モモMomo レシピ
मःमモモ

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モモは、小麦粉の薄い皮でひき肉の具を包んで蒸す、ネパールの蒸し餃子です。カトマンズでは軽食の定番で、辛いアチャール(薬味)につけて食べます。この記事では、具の肉を、カトマンズ盆地でいちばん売れているとされる水牛の肉(バフ)にします。
具は、水牛のひき肉に玉ねぎ、青ねぎ、パクチー、しょうが、にんにくとクミン、黒こしょうを混ぜ、水を含ませます。アチャールは、煮たトマトと、煎ったごま、ティムル(ネパールの山椒)をすりつぶして作ります。日本では水牛の肉が手に入りにくいので、牛ひき肉などで作るときの注意を、代用の節にまとめました。
モモとは
ネパール語では「मःम」と書き、モモと読みます。ネパールのニュースサイトでは、途中の記号を省いた形など、いくつかのつづりが使われています。皮で包んだ具を蒸す料理で、具は肉のほか野菜でも作ります。
ネワールの商人とチベット
モモがどこから来たかについては、ネパールの記事のあいだでも書き方が分かれます。
ニュースサイト「オンラインカバル」で、マニシャ・タパは、かつて交易のためにチベットへ通ったネワールの商人が、モモをネパールにもたらしたと考えられている、と書いています。ネワールは、カトマンズ盆地に古くから暮らす人びとです。同じサイトでスミトラ・ルイテルは、モモをチベットの料理とし、ネワールの商人がカトマンズに持ち帰って、カトマンズの人びとは14世紀の初めから食べてきたとしています。商人たちが自分のかまどで作ったので、味と形が少し変わったとも書いています。
ネパールの経済ニュースサイト「アルタ・サロカール」の記事は、ネワールの商人がチベットから持ち帰ったのは約60年前だとしています(記事は2017年のもの)。この記事によると、チベットのモモは細長く、ネパールのモモは丸い形です。ネワールの商人が丸い形に変え、ネパールのスパイスと玉ねぎを使い、アチャールを添えるようになったことで、ネパールのモモができたとしています。
オンラインカバルのスダルシャン・アルヤルは、モモをヒマラヤで生まれた料理とし、ネワール語の呼び名がネパール中に広まるうちに「モモ」になったと書いています。ネワール語の呼び名は、記事によってつづりが少しずつ違い、ローマ字に直すと mamacha や momocha などになります。
冬のごちそうから、町の軽食へ
アルヤルの記事で、ラリトプルのマンガル・バザールで38年にわたってネパール料理の店を営むグナグニ・シャキャは、8歳ごろに初めてモモを食べ、祖父はそれより70年ほど前に食べていたと話しています。シャキャは、150年前からのモモの歴史を聞いているとしながら、正確な時期は言えないとも話しています。
アルヤルによると、モモはもともと冬の料理で、秋の大祭ダサインとティハールのあとから、1月中旬のマゲ・サンクランティまでが季節でした。暑い雨季に食べるものではないとされていたそうです。誰もが作れる料理ではなく、作る家でも季節に4〜5回ほどだったといいます。モモを作るときにはマスタードオイルを使い、スパイスにはガラム・マサラを使っていました。蒸し上がったモモはサラノキ(サル)の葉にのせて食べ、1皿は10個でした。カトマンズ盆地でモモが売られるようになったのは40年足らず前で、母親たちが通りや広場にかまどを出して売ったのが始まりだと、アルヤルは書いています。
オンラインカバルのシヴ・ムキヤは、カトマンズの人気店「ナーラーヤン・ダイのモモ」を紹介しています。ダイは「兄さん」という意味です。記事は、62年前のカトマンズでは、マサン・ガッリという路地の名前を聞くだけで多くの人の口につばがわいたと書き出し、それはダージリンから来たラクシュミーナーラーヤン・マハルジャンのモモがあったからだとしています。記事によると、それまでのモモは小さく、トマトのアチャールにつけて食べるものでした。マハルジャンは、穴をあけたふたと大きな鍋を用意して、一度にたくさん蒸せるようにしたそうです。
水牛の肉のモモ
アルタ・サロカールの記事では、店を営む人たちの話として、カトマンズ盆地でいちばん売れるのはバフ・モモ(水牛の肉のモモ)で、野菜、鶏、パニール(インドやネパールの生チーズ)、マトンと続くとしています。タパも、バフ・モモをカトマンズならではのものとしています。ルイテルが紹介したカトマンズの人気店10軒のうち、2軒は蒸したバフ・モモだけを出しています。
鶏のモモは、アルタ・サロカールの記事で、カトマンズのレストラン「ナンガロ」を営むシャムスンダル・カクシャパティが、記事の時点で約25年前に自分たちが出し始めたと話しています。
この記事の配合
ネパール語で分量まで書いたモモのレシピは、今回見つけられませんでした。配合は、ネパールの文化や料理を英語で紹介するサイト「ImNepal」で、ジテンドラ・サハヨギが書いたバフ・モモのレシピを土台にしました。ネパール料理を紹介する医師サリーナのレシピサイト「junifoods」のレシピと、ネパール語の情報源で補っています。
- 具:サハヨギのレシピの、水牛のひき肉500gに玉ねぎ、しょうが、にんにく、パクチー、クミン、黒こしょう、油を混ぜる配合です。ネパールのニュースサイト「クリックマンドゥ」が具の材料に挙げる青ねぎを加えました。油は、アルヤルの記事にならってマスタードオイルにし、ガラム・マサラを少し加えています。
- 水:サハヨギは、具がぱさつくようなら水か肉のだしを少し足すとしています。サリーナの鶏のモモは、ひき肉500gに水1/2カップを混ぜます。この記事では、水60mlを含ませます。
- 皮:サハヨギのレシピは小麦粉に塩とぬるま湯でこねます。サリーナは、水を少しずつ加え、べたつきすぎない生地にするよう書いています。カップで量る粉の重さはぶれやすいので、この記事では粉300gにぬるま湯165mlとしました。
- 数:アルヤルの記事の「1皿10個」にならい、4人分で40個にしました。
- アチャール:サハヨギがモモのアチャールとして載せる、トマト、乾燥赤唐辛子、にんにく、煎ったごまとクミンシード、レモン汁、パクチーの配合をもとにしました。サリーナが、肉の料理やモモなどに合うとするトマトとごまのアチャールから、ティムルとしょうがを加え、トマトの煮方とすりつぶす順番もサリーナにならっています。
モモのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 1時間30分(生地を休ませる30分を含む) 加熱 45分(2回に分けて蒸す)
- クミン3g
- 黒こしょう2g
- ガラム・マサーラー1g
- 赤唐辛子0.6g
- ティムル0.5g
皮の生地
- 中力粉300g
- 塩2g(小さじ1/3)
- ぬるま湯(40℃くらい)165ml
打ち粉
- 中力粉30g
具
蒸す
- 水(蒸し器の鍋に1.5L、足し湯用に500ml)2L
- サラダ油(2段の蒸し板に塗る)4.5g(小さじ1)
アチャールのトマト
- トマト400g(中3個)
- 水45ml(大さじ3)
アチャールのペースト
作り方
生地をこねて休ませる
ボウルに中力粉300gと塩2gを入れて混ぜる。ぬるま湯165mlを3〜4回に分けて加え、そのつど手で混ぜてひとまとめにする。台に出して8〜10分、なめらかで弾力が出て、手につかなくなるまでこねる。ボウルに戻して固く絞ったぬれぶきんかラップをかけ、30分休ませる。
アチャールのトマトを煮る
生地を休ませているあいだにアチャールを作る。トマト400gはへたを取って横半分に切る。小鍋に水45mlとトマトを切り口を下にして入れ、ふたをして中火で5分、トマトがやわらかくなるまで煮る。ボウルに煮汁ごと移し、手で触れる温度まで冷めたら皮をむく。煮汁は捨てない。
ごまとクミンシードを煎る
小さなフライパンに白ごま18gを入れ、油をひかずに弱めの中火で2〜3分、ゆすりながら薄いきつね色になるまで煎る。ごまははねるので、顔を近づけない。最後の30秒でクミンシード1gを加え、香りが立ったらすぐ皿に広げて冷ます。
アチャールを仕上げる
ティムル0.5gは指先でつぶし、中の黒い種と小枝を取り除く。赤唐辛子2本はへたを取ってちぎる。すり鉢で、冷めたごまとクミンシードを粉になるまですりつぶす。赤唐辛子、ティムル、にんにく10g、しょうが5gを加え、ペーストになるまですりつぶす。トマトを煮汁ごと加え、塩4g、レモン汁15ml、パクチー5gを入れて、ハンドブレンダーでなめらかになるまで回す。器に移して冷ましておく。
具を混ぜる
大きなボウルに水牛のひき肉500g、玉ねぎ200g、青ねぎ30g、パクチー10g、しょうが15g、にんにく15g、クミン(パウダー)2g、黒こしょう2g、ガラム・マサラ1g、塩9g、マスタードオイル13gを入れ、手で粘りが出るまでよく混ぜる。水60mlを3回に分けて加え、そのつど水が見えなくなるまで混ぜる。ラップをして冷蔵庫で20分おく。生の肉を触った手とボウルの外側は、すぐに石けんで洗う。
皮をのばす
台に打ち粉の中力粉を薄く振り、生地を1分こね直す。4等分して、それぞれ太さ3cmほどの棒にのばし、10等分に切る(全部で40個、1個約11g)。切り口を下にして手のひらで押しつぶし、めん棒で直径8〜9cmの円にのばす。縁は中心より薄くする。のばした皮には打ち粉を振り、乾かないようにふきんをかけておく。
包む
皮を手のひらにのせ、中央に具を約21g(大さじ1と1/2弱)のせる。親指で具を押さえながら、もう一方の手で縁に小さなひだを寄せていき、ひだを中心に集めて丸い形にする。最後に頂点をしっかりつまんで、すき間なく閉じる。打ち粉を振ったバットに並べる。残りも同じように包む。
蒸し器を用意する
蒸し器の鍋に水1.5Lを入れてふたをし、強火で沸かす。2段の蒸し板にサラダ油4.5gを薄く塗る。足し湯用の水500mlは、やかんで沸かしておく。
蒸す
モモの半量(20個)を2段に分け、ふくらむぶん2cmほど間隔をあけて並べる。鍋から湯気が勢いよく上がっていることを確かめてから段を重ね、ふたをして強火で12〜15分蒸す。皮が少し透き通り、箸で押すと弾力があればよい。ふたを開けるときは鍋つかみを使い、ふたの奥側から持ち上げて、湯気が顔と手にかからないようにする。段は熱いので、鍋つかみで持つ。
火の通りを確かめる
上の段から、いちばん大きいモモを1個取り出して半分に切り、具の中まで色が変わって赤い部分がなく、出てくる汁が透明なことを確かめる。料理用温度計があれば具の中心に刺し、75℃以上になっていれば、さらに1分蒸してから取り出す。足りなければ2〜3分ずつ蒸して、もう一度確かめる。残りの20個も同じように蒸す。2回目の前に鍋の湯が半分より減っていたら、沸かしておいた足し湯を注ぐ。熱いうちに、手順4のアチャールを添える。
蒸したてを、アチャールにつけて熱いうちに食べます。
料理科学:具の中心まで蒸し上げる
蒸し器の中は湯気で満たされ、モモの表面は100℃前後の湯気で温められます。皮に包まれた具には外側から熱が伝わるので、中心が温まるのはいちばん最後です。具を大きくすると、皮がやわらかくなっても中心が生のまま残ることがあります。手順7で具の量を約21gにそろえ、手順9で間隔をあけて並べるのは、どのモモにも同じように火を通すためです。
日本の厚生労働省は家庭向けの資料で、ハンバーグを例に、ひき肉に付いた病原体は中心部まで入ってしまうと説明しています。そのうえで、多くの病原体は75℃で1分以上の加熱で死滅するとし、肉汁が透明になり、中心部の色が変わるまで加熱するよう勧めています。アルタ・サロカールの記事でも、公衆衛生の栄養士アルナ・ウプレティが、よく火の通っていないモモの肉には、腸にすむ寄生虫の卵がいるおそれが大きいと注意しています。
サハヨギのレシピも、蒸し上がったら1個を取り出し、肉に火が通っていることを確かめるとしています。手順10で切って確かめるのはそのためです。
料理科学:ごまを先にすりつぶす理由
サリーナのトマトとごまのアチャールでは、煎ったごまを先にすりつぶし、しょうが、にんにく、唐辛子を加えてペーストにしてから、トマトを加えます。トマトの汁が入ると、ごまをむらなくすりつぶしにくくなるからだと説明しています。手順4で、ごまとクミンシードを粉にしてから香味を加え、最後にトマトを入れるのはそのためです。
ごまは、サリーナもサハヨギも煎ってから使います。煎ると香ばしい香りが立ちますが、粒が小さいので焦げやすく、手順3では弱めの中火で、色を見ながら煎ります。
家庭や店による違い
- 鶏や野菜のモモ:サリーナの鶏のモモは、具にキャベツ、コーンスターチ、溶かしバターかギー、醤油、砂糖、コリアンダーとシナモン、クローブも加えます。クリックマンドゥの記事は、具の材料に、ごま油、薄口醤油、白こしょう、好みでティムルの粉を挙げています。店では、おいしくするためにうまみ調味料や脂などを混ぜていると書き、家で具を作る方法を紹介しています。クリックマンドゥは、モモの具を肉でも野菜でも「キマ」と呼んでいます。ネパールのひき肉の料理はマース・コ・キマの記事にあります。
- 形と食べ方:サハヨギのモモは、ひだを寄せた丸い形です。サリーナは、半分に折って縁を押さえる半月形も紹介しています。アルヤルの記事には、蒸したモモのほか、コテ・モモ、フライド・モモ、チリ・モモ、ジョル・モモなどの名前が挙がっています。ジョル・モモは、汁気の多いアチャールにモモを浸して食べるものです。サリーナのカトマンズ風のジョルは、大豆、ピーナッツ、ごまを煎って粉にし、炒めた玉ねぎとトマト、水と合わせて作ります。
- アチャール:ムキヤの記事によると、ナーラーヤン・ダイは、ごまとパクチーのアチャールに、ラプシ(酸味の強いネパールの果実)の酸味を混ぜて、汁気のあるアチャールにしました。また、トマトのアチャールをやめて、ラプシと大豆のアチャールにしたそうです。直火で皮を黒く焼いたトマトを、ごまを入れずにティムルとすりつぶすアチャールは、ゴルベラ・コ・アチャールの記事にあります。この記事のアチャールは、トマトを煮てから煎ったごまと合わせるので、焦げた香りはなく、ごまのこくがあって、なめらかに仕上がります。
手に入りにくい材料の代用
- 水牛のひき肉:日本ではほとんど売られていません。牛ひき肉を同じ量使います。サリーナのレシピのように、鶏ひき肉でも作れます。どのひき肉でも、手順10で火の通りを確かめます。
- マスタードオイル:サラダ油を同じ量使います。マスタードオイルのツンとした香りはなくなります。
- ガラム・マサラ:サリーナのレシピにならい、シナモン(パウダー)0.5gとクローブ(パウダー)0.5gで代用できます。
- ティムル:同じ山椒の仲間の花椒(ホール)を同じ量使い、黒い種を取り除きます。粉山椒なら0.3g(小さじ1/8)を、手順4で塩と一緒に加えます。
- 赤唐辛子(ホール):一味唐辛子0.5g(小さじ1/4)で代用できます。
- 中力粉:強力粉と薄力粉を150gずつ混ぜて使います。
保存
- アチャール:清潔な密閉容器に入れて冷蔵で3日(この記事の目安)。取り分けるときは、乾いた清潔なスプーンを使います
- 蒸したモモ:粗熱を取ってすぐに冷蔵し、翌日まで。食べるときは、蒸し器で中心まで熱くなるまで5〜7分蒸し直します(この記事の目安)
- 包んだ生のモモ:打ち粉をしたバットに間隔をあけて並べて冷凍し、凍ったら保存袋に移して1か月(この記事の目安)。凍ったまま蒸し器に並べ、20〜25分蒸します(サリーナのジョル・モモのレシピの目安)。手順10と同じように火の通りを確かめます
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出典
- Onlinekhabar「खाना संस्कृति : यसरी पाक्न थाल्यो नेपालीको चुल्होमा मःम」(ネパール語)
- Onlinekhabar「स्वादिष्ट मःमका लागि प्रख्यात काठमाडौंका १० ठाउँ」(ネパール語)
- Onlinekhabar「काठमाडौं घुम्न आउँदै हुनुहुन्छ ? यी ठाउँ र व्यञ्जन खास हुनसक्छ」(ネパール語)
- Onlinekhabar「६२ वर्षदेखि उही ‘ब्रान्डेड’ स्वाद : नारायण दाइको मःम」(ネパール語)
- Artha Sarokar「खाजाको राजा मःम, काठमाडौँमा दैनिक दुई करोडको बिक्छ !」(ネパール語)
- Clickmandu「स्वादिष्ट र स्वस्थकर मःम बनाउने किमा यसरी घरमै बनाउनुहोस् (भिडियोसहित)」(ネパール語)
- ImNepal「Buff Momo Recipe: Authentic Nepali Buffalo Dumplings with Spicy Achar」(英語)
- junifoods「Chicken Momo Restaurant Style (Kukhura ko Momo) कुखुराको म:म:」(英語)
- junifoods「Tomato and Sesame Chutney (Golbheda ra Til ko Achar) गोलभेडा र तिल को अचार」(英語)
- junifoods「Kathmandu Jhol Momo काठमाडौँ झोल मोमो」(英語)
- 厚生労働省「お肉はしっかり加熱してね!」(日本語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。