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サーグ・チキン日本では「サグチキン」ともSaag Chicken レシピ

साग चिकनサーグ・チキン

地域
北インド(パンジャーブ)
分量
4人分
公開
素焼きの器に盛ったサーグ・チキン。濃い緑のサーグに鶏肉が沈み、バターとブラックカルダモン、赤唐辛子がのっている。奥にバターをのせたマッキー・キー・ローティー

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サーグ・チキンは、からし菜やほうれん草などの青菜を煮てつぶした「サーグ」で、鶏肉を煮込んだ料理です。パンジャーブで冬に食べられてきた青菜の料理に、骨付きの鶏肉を合わせます。色はあざやかな緑ではなく、深い暗緑色です。ほうれん草のペーストを短く煮るパーラク・パニールとは、作り方も味もかなり違います。

主役は、からし菜のほろ苦さとツンとした香りです。青菜を茎ごとじっくり煮て辛みをやわらげ、粗くつぶして、とうもろこしの粉でまとめます。日本では冬から春に出回るからし菜を使い、手に入らないときは、同じ仲間のわさび菜や、小松菜と大根の葉で作れます。

サーグ・チキンとは

ヒンディー語では「साग चिकन」と書きます。サーグはヒンディー語やパンジャービー語で、葉を食べる青菜や、青菜を煮た料理のことです。インドの料理サイト「ヘッバールズ・キッチン」のヒンディー語版は、パンジャービー語のサーグは、緑色のピューレ(裏ごしやミキサーでどろりとさせたもの)のことだと説明しています。英語のレシピでは「サーグワーラー・チキン」(サーグ入りのチキン)という名前も使われ、インドの料理家サンジーヴ・カプールのレシピはこの名前です。

パンジャーブの冬の青菜

ヒンディー語のニュース局「アージ・タク」は、冬が来るとサルソン・カー・サーグ(からし菜のサーグ)とマッキー・キー・ローティー(とうもろこし粉の平焼きパン)が思い浮かぶと書き、これをパンジャーブの料理として紹介しています。同じ記事のレシピは、からし菜のほかに、ほうれん草、メーティー(フェヌグリーク)の葉、バトゥア(アカザ)を材料に挙げています。英語版のウィキペディアは、パンジャーブ料理の羊肉の料理の一つに「サーグ・ゴーシュト」(青菜と羊肉の煮込み)を挙げています。

鶏肉と合わせる作り方

サンジーヴ・カプールのサーグワーラー・チキンと、ランヴィール・ブラールのサーグ・チキンは、どちらもサイト上でパンジャーブ料理に分類されています。一方、ヒンディー語のレシピサイト「パクワーン・ガリー」は、紹介するサーグ・チキンをパキスタン風の作り方としつつ、同じページの質問コーナーではインド料理で人気の料理と説明しています。パキスタンのウルドゥー語の新聞「ジャング」にも、ほうれん草やメーティーの葉と鶏肉を煮るレシピが載っています。この記事のために読んだレシピには、サーグ・チキンがいつ、どこで生まれたのかを書いたものはありませんでした。

このレシピは、からし菜とほうれん草を使い、とうもろこしの粉でまとめるサンジーヴ・カプールの作り方を土台にしています。カプールのレシピは、からし菜1カップにほうれん草2カップです。この記事では、パクワーン・ガリーやマサーラーTV(後述)と同じく、からし菜とほうれん草を同じ量にしています。

サーグ・チキンのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 20分 加熱 1時間10分

スパイスの配合 4人分で計9.7g
  • カシュミーリー・チリ2.5g
  • ガラム・マサーラー2g
  • ターメリック1.5g
  • シナモン1g
  • ブラックカルダモン1g
  • グリーンカルダモン0.6g
  • 赤唐辛子0.6g
  • テージ・パッター0.5g

サーグ(青菜)

  • からし菜(茎ごと使う)300g(1〜2束)
  • ほうれん草300g(1と1/2束)
  • しょうが(みじん切り)10g
  • にんにく(みじん切り)10g
  • 青唐辛子(生のもの)2本(6g)
  • 塩4g(小さじ2/3)
  • 水100ml

サーグのとろみ

  • コーンミール(とうもろこしを挽いた粉)(Amazon|楽天)10g(大さじ1)
  • 水(コーンミール用)30ml(大さじ2)

鶏肉のマサーラー

  • ギー(Amazon|楽天)39g(大さじ3)
  • テージ・パッター(Amazon|楽天)1枚(0.5g)
  • シナモン(ホール)(Amazon|楽天)2.5cm(1g)
  • ブラックカルダモン(ホール)(Amazon|楽天)1個(1g)
  • グリーンカルダモン(ホール)(Amazon|楽天)3粒(0.6g)
  • 赤唐辛子(ホール)(乾燥したもの)(Amazon|楽天)2本(0.6g)
  • 玉ねぎ(みじん切り)200g(大1個)
  • 鶏もも肉(骨付き・ぶつ切り)(皮は取る)750g
  • 塩8g(小さじ1と1/3)
  • しょうが(みじん切り)10g
  • にんにく(みじん切り)10g
  • カシュミーリー・チリパウダー(Amazon|楽天)2.5g(小さじ1)
  • ターメリックパウダー(Amazon|楽天)1.5g(小さじ1/2)
  • トマト(みじん切り)150g(中1個)

煮る・仕上げ

  • 水(煮込み用)100ml
  • ガラム・マサーラー(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • 食塩不使用バター20g

道具

  • ハンドブレンダー(ポテトマッシャーでもよい)(Amazon|楽天)
  • 鍋(青菜を煮るもの。2.5L以上)
  • 厚手の鍋(直径20〜22cm。ふたつき)
  • 料理用の温度計(なければ切って確かめる)(Amazon|楽天)

作り方

  1. 青菜を洗って切る

    からし菜とほうれん草の根元を切り落とし、たっぷりの水で2〜3回洗って、茎の間の泥を落とす。茎は1cm幅に、葉は3〜4cm幅に切る。からし菜の太い茎は、筋が硬ければ表面を薄くむく。

  2. 青菜を煮る

    鍋にからし菜の茎、ほうれん草の茎、からし菜の葉、ほうれん草の葉の順に重ね、しょうが10g、にんにく10g、へたを取った青唐辛子2本、塩4g、水100mlを加える。ふたを少しずらしてのせ、中火にかける。煮立ったら弱めの中火にし、途中で2〜3回上下を返しながら、からし菜の茎が指で簡単につぶれるまで15分煮る。

  3. 粗くつぶす

    火を止め、ハンドブレンダーを数秒ずつ3〜4回あてて、葉の形が少し残る粗いペーストにする。なめらかにしすぎない。ポテトマッシャーでつぶしてもよい。

  4. コーンミールでまとめる

    コーンミール10gを水30mlでだまのないように溶き、つぶした青菜に加えて混ぜる。弱火で5分、底から混ぜながら煮て、粉っぽさがなくなり、汁気と青菜がまとまったら火を止める。ふつふつと煮立つとはねるので、やけどに気をつける。

  5. ホールスパイスを炒める

    ブラックカルダモンは軽くたたいて割る。厚手の鍋にギー39gを中火で熱し、テージ・パッター1枚、シナモン1g、ブラックカルダモン1個、グリーンカルダモン3粒、赤唐辛子2本を入れて、香りが立つまで30秒炒める。

  6. 玉ねぎを炒める

    玉ねぎ200gを加え、ときどき混ぜながら、濃いきつね色になるまで10〜12分炒める。

  7. 鶏肉を炒める

    鶏肉750gと塩8gを加える。油がはねるので気をつける。強めの中火で5分、ときどき返しながら、表面が白くなり、ところどころに焼き色がつくまで炒める。

  8. マサーラーで蒸し煮にする

    しょうが10g、にんにく10g、カシュミーリー・チリパウダー2.5g、ターメリックパウダー1.5g、トマト150gを加えて混ぜる。ふたをして中火で5分、トマトがくずれるまで蒸し煮にする。

  9. 水で煮る

    水(煮込み用)100mlを加えて混ぜ、ふたをして弱めの中火で10分煮る。

  10. サーグと合わせて煮る

    手順4のサーグとガラム・マサーラー2gを加えてよく混ぜる。ふたをして弱火で15分、焦げつかないように底から2〜3回混ぜながら煮る。いちばん大きな鶏肉を骨に沿って切り、赤い汁や赤い部分が残っていないことを確かめる。温度計があれば、骨に当たらないように刺して中心が75℃以上になっていることを確かめる。赤い汁が出たり、75℃に届かなかったりしたら、ふたをして弱火でさらに5分煮て、もう一度確かめる。

  11. バターをのせる

    火を止め、テージ・パッターとシナモンを取り出す。器に盛り、食塩不使用バター20gをのせる。

マッキー・キー・ローティーやローティー(全粒粉の薄焼きパン)、ナーン、ご飯を添えて食べます。

料理科学:からし菜の辛みを煮てやわらげる

煮ると辛みがやわらぐ

からし菜は、からしやわさびと同じアブラナ科の野菜で、生で刻んだりかんだりすると、ツンとした辛みが出ます。煮ると、この辛みはやわらぎます。

アージ・タクのレシピは、青菜を煮るときはふたを完全には閉めないよう書いています。手順2で、ふたを少しずらしてのせて煮るのはそのためです。

緑がくすむのは、長く煮る料理だから

青菜は、長く加熱すると緑がくすみます。パーラク・パニールでは、ほうれん草を短く煮て色を保ちます。サーグは、からし菜の硬い茎がやわらかくなり、辛みが抜けるまで煮る料理です。ランヴィール・ブラールのサルソン・カー・サーグは1時間煮ます。暗い緑になるのは失敗ではありません。

パーラク・パニールでは、日本のほうれん草のえぐみのもとであるシュウ酸を抜くため、たっぷりの湯で下ゆでします。このレシピは、サンジーヴ・カプールと同じく、青菜を少ない水で煮て、煮汁ごと使います。そのため、ほうれん草のえぐみは、パーラク・パニールより残りやすいと考えられます。

アージ・タクの記事は、味の多くは葉より太い茎から出るとして、茎の多い束を選ぶようすすめています。茎は捨てずに、葉より先に鍋に入れます。

料理科学:コーンミールでサーグをまとめる

でんぷんでとろみをつける

青菜を煮てつぶすと、皿の上で汁と青菜が分かれやすくなります。とうもろこしの粉に含まれるでんぷんは、水と一緒に加熱するととろみをつけます。マッキー・カー・アーター(とうもろこしの粉)を加えると、青菜の水分にとろみがついて、もったりとまとまります。

ヘッバールズ・キッチンとアージ・タクのサルソン・カー・サーグは、どちらも大さじ2のとうもろこしの粉を、つぶしたあとの青菜に加えます。サンジーヴ・カプールのサーグワーラー・チキンも、とうもろこしの粉を加えています。このレシピでアージ・タクのように水で溶いてから加えるのは、だまにしないためです。加えてから5分煮るのは、粉っぽさをなくすためです。

骨付きの鶏肉を使う理由

骨付きの鶏肉を使うと、骨なしの肉で作るより煮汁にこくが出やすくなります。サンジーヴ・カプールのレシピも骨付きの鶏肉を使っています。

地域による違い

パキスタンのレシピには、青菜をペーストにせずに刻んで使うものもあります。ジャングの「パーラク・メーティー・チキン」は、ほうれん草500gを2〜3分ゆでて冷水にとってから細かく刻み、水にさらして刻んだ生のメーティーの葉と一緒に加えます。鶏肉は、肉から出た水分がなくなるまで煮てから青菜を加えます。パキスタンのテレビ局のサイト「マサーラーTV」のチキン・サーグは、ゆでたからし菜とほうれん草を500gずつと、ゆでたメーティーの葉を使い、とうもろこしの粉を加えて30分煮ます。

インドでは、ランヴィール・ブラールの「シャーディー・ワーラー(結婚式風の)パーラク・チキン」のように、ほうれん草を重曹を入れた湯で1分ゆでて、あざやかな緑のペーストにする作り方もあります。ヨーグルトでマサーラーを作り、仕上げににんにくを炒めたギーをかけます。サンジーヴ・カプールのパーラク・チキンは、刻んだ生のほうれん草を、炒めた鶏肉に加えて、くずれるまで炒め煮にします。

手に入りにくい材料の代用

  • からし菜:サルソンの葉は、日本のからし菜と同じアブラナ属の、ツンとした辛みのある青菜です。わさび菜や、漬けていない生の高菜もからし菜の仲間で、同じ量で代用できます。どれも手に入らないときは、小松菜200gと大根の葉(またはかぶの葉)100gを合わせて300gにします。からし菜特有のツンとした香りは弱くなります。
  • コーンミール:製菓材料店などで売っている、細かく挽いたコーンフラワーを同じ量使います。粒の粗いコーングリッツは、5分では粉っぽさが残りやすいので向きません。とうもろこしのでんぷんだけを取り出したコーンスターチとは別のものです。
  • 青唐辛子:生の青唐辛子が手に入らないときは、一味唐辛子0.5g(小さじ1/4)を手順2で加えます。
  • テージ・パッター:シナモンに似た香りのある、インドの木の葉です。手に入らないときは入れなくてかまいません。
  • ブラックカルダモン:燻したような香りのある大きなカルダモンです。手に入らないときは入れずに、グリーンカルダモンを4粒にします。
  • ギー:食塩不使用バターで代用できます。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日
  • 冷凍:1か月。冷蔵庫で解凍してから、焦げつかないように水大さじ2〜3を足して温め直します。サーグだけを手順4まで作って冷凍しておくこともできます

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。