タッカーリ・ラサム日本では「ラッサム」ともThakkali Rasam レシピ
தக்காளி ரசம்タッカーリ・ラサム

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タッカーリ・ラサムは、トマトとタマリンドの酸味に、黒こしょうとクミン、にんにくの香りを効かせた、南インドのタミル・ナードゥの汁物です。サーンバールのような豆のとろみはありません。さらさらとした汁を、ごはんにかけて混ぜて食べます。
作り方は短時間です。コリアンダーとクミン、黒こしょうを、にんにくと一緒に粗くつぶし、テンパリングの油で炒めます。テンパリングは、熱した油でスパイスを炒めて香りを移すことです。そこへ、タマリンドの汁でもみつぶしたトマトを注ぎ、表面に泡が立ったところで火を止めます。
タッカーリ・ラサムとは
タミル語では「தக்காளி ரசம்」と書きます。タッカーリはトマト、ラサムはこの汁物を指すことばです。日本の料理サイトでは「ラッサム」と書かれることもあります。
英語版ウィキペディアは、ラサムという名前は、汁や精髄を意味するサンスクリット語の「ラサ」から来たとしています。タミル語の雑誌ヴィカタンのウェブ版に載った読者投稿の記事(2021年)も、ラサはサンスクリット語で汁の意味だと書き、タミルのヴィシュヌ派の人々はラサムを「サーッタムドゥ」と呼ぶ、と紹介しています。
英語版ウィキペディアによれば、ラサムはカンナダ語ではティリ・サール、テルグ語ではチャールと呼ばれ、タミル・ナードゥのほか、カルナータカ、アーンドラ・プラデーシュ、ケーララなどでも作られます。
起源をめぐる話
ラサムがいつどこで生まれたかについては、いくつかの説が紹介されています。インドのウェブマガジン「ホームグロウン」の記事(2022年)と、タミル語のウェブメディア「ディープ・トークス」の記事(2023年)は、どちらもマドゥライ(タミル・ナードゥ南部の古い町)を発祥とする説を紹介しています。
2つの記事は、マドゥライの料理人カルナースが、病気の王子のためにラサムを考えた、という話も伝えています。ホームグロウンはこの話を言い伝えとして紹介しています。時代については、ヴィカタンの読者投稿の筆者が、ラサムは16世紀のマドゥライで初めて作られたとする研究があると書き、ディープ・トークスの記事は、ラサムを作る習慣は14世紀に始まったという研究者もいる、と書いています。
一方で、ディープ・トークスの記事は、マンガロール(カルナータカ州の港町)が発祥だとする声もあると書いています。マンガロールでは、いまも食事の最初にラサムが出されることが、その理由とされています。ヴィカタンの読者投稿の筆者も、マンガロールの食事ではラサムが最初に出ると書いています。
ホームグロウンの記事によれば、もとはタマリンドとこしょうの汁で、トマトやカレーリーフ、ライムはあとから加わったとされています。
マリガトーニとの関係
英語版ウィキペディアによれば、イギリス系インド人の料理として知られるマリガトーニ・スープはラサムの一種で、その名前は、こしょうの水を意味するタミル語の「ミラグ・タンニ」から来ています。
アメリカの料理ウェブマガジン「テイスト」に、ベンガルールのジャーナリスト、ニキター・ヴェーヌゴーパールが書いた記事(2017年)は、食物史家K・T・アチャヤを引いて、1654年にインドに来たイタリア人ニッコラオ・マヌッチが、こしょうを入れて煮た水をすする人々のことを書き残している、と紹介しています。同じ記事は、料理書の著者ブリジット・ホワイト=クマールの話として、1700年代の終わりに、マドラス(いまのチェンナイ)に住むイギリス人がスープの皿を求め、使用人が鶏や羊のだしでこしょうのスープを作ったのが、マリガトーニの始まりだとしています。
この記事の配合
読んだタミル語のラサムのレシピは8件で、そのうち7件がトマトを使います。この記事は、タミル語のサイト「デイヴェーガム」のタッカーリ・ラサムを土台にしました。コリアンダー、クミン、黒こしょう、赤唐辛子、フェヌグリークを粗く挽き、皮つきのにんにくを加えて軽くつぶします。トマトはタマリンドの汁の中で手でつぶし、カレーリーフとパクチーも一緒にもみます。テンパリングの油で粗挽きのスパイスを炒めてから、トマトとタマリンドの汁を注ぎます。
デイヴェーガムのレシピは油が小さじ1ですが、この記事では、インドのウェブメディア、ボールドスカイのタミル語版のタッカーリ・ラサムと同じ小さじ2にしています。デイヴェーガムのレシピは水の量を書いていないので、トマトをつぶす水400mlと仕上げの水100mlは、この記事の目安です。
タッカーリ・ラサムのレシピ:材料(4人分)
下ごしらえ 25分(タマリンドを浸す20分を含む) 加熱 15分(休ませる5分を含む)
- クミン3g
- コリアンダー2.5g
- 黒こしょう2.5g
- マスタードシード1.8g
- ターメリック0.8g
- 赤唐辛子0.6g
- ヒング0.5g
- フェヌグリーク0.2g
粗挽きのスパイス
タマリンドとトマトの汁
テンパリング
作り方
タマリンドを浸す
タマリンド15gを小さくちぎってボウルに入れ、湯200mlを注いで20分おく。
スパイスを粗く挽く
スパイスミルにコリアンダー2.5g、クミン3g、黒こしょう2.5g、赤唐辛子1本、フェヌグリーク10粒を入れる。1〜2秒ずつ数回回し、粒の形が残る粗さで止める。細かい粉にはしない。にんにく15gを皮つきのまま加え、1〜2秒だけ回して粗くつぶす。すり鉢なら、スパイスを粗くつぶしてから、にんにくを加えて軽くたたきつぶす。
タマリンドの汁をこす
タマリンドを浸した湯の中でよくもみほぐす。目の細かいざるでこして汁を別のボウルに取り、ざるに残った筋と種は捨てる。
トマトをもみつぶす
完熟トマト200gはヘタを取ってざく切りにし、タマリンドの汁に加える。水400mlを足し、トマトを手でよく握りつぶす。カレーリーフ10枚とパクチー5gを加えてさらにもみ、ターメリック0.75gを混ぜる。
テンパリングをする
換気扇を回す。鍋に太白ごま油9gを中火で熱し、マスタードシード1.8gを入れる。パチパチと弾け始めたら(30秒〜1分)、種が飛ぶのでふたを半分かぶせる。弾ける音が落ち着いたら、赤唐辛子1本、カレーリーフ10枚、青唐辛子2本を加えて10秒炒める。葉と青唐辛子の水分で油がはねるので、顔を離して入れる。
粗挽きのスパイスを炒める
弱めの中火にし、手順2のスパイスとにんにくを加える。混ぜながら1分、香りが立つまで炒める。にんにくが焦げると苦くなるので、色づき始めたら次に進む。こしょうと唐辛子からむせる煙が出るので、顔を近づけない。
汁を注ぐ
手順4の汁を、トマトごと鍋の縁から静かに注ぐ(油がはねるので注意)。塩8gを加えて混ぜ、中火にする。
泡が立ったら火を止める
ふたをせずに5〜7分温める。表面に白い泡が立ち、泡の一部が割れてふつふつと煮立ち始めたら、水100ml、ヒング0.5g、パクチー5gを加えて火を止める。ぐらぐらと煮立てない。
休ませる
ふたをして5分おき、香りをなじませる。
炊いたごはんにかけ、少しずつ足しながら混ぜて食べます。ヴィカタンの読者投稿の筆者は、サーンバールのように一度にかけず、少しずつ足して混ぜるとよいと書いています。
泡が立ったら火を止める
長く煮込まない
読んだ8件のうち、イーシャ財団のタミル語のブログは、表面に泡が立ったところで火から下ろします。ボールドスカイの1件も、泡が立って軽く煮立ち始めたところで火を止めます。デイヴェーガムは、泡の一か所が割れて、しっかり煮立ち始めたところで火を止めます。ボールドスカイのもう1件も、ひと煮立ちしたら火を止めます。タミル語のレシピブログ「ラックス・キッチン」のラサム・ヴァダイも、煮立ったらすぐに火を止めています。
この記事のラサムでは、スパイスとにんにくは手順6で先に油で炒めてあります。トマトはタマリンドの汁の中でつぶしてあり、煮くずす必要がありません。手順8では、汁が温まって泡が立ち、泡の一部が割れてふつふつと煮立ち始めたところで火を止めます。
デイヴェーガムのレシピは、火を止める直前に水を少し足し、ヒングとパクチーを加えます。この記事の手順8もそれにならっています。ふたをして休ませるのは、タミル語の日刊紙ディナカランのレモンのラサムや、ラックス・キッチンのラサム・ヴァダイと同じです。
スパイスは粗くつぶし、油で炒める
デイヴェーガムのレシピは、スパイスを細かい粉にせず、少し粗めに挽くように書いています。にんにくは皮つきのまま加えて、一度だけ回します。この記事の手順2も同じです。
スパイスをそのまま汁に入れて煮ても、汁の温度は100℃前後までしか上がりません。油は、それよりずっと高い温度まで上がります。デイヴェーガムは、テンパリングの油に粗挽きのスパイスを加えて、1分だけ軽く炒めてから汁を注ぎます。ボールドスカイの1件も、ラサム・ポディ(ラサム用のスパイスの粉)を油で炒め、生の香りが抜けてから汁を注ぎます。イーシャ財団のブログのミラグ・ラサムは、スパイスを先にギーで炒ってから挽いています。この記事の手順6で、粗挽きのスパイスを1分炒めるのは、デイヴェーガムにならったものです。
地域や家庭による違い
- ミラグ・ラサム(こしょうのラサム):イーシャ財団のブログのレシピは、黒こしょうをスプーン2杯、クミンを1杯、コリアンダーを1/2杯、赤唐辛子2本をギーで炒り、水と一緒にペーストにします。トマト1個も使います。タミル語のニュースサイト「マニタン」のミラグ・ラサムはトマトを使わず、ティッピリ(ロングペッパー)を黒こしょうと一緒に炒って挽きます。
- パルップ・ラサム(豆のラサム):マニタンのパルップ・ラサムは、トゥール・ダール(皮をむいて割ったキマメ)1/4カップを圧力鍋で柔らかく煮て加えます。ボールドスカイのもう1件のタッカーリ・ラサムも、トゥール・ダール大さじ1をトマトと一緒に圧力鍋で煮ます。この記事で作るなら、トゥール・ダール30gを水300mlで柔らかく煮てつぶし、手順7で汁と一緒に加えます(この記事の目安)。
- トマトの扱い:ボールドスカイの1件は、トマトを湯で2〜3分煮てから皮をむき、手でつぶします。
- ラサム・ポディを炒って作る:ボールドスカイのもう1件は、チャナー・ダール、黒こしょう、クミン、フェヌグリーク、カレーリーフ、赤唐辛子を炒って挽き、ラサム・ポディにします。
- レモンのラサム:ディナカランのレモンのラサムは、タマリンドを使いません。トゥール・ダール100gを煮て加え、火を止めてからレモン2個の汁を加えます。
- ラサム・ヴァダイ:ラックス・キッチンのレシピは、チャナー・ダールの揚げ団子(ヴァダイ)を煮立ったラサムに入れ、15分以上おいて味を含ませます。
- 甘いラサム:ヴィカタンの読者投稿の筆者は、マンガロールのラサムはジャガリー(粗糖)で甘みをつけると書いています。
手に入りにくい材料の代用
- タマリンド:濃縮のタマリンドペーストを使うときは、手順1と3を省き、湯200mlに小さじ2を溶きます。製品によって濃さが違うので、手順8で酸味が足りなければ小さじ1ずつ足します。
- カレーリーフ:生の葉がなければ冷凍の葉を同じ枚数使います。乾燥した葉は香りが弱くなります。手に入らなければ省きます。
- ヒング:省けます。仕上がりの香りが少し軽くなります。
- フェヌグリーク:省けます。
- 赤唐辛子(ホール):日本の鷹の爪は辛みが強いので、手順2で挽く分は半分にちぎって使います。
- 青唐辛子:手に入らなければ省き、テンパリングの赤唐辛子を2本にします。
- 完熟トマト:トマトの水煮缶(ホール)200gで代用できます。水の量は変えません。
- 太白ごま油:サラダ油を同じ量使えます。
保存
- 冷蔵:保存容器に入れて2日。温め直すときは弱めの中火にかけ、泡が立ったら火を止めます
- 冷凍:1か月。冷蔵庫で解凍してから、冷蔵と同じように温め直します
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出典
- Dheivegam「தக்காளி ரசம்」(タミル語)
- Boldsky タミル語版「தக்காளி வெச்சு மணக்க மணக்க இப்படி ஒருடைம் ரசம் செய்யுங்க.. சப்பு கொட்டி சாப்பிடுவாங்க...」(タミル語)
- Boldsky タミル語版「மதியம் இந்த மாதிரி ரசம் வையுங்க.. குழம்பே கேக்கமாட்டாங்க.. ஊத்தி ஊத்தி குடிப்பாங்க..」(タミル語)
- Isha Foundation(タミル語ブログ)「மிளகு ரசம் வைப்பது எப்படி?」(タミル語)
- Manithan「இருமலை மின்னல் வேகத்தில் கட்டுப்படுத்தும் மிளகு ரசம்! கிராமத்து ஸ்டைலில் மணக்க மணக்க இனி குடிங்க」(タミル語)
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- Dinakaran「எலுமிச்சை ரசம்」(タミル語)
- Rak's Kitchen(タミル語版)「ரசம் வடை, ரச வடை செய்முறை」(タミル語)
- Vikatan「லோ பட்ஜெட் அமிர்தம்..! - ரசக் காதலர் சொல்லும் வரலாறு #MyVikatan」(タミル語)
- Deep Talks Tamil「"உடலில் ஜீரணத்தை தூண்டும் ரசம்" - விரிவான ஆய்வு அலசல்..!」(タミル語)
- Homegrown「The Origins Of Rasam: A Classic South Indian Comfort Food」(英語)
- TASTE「Rasam Is Southern India's Peppery Comfort Food」(英語)
- Wikipedia「Rasam (dish)」(英語)
- DELISH KITCHEN「「飲むスパイス」と噂のインドスープ「ラッサム」とは?詳しく解説します!」(日本語)
本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。