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ハリームHaleem レシピ

حلیمハリーム

地域
パキスタン(パキスタン)
分量
6人分
公開
金属の器に盛ったハリーム。なめらかに練り上げた表面にギーがにじみ、揚げ玉ねぎ、ミント、パクチー、青唐辛子、しょうがのせん切りが散っている。縁にくし形のレモン、奥にナーン

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ハリームは、小麦と大麦、何種類かの割り豆、肉を、それぞれ柔らかくなるまで煮てつぶし、ひとつの鍋で練り上げた料理です。スプーンですくうと、とろりと重く、ほぐれた肉の繊維が全体に散っています。

食べる直前に、揚げた玉ねぎ、せん切りのしょうが、青唐辛子、ミント、パクチーをたっぷりのせ、レモンを搾ります。前の日に麦と豆を水に浸し、当日は4時間ほど煮込みますが、手間の大半は鍋を見ながら待つ時間です。ここでは、パキスタンの新聞やレシピサイト、料理チャンネルのレシピにならい、牛肉で作ります。

ハリームとは

ウルドゥー語では「حلیم」と書きます。パキスタンのニュースサイト ProPakistani の食の欄 FoodNama で、アリーナ・ムバーリクは、名前はアラビア語で「忍耐強い」という意味で、長い時間をかけて煮ることから来ている、と説明しています。バングラデシュの英字新聞デイリー・スターの記事も、ハリームはアラビア語で「忍耐強い」という意味だとしています。

アラブのハリースから

デイリー・スターや ProPakistani の記事が、ハリームの祖先、またはもとの料理として挙げるのが、アラブ世界の料理ハリース(ハリーサ)です。アラブ・ニュースのパキスタン版は、ハリースを、ゆでて粗くひいた小麦を肉と合わせた料理と説明しています。

  • アラブ・ニュースのパキスタン版で、ナイマト・ハーンは、ハリースは中東で最も古い料理の一つで、10世紀のバグダードでまとめられた料理書にすでに出てくると書いています。17世紀に中東からの移住者がインド亜大陸のデカン地方、ハイダラーバードにこの料理を伝え、その子孫が1947年の分離独立のあとカラチに移った、としています。この記事はハリースについての記事で、ハリームには触れていません。
  • ProPakistani のアリーナ・ムバーリクは、ハリームは数世紀前にアラブで生まれ、ムガル帝国の時代に、アフガニスタンとイランを経てハイダラーバードに伝わった、と書いています。ハリームの最初のレシピは10世紀にさかのぼり、ハリースと呼ばれていた、ともしています。
  • デイリー・スターで、スブハブラタ・マイトラは、ハリームにはアラブのハリーサという祖先があり、その名前は、肉を大麦や小麦と一緒につくことを指すアラビア語から来ていると説明しています。ハリーサは船乗りや兵士の食事で、アラブの商人とともにインド南西部のマラバール海岸に伝わったと考える歴史家もいる、と紹介しています。また、ハイダラーバードの藩王ニザームの軍に仕えるためにインドに来たアラブの兵士(多くはイエメン出身)が兵舎に住んでいたことにも触れています。

伝わった時期や道筋は、書き手によって違います。

パキスタンのハリーム

パキスタンのウルドゥー語の新聞ジャングの記事は、ハリームを、柔らかくて消化がよいので、ラマダーン(断食月)に特に向いている料理として紹介しています。ProPakistani も、ハリームはいまもパキスタンで最も豪華な料理の一つとされている、と書いています。

今回読んだパキスタンのレシピでは、肉は牛肉か鶏肉でした。牛肉のハリームのレシピは3件で、ジャングに載った「シャーヒー(王様風)・ハリーム」、パキスタンのレシピ投稿サイト Hamariweb のウルドゥー語のレシピ、パキスタンの料理チャンネル、マサーラーTVのサイトにある料理家シーリーン・アンワルのレシピです。ほかに、ジャングの鶏肉のハリームを2件読みました。ProPakistani は、牛肉、マトン、鶏肉のどれでも作るとしています。

この記事の配合

麦と豆の種類は、今回読んだ5件のレシピの多数派にならいました。小麦とチャナー・ダール(割ったひよこ豆)は5件すべてが使い、マスール(レッドレンズ豆)とマーシュ(ウラド・ダール)は4件、大麦は3件が使っています。ほかに、ムング豆やアルハル(トゥール・ダール)、米を加えるレシピもあります。

作り方の流れは、シーリーン・アンワルのレシピをもとにしました。麦と豆を別々に一晩水に浸し、別々に柔らかく煮てから、つぶします。肉はスパイスと煮て柔らかくしてから、麦と豆と合わせ、30分以上練ります。最後に熱したギーをかけます。玉ねぎをきつね色に揚げて半分を薬味に取り分け、残りでスパイスと肉を炒めるのは、ジャングのシャーヒー・ハリームにならいました。

肉はシーリーン・アンワルのレシピではハンドブレンダーでつぶしますが、この記事では、繊維が残るようにフォークでほぐしてから練ります。薬味のチャート・マサーラー(黒塩の入った酸味のあるミックススパイス)は、シーリーン・アンワルのレシピでは練る工程で混ぜますが、この記事では食べる直前に振ります。

肉と、麦と豆の合計の割合は、今回読んだ牛肉のレシピの1対0.7〜1.25の範囲で、やや少なめの1対0.9にしました。唐辛子の粉は、シーリーン・アンワルのレシピ(肉1kgに大さじ3)より控えめにして、辛さは薬味の青唐辛子で足します。塩の量、水の量、煮る時間は、この記事で決めました。

ハリームのレシピ:材料(6人分)

下ごしらえ 8時間20分(浸水を含む) 加熱 4時間

スパイスの配合 6人分で計17.9g
  • 赤唐辛子5g
  • コリアンダー4g
  • ガラム・マサーラー3g
  • チャート・マサーラー2.4g
  • クミン2g
  • ターメリック1.5g

麦と豆を浸す

  • 小麦(粒)(粉にひいていない小麦の粒。「手に入りにくい材料の代用」を参照)(楽天)120g
  • 押し麦(大麦。ウルドゥー語でジャウ)60g
  • 水(麦の浸水用)600ml
  • チャナー・ダール(皮をむいて割った小粒のひよこ豆)(Amazon|楽天)80g
  • レッドレンズ豆(皮なしの挽き割り。ウルドゥー語でマスール)(Amazon|楽天)50g
  • ウラド・ダール(皮なしの挽き割り。ウルドゥー語でマーシュ)(Amazon|楽天)50g
  • 水(豆の浸水用)500ml

麦を煮る

  • 水(麦を煮る用)1.2L

豆を煮る

  • 水(豆を煮る用)500ml

揚げ玉ねぎ

  • サラダ油90g(100ml)
  • 玉ねぎ(薄切り)250g(中1個強)

肉を煮る

  • しょうが(すりおろし)(生をすりおろしたもの)10g(小さじ2)
  • にんにく(すりおろし)(生をすりおろしたもの)10g(小さじ2)
  • レッドチリパウダー(唐辛子だけの粉)(Amazon|楽天)5g(小さじ2)
  • ターメリックパウダー(Amazon|楽天)1.5g(小さじ1/2)
  • コリアンダーパウダー(Amazon|楽天)4g(小さじ2)
  • クミンパウダー(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • 水(スパイス用)30ml(大さじ2)
  • 牛すね肉(骨なしのかたまり)400g
  • 塩(肉用)10g(小さじ1と2/3)
  • 湯(肉を煮る用)600ml

合わせて練る

  • 湯(仕上げ用)300ml
  • 塩(仕上げ用)14g(小さじ2と1/3)
  • ガラム・マサーラー(Amazon|楽天)3g(小さじ1と1/2)

仕上げのギー

薬味

  • 揚げ玉ねぎ(手順4で作ったものの半量)約45g
  • しょうが(せん切り)15g
  • 青唐辛子(小口切り)4本(12g)
  • パクチー(コリアンダーの葉)(刻む)10g
  • ミントの葉5g
  • チャート・マサーラー(Amazon|楽天)2.4g(小さじ1)
  • レモン(くし形に切る)1個

道具

  • 厚手の鍋(肉用)(ふたつき。容量5L以上。最後にすべてを合わせて練る鍋)
  • 鍋(麦用)(ふたつき。容量3L以上)
  • 鍋(豆用)(ふたつき。容量2L以上)
  • ハンドブレンダー(ミキサーでもよい(手順8を参照))(Amazon|楽天)
  • 木べら(柄の長いもの)
  • フォーク(2本)
  • 鍋つかみ
  • 小さなフライパン
  • 料理用温度計(肉に刺して中心の温度を測るもの)(Amazon|楽天)
  • 圧力鍋(なくてもよい。使うときは「圧力鍋で作るとき」を参照)(Amazon|楽天)

作り方

  1. 麦と豆を水に浸す(前の日)

    小麦(粒)120gと押し麦60gを合わせ、水を替えながら2〜3回洗ってボウルに入れ、水(麦の浸水用)600mlを注ぐ。チャナー・ダール80g、レッドレンズ豆50g、ウラド・ダール50gを合わせ、同じように洗って別のボウルに入れ、水(豆の浸水用)500mlを注ぐ。どちらもラップをして、冷蔵庫で8時間〜一晩おく。

  2. 下ごしらえをする

    牛すね肉400gは4〜5cm大に切り、キッチンペーパーで水気をふく。生の肉をさわった手と包丁、まな板は、すぐに洗剤で洗う。玉ねぎ250gは縦半分に切ってから、繊維に沿って2〜3mm幅の薄切りにする。小さな器にレッドチリパウダー5g、ターメリックパウダー1.5g、コリアンダーパウダー4g、クミンパウダー2gを入れ、水(スパイス用)30mlで溶く。薬味のしょうが15gはせん切り、青唐辛子4本は小口切り、パクチー10gは刻み、ミントの葉5gは茎から摘み、レモン1個はくし形に切って、冷蔵庫に入れておく。

  3. 麦を煮る

    小麦と押し麦をざるに上げて浸水の水を捨て、鍋(麦用)に入れる。水(麦を煮る用)1.2Lを加えて強火にかけ、煮立って白い泡が浮いてきたらすくう。ごく弱火にし、ふたを1〜2cmずらしてのせ、1時間30分〜2時間煮る(この記事の目安)。20分ごとに鍋底から混ぜる。小麦の粒が割れて白い中身がのぞき、指で軽くつぶせるようになればよい。肉を煮ているあいだも、この鍋は並行して煮続ける。

  4. 玉ねぎを揚げる

    換気扇を回す。厚手の鍋(肉用)にサラダ油90gを入れて中火で熱し、玉ねぎ250gを加える。熱い油に水分の多い玉ねぎが入るので、油はねに気をつけ、顔を離して入れる。ときどき混ぜながら12〜15分、濃いきつね色になるまで揚げ焼きにする。後半は急に色づくので、弱めの中火にして混ぜる回数を増やし、黒く焦がさない。網じゃくしで半量(約45g)を取り出し、キッチンペーパーに広げる(薬味用。冷めるとカリッとする)。残りの玉ねぎと油は鍋に残す。

  5. マサーラーと肉を炒める

    鍋を弱めの中火にし、しょうが(すりおろし)10gとにんにく(すりおろし)10gを加えて30秒〜1分炒める。手順2で水30mlに溶いたスパイスを加える。はねやすいので、ふたを手に持って加える。鍋底から混ぜながら1〜2分炒める。強めの中火にし、牛すね肉を鍋の縁から静かに加える。油がはねるので顔を離す。塩(肉用)10gを加え、混ぜながら5〜7分、肉の表面の色が変わるまで炒める。

  6. 肉を煮る

    湯(肉を煮る用)600mlを加えて、鍋底をこそげる。強火にして煮立ったらふたをし、ごく弱火で2時間〜2時間30分煮る(この記事の目安)。煮汁の表面がときどきふつふつする程度に保ち、30分ごとに鍋底から混ぜる。火をつけたまま家を空けたり眠ったりしない。いちばん大きい肉をフォークで押して、繊維がほろりとほぐれるようになったら次に進む。

  7. 豆を煮る

    肉を煮ているあいだに、豆をざるに上げて浸水の水を捨て、鍋(豆用)に入れる。水(豆を煮る用)500mlを加えて中火にかけ、煮立って白い泡が浮いてきたらすくう。泡は鍋の縁からあふれやすいので、目を離さない。弱めの中火にし、ふたを1〜2cmずらしてのせ、ときどき鍋底から混ぜながら40〜50分、チャナー・ダールが指で軽くつぶせるまで煮る。

  8. 麦と豆をつぶす

    麦の鍋と豆の鍋の火を止め、それぞれ2〜3分おいて煮立ちを落ち着かせる。鍋つかみで鍋を押さえ、ハンドブレンダーの刃を中身に沈めてからスイッチを入れる。刃を沈めたまま動かし、止めてから引き上げる。麦は粒が細かく残るくらいの粗いペーストに、豆はなめらかにする。ミキサーを使うときは、容器の半分以下ずつ入れ、ふたの中央のキャップを外してふきんをかぶせ、手で押さえて回す。

  9. 肉の火の通りを確かめて、ほぐす

    肉の鍋の火を止め、いちばん大きい肉を1つ取り出して、いちばん厚いところに温度計を刺し、75℃以上になっていることを確かめる(厚生労働省の目安は、肉の中心部を75℃で1分間以上加熱すること)。温度計がないときは、肉を半分に切り、中まで色が変わって赤い部分がなく、出てくる汁が透明なことを確かめる。足りないときは、肉を鍋に戻し、ふたをして弱火で10分ずつ煮て、そのつど確かめる。火が通っていたら、トングで肉をすべてボウルに取り出し(煮汁は鍋に残す)、フォーク2本で繊維に沿って細かくほぐす。肉は熱いので、素手でさわらない。

  10. 合わせて練る

    肉の鍋に、ほぐした肉、麦のペースト、豆のペースト、湯(仕上げ用)300ml、塩(仕上げ用)14g、ガラム・マサーラー3gを加え、木べらで混ぜる。弱火にかけ、ふたを少しずらしてのせ、30〜40分練る。数分ごとにふたを取って、鍋底を木べらでこそげながら、押しつぶすように全体を混ぜる。とろみが強いので、ふつふつと泡がはじけて熱い中身が飛ぶ。鍋つかみをつけて柄の長い木べらを使い、顔を鍋に近づけない。肉の繊維が全体に散って、木べらですくうとゆっくり落ちる、ぽってりしたかたさになればよい。火を止める。

  11. ギーを熱してかける

    小さなフライパンにギー39gを入れて中火で熱し、全体が溶けて表面がゆらゆらしてきたら火を止める。煙が出るまで熱しない。鍋のハリームの表面に、ギーを回しかける。熱いギーが水分に当たってはねるので、鍋から顔を離して注ぐ。

  12. 薬味をのせる

    器にハリームを盛り、手順4で取り分けた揚げ玉ねぎ約45g、しょうが(せん切り)15g、青唐辛子4本、パクチー10g、ミントの葉5gをのせ、チャート・マサーラー2.4gを振る。くし形に切ったレモン1個分を添え、食べる直前に搾る。

焼きたてのナーンをちぎって、すくって食べます。レモンは食べる直前に搾ります。

麦と豆と肉を、別々に煮てから合わせる

柔らかくなるまでの時間が、材料ごとに違う

この記事の配合では、一晩水に浸した小麦の粒が割れて中までつぶせるようになるまで、ふたをずらした鍋で1時間30分〜2時間かかります。皮をむいて割った豆は40〜50分、牛すね肉はフォークでほぐれるまで2時間〜2時間30分です(どれもこの記事の目安)。

今回読んだレシピも、麦と豆を別々に煮ています。ジャングのシャーヒー・ハリームは小麦とそれぞれの豆を別に、シーリーン・アンワルのレシピは小麦と大麦を一緒に、豆を別に煮て、肉もスパイスと別に煮てから合わせます。この記事でも、麦の鍋と豆の鍋に分け、肉も別の鍋で煮て、手順10でひとつにまとめます。

麦は粗めに、豆はなめらかに

手順8で麦を粗めにつぶすのは、粒の食感を少し残すためです。豆はなめらかにつぶします(どちらもこの記事の判断)。

練る工程は、焦げつきとはねに気をつける

シーリーン・アンワルのレシピは、合わせたものをよくつぶしながら、少なくとも30分煮るとしています。とろみが強いので、鍋底が焦げつきやすく、ふつふつと泡がはじけて熱い中身が飛ぶことがあります。手順10で、弱火にして数分ごとに鍋底をこそげ、ふたを少しずらしてのせ、鍋つかみをつけて柄の長い木べらで混ぜるのはそのためです。顔を鍋に近づけないでください。

ハイダラーバードのハリームとの違い

インド南部の都市ハイダラーバードにも、ハリームの名物があります。今回読んだ英語の情報源の説明と、パキスタンのレシピを比べると、次のような違いがあります。

  • 肉:アメリカの公共ラジオ NPR の記事で、スシュミター・パータクは、ハイダラーバードのハリームを、山羊肉、粗くひいた小麦、3種類の豆で作る料理として紹介しています。英語版ウィキペディアは、主な材料に山羊肉を挙げ、牛肉や鶏肉で作ることもあるとしています。今回読んだパキスタンのレシピは、牛肉か鶏肉でした。
  • 肉と麦の割合:同じ NPR の記事は、ハイダラーバードのハリームが2010年にインドの地理的表示(産地の名前を守る制度)に登録されたことを紹介し、食の歴史家コリーン・テイラー・センの説明を引いています。それによると、本物を名乗るには、山羊肉を使い、肉と小麦の割合を10対4にし、純粋なギーを使い、銅の鍋で薪を使って12時間煮る必要があります。今回読んだパキスタンの牛肉のレシピは、肉1kgに対して小麦を0.25〜0.5kg使い、そこに大麦や豆を加えて、麦と豆の合計は0.7〜1.25kgになります。NPR の記事が引くセンの説明は、豆の割合には触れていません。
  • 煮方とつき方:NPR の記事によると、ハイダラーバードの店では、肉と青唐辛子を8時間近く煮てから、ほかの材料を加えます。そのあと二人一組の料理人が、先に木の板をつけた長い棒で30分ほどついて、なめらかにします。スパイスには、シナモン、黒こしょう、クミン、カルダモン、キャラウェイ、ばらの花びらなどを使う、としています。
  • 添えるもの:英語版ウィキペディアは、ハイダラーバードのハリームを、ギーを使ったグレービー(ソース)、ライム、パクチー、ゆで卵、揚げ玉ねぎと一緒に出すとしています。

ハイダラーバードへの伝わり方について、インドの歴史家ラーナー・サフヴィーは、ニザームがイエメンのハドラマウトから護衛として雇ったアラブ人「チャーウシュ」が持ち込んだと書いています。チャーウシュが住んだ兵舎(バラックス)が、いまのバルカスという地名になった、としています。サフヴィーは、ハリームは見た目と、ある程度は味も、アラブのハリースに似ていると書いています。NPR の記事では、歴史家サッジャード・シャーヒドが、ハイダラーバードのニザームは17世紀からイエメンの男たちを傭兵として雇っていたと話しています。記事は、その男たちが故郷の料理ハリースを作り、それがいまのハリームの祖先になった、としています。

アラブ・ニュースのパキスタン版によると、ハイダラーバードに移り住んだ中東の人々の子孫は、分離独立のあとカラチに移り、いまのハイダラーバード・コロニーと呼ばれる地区に住みました。この地区には、小麦と、山羊肉かマトンでハリースを作って売る店があり、ラマダーンには、パキスタンのさまざまな人々が断食明けの食事にハリースを求めて来る、と記事は書いています。

地域や家庭による違い

  • 鶏肉で作る:ジャングの「チキン・ハリーム」は、骨なしの鶏肉を少ない水で柔らかく煮て、茶色く揚げた玉ねぎとヨーグルトで作ったマサーラーと一緒につぶします。豆はチャナー、ムング、マスール、アルハル、マーシュの5種類で、米と一緒に煮てつぶします。同じジャングの別のチキン・ハリームは、材料に小麦、大麦のダリヤー(ひき割り)、4種類の豆、米を挙げています。
  • 大麦を使わない:ジャングのシャーヒー・ハリームは大麦を使わず、小麦と、マーシュ、チャナー、マスール、アルハルの4種類の豆を、それぞれ1パーオ(約250g)ずつ、肉1kgに合わせます。
  • 鶏のスープで煮る:Hamariweb のレシピは、つぶした豆と牛肉を、チキン・ヤフニー(鶏のスープ)と水で煮ます。仕上げに、玉ねぎを揚げた油をかけます。
  • ギーの使い方:シーリーン・アンワルのレシピは、ギーで玉ねぎを薄いきつね色に炒め、その油を玉ねぎごと上からかけます。

圧力鍋で作るとき

麦を煮る手順3と、肉を煮る手順6は、圧力鍋を使うと時間を短くできます。消費者庁は、圧力鍋に入れる量を、水と食材を合わせて鍋の2/3以下、豆類は水と合わせて1/3以下にするよう呼びかけています。麦や豆を煮るときは、使う鍋の取扱説明書にある量の上限と加圧の時間に従ってください。消費者庁は、使う前に蒸気口などに詰まりがないかを確かめ、鍋の中の圧力が下がったことを確かめてからふたを開けるようにも呼びかけています。ふたは無理に開けません。とろみのついた手順10は、圧力鍋ではなく、ふつうの鍋で練ります。

手に入りにくい材料の代用

  • 小麦(粒):パキスタンでは、ハリーム用の小麦が売られています。日本では、粉にひいていない小麦の粒が「玄麦」などの名前で通信販売されています。手に入らなければ、押し麦を120g増やして、押し麦だけで180gにします。食感は変わります。押し麦は早く煮えるので、手順3は1時間を目安に、指で軽くつぶせるかどうかで確かめます(この記事の目安)。
  • 牛すね肉:牛肩肉(骨なし)400gで代用できます。羊肉や鶏肉で作るときは、手順6の時間を短くし(ラムは1時間〜1時間20分、骨なしの鶏もも肉は40〜50分。どちらもこの記事の目安)、フォークでほぐれるかどうかと、手順9の中心の温度で確かめます。
  • ウラド・ダール、チャナー・ダール:どちらかが手に入らなければ、手に入るほうかレッドレンズ豆を同じ量増やします。レッドレンズ豆は浸水しなくてもよく、手順7は25〜30分で煮えます。
  • ギー:食塩不使用バターを使えます。焦げやすいので、手順11は弱めの中火で溶かし、泡が落ち着いたら火を止めます。
  • 青唐辛子:日本の青唐辛子でよく、夏から秋に出回ります。手に入らなければ省き、レッドチリパウダーを小さじ1/2(1.3g)増やします。
  • しょうが・にんにく:チューブのものは塩分などを含むので、この記事では生をすりおろして使います。

保存

農林水産省は、カレーやシチュー、煮物のような煮込み料理では、ウェルシュ菌による食中毒が起きやすいとしています。ウェルシュ菌は熱に強い芽胞(がほう)という形をつくるので、鍋などで加熱調理しても生き残り、加熱したあと室温で冷まして置いておき、もう一度温めた料理が原因になりやすい、としています。農林水産省は、室温に置かず、できるだけ作った日のうちに食べきること、残すときは浅い容器などに小分けして早く冷ましてから冷蔵・冷凍すること、温め直すときは鍋底から混ぜて中心まで加熱することを勧めています。

  • 冷蔵:食べきれない分は、薬味をのせる前に浅い保存容器に小分けし、あら熱が取れたらすぐ冷蔵庫へ。大きな鍋のまま室温に置かない。2日。冷えると固くなるので、温め直すときは1人分に湯50mlを足し、鍋で鍋底から混ぜながら、中心まで十分に温めます
  • 冷凍:小分けした状態で1か月。冷蔵庫で解凍してから、冷蔵と同じように温め直します。薬味は食べる直前にのせます

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。