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ラージマー日本では「ラジマ」ともRajma レシピ

राजमाラージマー

地域
北インド(パンジャーブ、デリー、ジャンムー)
分量
4人分
公開
金属の皿にご飯と盛ったラージマー。赤茶色の汁で煮た赤いんげん豆に、しょうがのせん切りと刻んだパクチーがのっている。奥に小鉢のラージマーと、紫玉ねぎとレモンの小皿

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ラージマーは、赤いんげん豆を玉ねぎとトマトとスパイスで煮込んだ、北インドの家庭料理です。炊いたご飯にかけて食べる組み合わせは「ラージマー・チャーワル」と呼ばれ、パンジャーブやデリーの家庭でおなじみです。汁は赤茶色で、豆はほっくりと柔らかく、とろみのある汁がご飯によくなじみます。

家庭では、乾燥した豆を一晩水に浸し、圧力鍋で芯まで柔らかく煮てから、玉ねぎとトマトのマサーラー(スパイスを炒めたソースのもと)と合わせて煮込みます。赤いんげん豆は、煮え方が足りないと食中毒を起こすことがあります。この記事では、浸した水を捨て、ふたをせずに10分以上沸騰させてから圧力をかけ、芯まで煮えたことを確かめてから次に進む手順にしています。

ラージマーとは

ヒンディー語では「ラージマー」(राजमा)と書きます。赤いんげん豆そのものの名前で、それを煮た料理の名前でもあります。インドの料理サイト、ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語版は、見出しに「ラージマー」「ラージマー・マサーラー」「ラージマー・カリー」「パンジャービー・ラージマー」を並べています。ご飯はヒンディー語でチャーワルといい、ご飯と合わせると「ラージマー・チャーワル」になります。

北インドのふだんの食事

ヘッバールズ・キッチンは、ラージマーを北インド、またはパンジャーブの人気のカリーとし、ラージマー・チャーワルを多くの北インドの家庭の主食と紹介しています。インドの料理家サンジーヴ・カプールも、多くのパンジャーブの人の好物としています。ヒンディー語のニュース専門テレビ局アージ・タクのサイトの記事は、ラージマー・チャーワルは特にパンジャーブ、デリー、ジャンムー・カシュミールで好まれ、緑のチャトニーや漬物を添えると書いています。

インドの料理家クナール・カプールは母のパンジャーブ風の作り方として、シェフのランヴィール・ブラールは「Mom’s Style」と題して、ラージマー・チャーワルのレシピを載せています。インドの料理サイト、アルチャナズ・キッチンは、日曜日の昼食の献立として、ご飯と野菜の炒め煮(サブズィー)と合わせる食べ方を挙げ、パーパド(豆の粉の薄焼き)や玉ねぎのピクルスを添えることも勧めています。

中米から来た豆

厚生労働省の資料によると、いんげん豆は中央アメリカが原産とされ、白いんげん豆と赤いんげん豆は学術的には同じ植物の種とされています。英語版ウィキペディアは、ラージマーという料理は、赤いんげん豆がメキシコからインド亜大陸に持ち込まれたあとに生まれた、としています。いつ、どのように持ち込まれたかは書かれていません。

同じ英語版ウィキペディアによると、インドでは北部の山地、ヒマーチャル・プラデーシュ州、ウッタラーカンド州、ジャンムー地方で、よいラージマーがとれるとされています。

この記事の作り方

インドのレシピは、豆の煮方で大きく二つに分かれます。ヘッバールズ・キッチンと、ジャイプルのヒンディー語のニュースサイト「ザ・インディア・ムーブズ」のレシピは、浸した豆を塩水で先に圧力鍋で煮てから、別に作ったマサーラーと合わせます。ブラールの「Mom’s Style」のレシピも、豆を先に煮ます。一方、クナール・カプールとサンジーヴ・カプールは、マサーラーを作った圧力鍋に浸した豆と水を入れ、一緒に圧力をかけて煮ます。

この記事は、ヘッバールズ・キッチンのヒンディー語のレシピを軸にして、豆を先に煮る作り方にしました。豆が芯まで煮えたことを、マサーラーと合わせる前に確かめられるからです。豆を煮る水にテージ・パッター(インドのベイリーフ)とブラックカルダモンを入れ、マサーラーの粉のスパイスにアムチュール(青いマンゴーの粉)を少し加えるのも、ヘッバールズ・キッチンにならったものです。仕上げのしょうがのせん切りは、ブラールの「Mom’s Style」のレシピからとりました。

ラージマーのレシピ:材料(4人分)

下ごしらえ 10時間15分(浸水を含む) 加熱 1時間30分(圧が下がるのを待つ時間を含む)

スパイスの配合 4人分で計13.9g
  • クミン3g
  • カシュミーリー・チリ2.5g
  • コリアンダー2g
  • ターメリック1.3g
  • アムチュール1.3g
  • ブラックカルダモン1g
  • ガラム・マサーラー1g
  • シナモン0.7g
  • クローブ0.5g
  • テージ・パッター0.3g
  • カスーリー・メーティー0.3g

豆を浸す

  • ラージマー(赤いんげん豆)(乾燥したもの)(Amazon|楽天)200g
  • 水(浸水用)800ml

豆を煮る

  • 水700ml
  • テージ・パッター(インドのベイリーフ)(Amazon|楽天)1枚(0.3g)
  • ブラックカルダモン(ホール)(Amazon|楽天)1個(1g)
  • 塩6g(小さじ1)

マサーラー

  • ギー(Amazon|楽天)26g(大さじ2)
  • クミン(ホール)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • シナモン(ホール)(Amazon|楽天)2cm(0.7g)
  • クローブ(ホール)(Amazon|楽天)5個(0.5g)
  • 玉ねぎ(みじん切り)200g(中1個)
  • しょうが(すりおろし)10g(小さじ2)
  • にんにく(すりおろし)10g(小さじ2)
  • 青唐辛子(生)(縦に切り目を入れる)1本(5g)
  • 完熟トマト400g(中3個)

粉のスパイスと塩

  • ターメリック(パウダー)(Amazon|楽天)1.3g(小さじ1/2)
  • カシュミーリー・チリパウダー(Amazon|楽天)2.5g(小さじ1)
  • コリアンダー(パウダー)(Amazon|楽天)2g(小さじ1)
  • クミン(パウダー)(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • アムチュール(パウダー)(青いマンゴーの粉)(Amazon|楽天)1.25g(小さじ1/2)
  • ガラム・マサーラー(Amazon|楽天)1g(小さじ1/2)
  • 塩6g(小さじ1)

仕上げ

  • カスーリー・メーティー(Amazon|楽天)0.3g(小さじ1)
  • パクチー(コリアンダーの葉)(粗く刻む)5g(大さじ2)
  • しょうが(せん切り)5g

道具

  • 圧力鍋(容量4.5L前後。ない場合は「手に入りにくい材料の代用」を参照)(Amazon|楽天)
  • 厚手の鍋(直径20〜24cmほど)
  • ハンドブレンダー(ミキサーでもよい)(Amazon|楽天)

作り方

  1. 豆を浸す

    ラージマーを、水を替えながら3〜4回洗い、浮いた豆や小石を取り除く。ボウルに入れて水(浸水用)800mlを注ぎ、10〜12時間浸す。暑い時期(室温が25℃を超えるのが目安)は冷蔵庫に入れて浸す。ざるにあけて浸した水は捨て、さっと洗う。

  2. 圧力鍋で煮る

    ブラックカルダモンは指で押してさやを割る。圧力鍋に豆、水700ml、テージ・パッター1枚、ブラックカルダモン1個、塩6gを入れる。豆と水が、取扱説明書にある豆を煮るときの上限を超えないようにする。ふたをせずに強火にかけ、沸いたら浮いた泡を取りながら、ふたをしないまま10分以上ぐらぐらと沸騰させる。それからふたをし、圧力がかかったら弱火にして20分加圧する。20分はこの記事の目安で、必要な時間は圧力鍋の機種や豆の古さで変わる。取扱説明書に豆の加圧時間があれば、それも参考にする。火を止め、圧力が自然に下がるまで15〜20分おく。おもりを動かしたり、ふたを無理に開けたりして急に圧を抜かない(熱い汁と泡が吹き出す)。

  3. 芯まで柔らかいか確かめる

    ふたを開け、豆を5〜6粒取り出して指で押す。どれも軽くつぶれて、芯が残っていなければよい。硬い粒があれば、もう一度ふたをして5〜10分加圧し、同じように確かめる。ラージマーは加熱が足りないと食中毒を起こすことがあるので、硬さが残るうちは先に進まない。テージ・パッターとブラックカルダモンを取り出す。煮汁は捨てない。

  4. 下ごしらえをする

    豆を煮ているあいだに、完熟トマト400gをざく切りにし、ハンドブレンダーでなめらかなピューレにする。玉ねぎをみじん切りにし、しょうがとにんにくをすりおろし、青唐辛子に縦に切り目を入れる。

  5. ホールスパイスと玉ねぎを炒める

    厚手の鍋にギー26gを中火で熱し、クミン2g、シナモン2cm、クローブ5個を入れて、泡が立って香りが出るまで20〜30秒加熱する。玉ねぎ(みじん切り)200gを加え(油がはねるので顔を近づけない)、ときどき混ぜながら10〜12分、こんがりときつね色になるまで炒める。しょうが(すりおろし)10g、にんにく(すりおろし)10g、青唐辛子1本を加えて1分炒める。

  6. トマトを煮詰める

    トマトのピューレを加える。はねやすいので、鍋から顔を離して注ぐ。ふたをして弱めの中火で10分煮る。ふたを取って中火にし、ときどき混ぜながら3〜5分、とろみがついて鍋の縁にギーがにじみ出るまで煮詰める。

  7. 粉のスパイスと塩を加える

    弱火にし、ターメリック1.3g、カシュミーリー・チリパウダー2.5g、コリアンダー2g、クミン(パウダー)1g、アムチュール1.25g、ガラム・マサーラー1g、塩6gを加える。焦がさないように混ぜながら1分、香りが立つまで炒める。

  8. 豆と合わせて煮込む

    豆を煮汁ごと加えて混ぜる。中火で煮立ったら弱火にし、ふたを2〜3cmずらしてのせ、15〜20分煮る。底が焦げつかないように、5分ごとに底から混ぜる。途中で、お玉の背で豆の5分の1ほどを鍋の側面に押しつけてつぶす。お玉ですくうと、汁がとろりと落ちる濃さになればよい。

  9. 仕上げる

    カスーリー・メーティー0.3gを手のひらでもみながら加え、ひと混ぜして火を止める。器に盛り、パクチー5gとしょうが(せん切り)5gを散らす。

炊いたバースマティー米に汁ごとかけて、ラージマー・チャーワルとして食べます。ローティー(全粒粉の薄焼きパン)にも合います。

料理科学:ラージマーを浸して、しっかり煮る理由

赤いんげん豆は、生煮えだと食中毒を起こす

カナダ保健省は、生や加熱が足りない赤いんげん豆には、フィトヘマグルチニンというたんぱく質(レクチンの一種)が多く含まれることがある、としています。食べると1〜3時間ほどで強い吐き気が起こり、おう吐や下痢が続きます。

日本でも、2006年にテレビ番組で紹介されたダイエット法をきっかけに、白いんげん豆による健康被害が起きました。厚生労働省の発表(2006年5月22日の集計)によると、患者は158人で、その多くは番組で紹介された、2〜3分煎って粉にする方法で豆を食べていました。横浜市の検査では、患者が食べた煎り豆には生の豆と同じくらいのレクチンが残り、1時間ゆでた豆にはレクチンの働きが見られませんでした。厚生労働省は、豆の中心まで火が通っていなかったための中毒と推定しています。

浸した水を捨て、沸騰させてから圧力をかける

カナダ保健省は、乾燥した赤いんげん豆を、豆の2〜3倍の量の水に5時間以上浸し、その水を捨ててから、10分以上しっかり沸騰させて煮るよう勧めています。スロークッカーは温度が十分に上がらず、レクチンが壊れないので、乾燥した赤いんげん豆を煮るのに使わないよう書いています。厚生労働省も、水に十分浸してから、沸騰した状態で柔らかくなるまで十分に煮るのが、ふつうの調理法だとしています。

手順1で、豆200gに対して水800mlに浸し、浸した水を捨てるのはそのためです。インドのレシピには、アルチャナズ・キッチンのように浸した水ごと煮るものもありますが、この記事ではカナダ保健省の勧めにしたがって捨てます。カナダ保健省の資料は、圧力鍋には触れていません。そこで手順2では、ふたをせずに10分以上しっかり沸騰させてから、ふたをして加圧します。加圧の20分は、ヘッバールズ・キッチンの、インドの圧力鍋のおもりが6回鳴るまで、または豆が柔らかくなるまで煮る、という作り方をもとにした、この記事の目安です。必要な時間は圧力鍋や豆によって変わるので、手順3で豆が芯まで柔らかいことを確かめてから、次に進みます。

一晩浸すと、柔らかく煮える

ヘッバールズ・キッチンは、ラージマーは煮る前に少なくとも8時間浸すべきで、そうしないと煮るのにとても時間がかかる、としています。レシピでは12時間浸し、一晩浸すことを勧めています。ザ・インディア・ムーブズのレシピも8〜10時間、または一晩です。この記事の10〜12時間は、その範囲に合わせました。

豆の一部をつぶして、とろみをつける

ヘッバールズ・キッチンは、豆の一部をつぶすと汁がとろりと濃くなる、としています。そのうえで、つぶすのは必ずしも要らないとも書いています。また、少なくとも15分煮込むと、味がよくなじむとしています。手順8で豆の5分の1ほどをつぶし、15〜20分煮込むのはそのためです。豆を煮た汁を捨てずに使うので、汁にも豆の味が出ます。

家庭や地域による違い

豆の種類

ヘッバールズ・キッチンは、柔らかく煮えやすいとして、赤いラージマーを勧めています。クナール・カプールの母の作り方では、まだら模様の「チトラ・ラージマー」を使います。英語版ウィキペディアによると、ジャンムー地方のバデールワー近くのチンター渓谷でとれる豆は、粒が小さく、やや甘みがあるとされています。同じ項目では、ジャンムー地方の一部では、ラージマーをザクロのチャトニーと一緒に食べる、とも紹介しています。

マサーラーと一緒に圧力鍋で煮る

クナール・カプールとサンジーヴ・カプールのレシピは、先に圧力鍋でマサーラーを炒め、そこに浸した豆と水を加えて、一緒に圧力をかけて煮ます。ブラールのもう一つのレシピも、同じように一つの圧力鍋で作ります。洗い物が少なく、豆にマサーラーの味がしみます。この作り方でも、ふたを開けたときに豆が芯まで柔らかいかを確かめ、硬ければさらに加圧します。

油とスパイス

油の量は、レシピによってかなり違います。クナール・カプールのレシピは、豆1と1/4カップに油1/3カップを使い、こくのある仕上がりです。ザ・インディア・ムーブズのレシピは、マスタードオイルでクミンとヒング(アサフェティダ)を熱してから、玉ねぎを炒めます。ブラールのもう一つのレシピは、クローブ、黒こしょう、2種類のカルダモン、テージ・パッターを油に入れてから、玉ねぎを炒めます。

ラージマーは、ダール・マクニーにも黒いウラド豆と一緒に少し入りますが、ラージマーはこの豆が主役の料理です。同じように乾燥豆を浸して圧力鍋で煮る料理には、ひよこ豆のチョーレーや、割り豆のダール・タルカーがあります。

手に入りにくい材料の代用

  • ラージマー:インド食材店で「ラージマー」「レッドキドニービーンズ」として売られています。乾燥した金時豆(いんげん豆の一種)を同じ量使えます。金時豆も、赤いんげん豆と同じように浸した水を捨て、しっかり沸騰させて芯まで柔らかく煮ます。
  • 赤いんげん豆の水煮缶:汁気を切って480g(固形量240gの缶2缶)を使います。手順1〜3を省きます。テージ・パッター1枚とブラックカルダモン1個は、手順5でクミンと一緒にギーに入れます。手順8で、豆と水500mlを加えて煮込みます。手順7の塩は、食塩不使用の缶なら11g、食塩入りの缶なら9gにします。カナダ保健省は、缶詰の赤いんげん豆はそれ以上加熱しなくてよいとしています。
  • テージ・パッター:シナモンに近い香りの木の葉で、インドでベイリーフと呼ばれるものです。ローリエ(月桂樹の葉)を同じ枚数使います。香りは少し変わります。
  • ブラックカルダモン:大きくて黒い、燻したような香りのカルダモンです。なければ省きます。
  • カシュミーリー・チリパウダー:色が濃く、辛さは穏やかな唐辛子の粉です。パプリカパウダーを同じ量使えます。
  • アムチュール:青いマンゴーを干した粉で、酸味をつけます。なければ省き、手順9でレモン汁5ml(小さじ1)を加えます。
  • カスーリー・メーティー:乾燥したフェヌグリークの葉です。なければ省きます。
  • ギー:食塩不使用バター30gを使います。バターは焦げやすいので、手順5は弱めの中火にします。
  • 青唐辛子(生):夏に出回る国産の青唐辛子が使えます。手に入らなければ入れずに作ります。
  • 圧力鍋がないとき:厚手の鍋に、浸した豆と水1.2L、テージ・パッター、ブラックカルダモンを入れます。塩はまだ入れません。ふたをせずに強火で沸騰させ、泡を取りながら10分以上しっかり沸騰させます。そのあとふたを2〜3cmずらしてのせ、沸騰が続く火加減(弱めの中火)にして、豆が芯まで柔らかくなるまで煮ます。時間は60〜90分が目安ですが、豆によって変わるので、手順3と同じように確かめます。豆が煮汁から出たら、熱湯を100mlずつ足します。煮上がったら煮汁を計って500mlにそろえ(多ければ取り分け、少なければ熱湯を足す)、塩6gを加えます。生の豆から、スロークッカーや保温調理で煮るのはやめます。

保存

  • 冷蔵:保存容器に入れて2日。冷えるととろみが強くなるので、温め直すときに水50mlを足し、弱火で混ぜながら温めます
  • 冷凍:手順8まで終えた状態で1か月。解凍して温め直してから、手順9を行います

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。