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シュリーカンドShrikhand レシピ

श्रीखंडシュリーカンド

地域
西インド(マハーラーシュトラ・グジャラート)
分量
4人分
公開
金属の皿にのせた器に盛ったシュリーカンド。なめらかな淡い黄色のヨーグルトに、刻んだピスタチオとサフランが散っている。奥にプーリー

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シュリーカンドは、布で水切りした濃いヨーグルトに砂糖を溶かし込み、サフランとカルダモンで香りをつけた、インド西部のデザートです。マハーラーシュトラとグジャラートで親しまれ、揚げたパンのプーリーと一緒に、祭りや結婚式の食卓に並びます。

火はほとんど使いません。その代わりに、ヨーグルトを冷蔵庫で一晩かけて水切りし、砂糖を溶かしてから目の細かいざるで裏ごしします。時間をかけるほど、口の中でとけるような、なめらかで濃い仕上がりになります。

シュリーカンドとは

マラーティー語では「श्रीखंड」と書き、グジャラーティー語でも同じくシュリーカンドと呼びます。グジャラーティー語のレシピには、「シーカンド」と書くものもあります。水切りしたヨーグルトのことを、マラーティー語では「チャッカー」と呼びます。グジャラーティー語の Cookpad のレシピのひとつは、水切りしたヨーグルトを「マスコー」と呼んでいます。グジャラーティー語のレシピサイト、ザトパト・レシピは、シュリーカンドを「マトー」と呼ぶ人も多いと書いています。

名前の由来

ヒンディー語版ウィキペディアは、シュリーカンドという名前は、サンスクリット語の「シカリニー」(ヨーグルトにサフランや果物、ナッツなどの香りの材料を加えたもの)に由来するとしています。乳を意味する「クシール」と、砂糖を意味する「カーンド」から来たという別の説も紹介しています。

マラーティー語のテレビ局サイト、サーム・TVとナーグプルの新聞タルン・バーラトは、アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)ではシュリーカンドを「ラサーラー」や「シカリニー」と呼ぶ、と書いています。両者は、名前の由来として、叙事詩マハーバーラタにまつわる話も書いています。英雄ビーマが「バッラヴァ」という名で料理人をしていたときに初めて作り、それを食べたクリシュナが眠り込んで、シュリー(ここではクリシュナのこと)の日々の務めが途切れた(カンド)ため、シュリーカンドと呼ばれるようになった、という話です。タルン・バーラトは、それをパーンダヴァの兄弟が身分を隠して暮らしていた時期のこととしています。ただし、両者ともマハーバーラタのどの箇所の話かは示していません。この記事では、名前にまつわる言い伝えのひとつとして紹介します。

グディー・パードワーとグジャラートの食卓

サーム・TVは、マラーティー語の新年にあたるグディー・パードワーには、シュリーカンドとプーリーが定番だとしています。サーム・TVとタルン・バーラトによると、この日は家ごとにグディー(竹ざおに絹の布や銅の壺を飾ったもの)を立てて祀り、シュリーカンドをお供えにします。マラーティー語のニュースサイト、アジアネット・ニュース・マラーティーは、グディー・パードワーに合わせて、家庭で作るシュリーカンドとプーリーの作り方を紹介しています。ニュース専門テレビ局ジー24タースのサイトも、グディー・パードワーに向けたシュリーカンドの作り方の記事で、熱いプーリーと一緒に出すようにすすめています。

グジャラートについては、ヒンディー語版ウィキペディアが、プーリーなどと一緒に、またはデザートとして食べられ、グジャラート料理のレストランの菜食の定食ターリーでは主な一品になり、結婚式の披露宴でも主な甘いものとして出される、としています。グジャラーティー語のレシピサイト、ザトパト・レシピは、夏の結婚式などではさまざまな味のシュリーカンドが出されると書いています。

この記事の配合

ヨーグルトと砂糖の割合は、アジアネット・ニュース・マラーティー(ヨーグルト1kgに砂糖200〜250g)と、グジャラーティー語のウェブサイト、ナーラド・ムーニー(ヨーグルト1.5kgに砂糖300g)の間をとり、ヨーグルト800gに砂糖180gとしました。水切りしたチャッカーの重さに対しては、砂糖が半分になります。

水切りは、ナーラド・ムーニーやザトパト・レシピ、ジー24タースにならって冷蔵庫で行います。時間は、アジアネット・ニュース・マラーティーの8〜10時間を目安に、10時間にしました。裏ごしは、マラーティー語のレシピブログ「チャクリー」のように、目の細かいざるで行います。サフランを牛乳に浸してから加える方法は、この記事で読んだマラーティー語とグジャラーティー語のレシピ12本のうち、半数以上に出てきます。

シュリーカンドのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 13時間30分(水切り10時間と冷やす時間を含む) 加熱 1分(牛乳を温める)

スパイスの配合 4人分で計1.1g
  • グリーンカルダモン1g
  • サフラン0.1g

チャッカー(水切りヨーグルト)

  • プレーンヨーグルト(無糖。原材料が生乳・乳製品だけのもの)800g

サフラン液

  • サフラン(ホール)(めしべを乾かした糸状のもの)(Amazon|楽天)0.05g(約20本)
  • 牛乳(成分無調整)15ml(大さじ1)

シュリーカンド

  • グラニュー糖180g
  • グリーンカルダモン(ホール)(Amazon|楽天)5粒(1g)

仕上げ

  • ピスタチオ(無塩・殻なし)(Amazon|楽天)10g

道具

  • ざるとボウル(ざるの底がボウルの底から3cm以上浮く組み合わせ)
  • さらし布(40cm角ほど。厚手のキッチンペーパー2枚重ねでもよい)
  • すり鉢(小さなもの。サフランとカルダモンをすりつぶす)
  • 目の細かいざる(裏ごし用。直径15cm以上)
  • ゴムべら
  • はかり

作り方

  1. 水切りの準備をする

    ボウルにざるを重ね、ざるの底がボウルの底から3cm以上浮くようにする。さらし布は熱湯をかけて冷ましてから、固くしぼって使う。ざるにさらし布(または厚手のキッチンペーパー2枚)を敷き、プレーンヨーグルト800gを入れる。布の端を内側にたたんでかぶせ、全体にラップをかける。

  2. 冷蔵庫で水切りする

    すぐに冷蔵庫に入れ、10時間おく。2時間たったところで一度取り出し、ボウルにたまったホエイ(黄色みのある水分)を捨てて、ざるの底が水分に浸からないようにしてから戻す。水切りのあいだは室温に出しておかない。

  3. チャッカーの固さを確かめる

    布の中のヨーグルトをスプーンですくい、逆さにしても落ちない固さになっていればよい。量ると約360gになる。まだゆるいときは、冷蔵庫でさらに2時間おく。ボウルのホエイはこの記事では使わない。

  4. 砂糖を混ぜて冷蔵庫でなじませる

    チャッカーをボウルに移し、グラニュー糖180gを加えて、ゴムべらで2〜3分、全体に行き渡るまで混ぜる。チャッカーが360gより多いか少ないときは、砂糖をチャッカーの重さの半分にする。ラップをかけ、冷蔵庫で1時間おいて砂糖を溶かす。

  5. サフランをすりつぶす

    砂糖をなじませているあいだに、サフラン0.05gを小さなすり鉢に入れ、すりこぎで軽くすって、粉に近い細かさにする。湿っているときは、火にかけずに乾いた場所に数分おいてからする。すりつぶしたサフランは、小さな耐熱ガラスの器に移す。

  6. 温めた牛乳でサフラン液を作る

    牛乳15mlを耐熱の小さな器に入れ、電子レンジ(600W)で10〜15秒、湯気が立つまで温める。沸騰させない。サフランの器に注ぎ、小皿でふたをして15〜20分おく。

  7. カルダモンを粉にする

    グリーンカルダモン5粒のさやを指で割り、中の黒い種を取り出す。さやは使わない。種をすり鉢で細かい粉になるまでする。

  8. 裏ごしする

    目の細かいざるをきれいなボウルにのせる。砂糖をなじませたチャッカーを3〜4回に分けてざるに入れ、ゴムべらで押しつけて通す。ざるの裏についたものも、ゴムべらでこそげ取って加える。ミキサーにはかけない。

  9. サフランとカルダモンを混ぜる

    裏ごししたチャッカーに、サフラン液15mlをサフランごと加え、カルダモンの粉も加える。全体が均一な淡い黄色になるまで、ゴムべらで混ぜる。

  10. 冷やして盛りつける

    ふたかラップをして、冷蔵庫で2時間以上冷やす。ピスタチオ10gを粗く刻む。冷えたシュリーカンドを器に盛り、ピスタチオを散らす。食べるまでは冷蔵庫に入れておき、室温に長く置かない。

よく冷やして、揚げたてのプーリーと一緒に食べます。

料理科学:水切りでなめらかになる理由

ヨーグルトは、水分を抱えて固まったもの

ヨーグルトは、乳酸菌がつくる酸で牛乳のたんぱく質が固まり、その中に水分を抱えたものです。この水分がホエイ(乳清)です。

布で水切りすると、ホエイが抜けて、たんぱく質と乳脂肪の割合が高くなります。水っぽさが消え、濃くて重い口当たりになるのはこのためです。この記事の配合では、800gのヨーグルトから約440gのホエイが抜け、約360gのチャッカーが残ります。

ただし、水を抜いたチャッカーは固く締まっていて、そのままでは小さなダマが残ります。手順4〜8で、砂糖を溶かしてから裏ごしするのは、このダマをなくして、なめらかにするためです(次の節)。

冷蔵庫で水切りする理由

ジー24タースは、水切りを外に吊るして行うと酸っぱくなるので、必ず冷蔵庫で行うように書いています。ナーラド・ムーニーとザトパト・レシピも、布に包んだヨーグルトを冷蔵庫に入れて4〜5時間水切りしています。

水切りは何時間もかかるので、室温に置くとそのあいだも乳酸菌が働き続け、酸味が強くなります。冷蔵庫に入れておけば乳酸菌の働きが鈍り、ヨーグルトの酸味が変わりにくくなります。

情報源が冷蔵庫をすすめる理由は酸味ですが、この記事では衛生の面も考えて、冷蔵庫で水切りします。加熱しないデザートなので、水切りから食べるまで冷蔵庫に置くことを、この記事の目安にしています。低い温度では、乳酸菌以外の細菌も増えにくくなります。手順2でホエイを捨てるのは、ざるの底がホエイに浸かると、水切りがそこで止まってしまうからです。

料理科学:砂糖をなじませてから裏ごしする

砂糖はチャッカーの水分に溶ける

チャッカーにはまだ水分が残っていて、砂糖はこの水分に溶けます。

ただし、溶けるには時間がかかります。マラーティー語の Cookpad のレシピのひとつは、チャッカーに牛乳と砂糖を混ぜておくと約2時間で砂糖が溶け、それから漉すように書いています。砂糖が溶けきらないうちに裏ごしすると、砂糖の粒が残って、ざらつきやすくなります。手順4で混ぜたあと冷蔵庫で1時間おくのは、砂糖を先に溶かしておくためです。砂糖が溶けると、固かったチャッカーがゆるみ、つやが出てきます。

目の細かいざるでダマをなくす

チャクリーは、シュリーカンドでは口当たりがとても大切だとして、目の細かいざるか、豆のあんを裏ごしする道具(プラン・ヤントラ)でチャッカーを通すように書いています。ざるの細かい目を通ると、チャッカーのダマがほぐれて、全体がなめらかにそろいます。マラーティー語の Cookpad のレシピも、ざるで漉すとダマがほぐれてなめらかになると書いています。

ジー24タースは、ミキサーにかけると液状になりやすいので使わないように注意しています。手順8で、ミキサーではなくざるで裏ごしするのはそのためです。

料理科学:サフランは挽いて、温めた牛乳で引き出す

温めた牛乳に色と香りを移す

サフランは、温めた牛乳に浸しておくと、色と香りが牛乳に移ります。手順6で、牛乳を注いだあと小皿でふたをするのは、香りが湯気と一緒に逃げにくくするためです。

細かくすりつぶしてから牛乳を注ぐ

手順5で、小さなすり鉢で粉に近い細かさにしてから牛乳を注ぐのは、この記事の工夫です。細かくすると牛乳にふれる面が増えるので、糸のままより短い時間で色と香りを引き出せます。

マラーティー語とグジャラーティー語のレシピでは、サフランを温めた牛乳に浸すものが多く、マラーティー語のニュースサイト、DS マラーティーはスプーン1杯の牛乳、チャクリーは大さじ2の牛乳を使っています。グジャラーティー語のウェブドゥニアのように、温かい湯に溶かすレシピもあります。この記事では、チャッカーをゆるめすぎないように、牛乳は大さじ1にとどめます。

地域による違い

マハーラーシュトラ

マラーティー語のレシピには、カルダモンと一緒にナツメグを加えるものがあります。マラーティー語の Cookpad のレシピ2本とサーム・TVのレシピは、ナツメグを入れています。チャクリーのレシピは、チャローリー(ナッツの一種)とピスタチオ、アーモンドを飾ります。

完熟マンゴーの果肉を加えたものは、アームラカンドと呼ばれます。ジー24タースは、混ぜ合わせたシュリーカンドに、マンゴーのピューレを加えて作れると書いています。

タルン・バーラトは、アーユルヴェーダの作り方として、氷砂糖を粉にして加え、はちみつやギー、シナモン、カルダモン、黒こしょう、乾燥しょうがなどを混ぜ、サフラン入りの牛乳をかける作り方を紹介しています。ただし、分量は書いていません。

グジャラート

グジャラーティー語のウェブドゥニアのレシピは、ぶどうやりんご、バナナを混ぜ込みます。ヒンディー語版ウィキペディアは、果物を入れたものをマトーと呼ぶとしています。グジャラーティー語の Cookpad のレシピのひとつは、バラの花びらを飾っています。

ヒンディー語版ウィキペディアは、グジャラートのカンバートでは、シュリーカンドをゆるくのばした「シェドキー」が作られる、とも書いています。

手に入りにくい材料の代用

  • サフラン:代わりになるスパイスはありません。チャクリーやウェブドゥニアのように、食用の色素で色だけをつけるレシピもありますが、サフランの香りは出ません。スーパーのスパイス売り場にある小びんのサフランで作れます。0.05gは計りにくいので、糸を約20本数えて使います。
  • グリーンカルダモン(ホール):カルダモンパウダー0.7g(小さじ1/3)で代用できます。香りは、ホールの種をすりつぶしたものより弱くなります。
  • 無塩のピスタチオ:アーモンドスライス10gで代用できます。塩味のついたピスタチオは使いません。
  • プレーンヨーグルトの水切り:ギリシャヨーグルト360gで代用すると、手順1〜3の水切りを省けます。商品によって固さが違うので、ゆるいものは冷蔵庫で1〜2時間水切りしてから使います。

保存

  • 冷蔵:密閉容器に入れて2日以内。読んだ情報源には保存期間が書かれていないので、これはこの記事の目安です。日がたつと酸味が強くなりやすいので、早めに食べきります
  • ナーラド・ムーニーも、できあがったシュリーカンドは密閉容器に入れて冷蔵庫で冷やすとしています
  • 食べる分だけ器に取り分け、残りはすぐ冷蔵庫に戻します

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。