ナルギスィー・コーフターNargisi Kofta レシピ
نرگسی کوفتہナルギスィー・コーフター

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ナルギスィー・コーフターは、ゆで卵をスパイス入りのひき肉で丸ごと包んで揚げ、グレービー(ソース)で煮た料理です。パキスタンの英字紙エクスプレス・トリビューンのサイトに載ったブログで、アンブリーン・マリクはイードのごちそうとしてこの料理を紹介し、特別な日や特別な客のときにだけ作るものだったと振り返っています。食べる前に縦半分に切ると、茶色い肉の輪の中に、ゆで卵の白身と黄身が現れます。
レシピは、ヒンディー語のニュースチャンネル「アージ・タク」のサイトに載っている作り方を骨格にしています。生の羊のひき肉に、炒ったベサン(ひよこ豆の粉)とフライドオニオンを加えてフードプロセッサーでなめらかにし、ゆで卵を包みます。溶き卵をくぐらせて揚げたあと、フライドオニオンとトマトとヨーグルトのグレービーで煮て仕上げます。ゆで卵を包んだひき肉は、内側ほど火が通りにくい料理です。煮上がりは、卵に接した肉の温度を測って確かめます。
ナルギスィー・コーフターとは
ウルドゥー語では「نرگسی کوفتہ」と書きます。ナルギスは水仙の花のこと、ナルギスィーは「水仙の」「水仙のような」という意味です。コーフターは、たたいた肉を丸めた団子のことです。
名前の由来は、誰がどう説明しているか
インドのウルドゥー語辞典サイト「レフター」は、ナルギスィーをペルシア語から来た形容詞とし、「水仙の」「水仙のような」という意味を挙げています。ウルドゥー語の語義には、黄身が水仙の花の黄色い部分のように白身の中におさまった、揚げた卵の料理も挙げています。ヒンディー語の語義には、卵にひき肉をかぶせて作るカバーブの一種とあります。英語の説明では、ナルギスィー・コーフターを、ゆで卵を中に入れた肉団子としています。
パキスタンのウルドゥー語の新聞「エクスプレス」のコラムで、スハイル・アフマド・スィッディーキーは、水仙はアラビア語でナルジスといい、ペルシア語でも使われる言葉だと書いています。そのうえで、中に半分の卵があるので、開くとまるで水仙のようになる、と名前を結びつけています。
ほかの情報源の説明は、次のとおりです。
- 料理家サンジーヴ・カプールは、レシピの冒頭で、ペルシア語で水仙をナルギスといい、そこから来た名前だと書いています。切ったコーフターの、白身に囲まれた黄色い黄身が、花の中心のように見えるとしています。
- デリーの歴史研究家ラーナー・サフヴィーは、自分のサイトのレシピで、水仙に似ているからナルギスィーと呼ぶと書き、この言葉は美しい目のたとえにも使われるとしています。
- パキスタンの英字紙「ドーン」のサイトに載った記事で、書き手のビスマー・ティルミズィーは、祖母から聞いた説明として、名前は水仙から来ていて、水仙は黄色い中心のまわりに白い花びらがある冬の花で、ゆで卵のようだ、コーフターを切ると水仙の花に似ている、と紹介しています。
ムガル帝国やスコッチエッグとの関係は、誰がどう説明しているか
ナルギスィー・コーフターを、ムガル帝国(16〜19世紀に北インドを治めた王朝)と結びつける説明があります。英語版のウィキペディアは、食の研究家アラン・デイヴィッドソンの説として、ナルギスィー・コーフターがムガルの宮廷で出されていたと紹介しています。出典には、デイヴィッドソンの『オックスフォード・フード・コンパニオン』を挙げています。
ドーンの記事は、食の歴史家アニー・グレイの話を載せています。グレイは、イギリスのスコッチエッグ(ゆで卵をソーセージの肉で包んで揚げた料理)がイギリスに入ったのは17世紀末か18世紀初めだとし、インドから来たのではないかと述べています。そして、その元になったのはナルギスィー・コーフターかもしれず、ナルギスィー・コーフターはムガルの皇帝とともにペルシアからインドに来た、と述べています。記事は、イギリスの新聞ガーディアンからも、スコッチエッグは北インドのナルギスィー・コーフターから発展したという説を引いています。書き手のティルミズィー自身は、イギリスの人たちは南アジアの人々がスコッチエッグに倣ったと言うが、本当は逆だ、と書いています。ただし、今回読んだ情報源には、ムガル時代の料理書など、当時の記録を示したものはありませんでした。
どこの料理とするかも、情報源によって違います。同じ記事でグレイは、ムガルの料理は、アワド(現在のウッタル・プラデーシュ州のあたり)とハイダラーバードという2つの大きな地方に影響を与えたとし、そこではひき肉で包んで揚げた卵を、ヨーグルトを使った茶色いグレービーで食べると述べています。カプールのレシピは、「ナルギスィー・コーフテー」をウッタル・プラデーシュ州の料理に、「ナルギスィー・コーフター」をハイダラーバード料理に分類しています。英語版のウィキペディアは、ラクナウとカラチでよく食べられている料理としています(この記述には出典の注がついていません)。
エクスプレスのコラムは、本来のナルギスィー・コーフターはクリケットのボールほど、あるいはそれより大きなものだったと書いています。いまはその作り方をする家庭は少なく、多くは小さく手軽なコーフターを作るとしています。
ナルギスィー・コーフターのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 1時間45分(コーフターを冷やす時間を含む) 加熱 1時間10分
- コリアンダー4g
- 赤唐辛子3.8g
- カシュミーリー・チリ2.5g
- クミン2g
- ガラム・マサーラー2g
- ブラックカルダモン1.5g
- 黒こしょう1g
- シナモン1g
- グリーンカルダモン0.8g
- ターメリック0.7g
- クローブ0.4g
- テージ・パッター0.3g
ゆで卵
- 卵(Mサイズ。冷蔵庫から出したもの)6個
下ゆで用
- 水(卵をゆでる)1.5L
- 水(氷水にする)1L
- 氷200g
フライドオニオン
- 玉ねぎ(薄切り)450g(中2個強)
揚げ油
- 揚げ油(植物油。直径18cmの鍋で深さ約4cm。フライドオニオンとコーフターの両方に使う)1L
コーフターのたね
- ラムひき肉(羊のひき肉)(楽天)500g
- ベサン(ひよこ豆の粉)(Amazon|楽天)30g(大さじ4)
- 塩7.5g(小さじ1と1/4)
- しょうが(すりおろし)7.5g(小さじ1と1/2)
- にんにく(すりおろし)7.5g(小さじ1と1/2)
- 青唐辛子(生のもの)2本(6g)
- ミントの葉3g(約15枚)
- パクチー(コリアンダーの葉)6g(大さじ3)
- レッドチリパウダー(唐辛子だけの粉)(Amazon|楽天)2.5g(小さじ1)
- クミンパウダー(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
- 黒こしょう(パウダー)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
- ガラム・マサーラー(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
- フライドオニオン(手順3で作ったものの1/3量)約40g
- 卵(つなぎ)1個
衣
- 卵1個
グレービーのホールスパイス
グレービーのスパイスペースト
グレービー
- トマト(すりおろす)200g(中1個半)
- フライドオニオン(手順3で作ったものの残り2/3量)約80g
- 水(フライドオニオンのペースト用)100ml
- プレーンヨーグルト(無糖)100g
- 水(煮る)200ml
仕上げ
- パクチー(コリアンダーの葉)(刻む)5g(大さじ2と1/2)
作り方
卵をゆでて冷ます
鍋に水1.5Lを沸かし、卵6個をおたまにのせて1個ずつ静かに入れる。弱めの中火で10分ゆでる。ボウルに水1Lと氷200gを入れて氷水を作り、ゆでた卵を移して10分冷やす。殻をむき、キッチンペーパーで表面の水気をふき取る。
ベサンを炒る
乾いたフライパンにベサン30gを入れ、弱火で3〜4分、絶えず混ぜながら炒る。粉くささが消えて香ばしい香りが立ち、ほんのり色づいたら皿に広げて冷ます。
フライドオニオンを作る
換気扇を回す。厚手の鍋に揚げ油1Lを入れる。油は鍋の深さの半分までにする。中火にかけ、揚げ物用の温度計の先を油の中ほどに入れて(鍋底に当てない)、160〜170℃にする。温度計がないときは、乾いた菜箸の先を鍋底に当て、箸全体から細かい泡がしゅわしゅわと上がってくれば、160〜170℃の目安。煙が出たらすぐに火を止める。揚げている間は鍋のそばを離れず、水やぬれた布巾を鍋の近くに置かない。万一火が出たら、水をかけずにふたをして火を止める。玉ねぎ450gの半量を、網じゃくしで油面の近くから少しずつ入れる。玉ねぎは水分が多く、入れた直後に油が大きく泡立ってはねるので、鍋から顔を離す。ときどき混ぜながら8〜12分、全体が濃いきつね色になるまで揚げ、網じゃくしで取り出してキッチンペーパーに広げる。温度計(または菜箸の泡)を見ながら火加減を調整し、160〜170℃を保つ(下がったら火を強め、170℃を超えたら弱める)。残りの半量も同じように揚げる。揚げ終えたら火を止め、油はそのまま鍋に残して、冷めるまで鍋を動かさない。フライドオニオンは冷めるとかりっとする。1/3量(約40g)をたね用、残りの2/3量(約80g)をグレービー用に分ける。
たねを作る
青唐辛子2本はへたを取ってざく切りにする。フードプロセッサーに、ラムひき肉500g、塩7.5g、しょうが7.5g、にんにく7.5g、青唐辛子、ミントの葉3g、パクチー6g、レッドチリパウダー2.5g、クミンパウダー1g、黒こしょう1g、ガラム・マサーラー1g、炒ったベサン、たね用のフライドオニオン約40g、つなぎの卵1個を入れる。1〜2秒ずつ区切って回し、ときどき容器の側面についたたねを落とす。粘りが出て、なめらかなペーストになるまで回す(回す時間は合計30〜40秒)。回し続けると刃の摩擦でたねが温まるので、区切って回す。生の肉に触れた手と器具は、そのつど洗剤で洗う。
ゆで卵を包む
たねを6等分する(1個約110g)。手を水でぬらし、1個を手のひらにのせて、直径12cmほどの円にのばす。中央にゆで卵を1個のせ、周りのたねを持ち上げて包み込む。継ぎ目を指でなでてふさぎ、両手で転がして、表面にひびのない卵形に整える。残りも同じように包む。皿に並べてラップをかけ、冷蔵庫で30分冷やす。
グレービーのスパイスを炒める
コーフターを冷やしている間に作る。小さなボウルに、しょうが7.5g、にんにく7.5g、カシュミーリー・チリパウダー2.5g、レッドチリパウダー1.25g、コリアンダーパウダー4g、クミンパウダー1g、ターメリック0.7g、ガラム・マサーラー1g、塩6g、水50mlを入れて混ぜ、スパイスペーストにする。グリーンカルダモン4粒は、さやに切り目を入れる。浅めの鍋にギー39gを入れて中火で溶かし、グリーンカルダモン、ブラックカルダモン1粒、クローブ4本、シナモン1g、テージ・パッター1枚を入れ、30秒ほど、香りが立つまで炒める。弱火にしてスパイスペーストを加える。水分で油がはねるので、鍋から顔を離して加える。焦げないように混ぜながら1〜2分炒める。
トマトとフライドオニオンを煮る
グレービー用のフライドオニオン約80gと水100mlを容器に入れ、ハンドブレンダーでなめらかなペーストにする。鍋にすりおろしたトマト200gとフライドオニオンのペーストを加えて混ぜる。ふつふつとはねるので、ふたを半分ずらしてのせる。中火で、ときどき混ぜながら8〜10分、ぽってりとして鍋の縁からギーがにじみ出るまで煮る。
ヨーグルトと水を加える
プレーンヨーグルト100gをボウルでなめらかになるまで混ぜる。鍋を弱火にし、ヨーグルトを3回に分けて加え、そのつど混ぜて全体になじませる。混ぜ続けながら3〜4分煮る。水200mlを加えて混ぜ、中火で煮立てたら火を止める。
揚げ油を温め直す
換気扇を回す。手順3の揚げ油を中火にかけ、揚げ物用の温度計の先を油の中ほどに入れて(鍋底に当てない)、160〜170℃にする。温度計がないときは、手順3と同じく菜箸の泡で見る。煙が出たらすぐに火を止める。揚げている間は鍋のそばを離れず、水やぬれた布巾を鍋の近くに置かない。万一火が出たら、水をかけずにふたをして火を止める。衣の卵1個をボウルに割りほぐす。
コーフターを揚げる
冷蔵庫から出したコーフターを1個ずつ溶き卵にくぐらせ、余分な卵液を落とす。網じゃくしにのせて、油面の近くから静かに入れる。卵液とたねの水分で油がはねるので、鍋から顔を離す。1回に2個までにする。入れてから1分は動かさずに衣を固め、そのあとときどき転がしながら6〜8分、全体が濃いきつね色になるまで揚げる。温度計(または菜箸の泡)を見ながら火加減を調整し、160〜170℃を保つ(下がったら火を強め、170℃を超えたら弱める)。網じゃくしで取り出してキッチンペーパーにのせ、油を切る。3回に分けて6個を揚げる。この段階では中まで火が通っていなくてよい(グレービーで煮て仕上げる)。揚げ終えたら火を止め、油が冷めるまで鍋を動かさない。
グレービーで煮る
グレービーの鍋を中火にかけて煮立て、コーフターを重ならないように並べ入れる。ふたをして弱火で15分煮る。7〜8分たったら、コーフターの上下を返し、グレービーを上からかける。鍋底が焦げつきそうなときは、火をさらに弱める。
肉の中心温度を確かめる
いちばん大きいコーフターを1個、皿に取り出す。料理用温度計を横から斜めに刺し、先が肉の層のいちばん内側、ゆで卵に接するところに届くようにする(先が卵に深く刺さらないようにする)。向きを変えてもう1か所測り、低いほうの温度が75℃以上になっていれば煮上がり。足りなければ鍋に戻し、ふたをして3分煮てから測り直す。温度計がないときは、そのコーフターを縦半分に切り、卵に接している肉の内側まで熱く、生の赤い部分がなく、押したときに出る肉汁が透明なことを確かめる。色だけでは確実に判断できないので、迷ったら3分煮足す。
切って盛りつける
コーフターをまな板に取り出し、よく切れる包丁で縦半分に切る。器にグレービーを広げ、コーフターを切り口を上にして並べ、パクチー5gを散らす。テージ・パッター、シナモン、ブラックカルダモンは食べないので、よけて盛りつける。
ナーンやチャパーティー(全粒粉の薄焼きパン)を添えて食べます。
たねをなめらかになるまで回す理由
粘りが出るまで回す
アージ・タクのレシピは、生のひき肉をスパイスや炒ったベサン、卵と一緒にフードプロセッサーにかけて、細かくなめらかにしています。ラーナー・サフヴィーのレシピも、生のまま使う半分のひき肉を、ケシの実やフライドオニオンと一緒にブレンダーでなめらかにしています。
手順4では、塩を最初から入れて、粘りが出るまで回します。粘りの出たたねは、ゆで卵を包むときにひびが入りにくくなります。
ベサンとフライドオニオン
アージ・タクのレシピは炒ったベサンを、カプールのレシピは炒ったひよこ豆の粉を、たねに加えます。粉は、フライドオニオンや香草、卵から出る水分を吸い、たねがゆるくなるのを防ぎます。生の粉っぽさが残らないよう、手順2で炒ってから使います。
フライドオニオンも、アージ・タクとカプールのレシピに共通しています。生の玉ねぎではなく揚げた玉ねぎを使うので、たねに余分な水分を持ち込まずに、甘みと香ばしさを足せます。
手順5でたねを冷蔵庫で冷やすのは、温まってやわらかくなった肉の脂を冷やし固めて、形を落ち着かせるためです。エクスプレス・トリビューンのサイトに載ったアンブリーン・マリクのレシピは、たねを一晩冷蔵庫で休ませてから包んでいます。
料理科学:ゆで卵を包んだひき肉の火の通り
ひき肉は中まで火を通す
厚生労働省は、ひき肉で作る料理では、肉に付いている病原体が中心部まで入ってしまうので、外側が焼けていても中まで火を通すことが大切だとしています。多くの病原体は、75℃で1分以上の加熱で死滅するとしています。
アメリカ農務省(USDA)の食品安全検査局は、牛のひき肉は、食品用の温度計で測って中心が71℃(160°F)になるまで加熱するように勧めています。また、色では火の通りも安全も判断できないので、温度計を使うようにとしています。この記事では、羊のひき肉にも同じ考え方を当てはめ、厚生労働省の目安に合わせて75℃以上を目安にしています。
いちばん遅く温まるのは、卵に接した肉
ふつうの肉団子なら、いちばん火が通りにくいのは団子の中心です。ナルギスィー・コーフターの中心はゆで卵なので、肉の層の中でいちばん温まるのが遅いのは、卵に接している内側の面です。熱は外側の肉から内側へ伝わり、その先の卵は、氷水で冷やしてあるからです。
揚げるだけでは、外側が濃く色づいても、卵に接した肉まで十分に温まらないことがあります。この記事では、手順10で外側に色をつけ、手順11でふたをしてグレービーで15分煮て、内側まで火を通します。カプールの「ナルギスィー・コーフテー」のレシピも、揚げたコーフターをグレービーに入れ、ふたをして弱火で10〜15分煮ています。手順12で温度計の先を卵の表面まで届かせるのは、このいちばん温まりにくいところを測るためです。
衣の溶き卵と揚げ油の温度
カプールの「ナルギスィー・コーフテー」、ラーナー・サフヴィー、ドーンの記事、エクスプレス・トリビューンのレシピは、揚げる前にコーフターに溶き卵をつけています。溶き卵の衣は熱い油に入るとすぐに固まって、ひき肉の表面をおおいます。
油の温度は、情報源によって違います。カプールのハイダラーバード風のレシピは弱火で10分ほど、アージ・タクのレシピは中火で、エクスプレス・トリビューンのレシピは強火で揚げます。温度が高すぎると、中が温まる前に衣が焦げます。低すぎると表面が固まるまでに時間がかかり、そのあいだにたねがくずれやすくなります。この記事では、中まではグレービーで火を通す前提で、160〜170℃で6〜8分揚げます。
ゆで卵は、ゆですぎずにすぐ冷やす
ゆで卵は、ゆですぎると黄身の表面が緑がかった灰色になることがあります。ナルギスィー・コーフターの卵は、ゆでたあとにも揚げて煮るので、手順1でゆですぎず、すぐに氷水で冷やします。殻がむきにくいときは、水の中でむくと、白身を傷つけにくくなります。
地域や家庭による違い
ナルギスィー・コーフターは、たねの作り方とグレービーが、家庭や料理家によって大きく違います。今回読んだレシピには、次のような違いがありました。
- ひき肉をチャナー・ダールと煮てからひく:パキスタンのレシピサイト「KFoods」に載っているシェフのサーラー・リヤーズのウルドゥー語のレシピは、ひき肉をチャナー・ダール(皮なしで割ったひよこ豆)とホールスパイスと一緒に煮て、冷ましてからチョッパーでひき、卵を混ぜてたねにします。ゆで卵は半分に切ってから包みます。エクスプレス・トリビューンのアンブリーン・マリクのレシピも、牛のひき肉をチャナー・ダールと45分ほど煮てからひいています。煮た肉と豆をひいて焼くシャーミー・カバーブのたねに近い作り方です。
- 半分だけシャーミー・カバーブのたねにする:ラーナー・サフヴィーのレシピは、ひき肉の半分をシャーミー・カバーブと同じように調理し、残りの半分を生のまま、ケシの実とフライドオニオンと一緒にひいて、2つを合わせます。揚げるときは、多めの油で揚げ焼きにします。
- ハイダラーバード風:カプールの「ナルギスィー・コーフター」のレシピは、ひき肉を黒こしょうとガラム・マサーラーで調味して卵を包み、マイダ(精製した小麦粉)をまぶして揚げます。グレービーは、ゆでた玉ねぎのペーストに、炒って粉にしたシャーヒー・ジーラー(キャラウェイに似たスパイス)、カルダモン、クローブ、シナモン、メースを加えます。
- こくを足す:アージ・タクのレシピは、グレービーにヨーグルトのあと生クリームを加えます。カプールの「ナルギスィー・コーフテー」のレシピは、ココナッツ、炒ったひよこ豆、カシューナッツ、ケシの実のペーストを加えます。
- 鶏のひき肉で作る:ヒンディー語の生活情報サイト「ボールドスカイ」のプールニマー・スィンのレシピは、鶏のひき肉にベサンとコーンスターチを混ぜて卵を包みます。グレービーには、アーモンドのペーストとカスーリー・メーティー(乾燥したフェヌグリークの葉)を使います。
- 盛りつけ:KFoodsのレシピは、器に並べたコーフターにグレービーをかけます。ラーナー・サフヴィーのレシピは、半分に切ったコーフターをグレービーに並べ、5分置いて味をなじませます。
手に入りにくい材料の代用
- ラムひき肉:牛ひき肉でも作れます。ドーンの記事とエクスプレス・トリビューンのレシピは牛のひき肉を使っています。羊の肩肉のかたまりがあれば、包丁で細かくたたくか、フードプロセッサーで粗くひいて使います。鶏ひき肉でも作れます。どの肉でも、手順12で同じように75℃以上を確かめます。
- ベサン:省いても作れます。カプールのハイダラーバード風のレシピは、たねに粉を入れていません。その場合は、たねがやわらかくなるので、手順5で冷蔵庫で冷やす時間を1時間にします。
- フードプロセッサー:ひき肉と調味料をボウルに入れ、手で3〜4分、押しつぶすようにして練ります。粘りが出て、ボウルの内側にはりつくようになればよい状態です。青唐辛子、ミントの葉、パクチーは細かいみじん切りに、フライドオニオンは手でもんで細かく砕いてから加えます。手の温度で脂がやわらかくなりやすいので、練ったらすぐに冷蔵庫で冷やします。
- 青唐辛子:手に入らないときは省き、たねに一味唐辛子0.5g(小さじ1/4)を足します。
- ミントの葉:省いても作れます。香りは少し変わります。
- ブラックカルダモン:省いても作れます。燻したような香りがなくなります。
- テージ・パッター:インドのベイリーフです。ローリエ1枚で代用できます。香りは少し変わります。
- カシュミーリー・チリパウダー:色が濃く、辛さは穏やかな唐辛子の粉です。パプリカパウダーを同じ量使います。
- レッドチリパウダー:一味唐辛子を同じ量使います。日本で「チリパウダー」として売られているものには、オレガノなどを混ぜたミックススパイスもあるので、原材料が唐辛子だけのものを選びます。
- ギー:サラダ油36g(大さじ3)で代用できます。アージ・タクのレシピも、グレービーを油で作っています。
保存
- コーフターはグレービーに入れたまま、切らずに保存します。切ると卵の断面が乾いて固くなります。
- 冷蔵:保存容器に入れて2日。鍋に移し、水30mlを足してふたをし、弱火で温めます。コーフターの中心まで熱くなるよう、手順12と同じように、卵に接した肉が75℃以上になっていることを確かめます。
- 冷凍:ゆで卵の白身は、冷凍すると水っぽく、ゴムのような食感になるので、冷凍には向きません。
パキスタンのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- Aaj Tak「Non Veg Recipe: लंच या डिनर में बनाएं नरगिसी कोफ्ते, एक साथ मिलेगा अंडे और कीमे का ट्विस्ट」(ヒンディー語)
- Boldsky「नरगिसी कोफ्ता」(ヒンディー語)
- KFoods「Nargisi Kofta Recipe in Urdu」(ウルドゥー語)
- Express News「نرگس نرگسی کوفتے اور نرگسیت」(ウルドゥー語)
- Rekhta Dictionary「Meaning of nargisi in English」(英語)
- Sanjeev Kapoor「Nargisi Kofte」(英語)
- Sanjeev Kapoor「Nargisi Kofta」(英語)
- Rana Safvi「Dastarkhwan e Ramzan: Nargisi Kofte」(英語)
- Dawn Images「How to make the perfect Nargisi Kofta」(英語)
- The Express Tribune「What's an Eid feast without some Nargasi Koftas?」(英語)
- Wikipedia「Kofta」(英語)
- USDA Food Safety and Inspection Service「The Color of Meat and Poultry」(英語)
- 厚生労働省「お肉はしっかり加熱してね!」(日本語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。