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パーラク・パニール日本では「パラックパニール」ともPalak Paneer レシピ

ਪਾਲਕ ਪਨੀਰパーラク・パニール

地域
北インド(パンジャーブ)
分量
4人分
公開
鉄の器に盛ったパーラク・パニール。深い緑のほうれん草のソースに白いパニールがのぞき、生クリームがかかっている。奥に全粒粉のローティー

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パーラク・パニールは、ゆでたほうれん草をなめらかなペーストにして、パニール(インドの生チーズ)を煮た料理です。濃い緑のソースに白いパニールが浮かぶ見た目で、日本のインド料理店でもよく見かけます。パンジャービー語のレシピでは、玉ねぎとトマトを炒めた土台にほうれん草を合わせ、クミンとガラム・マサーラーで香りをつける作り方が多く見られます。

日本のほうれん草は、えぐみのもとになるシュウ酸を抜くため、たっぷりの湯で2分ゆでます。色をあざやかに保つには、ゆでたあとすぐ冷やし、鍋に入れてからは短く煮るのがこつです。

パーラク・パニールとは

パンジャービー語ではグルムキー文字で「ਪਾਲਕ ਪਨੀਰ」と書きます。パーラクはヒンディー語やパンジャービー語で「ほうれん草」、パニールは酸で固めた乳から作るチーズのことです。

パンジャーブの料理として

パキスタンの新聞「ドーン」に寄稿したジャーナリストのビスマー・ティルミズィーは、パーラク・パニールを「パンジャーブ、さらには北インドで昔から好まれ、パキスタンでも受け入れられた料理」と書いています。パンジャーブでは、冬にからし菜などの青菜を煮込む「サーグ」が食べられてきました。ティルミジーによると、ほうれん草はからし菜よりあとに亜大陸に入った野菜です。サーグにパニールを合わせた「サーグ・パニール」が、パンジャーブの外に住む人々の好みや、より都会的な献立に合うように、ほうれん草だけのパーラク・パニールに変わったとされています。

一方、ヒンディー語版のウィキペディアは、パーラク・パニールをアワド(ウッタル・プラデーシュ州)の料理に分類しています。どちらも出典となる記録は示しておらず、いつ、どこで生まれたのかははっきりしていません。

パニールはどこから来たか

パニールの由来にも、いくつかの説があります。ヒンディー語のニュースサイト「タイムズ・ナウ・ナヴバーラト」は、インド国立酪農研究所の説として、アフガニスタンやイランからの侵入者がパニールを持ち込んだと紹介しています。同じ記事は、ポルトガル人が乳を酸で固める方法をベンガルに伝え、そこからチェーナー(ベンガルの生チーズ)が生まれたという別の説も紹介しています。ヒンディー語のニュース局「アージ・タク」は、パニールという言葉はペルシア語から来たとしています。

パーラク・パニールのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 25分 加熱 30分

スパイスの配合 4人分で計4g
  • クミン1g
  • シナモン1g
  • ガラム・マサーラー1g
  • ターメリック0.7g
  • クローブ0.3g

ほうれん草のペースト

  • ほうれん草(根元を切り落とす)500g(2〜3束)
  • 青唐辛子(生のもの)2本(6g)
  • 冷水50ml

ほうれん草の下ゆで用

  • 水(ゆでる用)3L
  • 水(氷水用)1L
  • 氷600g

炒める

  • ギー(Amazon|楽天)26g(大さじ2)
  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • シナモン(ホール)(Amazon|楽天)2.5cm(1g)
  • クローブ(ホール)(Amazon|楽天)4粒(0.3g)
  • 玉ねぎ(みじん切り)100g(中1/2個)
  • しょうが(すりおろし)10g(小さじ2)
  • にんにく(すりおろし)10g(小さじ2)
  • トマト(みじん切り)150g(中1個)
  • ターメリックパウダー(Amazon|楽天)0.7g(小さじ1/4)
  • 塩7.5g(小さじ1と1/4)

煮る・仕上げ

  • 水100ml
  • パニール(2cm角に切る)(Amazon|楽天)250g
  • 生クリーム30ml(大さじ2)
  • ガラム・マサーラー(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)

道具

  • ハンドブレンダー(ミキサーでもよい)(Amazon|楽天)
  • 大きな鍋(3Lの湯が沸かせるもの)
  • 厚手の鍋

作り方

  1. ほうれん草を洗う

    ほうれん草の根元を切り落とし、たっぷりの水で2〜3回洗って、茎の間の泥を落とす。葉と茎を切り分け、茎は別にしておく。

  2. ほうれん草をゆでる

    大きな鍋に水3Lを強火で沸かす。ボウルに水1Lと氷300gを入れて氷水を作る。ほうれん草を半量(約250g)ずつゆでる。茎を先に入れて30秒ゆで、葉を加えて湯に沈め、さらに2分ゆでる。すぐに氷水に移して冷まし、軽く絞る。氷水に残りの氷300gを足し、湯が再び沸騰してから、残りも同じようにゆでる。

  3. ペーストにする

    ほうれん草をざく切りにする。青唐辛子はへたを取る。ほうれん草、青唐辛子2本、冷水50mlをハンドブレンダーでなめらかなペーストにする。

  4. ホールスパイスを炒める

    厚手の鍋にギー26gを中火で熱し、クミン1g、シナモン1g、クローブ4粒を入れる。クミンの色が濃くなり、香りが立つまで30秒〜1分炒める。

  5. 玉ねぎとしょうが・にんにくを炒める

    玉ねぎ100gを加え、きつね色になるまで8〜10分炒める。しょうが10gとにんにく10gを加え、青臭さがなくなるまで1分炒める。

  6. トマトを炒める

    トマト150g、ターメリックパウダー0.7g、塩7.5gを加える。トマトが煮くずれてペースト状になり、縁から油がにじみ出るまで6〜8分炒める。

  7. ほうれん草のペーストを煮る

    ほうれん草のペーストと水100mlを加えて混ぜる。煮立つとペーストがはねるので、やけどに気をつける。中火で煮立ったら弱めの中火にし、ふたをせずに2分煮る。

  8. パニールを加える

    パニール250gを加え、くずさないように静かに混ぜる。2〜3分、パニールが中まで温まるまで煮る。

  9. 仕上げる

    火を止め、シナモンとクローブを取り出す。ガラム・マサーラー1gと生クリーム30mlを加えて混ぜ、すぐに器に盛る。

ローティー(全粒粉の薄焼きパン)やナーン、パラーター(ギーや油を塗って重ね焼きにした全粒粉のパン)、ご飯を添えて食べます。

料理科学:ほうれん草の緑を保つ

たっぷりの湯でゆでて、すぐ冷やす

ほうれん草の緑は、葉緑素(クロロフィル)の色です。青菜は、長く加熱したり、酸と一緒に加熱したりすると、緑がくすんで茶色っぽくなります。

たっぷりの湯でゆでるのは、ほうれん草を入れても湯の温度が下がりにくく、短い時間で火を通せるからです。3Lの湯に250gずつ入れるのはそのためです。ゆでたらすぐ氷水に移すのは、余熱で火が通りすぎるのを止めるためです。

トマトを先に炒めて、ほうれん草はあとで短く煮る

トマトには酸があります。手順6でトマトを十分に炒めてからほうれん草のペーストを入れ、ペーストを入れてから火を止めるまでを5〜7分にしているのは、酸と一緒に加熱する時間を短くするためです。長く煮込んだり、できあがってから火にかけたまま保温したりすると、緑がくすみます。レモン汁をかける食べ方もありますが、鍋には入れず、食べる直前に皿の上で絞ると色が保てます。

日本のほうれん草は2分ゆでる

インドのレシピの下ゆでは、30秒ほどから2〜3分までと幅があります。日本のほうれん草は、口に残るえぐみの元であるシュウ酸を抜くため、たっぷりの湯で2分ゆでるのがよい加減です。

茨城県産の市販のほうれん草を使った研究(Wangほか、2018年)では、100℃の湯で1分ゆでるとシュウ酸の約40%が、2分で約67%が、3分で約73%が抜けました。一方、栄養素でもある色素のルテインは、2分で約77%が残りました。研究者は、シュウ酸を抜きながら栄養を残す条件として、100℃で2分を最適としています。インドのレシピには、ふたをして少ない水で蒸し煮にする方法もあります。この方法では、溶け出したシュウ酸もそのままペーストに入るので、えぐみが残りやすくなると考えられます。

茎は葉より厚いので、30秒先に入れて火の通りをそろえます。

料理科学:パニールが煮ても溶けない理由

ピザに使うモッツァレラは、加熱すると溶けて伸びます。パニールは酸で乳を固めたチーズで、ソースで煮ても角が残ったままです。

ただし、長く煮るとパニールから水分が抜けて、硬くなります。パニールを最後に加えて2〜3分温めるだけにするのはそのためです。

地域による違い

パンジャーブの冬には、からし菜を主役に、ほうれん草、メーティー(フェヌグリーク)の葉、大根の葉などを合わせて煮る「サーグ・パニール」も作られます。ヒンディー語で料理を紹介するニシャー・マドゥリカーのサーグ・パニールは、からし菜250gとほうれん草250gにメーティーの葉125gを合わせ、圧力鍋で煮てから、ミキサーで粗くひきます。英語圏のインド料理店では、パーラク・パニールとサーグ・パニールが同じ料理として扱われることもあります。

パーラク・パニールの作り方も家庭によって違います。料理家サンジーヴ・カプールのレシピは、玉ねぎもトマトも使わず、にんにくとクミンと青唐辛子だけのすっきりした味です。ニシャー・マドゥリカーのレシピは、トマトを多めに使い、ベサン(ひよこ豆の粉)を炒めてとろみをつけます。パニールを焼き色がつくまで焼いてから加える作り方もあります。

手に入りにくい材料の代用

  • パニール:牛乳で作れます。成分無調整牛乳2Lを鍋で沸騰させ、焦げつかないように混ぜます。酢30ml(大さじ2)を少しずつ加えて混ぜ、固まりと黄緑色の透き通った水分(ホエイ)に分かれたら火を止めます。分かれないときは酢15ml(大さじ1)を足します。レモン汁を同じ量使っても作れます。さらしを敷いたざるにあけ、冷水をかけて酢の味を洗い流し、さらしで包んで水気を絞ります。四角く形を整えて、水を入れた鍋などで約1kgの重しをし、30分〜1時間おくと、約250gのパニールになります(水気の絞り方で前後します)。冷蔵庫で冷やしてから切ると、角がくずれにくくなります。低脂肪乳や加工乳では、固まる量が少なくなります。
  • 青唐辛子:生の青唐辛子が手に入らないときは、一味唐辛子0.5g(小さじ1/4)を手順6でトマトと一緒に加えます。
  • ギー:食塩不使用バター、またはサラダ油で代用できます。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日。温め直すと緑がくすみます
  • 冷凍:手順3のほうれん草のペーストの状態で1か月。冷蔵庫で解凍してから手順4〜9を行います

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。