機で、その背景に、煮立てるのに向いた安い細かい茶を作れるCTCがあった、としています。

しょうが、カルダモン、チャーイ・マサーラー

チャーイに何を入れるかは、家庭によって違います。

  • しょうがのチャーイ(アドラク・チャーイ):料理サイト、ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語のページは、しょうがのチャーイを、チャーイのさまざまな作り方のひとつとし、雨季や冬に体を温める一杯として紹介しています。レザヴィーも、冬にはしょうがを加えると書いています。
  • カルダモンを加える:ヘッバールズ・キッチンの書き手の家では、平日は茶葉と牛乳だけで砂糖も入れず、週末にしょうがとカルダモンを入れたチャーイを楽しむそうです。ヒンディー語版ウィキペディアは、マサーラー・チャーイのスパイスの組み合わせには、しょうがとグリーンカルダモンのさやが使われるとしています。
  • チャーイ・マサーラー:数種類のスパイスを挽いて混ぜた、チャーイ専用の粉です。ヒンディー語のニュース専門テレビ局アージ・タクのサイトの記事が紹介する、料理家クナール・カプールの配合は、カルダモン、クローブ、黒こしょう、シナモン、ナツメグ、フェンネル、乾燥しょうがの粉に、乾燥したバラの花びらを加えるものです。

この記事のレシピは、しょうがとカルダモンにクローブ、黒こしょう、シナモンを加え、ホールのまま水で煮出す作り方です。チャーイ・マサーラーを使う作り方は後半で紹介します。

マサーラー・チャーイのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 5分 加熱 12分

スパイスの配合 4人分で計2.3g
  • シナモン1g
  • グリーンカルダモン0.8g
  • 黒こしょう0.3g
  • クローブ0.2g

スパイスを煮出す

  • 水400ml
  • しょうが(すりおろし)(皮つきのまま)15g(大さじ1)
  • グリーンカルダモン(ホール)(Amazon|楽天)4粒(0.8g)
  • クローブ(ホール)(Amazon|楽天)2粒(0.2g)
  • 黒こしょう(ホール)(Amazon|楽天)6粒(0.3g)
  • シナモン(ホール)(インドで一般的なカシアでもよい)(Amazon|楽天)3cm(1g)

茶葉を煮る

  • 紅茶の茶葉(アッサムのCTC(粒状の茶葉))(Amazon|楽天)8g(小さじ3)

牛乳と砂糖

  • 牛乳(成分無調整)250ml
  • 砂糖(グラニュー糖)16g(小さじ4)

道具

  • 片手鍋(直径16〜18cm・容量1.5L以上)
  • 茶こし
  • すりこぎ(めん棒でもよい)

作り方

  1. スパイスの下準備をする

    グリーンカルダモン4粒は、すりこぎで軽くたたいてさやを割る。クローブ2粒と黒こしょう6粒も軽くたたいてつぶす。シナモン3cmは手で2つに折る。しょうが15gは皮つきのまますりおろす。

  2. スパイスを水で煮出す

    片手鍋に水400ml、しょうが15g、グリーンカルダモン4粒、クローブ2粒、黒こしょう6粒、シナモン3cmを入れて中火にかける。沸騰したら弱めの中火にし、2〜3分煮る。

  3. 茶葉を煮る

    紅茶の茶葉8gを加え、中火で3分煮る。煮汁が濃い赤茶色になればよい。

  4. 牛乳と砂糖を加えて煮立てる

    牛乳250mlと砂糖16gを加え、中火のまま温める。牛乳が入ると、沸騰したときに泡が一気にふくらみ、吹きこぼれやすくなる。鍋のそばを離れず、泡が鍋の縁に近づいたらすぐに火を弱める。軽く煮立った状態を保って2分煮て、火を止める。

  5. こして注ぐ

    茶こしでこしながらカップに注ぐ。鍋の取っ手と立ちのぼる湯気は熱いので、鍋つかみを使い、カップは手で持たずに台に置いたまま注ぐ。すぐに飲む。

ビスケットや、パコーラー(野菜の揚げ物)などの軽食と一緒に飲みます。

牛乳を入れたら吹きこぼれに気をつける

水だけを沸騰させているあいだは、水面に上がってきた泡はすぐにはじけます。牛乳を加えたあとは、沸騰すると泡が一気にふくらんで、鍋の縁からあふれやすくなります。

手順4で、牛乳を入れたら鍋のそばを離れず、泡が上がってきたらすぐ火を弱めるのはそのためです。容量の大きい鍋を使うのも、泡がふくらむ余裕をとるためです。吹きこぼれた牛乳はコンロで焦げつき、熱い泡がはねることもあります。

茶葉は短く煮て、牛乳はあとから

アージ・タクの冬のチャーイの記事で、クナール・カプールは、茶葉を煮すぎるとチャーイが苦くなると注意しています。手順3で茶葉を煮る時間を3分にしているのはそのためです。CTCの茶葉は細かい粒なので、短い時間で色と味が出ます。

読んだヒンディー語のレシピ4件は、いずれも先に水で茶葉を煮て、あとから牛乳を加えています。ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語のページも、牛乳からではなく水から作り始めるよう書いています。

家庭や地域による違い

水と牛乳の割合

水と牛乳の割合は、情報源によって大きく違います。アルチャナズ・キッチンのヒンディー語のレシピは、水2カップに牛乳1/4カップで、温めた牛乳を火を止めてから加えます。ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語のレシピは水2カップに牛乳1/2カップ、アージ・タクのサイトの記事が紹介するクナール・カプールの冬のチャーイは、水と牛乳が2対1です。ヘッバールズ・キッチンの英語のレシピと、カプールの雨季のチャーイは1対1です。

この記事では、水400mlに牛乳250mlとしています。牛乳を多くしたいときは、水と牛乳の合計650mlは変えずに、割合だけを変えます。

スパイスの入れ方

ヒンディー語版ウィキペディアは、西インドではクローブと黒こしょうを入れないことが多いとしています。ボーパールでは塩をひとつまみ加えることが多い、とも書いています。カシミールのチャーイは、紅茶ではなく緑茶の葉を使うとしています。

チャーイ・マサーラーで作る

使う量と入れる時機

クナール・カプールは、チャーイ・マサーラーを長く煮ると苦くなるとして、最後に入れています。先に水で茶葉と砂糖を煮て、牛乳を加えて煮立ったところにチャーイ・マサーラーを入れ、軽く煮立てたら火を止めます。アージ・タクの冬のチャーイの記事では、水4杯、牛乳2杯に対してチャーイ・マサーラーを小さじ3/4としています。

この記事の分量で作るときは、しょうがとホールのスパイスを入れず、次の順にします。茶葉を煮る時間と、この記事の水と牛乳の量に対するチャーイ・マサーラーの量は、カプールの記事に書かれていないので、この記事の目安です。

  1. 片手鍋に水400mlを入れて中火で沸かし、紅茶の茶葉8gと砂糖16gを加えて3分煮る(煮る時間は、この記事の手順3に合わせた目安)
  2. 牛乳250mlを加え、吹きこぼれに気をつけながら中火で煮立てる
  3. チャーイ・マサーラー小さじ3/4(1.5g)を加え、軽く煮立ったら火を止めて、茶こしでこす(量は、冬の記事の小さじ3/4をこの記事の分量に当てはめた目安)

チャーイ・マサーラーを作る

カプールの配合は、グリーンカルダモン4〜5粒、クローブ3〜4粒、黒こしょう5〜6粒、シナモン1本、ナツメグ、フェンネル小さじ1、乾燥しょうがの粉、乾燥したバラの花びらです。ナツメグと乾燥しょうがの粉、バラの花びらは、カプールの記事では具体的な量が書かれていません。シナモン1本も、長さが書かれていません。次の量は、この記事の目安です。ナツメグパウダー小さじ1/8、ドライジンジャーパウダー小さじ1/2、乾燥バラの花びら大さじ1、シナモン5cmとします。

  1. フライパンにバラの花びらとドライジンジャーパウダー以外を入れ、弱火で色が変わらない程度に、水気を飛ばすように煎る
  2. 火を止め、まだ温かいうちにバラの花びらを加える
  3. 冷めたらスパイスミルで粗めに挽き、ドライジンジャーパウダーを混ぜる

手に入りにくい材料の代用

  • アッサムのCTC茶葉:紅茶のティーバッグには、細かく砕いた茶葉が入っていることが多くあります。アッサムやブレックファスト用のティーバッグを破り、中身を8g使います。葉の大きいリーフティーを使うときは、色が出にくいので、手順3で煮る時間を5分にします(この記事の目安)。
  • グリーンカルダモン:ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語のレシピは、カルダモンは入れなくてもよいとしています。手に入らなければ、入れずに作ります。

保存

  • チャーイ:作りたてを飲みます。ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語のページは、温め直すと苦くなることがあるとして、作りたてをすすめています。
  • チャーイ・マサーラー:清潔で乾いたびんに入れてふたをしっかり閉め、直射日光の当たらない常温で保存します。タルラー・ダラールのレシピは、保存の目安を4か月としています。

北インドのほかのレシピ

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。