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ヴェジ・プラーオVeg Pulao レシピ

वेज पुलावヴェジ・プラーオ

地域
北インド(北インド)
分量
4人分
公開
ステンレスの器に盛ったヴェジ・プラーオ。バースマティー米ににんじん、カリフラワー、じゃがいも、グリーンピース、さやいんげん、カシューナッツが混ざり、テージ・パッターとシナモン、カルダモン、パクチーがのっている。奥にラーイター

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ヴェジ・プラーオは、バースマティー米を野菜とホールスパイスと一緒に炊いた、北インドの家庭の米料理です。ギーでクミンやカルダモンの香りを出し、玉ねぎと野菜を炒めてから、浸水させた米と量った水を加えて炊きます。米は一粒ずつほぐれ、スパイスの香りが全体に移ります。

当サイトのチキン・ビリヤーニーの記事では、米をたっぷりの湯でゆでて湯を捨て、肉と重ねて蒸し上げました。この記事のプラーオは、湯を捨てず、重ねもしません。鍋に入れた水を米がすべて吸いきるので、水の量がそのまま炊き上がりを決めます。ここでは、ヒンディー語のレシピにならって厚手の鍋で炊き、圧力鍋で炊く方法は後半で紹介します。

ヴェジ・プラーオとは

プラーオは、ヒンディー語・ウルドゥー語で米をスパイスと一緒に炊いた料理のことです。この記事で参考にしたヒンディー語のレシピ3件は、どれも英語の「ベジ」を借りて「ヴェジ・プラーオ」(वेज पुलाव)と呼んでいます。この記事でも、この名前を使います。英語では「ベジタブル・プラーオ」とも書かれます。

ヒンディー語版ウィキペディアは、プラーオを、米をヤフニー(肉などを煮出しただし)でスパイスや野菜、肉と一緒に炊く料理と説明しています。また、「サブ・サブズィー・プラーオ」(サブは「すべての」、サブズィーは「野菜」)という料理を、北インドのアワド地方の料理として挙げています。

言葉の由来と、料理の起源

ヒンディー語版ウィキペディアは、プラーオという言葉が、サンスクリット語の「プラーカ」(ゆでた米)から来たとしています。英語版ウィキペディアの「ピラフ」の項目も、オックスフォード英語辞典の要約として、英語のピラフ(pilaf)はペルシャ語からトルコ語を経て入った言葉で、ペルシャ語の形はさらにヒンディー語のプラーオ、サンスクリット語のプラーカにさかのぼる、と紹介しています。

一方、料理そのものがいつどこで生まれたかには、諸説があります。同じ項目によれば、インドの食物史家K・T・アチャヤは、古いサンスクリット語の文献に、米料理を指す「プラーオ」「パッラーオ」という言葉が出てくるとしました。食物史家のチャールズ・ペリーは、この説を「神話」と呼び、古代インドにプラーオの痕跡はないとしています。ペリーによれば、ピラフは10世紀より後にアラブの東部で生まれた料理です。インドの食の歴史の本を書いたコリーン・テイラー・セーンは、16世紀初めにペルシャのサファヴィー朝の宮廷で生まれたのかもしれないとし、米を先にギーで炒めてから弱火でゆっくり炊く作り方は、のちにムガル帝国とともにもたらされたのだろう、と書いています。

プラーオとビリヤーニーは何が違うのか

この二つの違いは、説明する人によって力点が変わります。

英語版ウィキペディアのビリヤーニーの項目は、次のような説明を紹介しています。料理書の著者プラティバー・カランは、二つの呼び名は区別なく使われることも多いとしたうえで、ビリヤーニーは米の層で肉の層をはさんで重ねるのに対し、プラーオは重ねない、と構造の違いを挙げます。カランはまた、いまの使われ方では、ビリヤーニーが食事の主役で、プラーオは添え物になることが多く、スパイスもビリヤーニーのほうが複雑で強い、としています。デリーの歴史家ソハイル・ハシュミーは、プラーオのほうが素朴な味だと述べています。コリーン・テイラー・セーンは、二つは見分けがつかないこともあるとしたうえで、プラーオは一つの鍋で炊き、ビリヤーニーは米と肉を別々に調理することがある、と違いを挙げています。

インドの料理人クナール・カプールは、自分のサイトで、違いを肉の扱いに見ています。カプールの説明では、プラーオは、肉を炒めずにスパイスや脂と一緒に煮て、そこに浸水させた米を加え、ふたをして弱火で肉の味を吸わせる料理です。ビリヤーニーは、名前のもとになった「ビリヤーン・カルダン」(炒める、火を通す)という言葉のとおり、肉をスパイスと一緒に脂で炒めてから米を加える料理です。肉と米を重ねるようになったのは、ビリヤーニーを大量に作るためだった、とも書いています。カプールは、どちらもダム(鍋を密閉し、上と下から熱を加える調理法)で仕上げるのがよいとしています。

当サイトのチキン・ビリヤーニーの記事で紹介したラクナウのビリヤーニーは、先に米をギーとスパイスで炊いてピラフにし、別に作った肉のカレーと重ねてからダムで仕上げます。カランの「重ねるかどうか」という見方ではビリヤーニーですが、カプールは、アワド地方のビリヤーニーはヤフニー・プラーオ(肉のだしで炊くプラーオ)に近い、とも書いています。

この記事のヴェジ・プラーオは、カランやセーンが挙げる点でいえば、重ねずに一つの鍋で炊くプラーオです。当サイトのハイダラーバードのチキン・ビリヤーニーのように、米をゆでて湯を捨てることもしません。

ヴェジ・プラーオのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 40分(米を浸す時間を含む) 加熱 45分(蒸らす時間を含む)

スパイスの配合 4人分で計6.3g
  • クミン2.5g
  • シナモン1g
  • ブラックカルダモン1g
  • グリーンカルダモン0.6g
  • テージ・パッター0.5g
  • クローブ0.4g
  • 黒こしょう0.3g

米の下ごしらえ

  • バースマティー米(Amazon|楽天)300g
  • 水(米を洗う)1.5L(500ml×3回)
  • 水(米を浸す)1L

野菜

  • にんじん80g(中1/2本)
  • さやいんげん50g(6〜7本)
  • じゃがいも100g(小1個)
  • カリフラワー(小房に分けた正味)100g
  • グリーンピース(冷凍なら凍ったまま)60g
  • 玉ねぎ150g(中3/4個)
  • 青唐辛子2本(10g)
  • しょうが(すりおろし)5g(小さじ1)
  • にんにく(すりおろし)5g(小さじ1)

ギーとホールスパイス

  • ギー(Amazon|楽天)26g(大さじ2)
  • カシューナッツ(食塩不使用)15g(約10粒)
  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)2.5g(小さじ1)
  • テージ・パッター(ホール)(インドのベイリーフ)(Amazon|楽天)2枚(0.5g)
  • シナモン(ホール)(Amazon|楽天)1本(3cm・1g)
  • グリーンカルダモン(ホール)(Amazon|楽天)3粒(0.6g)
  • ブラックカルダモン(ホール)(Amazon|楽天)1個(1g)
  • クローブ(ホール)(Amazon|楽天)4粒(0.4g)
  • 黒こしょう(ホール)(Amazon|楽天)6粒(0.3g)

炊く

  • 水700ml
  • 塩12g(小さじ2)

仕上げ

  • パクチー(コリアンダーの葉)5g(大さじ2)

道具

  • 厚手の鍋(ふたがぴったり閉まるもの・直径20〜22cm・容量3L前後)
  • ボウル
  • ざる
  • 平たいへら

作り方

  1. 米を洗って浸す

    ボウルにバースマティー米300gを入れ、水500mlを注いで指先で軽く混ぜ、水を捨てる。これを3回くり返す(計1.5L)。水1Lに30分浸す。米は折れやすいので、こすり合わせない。

  2. 野菜を切る

    米を浸しているあいだに、にんじん80gを1cm角、さやいんげん50gを2cm長さ、じゃがいも100gを皮をむいて1.5cm角に切る。カリフラワー100gは2〜3cmの小房にする。玉ねぎ150gは縦に薄切りにし、青唐辛子2本は縦に切り込みを入れる。パクチー5gは刻む。洗った野菜は、水気をよく拭いておく。グリーンカルダモン3粒とブラックカルダモン1個は、さやに切れ目を入れておく。

  3. カシューナッツを炒める

    換気扇を回しておく。厚手の鍋にギー26gを入れて弱めの中火で溶かし、カシューナッツ15gを1〜2分、薄いきつね色になるまで炒めて取り出す。ギーは鍋に残す。

  4. ホールスパイスの香りを出す

    同じ鍋にクミン2.5gを入れ、細かい泡が立って色が少し濃くなるまで20〜30秒加熱する。テージ・パッター2枚、シナモン1本、グリーンカルダモン3粒、ブラックカルダモン1個、クローブ4粒、黒こしょう6粒を加え、香りが立つまで30秒混ぜる。焦げると苦くなるので、煙が出る前に次へ進む。

  5. 玉ねぎを炒める

    玉ねぎ150gと青唐辛子2本を加え、中火にして6〜8分、縁が薄いきつね色になるまで炒める。しょうが5gとにんにく5gを加えて1分炒める。

  6. 野菜を炒める

    にんじん、さやいんげん、じゃがいも、カリフラワーを加え、中火で2〜3分、ギーとスパイスをからめるように炒める。野菜に水気が残っているとギーがはねるので、顔を近づけない。グリーンピース60gを加えて混ぜる。

  7. 米をギーにからめる

    浸しておいた米をざるにあげ、5分おいて水気を切る。鍋に加え、へらで底から大きく返すように1分混ぜて、米の表面にギーをからめる。米が折れるので、かき回しすぎない。

  8. 水と塩を加えて煮立てる

    水700mlと塩12gを加えて強火にする。蒸気が勢いよく上がるので、顔を近づけない。沸騰したら一度だけ底から大きく混ぜ、中火にして、ふたをせずに4〜6分煮る。水面が米の表面まで下がり、表面にぷつぷつと小さな穴があいてきたら次へ進む。

  9. ふたをして弱火で炊く

    ふたをして、ごく弱火で12分加熱する。途中でふたを開けない。

  10. 蒸らしてほぐす

    火を止め、ふたをしたまま10分おく。米を1粒取って指でつぶし、芯が残っていたら、ふたをしてさらに5分おく。へらを鍋の縁から底まで差し入れ、米を下から持ち上げるようにして、ほぐす。器に盛り、カシューナッツとパクチーを散らす。ホールスパイスは、食べるときによける。

ヒンディー語の新聞パンジャーブ・ケーサリーのレシピは、ブーンディー・ラーイター(小さな揚げ玉を入れたヨーグルト)やパーパド(豆の粉の薄焼き)、酢漬けの玉ねぎを添えるよう勧めています。

料理科学:米を洗って浸す理由

浸水で、芯まで先に水を入れておく

米は、外側から少しずつ水を吸います。30分浸しておくと、加熱の前に中心まで水が入り、外と中の火の通りがそろいやすくなります。参考にしたレシピの浸水は20〜30分でした。

洗って表面のでんぷんを落とす

精米した米の表面には、削れたでんぷんの粉がついています。これが炊く水に溶けると、のりのように粒どうしをくっつけます。手順1で米を3回洗うのは、このでんぷんを落とすためです。

バースマティー米は、炊くと縦に長く伸びる米です。乾いた状態でも細長く、こすり合わせると折れます。折れた粒は断面からでんぷんが出てべたつくので、洗うときも混ぜるときも、指先やへらで軽く扱います。

米をギーで炒める理由

手順7で米をギーにからめるのは、パンジャーブ・ケーサリーのレシピにならったものです。アージ・タクの記事は、クナール・カプールの米の炊き方を紹介するなかで、ギーを加えると米がくっつきにくいとしています。

料理科学:水の量の決め方

水は「米が吸う分」と「湯気で逃げる分」

プラーオは湯を捨てない炊き方です。鍋に入れた水は、最後には米に吸われるか、湯気になって鍋の外へ逃げるかのどちらかです。米が吸う量は米の種類と量で決まるので、水の量の違いは、ほとんどが逃げる湯気の量の違いです。

アージ・タク(ヒンディー語のテレビのニュース局のサイト)の記事で、クナール・カプールは、米を炊くときの水の量を、米1カップに対して鍋なら水2カップ、圧力鍋なら水1カップと、鍋によって分けています。ふたをせずに煮る時間があり、ふたのすき間からも湯気が抜ける鍋では、密閉された圧力鍋より多くの湯気が逃げます。そのぶん、水が多く要ります。

圧力鍋で炊くプラーオのレシピの水の量には幅がありました。パンジャーブ・ケーサリーは米2カップに水3.5カップ、アージ・タクのもう一つの記事は米1カップに水1.5カップ、ヘッバールズ・キッチンは米1カップに水2カップです。鍋で炊くプラーオのレシピ2件(ヘッバールズ・キッチン、サンジーヴ・カプール)は、クナール・カプールの鍋の場合と同じく、米1に対して水2でした(カップで量った体積の比)。

この記事では、この「米1:水2」より少しだけ水を減らしています。浸水で米がすでに水を吸っていること、ふたがぴったり閉まる厚手の鍋を使うこと、炒めた野菜からも水分が出ることが理由です。カップは国や家庭で容量が違うので、米は重さで量ります。

塩は炊く水に入れる

湯を捨てないので、炊く水に入れた塩は、すべて米と野菜に残ります。手順8で水と一緒に塩を入れて混ぜておくと、米が水を吸うのと一緒に、塩味が全体に均一に入ります。

水面が下がるまでふたをしない

手順8で、ふたをせずに煮るのは、クナール・カプールがアージ・タクの記事で米の炊き方として紹介している方法にならったものです。カプールは、水が米の層と同じ高さに下がるまでふたをせず、そのあとふたをして15分ほど炊くよう勧めています。

水面が米の表面まで下がると、表面に小さな穴があきます。米のすき間を湯気が抜けてきた跡です。ここでふたをして弱火にすると、鍋の中に残った水が湯気になって米のすき間を上り、上のほうの米も湯気で炊き上がります。

火を弱くするのは、鍋底の水がなくなったあとに米が焦げつくのを防ぐためです。アージ・タクのもう一つの記事も、煮立ったら火を弱めるよう勧めています。

火を止めてから10分蒸らす

火を止めた直後の米は、表面がまだ湿っていて、粒がもろい状態です。ふたをしたまま置いて蒸らしてから、ほぐします。すぐにほぐすと、湿った粒どうしがくっついたり折れたりします。

作り方の違い

香草のペーストやトマトを入れる

インドのレシピサイト「ヘッバールズ・キッチン」のヒンディー語のレシピの一つは、パクチーとミント、しょうが、にんにく、青唐辛子、ホールスパイス、フェンネルをすりつぶしたペーストを加え、トマトも入れて炊きます。圧力鍋のレシピでは、トマトのほかにパニール(インドのフレッシュチーズ)、ガラム・マサーラー、レモン汁も加えています。

玉ねぎもしょうがも使わない

料理家サンジーヴ・カプールの英語のレシピは、ギーは大さじ1と少なく、ホールスパイスはクミン、黒こしょう、カルダモン、クローブ、ベイリーフです。玉ねぎもしょうがもにんにくも使わず、炒めたスパイスと野菜に米と水を加えて炊きます。

ターハリー

クナール・カプールは、北インドのウッタル・プラデーシュ州でよく食べられる菜食の米料理として、ターハリーを挙げています。野菜をホールスパイスとパウダースパイス、ヨーグルト、揚げ玉ねぎで半分ほど煮てから、浸水させた生の米と水を加え、ダムで炊き上げます。野菜の煮方はビリヤーニー、米と野菜を重ねずに混ぜて炊くところはプラーオに近い料理だ、と説明しています。

手に入りにくい材料の代用

  • バースマティー米:日本の米は粘りが強く、炒めて炊くと粒がくっつきます。タイのジャスミンライスでも作れますが、バースマティー米ほど長く伸びず、やわらかく炊き上がります。浸水を15分にし、手順8の水を600mlに減らします。
  • テージ・パッター:インドのベイリーフで、シナモンの仲間の葉です。ローリエ1枚で代用できます。香りは少し変わります。
  • ブラックカルダモン:大きな茶色いカルダモンで、いぶしたような香りがあります。なくても作れます。その場合は、ほかの材料は変えません。
  • ギー:食塩不使用バターを使います。バターは水分と乳のたんぱく質を含み、焦げやすいので、手順3〜4の火を少し弱めます。
  • 青唐辛子:生のものがなければ、冷凍の青唐辛子を使います。辛くしたくなければ、入れなくても作れます。ししとうでは辛みがつきません。
  • 野菜:カリフラワーやさやいんげんがないときは、同じ重さのにんじんやグリーンピースを増やします。玉ねぎ以外の野菜の合計が390gになるようにすると、水の量を変えずに炊けます。

圧力鍋で炊くとき

手順7までを圧力鍋で行います。手順8で、水を550mlに減らし、塩は同じ12gを加えます。沸騰したら一度だけ底から大きく混ぜ、すぐにふたをして中火にかけます。圧力がかかったら(おもりが振れる、またはピンが上がる)火を止めます。笛のつく圧力鍋なら、笛が1回鳴ったところで火を止めます。

圧が自然に下がるまで、ふたを開けずに置きます。圧が下がりきる前にふたを開けると、中身が噴き出すので、必ずピンが下がったのを確かめてから開けます。そのあとは手順10の「ほぐす」から同じです。圧力鍋は湯気がほとんど逃げないので、鍋より水を減らしています。米と水の量が、取扱説明書にある上限を超えないようにします。

保存

  • 冷蔵:浅い保存容器に薄く広げて1時間以内に冷まし、冷蔵庫で1日。米には加熱しても死なない細菌の芽胞が残ることがあり、室温に置くと芽胞から菌が育って増えるためです。温め直すときは中まで熱くし、温め直しは1回だけにします。1人分に水15mlを振り、ラップをして電子レンジで温めます
  • 冷凍:1人分ずつラップで包んで1か月。凍ったまま、同じように水を振って電子レンジで温めます

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。