トップ / 北インド

メーティー・マラーイー・パニールMethi Malai Paneer レシピ

मेथी मलाई पनीरメーティー・マラーイー・パニール

地域
北インド(北インド)
分量
4人分
公開
槌目の金属の器に盛ったメーティー・マラーイー・パニール。角切りのパニールが黄みがかったクリーム色のグレービーに沈み、生クリームとメーティーの葉が散っている。奥に重ねたローティー

この記事はAmazonアソシエイト・楽天アフィリエイトのリンクを含みます。

メーティー・マラーイー・パニールは、生のメーティー(フェヌグリークの葉)とパニール(インドの生チーズ)を、カシューナッツと生クリームのまろやかなグレービー(とろみのあるソース)で煮た料理です。ほろ苦い葉の香りを、クリームのこくと少しの甘みが包みます。ヒンディー語のニュース局のサイトでは、メーティーがたくさん出回る冬の料理として紹介されています。

メーティーは、刻んで塩水に15分浸け、固く絞ってから使います。さらに先に炒めて取り出しておき、トマトを炒め終えてからグレービーに戻します。生クリームとパニールは最後に加えて、煮立てずに短く温めます。

メーティー・マラーイー・パニールとは

ヒンディー語ではデーヴァナーガリー文字で「मेथी मलाई पनीर」と書きます。メーティーはフェヌグリーク、マラーイーはクリーム、パニールは牛乳を酸で固めて水気を絞ったチーズのことです。インドの料理サイト「ヘッバールズ・キッチン」のヒンディー語のレシピは、「メーティー・パニール」という呼び方も題に並べています。

葉のメーティーと、クリームのマラーイー

ヒンディー語版のウィキペディアは、メーティーの葉はサーグ(青菜のおかず)に、種子はスパイスに使うとしています。この料理のメーティーは葉のほうです。

マラーイーは、ウルドゥー語・ヒンディー語の辞書サイト「レフター」によると、牛乳を沸かしたときに表面にできる厚い層のことです。同じ辞書のヒンディー語の説明には、ものごとのいちばんよい部分という意味も載っています。ヘッバールズ・キッチン、シェ・シュチ、アージ・タクの2026年のレシピは、生クリームの代わりにマラーイーを使ってもよいとしています。

北インドの冬の料理として

今回読んだ情報源は、いつ、誰が作り始めた料理なのかには触れていません。ヘッバールズ・キッチンはこのレシピに北インド・パンジャーブ・ラージャスターンの分類を付けています。英語でレシピを紹介するインドの料理家ダサナー・アミットは、北インド・パンジャーブの料理に分類しています。シェフのランヴィール・ブラールとダサナー・アミット、料理研究家タルラー・ダラールのレシピサイトは、「レストラン風」として紹介しています。

ヒンディー語のニュース局「アージ・タク」のサイトの2022年のレシピは、冬には市場にメーティーがたくさん出回るとして、この料理を冬の特別な一品として紹介しています。

この記事の作り方

インドで生まれ育ったシュチ・アグラワールのレシピサイト「シェ・シュチ」のヒンディー語のレシピを骨格にしています。玉ねぎ、しょうが、青唐辛子を生のままペーストにしてバターかギーで炒め、メーティーと粉のスパイス、カシューナッツのペースト、トマトのピューレの順に炒めます。生クリームと水で煮て、砂糖で味を整え、パニールを加えて2分煮る作り方です。

この記事では、ここに次の点を加えました。

  • メーティーの下処理:シェ・シュチは下処理を書いていません。ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語のレシピにならって、刻んだ葉を塩水に15分浸けて絞り、先に約2分炒めて取り出します。グレービーに戻すのも、ヘッバールズ・キッチンと同じくトマトを炒めたあとです(シェ・シュチはトマトより前に入れます)。
  • にんにく:シェ・シュチは使いませんが、ヘッバールズ・キッチン、アージ・タクの2つのレシピ、ダサナー・アミット、タルラー・ダラールのレシピは使います。シェ・シュチは、にんにくを使うなら玉ねぎと一緒にひくとしているので、玉ねぎのペーストに入れます。
  • ターメリックとガラム・マサーラー:ターメリックはヘッバールズ・キッチンとダサナー・アミットのレシピから取りました。ガラム・マサーラーは、シェ・シュチのようにメーティーと一緒に炒めず、ヘッバールズ・キッチンやダサナー・アミットのように最後に振ります。
  • カスーリー・メーティー:仕上げに乾燥したメーティーの葉を少し加えるのは、アージ・タクの2026年のレシピにならいました。

メーティー・マラーイー・パニールのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 30分(メーティーを塩水に浸ける時間を含む) 加熱 35分

スパイスの配合 4人分で計8.3g
  • コリアンダー2g
  • カシュミーリー・チリ1.3g
  • クミン1g
  • シナモン1g
  • ガラム・マサーラー1g
  • ターメリック0.7g
  • グリーンカルダモン0.4g
  • テージ・パッター0.3g
  • クローブ0.3g
  • カスーリー・メーティー0.3g

メーティー

  • メーティー(生のフェヌグリークの葉)(太い茎を除いた、葉と柔らかい茎)100g
  • ギー(メーティーを炒める)(Amazon|楽天)13g(大さじ1)

メーティーの下ごしらえ用

  • 水(メーティーを洗う。1回分)1L
  • 水(メーティーを浸ける)240ml
  • 塩(メーティーを浸ける塩水用)4g(小さじ2/3)

玉ねぎのペースト

  • 玉ねぎ(ざく切り)150g(中3/4個)
  • しょうが(皮をむいて薄切り)10g(2.5cm角)
  • にんにく10g(2片)
  • 青唐辛子(生のもの)2本(6g)

トマトのピューレ

  • トマト(ざく切り)150g(中1個)

カシューナッツのペースト

  • カシューナッツ(素焼き・食塩不使用)(Amazon|楽天)20g(約13粒)
  • 熱湯(カシューナッツを浸ける。浸け汁ごと使う)60ml

ホールスパイス

  • ギー(Amazon|楽天)26g(大さじ2)
  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • テージ・パッター(インドのベイリーフ)(Amazon|楽天)1枚(0.3g)
  • シナモン(ホール)(Amazon|楽天)2.5cm(1g)
  • クローブ(ホール)(Amazon|楽天)4粒(0.3g)
  • グリーンカルダモン(ホール)(Amazon|楽天)2粒(0.4g)

粉のスパイス

  • ターメリックパウダー(Amazon|楽天)0.7g(小さじ1/4)
  • カシュミーリー・チリパウダー(Amazon|楽天)1.3g(小さじ1/2)
  • コリアンダーパウダー(Amazon|楽天)2g(小さじ1)

煮る

  • 砂糖3g(小さじ1)
  • 塩7.5g(小さじ1と1/4)
  • 水200ml

仕上げ

  • 生クリーム(乳脂肪分35%以上)100ml
  • パニール(2cm角に切る)(Amazon|楽天)250g
  • ガラム・マサーラー(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • カスーリー・メーティー(Amazon|楽天)0.3g(小さじ1)

道具

  • ハンドブレンダー(ミキサーでもよい)(Amazon|楽天)
  • 厚手の鍋(ふたつき・直径22〜24cm)
  • ボウル
  • ざる

作り方

  1. メーティーを洗う

    メーティーは根と太い茎を除き、葉と柔らかい茎を摘んで100gにする。ボウルに水1Lを張ってメーティーを入れ、ゆすって泥を落とし、ざるにあげる。水を替えて、ボウルの底に砂が残らなくなるまで2〜3回洗う。

  2. 塩水に浸けて絞る

    メーティーの水気を切り、細かく刻む。ボウルに水240mlと塩4gを入れて溶かし、メーティーを浸けて15分おく。両手で固く握って水気を絞り、塩水は捨てる。

  3. カシューナッツを浸ける

    メーティーを浸けている間に、カシューナッツ20gを熱湯60mlに浸けて10分おく。

  4. ペーストを作り、パニールを切る

    青唐辛子はへたを取る。玉ねぎ150g、しょうが10g、にんにく10g、青唐辛子2本をハンドブレンダーでなめらかなペーストにする。水は加えない。トマト150gは別にピューレにする。カシューナッツは浸け汁ごとなめらかなペーストにする。パニール250gを2cm角に切る。冷凍のパニールは、冷蔵庫で解凍しておく。

  5. メーティーを炒めて取り出す

    厚手の鍋にギー13gを中火で熱し、絞ったメーティーをほぐして入れる。2分ほど、かさが減ってしんなりするまで炒め、皿に取り出す。

  6. ホールスパイスを炒める

    同じ鍋にギー26gを中火で熱し、クミン(ホール)1g、テージ・パッター1枚、シナモン2.5cm、クローブ4粒、グリーンカルダモン2粒(さやに切り目を入れる)を入れる。クミンの色が濃くなり、香りが立つまで30秒〜1分炒める。

  7. 玉ねぎのペーストを炒める

    玉ねぎのペーストを加える。水分が多く、熱いギーに入れると油がはねるので、鍋から顔を離して入れる。中火で8〜10分、水分が飛んで薄いきつね色になるまで、混ぜながら炒める。

  8. 粉のスパイスとトマトを炒める

    弱火にし、ターメリックパウダー0.7g、カシュミーリー・チリパウダー1.3g、コリアンダーパウダー2gを加え、焦がさないように混ぜながら10〜20秒炒める。すぐにトマトのピューレを加えて中火に戻す。ふつふつとはねるので、ふたを半分ずらしてのせる。ときどき混ぜながら5〜6分、ぽってりして、縁から油がにじみ出るまで炒める。

  9. カシューナッツのペーストを炒める

    カシューナッツのペーストを加え、弱めの中火で2〜3分炒める。鍋底に焦げつきやすいので、底から混ぜ続ける。

  10. メーティーを戻して煮る

    取り出したメーティー、砂糖3g、塩7.5gを加えて混ぜ、1分炒める。水200mlを加えて混ぜ、煮立ったら弱めの中火にし、ふたをせずに3分煮る。

  11. 生クリームとパニールを加える

    弱火にし、生クリーム100mlを混ぜながら加える。パニールを加え、くずさないように静かに混ぜる。煮立てないようにして2〜3分、パニールが中まで温まるまで煮る。

  12. 仕上げる

    火を止め、ガラム・マサーラー1gを振り、カスーリー・メーティー0.3gを手のひらでもみながら加えて混ぜる。テージ・パッターとシナモンは取り出す。

ローティー(全粒粉の薄焼きパン)やチャパーティー、パラーター(ギーや油を塗って重ね焼きにした全粒粉のパン)、ナーン、ご飯を添えて食べます。

メーティーを塩水に浸けて、先に炒める理由

塩水に浸けて、苦みを和らげる

刻んだメーティーを塩水に浸けると、葉がややしんなりして、絞ると水が出ます。

ヘッバールズ・キッチンは、メーティーの葉を少なくとも15分浸けないと、カレーに苦みが出ることがあるとしています。アージ・タクの2026年のレシピも、刻んだメーティーを塩水に10分浸けてよく絞り、油で軽く炒めてからグレービーに加えると、苦みがなくなるとしています。手順2で塩水を固く絞って捨てるので、塩水の塩気が鍋に入りすぎることもありません。

ヘッバールズ・キッチンとシェ・シュチが加える砂糖小さじ1も、ヘッバールズ・キッチンによると、塩と一緒に、メーティーの苦みを釣り合わせるために加えるものです。一方、タルラー・ダラールは、メーティーの苦みが食欲をそそる、この料理の持ち味だとしています。この記事の塩水の濃さと浸ける時間は、ヘッバールズ・キッチンの塩水の濃さと、最短の15分にならいました。

先に炒めて、かさと水分を減らす

葉野菜は加熱するとしんなりして、水が出て、かさが大きく減ります。手順5でメーティーを先に炒めておくと、この水分の多くは、グレービーに戻す前に出ていきます。ヘッバールズ・キッチンも、メーティーをかさが減るまで約2分炒めてから取り出しています。同じサイトのメーティー・マタル・マラーイー(グリーンピースのクリーム煮)のレシピは、メーティーを2〜3分炒めると苦みが減るとしています。

トマトを炒めてから戻す

手順10でトマトを炒め終えてからメーティーを戻すのは、ヘッバールズ・キッチンの順にならったものです。メーティーをトマトより先に入れるシェ・シュチの作り方より、メーティーに火が入る時間が短くなります。

生クリームとパニールを最後に入れる理由

生クリームは、煮立てずに

牛乳は、酸と一緒に加熱すると固まって、ぽろぽろと分離することがあります。パニールも、牛乳を酸で固めて作るチーズです。ヘッバールズ・キッチンは牛乳を加えるとき、火を弱くしないと牛乳が分離するとしています。アージ・タクの2026年のレシピも、クリームを加えたら混ぜ続けて、グレービーが分離するのを防ぐとしています。

この記事では牛乳を使わず、生クリームを、弱火にしてから加えます。生クリームを入れたあとは、強く煮立てないようにします。

パニールは煮すぎない

パニールは、グレービーで煮ても溶けずに角が残ります。パニールを最後に加えて2〜3分温めるだけにするのは、硬くしないためです。ダサナー・アミットは、温め直すとパニールが噛みごたえのある硬さになることがあるので、熱いうちに出すよう勧めています。シェ・シュチは、パニールが硬いときは、ぬるま湯に10分ほど浸けてから使うとしています。

ヘッバールズ・キッチンは、グレービーは冷めるととろみが増すので、少しゆるめに仕上げるとよいとしています。手順10と11で煮詰めすぎないようにします。

家庭や店による違い

今回読んだレシピには、次のような違いがありました。

  • カシューナッツを使わない:今回読んだメーティー・マラーイー・パニールのレシピ7つのうち、カシューナッツを使わないのはヘッバールズ・キッチンだけでした。玉ねぎとトマトのグレービーに、牛乳とマラーイー(生クリーム)を加えてまろやかにします。
  • 白っぽいグレービー:ヘッバールズ・キッチンのメーティー・マタル・マラーイーは、ターメリックと唐辛子の粉を入れず、玉ねぎとカシューナッツのペーストとクリームで、薄いクリーム色のグレービーにします。著者は、メーティー・マラーイー・パニールとグレービーの土台はほぼ同じで、パニールのほうはターメリックと唐辛子で赤みがかった黄色になると説明しています。
  • ペーストを炒めてからひく:タルラー・ダラールとダサナー・アミットのレシピは、玉ねぎ、トマト、しょうが、にんにく、青唐辛子、カシューナッツを先に炒めてから、ペーストにします。
  • ヨーグルトのグレービー:ランヴィール・ブラールのレストラン風は、玉ねぎとカシューナッツを砂糖を入れた湯で煮てペーストにし、ヨーグルトと一緒に煮てからこします。別の鍋でメーティーとパニールを炒めてグレービーと合わせ、乾燥した赤唐辛子をギーで熱して上からかけます。
  • グリーンピースやおろしたパニール:ヘッバールズ・キッチンは、グリーンピースを加えると「メーティー・マラーイー・マタル・パニール」になるとしています。パニールを角切りにせず、すりおろして作る方法も紹介しています。

手に入りにくい材料の代用

  • 生のメーティー(カスーリー・メーティーで作る):カスーリー・メーティーは、メーティーの葉を乾燥させたものです。アージ・タクの農業ニュースによると、名前は現在のパキスタンのパンジャーブ州にある町、カスールに由来します。ダサナー・アミットは、ぎゅっと詰めて1カップ(約40g)の生のメーティーの代わりに、カスーリー・メーティー大さじ2を使うとしています。この記事の生のメーティー100gなら、カスーリー・メーティー5g(大さじ5)です。手順1・2・5は行わず、メーティーを炒めるギー13gも使いません。シェ・シュチのレシピのように、手順8で粉のスパイスと一緒に、手のひらでもみくだきながら加えます。手順10ではメーティーを戻さずに、砂糖と塩を加えます。塩は7.5gのままにします。ダサナー・アミットは、カスーリー・メーティーには苦いものもあるので、半分の量にしてもよいとしています。
  • 冷凍のメーティー:日本では、インドの食材店で冷凍の刻んだメーティーが売られていることがあります。ヘッバールズ・キッチンは、冷凍の葉でも作れるとしていますが、量の換算は書いていません。この記事では、冷凍のメーティーを冷蔵庫で解凍して水気を固く絞り、生と同じ重さの100gを目安にします。冷凍のメーティーの量を重さで示した情報源は見つからなかったので、解凍した葉の香りを見て加減してください。手順2の塩水に浸けるところから同じように使います。
  • パニール:牛乳で作れます。作り方はパーラク・パニールの記事で紹介しています。
  • カスーリー・メーティー(仕上げ用):乾燥したフェヌグリークの葉です。入れなくても作れますが、仕上げの香りは弱くなります。
  • カシューナッツ:塩味のついたものしかないときは、さっと水で洗って表面の塩を落とし、キッチンペーパーで水気をふいてから使います。
  • テージ・パッター:シナモンの仲間の木の葉です。ローリエ1枚で代用できますが、香りは違うものになります。
  • カシュミーリー・チリパウダー:色が濃く、辛さは穏やかな唐辛子の粉です。パプリカパウダーを同じ量使います。
  • 青唐辛子:生の青唐辛子が手に入らないときは、一味唐辛子0.5g(小さじ1/4)を手順8で粉のスパイスと一緒に加えます。
  • ギー:食塩不使用バターで代用できます。シェ・シュチのレシピは、バターかギーを使います。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日。温め直すとパニールが硬くなりやすいので、弱火で混ぜながら短く温めます
  • 冷凍:手順9までのグレービーの状態で1か月。冷蔵庫で解凍して温め直してから、手順10〜12を行います(メーティーは作る日に手順1・2・5で用意します)

北インドのほかのレシピ

もっと知りたい人へ

  • ハロルド・マギー『マギー キッチンサイエンス』食材と加熱の仕組みを広く扱う、料理科学の定番Amazonで見る楽天で見る

出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。