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スパイスと基本
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金属のスパイス入れに並んだターメリックやレッドチリパウダーなどの粉のスパイス。手前の木の台にクミン、グリーンカルダモン、クローブ、シナモン、乾いた葉、右に粉を盛った小さな器。奥に鶏肉のカレーの鍋

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スパイスからカレーを作るとき、いちばん迷うのが量です。ターメリックは小さじ何杯か。ガラム・マサーラーはどのくらいか。このサイトのインド料理のレシピを並べてみても、配合は料理ごとに大きく違います。

そこで、このサイトでインドの情報源をもとに組み立てたレシピのうち75本の分量を集計し、料理の種類ごとに、主材料500gあたりと1人分でどのくらい使っているかを、計量スプーンで量りやすい ml(cc)で並べました。数字は、知らない料理を作るときや、手元のレシピの量を見直すときの物差しとして使ってください。

集計の方法

対象にした記事

このサイトのレシピ記事のうち、地域を北・南・東・西インドとパキスタンに分類した記事から、次の75本を選びました。

  • カレー64本:汁けのある煮込みや炒め煮。鶏肉16本、羊・山羊・牛・豚9本、ひき肉(キーマーやコーフター)5本、魚介9本、豆5本、野菜・パニール20本
  • 焼き物・揚げ物11本:タンドゥーリー・チキンやシーク・カバーブなど

ネパールやスリランカの料理、ビリヤーニーなどの米料理、つけ合わせ、軽食、ピクルス、パン、飲み物、ミックススパイスの記事は入れていません。数字はこの記事を書いた時点のもので、記事を足したり見直したりすると変わります。

数えたもの

各記事の材料欄で、スパイスとして重さ(g)を付けた行を数えました。下味・ソース・仕上げなどに分かれていても、1つの料理の中で合計しています。カスーリー・メーティー(乾燥したフェヌグリークの葉)などの乾燥した葉と、芽を出させて野菜として使うフェヌグリークの種は入れていません。

  • ml への直し方:材料欄の重さを、スパイスごとの「1mlあたりの重さ」で割って ml にしました。1mlあたりの重さは、このサイトのレシピの材料欄に「2.5g(小さじ1)」のように重さと小さじ・大さじが両方書かれた行から、スパイスごとに出した中央値です。粉のスパイスでは、ターメリックが0.6g、レッドチリパウダーが0.5g、コリアンダー・クミン・ガラム・マサーラーが0.4gです。小さじ1は5ml、大さじ1は15mlです
  • 1人分:記事の人数で割った量です
  • 主材料500gあたり:材料欄の肉や魚介の重さで割り、500gあたりに直した量です。骨つき肉や殻つきのえびは、材料欄に書いた骨や殻つきの重さで計算しています
  • 乾燥豆100gあたり:豆のカレーだけ出しました
  • レッドチリパウダー:カシュミーリー・チリパウダーとレッドチリパウダーを合わせた量です。辛さがかなり違うので、あとで分けて触れます

粉とホールの分け方

ホールスパイスは、使い方で2つに分けました。

  • ホールのまま使う分:熱した油に入れて香りを移したり、粒のまま煮込んだり、衣に混ぜたりするもの
  • ホールを挽いて使う分:炒ってからスパイスミル(Amazon|楽天)やすり鉢で挽いたり、ミキサーでペーストにしたりするもの。すりこぎなどで粗くつぶす黒こしょうや、さやから出してつぶすカルダモンの種も、こちらに入れました

ブラックカルダモンのさやを軽くつぶして煮るような使い方は、ホールのまま使う分に入れています。ホールのまま使う分は、シナモンやテージ・パッターのように小さじでは量らないものが多いので、区分ごとの表には入れず、後の節で粒や枚の数で示します。

カレー64本のうち25本は、ホールのスパイスを挽いたり、つぶしたり、ペーストにしたりして使っています。粉だけを数えると、こうした料理のスパイスが少なく見えてしまいます。そこで表の「挽いたスパイスの合計」は、粉のスパイスすべて(黒こしょうの粉、ヒング、ドライジンジャー、チャート・マサーラーなども含む)に、ホールを挽いて使う分を足した量にしました。コリアンダーの行も、粉とホールを挽いた分の合計です。どちらに入るかは、各記事の手順を読んで決めました。

ホールを挽いて使う分のうち、コリアンダーやクミン、黒こしょうのように小さじで量る種は、ホールのままの1mlあたりの重さで ml にしました。カルダモンや唐辛子、シナモンのように粒や本数で量るものは、挽いた粉として、ガラム・マサーラーやレッドチリパウダーなど近い粉の値で直しています。

表の読み方

表の数字は、そのスパイスを使っている記事の量の中央値(小さい順に並べたときの真ん中の値)で、単位は ml です。そのスパイスを使わない記事は数に入れていません。数字は、2ml未満は0.1ml、10ml未満は0.5ml、それより多いものは1ml刻みに丸めています。

肉・魚介のカレー:主材料500gあたり

単位は ml(cc)です。

鶏肉 羊・山羊・牛・豚 ひき肉 魚介
ターメリック(粉) 1.6 2 2.5 3.5
コリアンダー(粉・挽いたホール) 8.5 10 10 7.5
クミン(粉) 3 2.5 5 9
レッドチリパウダー 6.5 10 7.5 7
ガラム・マサーラー 3 2.5 5 2.5
挽いたスパイスの合計 15 27 28 24

鶏肉16本、羊・山羊・牛・豚9本、ひき肉5本、魚介9本の料理から集計しました。区分ごとの中央値を小さじに直すと、主材料500gあたり次のくらいです。

  • ターメリック:1.6〜3.5ml(小さじ1/3〜3/4弱)
  • コリアンダー:7.5〜10ml(小さじ1と1/2〜2)
  • レッドチリパウダー:6.5〜10ml(小さじ1と1/4〜2)
  • ガラム・マサーラー:2.5〜5ml(小さじ1/2〜1)

ターメリック

肉のカレーでは、500gあたり2ml前後です(中央値1.6〜2.5ml)。魚介は9本すべてが使い、中央値も3.5mlと多めです。9本のうち6本は、魚やえびの下ごしらえの材料にターメリックを入れています。

鶏肉では、16本のうち10本しか使っていません。バター・チキンはターメリックを使わず、粉はカシュミーリー・チリパウダーとガラム・マサーラーだけです。

コリアンダーとクミン

コリアンダーは、区分ごとの中央値で500gあたり7.5〜10mlです。肉のカレーでは、中央値がターメリックの4〜5倍ほどです。

クミンは、粉で使う記事が少なめです。カレー64本で見ると、クミンの粉を使うのは15本、ホールのまま油で香りを出すのは32本でした。

レッドチリパウダー

区分ごとの中央値で、500gあたり6.5〜10mlです。いちばん多いのはバター・チキンの17mlで、すべてカシュミーリー・チリパウダー(Amazon|楽天)です。

同じ量でも、カシュミーリー・チリとレッドチリパウダー(Amazon|楽天)では辛さが違います。このサイトの記事では、カシュミーリー・チリを、色が濃く辛さの穏やかな唐辛子として使っています。レッドチリパウダーの量のうちカシュミーリー・チリが占める割合は、鶏肉で85%、羊・山羊・牛・豚と魚介で42%、ひき肉で38%でした。鶏肉では、レッドチリパウダーの量が多くても、その多くは辛さの穏やかなカシュミーリー・チリです。

ガラム・マサーラー

区分ごとの中央値で、500gあたり2.5〜5mlです。カレー64本のうちガラム・マサーラー(Amazon|楽天)を使うのは33本で、そのうち23本は「仕上げ」の段階で加えています。いちばん多いのはチキン・ティッカー・マサーラーの8.5mlで、ティッカーの漬けだれとソースの両方に入れています。

合計の幅が広い理由

挽いたスパイスの合計は、区分ごとの中央値で15〜28mlですが、記事ごとの幅はとても広くなります。

少ない側では、ケーララ・チキン・シチューが粉のスパイスを使いません。シナモン、クローブ、グリーンカルダモン、テージ・パッターをホールのまま油で香りを出し、粗くつぶした黒こしょう(4人分で小さじ1/2強)と一緒にココナッツミルクで煮ます。挽いたスパイスはこの黒こしょうだけで、500gあたり3mlです。アーモンドのソースで煮るバーダーミー・ムルグも、粉は黒こしょう小さじ1/2だけで、ほかには仕上げにグリーンカルダモンの種を粉にして加えます。

多い側では、チェッティナードゥ・コーリ・クランブが、ホールのコリアンダーや赤唐辛子、黒こしょうなどを炒ってからミキサーでペーストにし、500gあたり58mlを使っています。ゴーングーラ・マトンは挽いたスパイスの合計が68mlで、肉・魚介のカレーの中で最も多い量でした。粉だけで最も多いのは、ティッカーの漬けだれとソースの両方に粉を入れるチキン・ティッカー・マサーラーの37mlと、ゆで卵を包むひき肉のたねとグレービーのスパイスペーストの両方に粉を入れるナルギスィー・コーフターの36mlです。

ターメリックもレッドチリパウダーもコリアンダーも使わないカレーは、64本のうち4本ありました。上の2本のほか、フェンネルとドライジンジャー(乾燥しょうが)で香りをつけ、ヨーグルトで鶏肉を煮るカシミールのコクル・ヤフニーと、同じ重さのトマトで鶏肉を炒め煮にし、つぶした黒こしょうとクミンで仕上げるパキスタンのチキン・カラーヒーです。

1人分で見ると

人数で割った量です。単位は ml です。肉・魚介のカレーの1人分の主材料は、記事によって100〜250g(中央値150g)と幅があります。肉の量が違う料理を比べるときは、前の節の500gあたりの表のほうが向いています。

肉・魚介のカレー

鶏肉 羊・山羊・牛・豚 ひき肉 魚介
ターメリック(粉) 0.6 0.6 0.6 0.9
コリアンダー(粉・挽いたホール) 3 3 2.5 2
クミン(粉) 1.3 0.8 1.3 2
レッドチリパウダー 2 2.5 1.9 1.6
ガラム・マサーラー 1.3 1.3 1.3 0.6
挽いたスパイスの合計 6 9 7 6

羊・山羊・牛・豚では、ローガン・ジョーシュが粉だけで1人分11mlと最も多く使っています。コリアンダーは使わず、カシュミーリー・チリパウダーとドライジンジャー、フェンネルの粉が中心です。

豆と野菜のカレー

豆 野菜・パニール
ターメリック(粉) 0.5 0.4
コリアンダー(粉・挽いたホール) 2.5 1.3
クミン(粉) — 0.6
レッドチリパウダー 1.7 1.3
ガラム・マサーラー 0.6 0.6
挽いたスパイスの合計 4 3.5

豆5本、野菜・パニール20本の料理から集計しました。野菜・パニールのカレーは、20本すべてがターメリックを、19本がホールのクミンを使っています。挽いたスパイスの合計の中央値は1人分3.5mlで、肉・魚介のカレー(6〜9ml)の4〜6割ほどです。少ない例では、パーラク・パニールが粉をターメリックとガラム・マサーラーだけにして、1人分0.9mlです。

豆のカレーは、乾燥豆100gあたりでも出しました。

豆
ターメリック(粉) 1.6
コリアンダー(粉・挽いたホール) 4
クミン(粉) —
レッドチリパウダー 5
ガラム・マサーラー 1.7
挽いたスパイスの合計 10

多い2本は、どちらもホールを炒って挽くマサーラーを自分で作ります。サーンバールは、コリアンダーや赤唐辛子を炒って挽いたサーンバール・パウダーで、乾燥豆100gあたり25mlになります。チョーレーは、ホールのスパイスを炒って挽くチョーレー・マサーラーを使い、1人分10mlで豆の5本の中で最も多い量です。

ホールスパイスの量

ホールのまま使うスパイスは、カルダモンやクローブは粒、テージ・パッターは枚、シナモンは長さで量るので、ml ではなくその数で示します。カレー64本で、ホールのまま使うことの多いスパイスと、4人分で使う量は次のとおりです。表の数は「中央値(最小〜最大)」で、4人分でない記事は4人分に直しています。

スパイス 4人分あたり
クミン 3.5ml
グリーンカルダモン 3粒
クローブ 4粒
テージ・パッター 1枚
シナモン 3cm
赤唐辛子 2本
ブラックカルダモン 1個
マスタードシード 2.5ml
黒こしょう 6粒

使う記事の多い順に並べていて、いちばん多いクミンはカレー32本で使っています。4人分のクミンは小さじ3/4ほど、マスタードシードは小さじ1/2ほどです。

ホールを挽いて使う分は、使う記事では量が多くなります。シット・コディ(ゴアの魚のカレー)は、ホールのカシュミーリー・チリとコリアンダー、クミン、黒こしょうをココナッツと一緒にミキサーにかけてペーストにし、500gあたり24mlを挽いています。

焼き物・揚げ物の下味

単位は ml で、主材料500gあたりです。

焼き物・揚げ物
ターメリック(粉) 1.2
コリアンダー(粉・挽いたホール) 7.5
クミン(粉) 1.7
レッドチリパウダー 10
ガラム・マサーラー 3
挽いたスパイスの合計 14

焼き物・揚げ物では、レッドチリパウダーが中心です。11本のうち8本が使い、中央値は500gあたり10ml(小さじ2)です。その88%がカシュミーリー・チリです。ターメリックを使うのは4本だけでした。1人分で最も多いのはタンドゥーリー・チキンの11mlで、骨つきの鶏もも肉4本(皮を除いて約1kg)に、レッドチリパウダーとガラム・マサーラー、コリアンダー、クミン、黒こしょう、チャート・マサーラーを合わせています。

入れすぎると何が起きるか

この記事のために読んだ情報源には、スパイスの量の上限を数字で示したものはありませんでした。言えるのは、次の情報源が挙げていることだけです。

苦み

料理サイト Mamta’s Kitchen の掲示板では、カレーのソースが苦いという相談に、マムター(Mamta)の名前で回答があります。そこでは苦みの原因の候補として、芽が出かけたり緑色になったりした玉ねぎやにんにく、濃い茶色になるまで炒めすぎた玉ねぎやにんにく、ターメリックの入れすぎ、古くなったカレー粉(マドラス・カレーパウダー)、焦がしたスパイスを挙げています。別の投稿者は、スパイスを炒めるときに焦がすのが苦みのいちばん多い原因だと書いています。クミンの入れすぎを挙げた投稿者もいます。

ターメリックの入れすぎ

ケーララ州の新聞マラヤーラ・マノーラマの英語のニュースサイト Onmanorama は、ターメリックを入れすぎると風味が強すぎて不快な味になるとして、直し方を紹介しています。じゃがいもの薄切りを加えて余分なターメリックを吸わせる、ココナッツミルクを加える、タマリンドのペーストやレモン汁、トマトソースなどの酸味で釣り合いをとる、ヨーグルトに塩とレッドチリパウダーと水を混ぜて加える、砂糖と生クリームを加える、という方法です。

唐辛子の入れすぎ

ヒンディー語のニュース・チャンネル、アージ・タク(Aaj Tak)のサイトは、野菜の料理に赤唐辛子を入れすぎたときの直し方を挙げています。ヨーグルトや生クリームを加える(ヨーグルトは分離しないよう弱火で)、大きめに切ったじゃがいもを入れて少し煮る、レモン汁を少し加える、はちみつや砂糖、ジャガリー(さとうきびの汁を煮詰めた砂糖)を少し加える、量が少ないときは水やゆでた野菜、グレービーを足して量を増やす、ご飯やローティー、パンと一緒に出す、という方法です。

クルクミンの一日摂取許容量

ターメリックの黄色い色素クルクミンには、食品添加物(着色料)としての評価があります。国立医薬品食品衛生研究所の『食品安全情報』によると、欧州食品安全機関(EFSA)の食品添加物の専門家パネルは、2010年の再評価で、クルクミンの一日摂取許容量(ADI)を体重1kgあたり1日3mgとしました。FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)も、体重1kgあたり1日0〜3mgとしていて、上限は同じです。EFSAが2020年に出した飼料添加物の意見書も、この値を引いています。

これは着色料として加えるクルクミンについての値で、香辛料のターメリックをどれだけ使ってよいかを示したものではありません。この記事では、ターメリックの粉に含まれるクルクミンの割合は確かめていないため、ターメリックの量への換算はしません。

この記事の数字の使い方

  • 同じ区分の中央値から始める:レシピのない料理や、分量の書かれていないレシピで作るときは、近い区分の中央値を出発点にします。味をみて、次に作るときに増やしたり減らしたりします
  • 人数ではなく主材料の重さで合わせる:肉や魚介のカレーは、1人分の主材料が記事によって100〜250gと違います。手元の肉の重さに合わせて、500gあたりの表から計算します
  • ホールを挽くレシピは別に考える:炒って挽くマサーラーを作る料理は、粉だけのレシピより合計が多くなります。粉で代用するときは、レシピの手順に従います
  • 少ない量はまとめて量る:1人分のターメリックは0.5ml前後で、小さじ1/8(約0.6ml)ほどしかありません。4人分などまとめて作る量で量るか、レシピの材料欄の重さを0.1g単位で量れるはかり(Amazon|楽天)で量ると、ぶれが少なくなります

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出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。