タンドゥーリー・ジーンガーTandoori Jhinga レシピ
तंदूरी झींगाタンドゥーリー・ジーンガー

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タンドゥーリー・ジーンガーは、ヨーグルトとスパイスの衣に漬けたえびを、タンドゥール(炭火で熱する壺型の窯)で焼く料理です。2回に分けて下味をつける流れはタンドゥーリー・チキンと同じですが、えびは漬ける時間も焼く時間もずっと短く、思い立ってから1時間半ほどで焼き上がります。
家庭では、タンドゥールの代わりにオーブンを最高温度にして、10分ほどで一気に焼きます。衣には、油で炒めたベサン(ひよこ豆の粉)とアジョワンという種のスパイスを入れます。色は食用色素ではなく、カシュミーリー・チリでつけます。
タンドゥーリー・ジーンガーとは
ヒンディー語では「タンドゥーリー・ジーンガー」(तंदूरी झींगा)と書きます。タンドゥーリーは「タンドゥールで焼いた」、ジーンガーはえびのことです。英語では「タンドゥーリー・プローンズ」とも呼ばれます。
タンドゥールで焼くえび
ヒンディー語版ウィキペディアは、タンドゥールを、中央アジア・南アジア・西アジアやコーカサス地方で使われている、土で作った調理の道具と説明しています。英語版ウィキペディアによると、パンジャーブ地方では村の共同のタンドゥールが多く見られました。1947年のインドとパキスタンの分離独立のあと、パンジャーブのシク教徒やヒンドゥー教徒がデリーなどに移り住み、タンドゥールの料理が広く知られるようになったとしています。窯の中は480℃に達することがある、とも書いています。
タンドゥールで焼く鶏肉の料理、タンドゥーリー・チキンについては、サウジアラビアの会社が発行するウルドゥー語のニュースサイト、ウルドゥー・ニューズが、クンダン・ラール・グジュラールがペシャーワルで、それまでパンを焼くためだけに使われていたタンドゥールに、ヨーグルトをつけた鶏肉を入れて焼いたのが始まりだと伝えています。詳しくはタンドゥーリー・チキンの記事で紹介しています。
えびのタンドゥーリーがいつ、誰によって作られたのかは、この記事で読んだ情報源には書かれていませんでした。英国の料理雑誌フード・アンド・トラベルは、レシピの見出しで、この料理に「Punjabi prawns」(パンジャーブのえび)と添えています。
本場の作り方
ヒンディー語やウルドゥー語で書かれたえびのタンドゥーリーのレシピは、この記事のために探した範囲では見つけられませんでした。そのため、えびのレシピは英語で書かれた2件を読み、ウルドゥー語のレシピは魚のタンドゥーリーを参考にしました。この記事で読んだえびと魚のタンドゥーリーのレシピは、合わせて3件です。
- サンジーヴ・カプール(インドの料理家):4人分で大きなえび12〜16尾を、尾を残して使います。1回目は塩とレモン汁、しょうがとにんにくのペーストで漬けます。2回目は、油でターメリック、カシュミーリー・チリ、ガラム・マサーラー、ベサンを炒め、火を止めて水切りヨーグルトとしょうがとにんにくのペーストを混ぜた衣で30分漬けます。250℃のオーブンで8〜10分焼きます。
- マリカ・バス:マリカ・バスの料理書『Masala』から、フード・アンド・トラベルが英語で紹介したレシピです。頭と殻のついた大きなえび1kgを、から煎りしたコリアンダーとクミン、にんにく、しょうが、ギリシャヨーグルト、カスーリー・メーティー(乾燥したフェヌグリークの葉)などの衣で2時間漬けます。最も強くしたグリルで5分焼きます。
- ウルドゥーポイント(パキスタンのウルドゥー語のサイト):えびではなく魚のタンドゥーリーです。サーモン500gに、レモン汁、にんにく、しょうが、ガラム・マサーラー、砕いたアジョワン、唐辛子を塗り、サワークリームを重ねて30分(冷蔵庫なら3時間)漬けます。炭火か家庭のグリルで、ギーか油を塗りながら6〜7分焼きます。
3件とも、食用色素は使っていません。
この記事の配合
サンジーヴ・カプールのレシピを土台にしました。ベサンとスパイスを油で炒めて衣に混ぜること、漬け時間を30分からにすること、250℃で合わせて8〜10分焼くことは、このレシピにならっています。漬け時間の上限は、マリカ・バスのレシピの2時間です。
1回目を塩とレモン汁とカシュミーリー・チリにして、しょうがとにんにくを2回目に回したのは、このサイトのタンドゥーリー・チキンや、ヒンディー語のレシピサイト、パクワーン・ガリーのタンドゥーリー・チキンと同じ2段の漬け方にそろえるためです。アジョワンはウルドゥーポイントの魚のタンドゥーリーから、カスーリー・メーティーはマリカ・バスのレシピから取りました。油は、タンドゥーリー・チキンと同じマスタードオイルを使います。
ヨーグルトは、カプールのレシピの1カップより少なくしています。1回目の下味を冷蔵庫で10分おく時間と、焼いている途中で返してギーを塗る時間の分け方は、この記事の目安です。
タンドゥーリー・ジーンガーのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 1時間(漬け込みを含む) 加熱 25分
- カシュミーリー・チリ5g
- ガラム・マサーラー1.5g
- アジョワン1g
- ターメリック0.8g
- カスーリー・メーティー0.5g
えび
- えび(殻つき・頭なし、大きめのもの(ブラックタイガーなど))600g(16尾前後。殻をむいて約480g)
炒ったベサンとスパイス
下味(2回目)
仕上げ
- レモン(くし形に切る)1/2個
道具
- 網つきの天板
- 小さなフライパン
- トング
作り方
えびの下ごしらえをする
えび600gの殻をむき、尾は残す。背に浅く切り目を入れて背わたを除く。水で洗い、キッチンペーパーで水気をよくふく。
1回目の下味をつける
ボウルにえびを入れ、塩2.5g、カシュミーリー・チリパウダー2.5g、レモン汁15mlを加えて全体にからめる。冷蔵庫で10分おく。
ベサンとスパイスを炒める
換気扇を回す。小さなフライパンにマスタードオイル13gを入れ、中火でうっすら煙が出るまで熱する。弱火にしてアジョワン1gを入れ、10秒混ぜる。ベサン15gを加え、1〜2分、香ばしい香りが立ってうっすら色づくまで混ぜる。火を止め、ターメリックパウダー0.8g、カシュミーリー・チリパウダー2.5g、ガラム・マサーラー1.5gを加えて、焦がさないように10秒混ぜる。皿に移して5分冷ます。
2回目の下味をつける
別のボウルにギリシャヨーグルト100g、しょうが10g、にんにく10g、手順3の炒ったベサンとスパイスを油ごと入れ、カスーリー・メーティー0.5gを手のひらでもみながら加えて、なめらかになるまで混ぜる。えびを1回目の下味ごと加え、1尾ずつ衣がつくようにからめる。冷蔵庫で30分〜2時間おく。
オーブンを予熱して並べる
換気扇を回し、オーブンを最高温度(250℃前後)で15分以上予熱する。天板にアルミホイルを敷いて網をのせる。えびを重ならないように、間隔をあけて網に並べる。ギー13gを溶かしておく。
焼いて、返してギーを塗る
上段で6分焼く。天板は熱いので、厚手のミトンで取り出す。トングでえびを裏返し、溶かしたギー13gを塗って、さらに2〜4分、ところどころに焦げ目がつくまで焼く。いちばん太いえびを1尾切り、中まで白く不透明になっていれば焼き上がり。半透明なところが残っていれば、1分ずつ焼き足して、もう一度確かめる。
仕上げる
すぐに器に盛り、レモン1/2個をくし形に切って添える。
焼きたてにレモンを搾って、前菜として、またはナーンと一緒に食べます。
料理科学:えびは漬け時間も焼き時間も短くてよい
えびは身が細い
骨付きの鶏もも肉は、厚いところで3〜4cmあります。そのため、タンドゥーリー・チキンでは骨に届く切り込みを入れ、4時間〜一晩漬けます。大きめのえびは、いちばん太いところでも1.5〜2cmほどです。身が細いので、衣が触れる表面の近くが、身の中で占める割合が大きくなります。えびに切り込みを入れず、漬け時間をカプールのレシピの30分から、マリカ・バスのレシピの2時間までにしているのはそのためです。
えびは短い時間で火が通る
身が細いぶん、えびは短い時間で中まで火が通ります。骨付きの鶏もも肉をオーブンの最高温度で焼くと30〜35分かかりますが、えびは、カプールのレシピのとおり250℃で8〜10分ほどです。
焼きすぎたえびは、縮んで硬くなります。手順6で焼き時間を短く区切り、いちばん太いえびを1尾切って、中まで白く不透明になったところで取り出すのはそのためです。衣の色が濃いので、表面の色だけでは火の通りを見分けられません。
料理科学:短い時間で焼き色をつける
えびは数分で中まで火が通るので、その間に表面に焼き色をつけなければなりません。焼き色と香ばしい香りは、たんぱく質と糖が反応するメイラード反応で生まれます。表面に水分がある間は、温度は水が沸く100℃前後から上がりにくく、焼き色はつきにくくなります。
水気をふき、ベサンで衣を締める
手順1でえびの水気をよくふくのは、表面の水分を減らして、早く温度を上げるためです。衣に水切りした濃いヨーグルトを使うのも、同じ理由です。
衣に加えるベサンは、ヨーグルトの水分を吸って、衣がえびの表面にとどまりやすくなります。
手順3で、アジョワンを熱したマスタードオイルに先に入れるのは、香りを油に移すためです。
間隔をあけて、大きめのえびを使う
材料を詰め込みすぎると、出てきた水分で蒸したようになり、焼き色がつきにくくなります。手順5で、えびが重ならないように間隔をあけて網に並べるのはそのためです。
大きめのえびを使うのも、焼き色のためです。太いえびほど中まで火が通るのに時間がかかり、そのぶん表面に焦げ目をつける時間ができます。小さいえびは、焦げ目がつく前に中まで火が通りすぎやすくなります。
作り方の違い
- 殻と頭をつけたまま焼く:マリカ・バスのレシピは、頭と殻をつけたまま漬けて焼きます。殻つきで焼くときは、殻をむくのは食べるときです。この記事では、衣が身に直接つくように殻をむきます。
- から煎りしたスパイスを使う:マリカ・バスのレシピは、コリアンダーとクミンの種をから煎りして、にんにくやしょうがと一緒にペーストにします。
- 魚で作る:ウルドゥーポイントのタンドゥーリー・マチリー(魚のタンドゥーリー)は、サーモンの切り身で作ります。アジョワンとサワークリームを使い、炭火で返しながら焼きます。
魚焼きグリルで焼く
オーブンがないときは、魚焼きグリルでも焼けます。換気扇を回し、網にアルミホイルを敷いて、溶かしたギー13gのうち3gを塗ってから、えびを間隔をあけて並べます。
下の時間は、情報源にない、この記事の目安です。グリルの火力は機種によって違うので、焼き色を見て決めます。
- 両面焼きのグリル:中火で5〜7分焼きます。途中で一度、残りのギーを塗ります
- 片面焼きのグリル:中火で4〜5分焼き、トングで返して残りのギーを塗り、さらに2〜3分焼きます
庫内が狭く熱源が近いので、オーブンより焦げやすくなります。焦げ目が濃くなってきたら、アルミホイルをかぶせます。焼き上がりは、オーブンと同じように、いちばん太いえびを1尾切って確かめます。
手に入りにくい材料の代用
- カシュミーリー・チリパウダー:色が濃く、辛さは穏やかな唐辛子の粉です。パプリカパウダーを同じ量使い、辛みを足したいときは一味唐辛子を小さじ1/4まで加えます。
- マスタードオイル:サラダ油で代用できます。煙が出るまで熱する必要はなく、中火で温めてから手順3に進みます。マスタードオイル特有のツンとした香りはなくなります。
- アジョワン:香りの似た乾燥タイム小さじ1/2(0.5g)で代用できます。手順3では、焦げないように火を止めてから加えます。
- ベサン:薄力粉15g(大さじ2弱)を同じように炒めて使えます。豆の粉の香ばしさはなくなります。
- カスーリー・メーティー:乾燥したフェヌグリークの葉です。代わりになるものがないので、手に入らなければ省きます。
- ギリシャヨーグルト:プレーンヨーグルト200gを、キッチンペーパーを敷いたざるにのせて冷蔵庫で6時間〜一晩水切りすると、約100gの濃いヨーグルトになります。
- ギー:食塩不使用バターを溶かして使います。
- えび:冷凍の殻つきえびは、冷蔵庫でゆっくり解凍し、水気をよくふいてから使います。むきえびで作るときは480gにして、手順1の背わたを除くところから進めます。
保存
- 冷蔵:保存容器に入れて2日。温め直すとえびが硬くなりやすいので、フライパンに入れて弱火で1〜2分、短く温めます
- 冷凍:焼いたえびは食感が変わりやすいので、冷凍しません
北インドのほかのレシピ
もっと知りたい人へ
出典
- UrduPoint「Tandoori Machli Recipe In Urdu - Recipe No. 7036」(ウルドゥー語)
- Pakwan Gali「तंदूरी चिकन」(ヒンディー語)
- Urdu News「دہلی کی پہچان ’دال مکھنی‘ اور ’چکن مکھنی‘ کا خالق کون ہے؟」(ウルドゥー語)
- Wikipedia「तंदूर」(ヒンディー語)
- Sanjeev Kapoor「Tandoori Prawns」(英語)
- Food and Travel「Tandoori jhinga (smoky charred Punjabi prawns)」(英語)
- Wikipedia「Tandoor」(英語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。