トップ / スパイスと基本

料理名のタミル語など

地域
スパイスと基本
公開
バナナの葉に並べた南インドの食事。ご飯を囲んでサーンバール、ラサム、タマリンドのクランブの小鉢、いんげんのポリヤル、クーットゥ、きゅうりのパッチャディ、パッパダム。奥にバターミルクのコップ

この記事はAmazonアソシエイト・楽天アフィリエイトのリンクを含みます。

南インド料理の名前にも、材料と料理の種類を並べたものがたくさんあります。タッカーリ・ラサムはトマトのラサム、チェッティナードゥ・コーリ・クランブはチェッティナードゥ地方の鶏のクランブという意味です。言葉をいくつか覚えておくと、メニューを見ただけで、どんな料理か見当がつくようになります。

この用語集では、このサイトの南インドの記事の名前に出てくる言葉を中心に、南インドの4つの言葉(タミル語、マラヤーラム語、テルグ語、カンナダ語)の文字、ローマ字、意味、その言葉が入る料理を並べました。タミル語の意味は、マドラス大学の『タミル語辞典』(Tamil Lexicon)を、ウェブサイト Wisdom Library に収められた版で確かめています。カンナダ語の言葉は、カンナダ語・英語辞書の Alar で確かめました。テルグ語とマラヤーラム語の言葉は、今回は辞書を読めなかったので、英語版ウィキペディアのアーンドラ料理やケーララ料理などの項目の説明によっています。

表の見かた

  • 語:このサイトの南インドの記事と同じカタカナです。記事にない言葉は、出典の綴りと文字から、現地の発音に近い形で書きました。
  • 言語:その形を使う言葉です。同じ形をいくつかの言葉で使うものは、まとめて書きました。
  • 現地の文字:タミル文字、マラヤーラム文字、テルグ文字、カンナダ文字です。いくつかの言葉にまたがるものは「/」で区切り、言語の欄と同じ順に並べました。
  • ローマ字:このサイトの記事の題に使っている綴りです。題に出てこない言葉は、出典が使っている綴りにしました。
  • 意味:辞書や出典の説明を短くまとめたものです。
  • この語が入る料理:このサイトの記事です。記事の料理名に入っていない言葉は「-」にしました。

発音のカタカナについて、いくつか補足します。

  • タミル語の ழ(辞書のローマ字では ḻ)は、舌先を反らせて出す音です。英語の綴りでは zh と書かれ、クランブは Kuzhambu、コーリは Kozhi と綴られます。このサイトのカタカナでは、ラ行で書いています。
  • タミル語の文字は、k と g、c と s のような音を書き分けません。同じ文字でも、語の中の位置で発音が変わります。『タミル語辞典』は文字をそのまま写したローマ字を使うので、サーンバールを Cāmpār と書いています。料理名では Sambar のように、発音に近い綴りが使われます。
  • 同じものを指す言葉でも、言語ごとに形が違うことがあります。たとえばウラド豆は、タミル語でウルンドゥ、カンナダ語でウッドゥ、マラヤーラム語でウルンヌです。この用語集では、このサイトの記事に出てくる形を1行ずつ立て、ほかの言語の形は表の下の文で紹介しました。

肉・魚・卵

語 言語 現地の文字 ローマ字 意味 この語が入る料理
コーリ タミル語 கோழி Kozhi 鶏 チェッティナードゥ・コーリ・クランブ
コーディ テルグ語 కోడి Kodi 鶏 -
ナートゥ テルグ語、タミル語 నాటు / நாட்டு Naatu 土地の、在来の。ナートゥ・コーディ、ナートゥ・コーリは地鶏 -
ミーン タミル語、マラヤーラム語 மீன் / മീൻ Meen 魚 マラバール・ミーン・カリ
チェーパ テルグ語 చేప Chepa 魚。料理名ではチェーパラ(魚の)の形 チェーパラ・プルス
ムッタイ タミル語 முட்டை Muttai 卵 ムッタイ・コットゥ・パロッター
ムッタ マラヤーラム語 മുട്ട Mutta 卵 ムッタ・ポリッチャ・カレー
マーンサム テルグ語 మాంసం Mamsam 肉 -
イラッチ マラヤーラム語 ഇറച്ചി Irachi 肉 -

『タミル語辞典』は、コーリの1つめの意味をキジの仲間の鳥(gallinaceous fowl)としています。カンナダ語の辞書 Alar も、古い綴りの ಕೋೞಿ(コーリ)を、家で飼う鶏の意味で載せています。英語版ウィキペディアのクランブの項目は、コーリ・クランブを鶏のクランブとして挙げています。テルグ語では鶏をコーディと呼び、アーンドラ料理の項目は、コーディ・クーラ(鶏のクーラ)をよく食べる肉料理に挙げています。

ナートゥは、英語版ウィキペディアのナートゥ・コーディ・プルスの項目で、ナートゥ・コーディが「カントリー・チキン」、放し飼いで土地で育てた鶏を表す、と説明されています。チェッティナードゥ・コーリ・クランブの記事では、タミル語のレシピに出てくる地鶏をナートゥ・コーリと書いています。

ミーンは、『タミル語辞典』ではサンスクリット語の mīna から来た言葉で、魚という意味です。Alar も、カンナダ語の mīn を ಮೀನು(ミーヌ、魚)と同じ言葉としています。英語版ウィキペディアのケーララ料理の項目には、マラヤーラム語の料理名として、ミーン・モーリ(スパイスで煮込んだ魚)や、赤唐辛子のソースで煮たミーン・ムラキッタトゥが出てきます。このサイトではフィッシュ・モーリの名前で作り方を載せています。テルグ語のチェーパは、アーンドラ料理の項目に、チェーパラ・プルス(魚のプルス)として出てきます。

ムッタイは、『タミル語辞典』の1つめの意味が卵です。同じ辞典は、卵の意味のところにマラヤーラム語の muṭṭa(ムッタ)を、見出しにカンナダ語の moṭṭe(モッテ)を、同じ系統の言葉として挙げています。クランブの項目には、卵で作るムッタイ・クランブも載っています。テルグ語では、アーンドラ料理の項目が、卵のプルスをコーディ・グッドラ・プルス(కోడి గుడ్ల పులుసు)としています。

肉の言葉と、英語から入った言葉

テルグ語のマーンサムは、アーンドラ料理の項目では、ゴーングーラ・マーンサム(山羊や羊の肉をゴーングーラで煮た料理)の名前に出てきます。マラヤーラム語のイラッチは、ケーララ料理の項目で、肉を表す言葉と説明されています。

南インドの料理名には、英語から入ったチキン、マトン、ビーフ、フィッシュもよく使われます。アーンドラ料理の項目は、コーディ・クーラと並べて「マトン・クーラ」を挙げています。このサイトでも、ゴーングーラ・マトン、マトン・チュッカー・ヴァルヴァル、ビーフ・ウラルティヤトゥ、チキン・パッチャディなどの記事は、現地の料理名にならって英語の言葉を使っています。南アジアでは、マトンは山羊の肉を指すことが多く、そのことはゴーングーラ・マトンの記事で紹介しています。

野菜・豆・乳製品

語 言語 現地の文字 ローマ字 意味 この語が入る料理
タッカーリ タミル語 தக்காளி Thakkali トマト。辞典の1つめの意味は Indian winter-cherry と呼ばれる植物 タッカーリ・ラサム
プーサニッカーイ タミル語 பூசணிக்காய் Poosanikai 冬瓜やかぼちゃなど、ウリ科の大きな実 プーサニッカーイ・クーットゥ
ゴーングーラ テルグ語 గోంగూర Gongura ローゼル(ハイビスカスの仲間)の葉 ゴーングーラ・マトン
ウルンドゥ タミル語 உளுந்து Ulundu ウラド豆(ケツルアズキ) ウルンドゥ・ヴァダイ
ウッドゥ カンナダ語 ಉದ್ದು Uddu ウラド豆(ケツルアズキ)。料理名ではウッディナ(ウラド豆の)の形 -
カダライ タミル語 கடலை Kadalai ひよこ豆 -
パルップ タミル語 பருப்பு Paruppu 割った豆 -
パップ テルグ語 పప్పు Pappu 割った豆。それを煮た料理 -
パリップ シンハラ語 පරිප්පු Parippu 割った豆。タミル語のパルップから入った言葉 パリップ
ターイル タミル語 தயிர் Thayir ヨーグルト(ダヒー) -
モール タミル語 மோர் Mor ヨーグルトを水でのばした飲みもの(バターミルク) -

タッカーリ

『タミル語辞典』は、タッカーリの1つめの意味を Indian winter-cherry(マニッタッカーリの項を見よ、としています)、2つめの意味をトマト(シーマイッタッカーリの項を見よ)としています。同じ辞典は、カンナダ語とマラヤーラム語の takkāḷi、テルグ語の takkili を同じ系統の言葉に挙げています。Alar も、カンナダ語のタッカーリ(ತಕ್ಕಾಳಿ)をトマトとしています。クランブの項目には、トマトを多く使うタッカーリ・クランブが載っています。

プーサニッカーイとゴーングーラ

プーサニッカーイは、今回読んだ辞書では確かめられませんでした。プーサニッカーイ・クーットゥの記事で読んだタミル語のレシピは、白いもの(ヴェン・プーサニ)でも黄色いもの(マンジャル・プーサニ)でもよいとしています。白いプーサニッカーイは、日本の冬瓜と同じ植物です。

ゴーングーラは、アーンドラ料理の項目で、ローゼルの葉の漬物(ピックル)として紹介されています。ゴーングーラ・マトンの記事では、英語版ウィキペディアのゴーングーラの項目にならって、ハイビスカスの仲間のローゼルの変種と説明しています。

豆の名前

『タミル語辞典』は、ウルンドゥ(உளுந்து)を உழுந்து(ウルンドゥ)と同じ言葉とし、テルグ語の uddulu(ウッドゥル)、カンナダ語の uddu(ウッドゥ)、マラヤーラム語の uḻunnu(ウルンヌ)を同じ系統の言葉に挙げています。Alar は、カンナダ語のウッドゥを、マメ科の一年草ケツルアズキと、その黒い豆(black gram)としています。ウラド豆(Amazon|楽天)のヴァダイは、タミル語でウルンドゥ・ヴァダイ、カンナダ語でウッディナ・ヴァデ(ウラド豆のヴァデ)と呼ばれることを、ウルンドゥ・ヴァダイの記事で紹介しています。

英語版ウィキペディアの「他の言語に入ったタミル語の言葉」の項目は、シンハラ語の kaḍalē(ひよこ豆)の元になったタミル語として、カダライを挙げています。スンダルの記事に出てくるコンダイカダライ・スンダルは、ひよこ豆のスンダルです。プーリー・マサーラーの記事では、炒ったひよこ豆をポットゥカダライと呼ぶタミル語のレシピを紹介しています。

パルップは、英語版ウィキペディアのタミル料理の項目で、クーットゥに入れる豆として出てきます。テルグ語のパップは、アーンドラ料理の項目で、豆(ダール)と、それを使った料理とされています。キマメ(トゥール・ダール(Amazon|楽天))はカンディ・パップ、緑豆はペサラ・パップと呼ばれます。スリランカのシンハラ語のパリップは、同じ「他の言語に入ったタミル語の言葉」の項目で、タミル語のパルップから入った言葉とされています。タッカーリ・ラサムの記事には、豆を入れたパルップ・ラサムも出てきます。

ターイルとモール

タミル料理の項目は、ターイルを牛乳から作るふつうのヨーグルト、モールを、ヨーグルトを水でのばし、しょうがと青唐辛子、カレーリーフ、塩を入れた飲みものとしています。クランブの項目には、とろみのあるモールで、チャナー・ダールや冬瓜、オクラ、かぼちゃを煮るモール・クランブが載っています。

スパイスと香味野菜

語 言語 現地の文字 ローマ字 意味 この語が入る料理
ミラグ タミル語 மிளகு Milagu 黒こしょう -
プーンドゥ タミル語 பூண்டு Poondu にんにく -
マサーラー タミル語 மசாலா Masala スパイス。スパイスで調味した具 プーリー・マサーラー
マサーレ カンナダ語 ಮಸಾಲೆ Masale スパイス マサーレ・ドーセ
ポディ タミル語、テルグ語 பொடி / పొడి Podi 粉。炒った豆やスパイスを挽いた粉 カリヴェーパーク・ポディ

ミラグは、英語版ウィキペディアのマリガトーニの項目で、黒こしょうを表すタミル語として出てきます。イギリス系インド人の料理として知られるマリガトーニ・スープの名前は、ミラグとタンニール(水)から来た「こしょうの水」という意味だとされています。クランブの項目には、黒こしょうで香りをつけたミラグ・クランブも載っています。タッカーリ・ラサムの記事では、こしょうを効かせたミラグ・ラサムを紹介しています。

プーンドゥは、クランブの項目に、にんにくを使うプーンドゥ・クランブとして出てきます。

マサーレは、Alar では、食べものに香りをつける刺激のある植物の材料、つまりスパイスのことです。同じ辞書は、マサーレ・ドーセを、カレーの具と辛いチャトニーを添えて焼いたパンケーキの一種、と説明しています。英語版ウィキペディアのマサラ・ドーサの項目は、タミル語ではマサーラー・ドーサイ(மசாலா தோசை)と呼ぶとしています。北インドのマサーラーについては、ヒンディー語の用語集で紹介しています。

ポディは、『タミル語辞典』の1つめの意味が粉です。同じ辞典は、テルグ語とマラヤーラム語の poḍi(ポディ)を同じ系統の言葉に挙げています。アーンドラ料理の項目は、ポディを、豆を中心にした粉の薬味としています。カーラム・ポディは、イドゥリやドーサ、ウップマに添える人気のカレーパウダーとされています。カリヴェーパーク・ポディは、カレーリーフ(Amazon|楽天)のポディです。

料理の種類を表す言葉

語 言語 現地の文字 ローマ字 意味 この語が入る料理
クランブ タミル語 குழம்பு Kuzhambu タマリンドの酸味を効かせた、ご飯にかける汁気のある煮込み チェッティナードゥ・コーリ・クランブ
プルス テルグ語 పులుసు Pulusu タマリンドで酸味をつけた煮込み チェーパラ・プルス
サール カンナダ語 ಸಾರು Saaru カレー、煮込み。タミル語のクランブやラサムにあたる料理 -
サーンバール タミル語 சாம்பார் Sambar 豆と野菜をタマリンドの汁で煮た料理 サーンバール
ラサム タミル語 ரசம் Rasam 酸味と辛みのある、さらっとした汁 タッカーリ・ラサム
チャール テルグ語 చారు Charu ラサムにあたる汁 -
クーットゥ タミル語 கூட்டு Kootu 野菜と豆を合わせて、とろみがつくまで煮た料理 プーサニッカーイ・クーットゥ
アヴィヤル マラヤーラム語、タミル語 അവിയൽ / அவியல் Avial 何種類もの野菜をスパイスと一緒に蒸し煮にした料理 -
カリ タミル語、マラヤーラム語 கறி / കറി Kari ご飯と食べる、魚や肉や野菜のスパイスの料理 マラバール・ミーン・カリ
クーラ テルグ語 కూర Koora おかず、カレー -

クランブ、プルス、サール

英語版ウィキペディアのクランブの項目は、クランブを、タミル料理のタマリンドを使ったカレーとし、スープのように水っぽくも、グレイビーのように濃くも作るとしています。同じ項目によると、テランガーナとアーンドラ・プラデーシュではプルス、カルナータカではサールと呼ばれます。タミル料理の項目は、クランブを、濃く、注げるほどの、どろりとした煮込みのこととしています。

クランブの項目には、中に入れるものの名前をつけたクランブが並んでいます。ミーン・クランブ(魚)、コーリ・クランブ(鶏)、ムッタイ・クランブ(卵)、タッカーリ・クランブ(トマト)、ミラグ・クランブ(黒こしょう)、プーンドゥ・クランブ(にんにく)、モール・クランブ(バターミルク)などです。

プルスは、アーンドラ料理の項目では「酸っぱい」という意味の言葉とされ、タマリンド(Amazon|楽天)のペーストで煮た酸っぱいカレーのような煮込みと説明されています。ナートゥ・コーディ・プルスの項目も、プルスをタマリンドを使ったカレーとしています。

サーンバールとラサム

『タミル語辞典』は、サーンバールを、マラーティー語の sāmbhār から来た言葉とし、意味を dholl sauce(豆のソース)としています。タミル語の言いかえは「パルップ・クランブ」(豆のクランブ)です。名前の由来の伝承は、サーンバールの記事で紹介しています。タミル料理の項目は、サーンバールを、タマリンドと挽きたてのスパイスで作る、豆を使った野菜の煮込みとしています。

英語版ウィキペディアのラサムの項目は、ラサムという名前を、樹液、汁、精髄を意味するサンスクリット語の rasa から来たものとしています。同じ項目は、タミル語でサーッタムドゥ(சாற்றமுது)とも呼び、カンナダ語ではティリ・サール(ತಿಳಿ ಸಾರು)、テルグ語ではチャール(చారు)と呼ぶとしています。ティリは水っぽい、サールはカレーや煮込みという意味だと書いています。アーンドラ料理の項目も、チャールをラサムと同じものとしています。

クーットゥとアヴィヤル

英語版ウィキペディアのクーットゥの項目は、クーットゥを「加える」「混ぜ合わせたもの」という意味のタミル語とし、野菜と豆を合わせる料理であることを表していると説明しています。タミル料理の項目は、野菜や青菜をパルップ(豆)と煮た、少しとろみのある煮込みとしています。

アヴィヤルは、英語版ウィキペディアのアヴィヤルの項目で、「ゆでた」「水で煮た」という意味にも使われる言葉とされ、料理の作り方からこの意味が生まれたと説明されています。タミル料理の項目は、野菜とスパイスを軽く炒めてから蒸したものとしています。プーサニッカーイ・クーットゥの記事では、宴席のバナナの葉にクーットゥやアヴィヤルを盛る順番を紹介しています。

カリとクーラ

英語版ウィキペディアのカレーの項目は、英語の curry の元になった言葉として、タミル語のカリ(கறி)を挙げています。同じ項目によると、1862年のウィンズロウの『タミル語・英語辞典』は、カリを、魚や肉や野菜をスパイスで調理したもので、ご飯と食べるものとしています。同じ項目は、マラヤーラム語のカリに、辛い薬味や、肉、野菜の意味があるとしています。英語の curry は、ポルトガル語やオランダ語を経て入った可能性がある、とも書いています。

マラヤーラム語の料理名では、マラバール・ミーン・カリのように、カリを最後につけます。パリップの記事では、タミル語では豆のカレーをパルップ・カリと呼ぶことに触れています。

テルグ語のクーラは、アーンドラ料理の項目で、カレーを表す言葉とされています。プーリー・マサーラーの記事では、テルグ語のレシピが同じ料理を「プーリー・クーラ」と呼んでいることを紹介しています。

作り方を表す言葉

語 言語 現地の文字 ローマ字 意味 この語が入る料理
ポリヤル タミル語 பொரியல் Poriyal 野菜を少しの油で炒めた料理 -
ヴェープドゥ テルグ語 వేపుడు Vepudu 炒めもの、揚げ焼き(英語でフライ) -
ヴァルヴァル タミル語 வறுவல் Varuval ギーや油で炒めた料理 マトン・チュッカー・ヴァルヴァル
ウラルティヤトゥ マラヤーラム語 ഉലർത്തിയത് Ularthiyathu 汁気がなくなるまで炒りつけた肉料理 ビーフ・ウラルティヤトゥ
トーラン マラヤーラム語 തോരൻ Thoran 削ったココナッツの入った、汁気のない料理 -
パッチャディ タミル語、テルグ語、カンナダ語、マラヤーラム語 பச்சடி / పచ్చడి / ಪಚಡಿ / പച്ചടി Pachadi タミル語ではヨーグルトのあえもの、テルグ語ではチャトニーやピックル チキン・パッチャディ
トゥヴァイヤル タミル語 துவையல் Thuvaiyal 野菜や豆をすりつぶした、ペースト状の付け合わせ -
スンダル タミル語 சுண்டல் Sundal ゆでて味をつけた豆 スンダル
コットゥ タミル語 கொத்து Kothu 細かく刻んだ ムッタイ・コットゥ・パロッター、コットゥ

ポリヤルとヴァルヴァル

英語版ウィキペディアのポリヤルの項目は、ポリヤルを、野菜を炒めた、ときには軽くソテーした料理を指すタミル語としています。もとの動詞「ポリ」は、熱した鍋に少しの油を入れて炒めることだとしています。同じ項目によると、カンナダ語ではパルヤ、テルグ語ではヴェープドゥ、マラヤーラム語ではメルックプラッティと呼ばれます。タミル料理の項目は、ポリヤルを、ふつうはスパイスと削ったココナッツで野菜を汁気なく炒めたものとしています。アーンドラ料理の項目は、ヴェープドゥを、野菜やときには肉を、かりっと炒めたものとしています。

ヴァルヴァルは、『タミル語辞典』では、動詞「ヴァル」から来た言葉で、ギーや油で炒めたカリ(curry fried in ghee or oil)のことです。タミル料理の項目は、野菜や肉や魚を、スパイスと一緒に汁気なく、または油で炒ったもの、としています。

ウラルティヤトゥとトーラン

英語版ウィキペディアのケーララ料理の項目は、イラッチ・ウラルティヤトゥ(同項目の綴りは ularthiathu)を、ケーララ・ビーフ・フライとも呼ばれる、スパイスで調理した牛肉の料理としています。ケーララ・ビーフ・フライの項目も、ケーララではビーフ・ウラルティヤトゥとも呼ばれるとしています。今回読んだ情報源には、ウラルティヤトゥという言葉そのものの意味を説明したものはありませんでした。表の意味は、ビーフ・ウラルティヤトゥの記事で読んだ作り方にもとづいています。

トーランは、ケーララ料理の項目で、肉のトーランやロースト、ウラルティヤトゥを、削ったココナッツの入った汁気のない料理として並べています。英語版ウィキペディアのトーランの項目は、ケーララ北部ではウッペリとも呼ばれるとしています。

パッチャディ

パッチャディは、言語によって指すものが違います。タミル料理の項目は、タミル語のパッチャディを、にんじんやきゅうり、唐辛子、玉ねぎなどをおろしたり刻んだりしてヨーグルトと合わせた料理としています。一方で、アーンドラ料理の項目は、テルグ語のパッチャディを、野菜や青菜や豆に唐辛子を合わせたチャトニーのテルグ版としています。

英語版ウィキペディアのパッチャディの項目は、南インドではチャトニーをパッチャディと呼ぶとし、おおまかに訳すと、すりつぶした植物のことだとしています。チキン・パッチャディは、テルグ語の情報源で英語の「ピックル」(漬物)とも言いかえられている、日持ちさせる鶏肉の料理です。

トゥヴァイヤル、スンダル、コットゥ

トゥヴァイヤルは、タミル料理の項目で、野菜や豆などをすりつぶした、チャトニーのようなペーストとされています。

スンダルは、『タミル語辞典』では、動詞「スンドゥ」から来た言葉で、ゆでて味をつけた豆のことです。タミル料理の項目は、スンドゥには、乾く、煮るなどの意味がある、としています。

コットゥは、今回読んだ辞書では確かめられませんでした。ムッタイ・コットゥ・パロッターの記事では、インドの料理サイト「サイルーズ・フード」が、コットゥをタミル語で「細かく刻んだ」という意味だと説明していることを紹介しています。スリランカのコットゥも、刻んだ薄焼きパンで作る料理です。

米と豆の生地・パン

語 言語 現地の文字 ローマ字 意味 この語が入る料理
イドゥリ タミル語、カンナダ語 இட்லி / ಇಡ್ಲಿ Idli 米とウラド豆の生地を発酵させて蒸したもの イドゥリ
ドーサイ タミル語 தோசை Dosai 米とウラド豆の生地を発酵させて焼いたもの -
ドーセ カンナダ語、テルグ語 ದೋಸೆ / దోసె Dose ドーサイと同じ マサーレ・ドーセ
アットゥ テルグ語 అట్టు Attu ドーセと同じ -
ドーシャ マラヤーラム語 ദോശ Dosha ドーサイと同じ -
ヴァダイ タミル語 வடை Vadai ウラド豆の生地を油で揚げたもの ウルンドゥ・ヴァダイ
ヴァデ カンナダ語 ವಡೆ Vade ヴァダイと同じ -
ガーレル テルグ語 గారెలు Garelu ヴァダイと同じ -
パロッター タミル語 பரோட்டா Parotta 精製した小麦粉の生地を層にして焼いた平たいパン ムッタイ・コットゥ・パロッター
ポロッタ マラヤーラム語 പൊറോട്ട Porotta パロッターと同じ -
アッパム マラヤーラム語、タミル語 അപ്പം / அப்பம் Appam 米粉とココナッツミルクの発酵生地を、お椀の形に焼いたもの -
プットゥ マラヤーラム語、タミル語 പുട്ട് / புட்டு Puttu 挽いた米と削ったココナッツを重ねて、筒の形に蒸したもの -
ポンガル タミル語 பொங்கல் Pongal 米と豆の粥。「吹きこぼれる」という意味 -

イドゥリとドーサイ

タミル料理の項目は、イドゥリを米とウラド豆の発酵生地を蒸したもの、ドーサイを発酵生地を焼いたものとしています。英語版ウィキペディアのイドゥリの項目によると、イドゥリにつながる名前として、920年のカンナダ語の作品『ヴァッダーラーダネ』の「イッダリゲ」や、17世紀のタミル語の『マッチャプラーナム』の「イタリ」などが挙げられています。古い記録とインドネシアから来たという説は、イドゥリの記事で紹介しています。

英語版ウィキペディアのドーサの項目は、ドーサを、南インドのいくつもの呼び名を英語にした形としています。同じ項目によると、タミル語ではドーサイ、カンナダ語とテルグ語ではドーセ、マラヤーラム語ではドーシャと呼び、テルグ語ではアットゥとも呼びます。アーンドラ料理の項目は、アットゥを、ドーサとも呼ばれるアーンドラ・プラデーシュのふつうの朝食とし、緑豆の生地で焼くペサラットゥも挙げています。

ヴァダイ、ヴァデ、ガーレル

ヴァダイは、『タミル語辞典』では、おそらく vaḍā から来た言葉で、ウラド豆の生地をギーや油で揚げたもの(a cake made of black gram)とされています。カンナダ語の Alar は、マサーレ・ヴァデ(ಮಸಾಲೆ ವಡೆ)を、油で揚げたスパイスの効いたヴァデの一種としています。アーンドラ料理の項目は、ガーレルを、豆の生地を揚げたドーナツの形のものとしています。マラヤーラム語でウルンヌ・ヴァダと呼ぶことは、ウルンドゥ・ヴァダイの記事で紹介しています。

パロッター、アッパム、プットゥ、ポンガル

ケーララ料理の項目は、パロッター(ポロッタ)を、精製した小麦粉と油で作る層になった平たいパンとしています。日本でも冷凍のパロッター(楽天)が売られています。アッパムは、同じ項目で、米粉とココナッツミルクの発酵生地をお椀の形に焼いたパンケーキで、シチューや卵のカレーとよく合わせるとされています。ケーララ・チキン・シチューの記事でも、アッパムとの組み合わせを紹介しています。

プットゥは、ケーララ料理の項目で、挽いた米と削ったココナッツを重ねて筒の形に蒸したものとされています。英語版ウィキペディアの「他の言語に入ったタミル語の言葉」の項目は、フィリピンのタガログ語の puto(米の蒸し菓子)を、タミル語のプットゥから入った言葉としています。同じ項目は、マレー語の apam をタミル語のアッパムから入った言葉としています。

ポンガルは、英語版ウィキペディアのポンガルの項目で、タミル語で「吹きこぼれる」という意味だとされています。タミル料理の項目も、でんぷんで鍋から吹きこぼれることを表す言葉としています。ウルンドゥ・ヴァダイの記事では、南インドの食堂で、イドゥリやポンガルと一緒にヴァダイを出すことを紹介しています。

あわせて読む

スパイスと基本のほかのレシピ

出典

本文とレシピは、上の情報源を比べたうえで独自に組み立て直したものです。